派遣社員の7割が辞めたいと思ったことがある!派遣を辞めたい理由と対処方法

派遣として働きながらも、

  • 「やっぱり辞めたい」
  • 「続けられない」
  • 「やってられない…」

と思う人は少なくありません。

では、派遣社員はどんなときに「辞めたい」と思うのでしょうか。

今回は、派遣社員として働いたことのある男女596人にアンケート調査を実施し、「派遣を辞めたい」と思う理由をランキング形式でまとめてみました。

【調査概要】

  • 調査対象:全国の男女
  • 調査期間:2020年3月
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 調査人数:596人(男性203人/女性380人/未回答13人)
  • 回答者の年齢層:30代(36%)/20代(30%)/40代(23%)/50代(7%)/10代(2%)/60代以上(2%)

また、派遣を辞めたい場合の対処方法についても解説しているので、必要な場合はあわせて参考にしてみてください。

派遣社員の7割は辞めたいと思ったことがある

派遣 辞めたいと思ったことがある

派遣で働いたことのある596人に「派遣を辞めたいと思ったことがあるか?」と質問したところ、7割以上にあたる418人が「ある」と回答しました。

派遣を辞めたいと思ったことがある男女別割合

男女別で見ても、辞めたいと思ったことがある人の割合はほぼ同じでした。

派遣においては、男性は軽作業などの肉体労働、女性はオフィスワークを好む傾向があります。

しかし、「派遣を辞めたい」と思う割合は、職種や性別には関係しないことがわかります。

派遣を辞めたい理由1位は「収入面への不満」

派遣を辞めたいと思う理由

次に、派遣を辞めたいと思ったことがある418人に「なぜ辞めたいと思ったのか」質問しました。

その結果、最も多かったのは「収入面への不満・ボーナスがない(84人)」でした。

次いで「正社員との待遇の差(77人)」「正社員からの風当たり・疎外感(53人)」「雇用が不安定(48人)」「やりがいがない(43人)」と続きます。

  • 派遣先の正社員が昇給やボーナスの話をしているとき、自分の働き方を考えてしまう(40代 女性)
  • 同じ仕事をしても正社員と評価が異なったり、名前を覚えてもらえず「派遣さん」とずっと呼ばれたりすると虚無感に襲われる(30代 男性)
  • いつ切られて職を失うかわからないので毎日不安(20代 女性)
  • 担当する仕事の重要度が正社員よりずっと低く、仕事内容も限定的でスキルアップが望めない(20代 女性)

「ボーナスや昇給がない」「待遇が悪い」「やりがいがない」といった不満は、派遣である自分と同じ職場で働く正社員と比較することで、より強く感じてしまっていることが伺えます。

2020年4月から派遣社員の待遇が改善

2020年4月の派遣法改正によって、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差を解消するための「同一労働同一賃金」が導入されました。
そのため派遣社員でも、「職務の内容」や「配置の変更の範囲」などが正社員と同一の場合には、ボーナスの支給や昇給があります。
ただし支給方法は、待遇決定方式や就業規則によって異なるため、待遇差に不満がある場合は派遣会社や担当者へ確認するようにしましょう。

また、

  • 契約更新してもらえるか不安
  • 良い職場に出会えても数ヶ月後には辞めなければいけない
  • 契約終了のたびに仕事を探さなければならない

などといった、有期雇用(契約期間のある働き方)であるがゆえの不安定な雇用形態も、派遣社員を辞めたくなる大きな理由となっています。

派遣を選んだ理由は「働き方の融通がきくから」

"派遣の仕事を選んだ理由

では反対に「なぜ派遣の仕事を選んだのか」と質問したところ、最も多かった理由は「働き方の融通がきく(146人)」でした。

次いで「正社員になれなかった/転職のつなぎ(123人)」「入社のハードルが低い/すぐに働ける(74人)」「時給が良い(73人)」「気楽で責任がない(69人)」「経験が積める(57人)」「期間限定で働ける/辞めやすい(53人)」と続きます。

  • 残業も少なく、正社員の時より時間にゆとりがもてる(20代 女性)
  • 事情があり、週5で働くのが難しいため(20代 女性)
  • 選考が早くてすぐに就業できるから(30代 女性)
  • やりたいことを始めるための資金としてとにかくお金を貯めたかったが、正社員になってから辞めると会社に迷惑がかかると思い派遣で働いた(20代 女性)

「仕事と家事・子育てを両立させたい」「仕事よりも家庭生活や自分の時間を優先したい」と考える人にとって、時短勤務ができる、勤務時間や日数が選べるといった融通のきく派遣は、働きやすいと感じるようです。

また、

  • 仕事を始めやすく辞めやすい
  • 責任がない
  • 期間限定で働ける

といった、派遣ならではの「気軽さ」や「気楽さ」にメリットを感じている人が多いこともわかります。

「辞めやすい」に関しては、退職代行サービスがあるぐらい、「退職の意志を伝えるのが苦手」「会社に引き止められてなかなか辞められない」と悩む人が増えています。

運悪くブラックな会社、嫌な上司や同僚がいる職場に当たってしまった場合でも、「契約更新しない」という方法で円満に辞められることも、派遣のメリットとなっているようです。

一方で、5人に1人は「正社員になれなかったから/転職のつなぎ(123人)」のように、ほかに選択肢がないため仕方なく、または一時的な収入源として派遣の仕事を選んでいることがわかります。

派遣おすすめ派に聞いた「派遣のメリット・おすすめポイント」

「派遣を辞めたいと思ったことがない」と回答した派遣おすすめ派の178人に、「派遣のココがいい」と思うポイントについて聞いてみました。

派遣で働くメリット

最も多かったのは、「ライフスタイルに合わせて働ける(58人)」。次いで「時給が良い(26人)」「職場が合わない場合に辞めやすい(25人)」「人間関係がラク(21人)」「責任がないので気がラク(21人)」でした。

派遣は、「時短勤務」「短期派遣」「残業の有無」「勤務地」などを自分で選べます。

そのため、

  • 子どもが学校に行っている時間だけ働きたい
  • 短期集中でお金をためて旅行をしたい
  • 転勤族なので短期間で辞められる仕事をしたい
  • 本業があるので夜間と休日だけ働きたい

のように、それぞれのライフスタイルに合わせて働ける点をメリットに感じている人が多数を占めました。

特に、働く時間や期間に制限のある子育て世代にとって、働き方の自由度が高い派遣はありがたい雇用形態となっているようです。

「子どもの夏休みには仕事を入れない」というように、短期の仕事をつなぎ合わせて働けるので満足している。パートでも夏休みに1ヶ月休むことはできないので派遣ならではだと思う(40代 女性)

また、「パートやアルバイトに比べて時給が高い」「ボーナスや退職金はないけど、時給は高いので月々の手取りは悪くない」など、収入面で満足している声も聞かれます。

さらに、

  • 職場に不満があっても期間限定として割り切れる
  • ずっと働くわけではないので無理に人間関係を構築しなくてよい
  • 正社員に比べて責任のある仕事がない

のように、雇用期間に期限がある有期雇用ならではの、気楽さやストレスのなさをメリットに感じている人も多数いました。

その他の意見としては、

  • 派遣先に言いにくいことも、派遣会社を通してうまく言ってもらえる
  • 一人で職探しをしなくてもよい
  • 自力で入るのが難しい大手企業でも派遣としてなら働ける

のように派遣会社を利用すること自体にメリットを感じている人もいました。

派遣社員を今すぐ辞めたい場合の対処方法

派遣には、1ヶ月・3ヶ月といった契約期間があり、『やむを得ない事情』がない限り、契約期間中の退職は原則認められていません。

では「今すぐに辞めたい」「契約終了まで待てない」という場合はどうすればいいのでしょうか。

辞めたいときは「派遣会社の担当者」に相談する

派遣を今すぐ辞めたいときの選択肢は一択。

「派遣会社の担当者」に辞めたい旨を相談することです。

事情が納得できるものであれば、迅速に辞められるよう手配してもらえるケースもあるからです。

また理由によっては、「部署の異動」や「業務量を減らす」など、辞めずに解決できるよう交渉してくれることもあります。

詳しい辞め方について知りたい方は、「【派遣社員の退職手続き方法】円満退職へ向けた挨拶の仕方やメールの書き方を知る」の記事も参考にしてみてください。

やむを得ない事情があれば契約期間中でも辞められる

派遣は『やむを得ない事情』がない限り、契約期間の途中で辞めることは原則できません。

しかし逆に言えば、『やむを得ない事情』があれば、辞めることは可能というわけです。

■やむを得ない事情の例

  • 本人のケガや心身の不調
  • 配偶者の転勤に伴う急な引っ越し
  • 家族の介護
  • ハラスメント

やむを得ない事情に明確な定義はなく、線引きも非常に曖昧です。

ただ、「事実上どうすることもできない」「仕方ない」と思われる理由であれば、やむを得ないと判断してもらえる可能性が高くなります。

あわせて、「契約時に聞いていた仕事内容と違う」といった場合は、派遣先企業の契約違反となるため、改善がない場合は辞められます。

上記の例に当てはまる当てはまらない関係なく、まずは派遣会社の担当者へ相談してみてはいかがでしょうか。

どんなに辞めたくても「バックレ」はNG

絶対に避けたいのは、無断欠勤やフェイドアウト、いわゆる「バックレ」です。

もう行きたくない、つらすぎる、というところまで追い詰められると、「あ~、もうヤダ。このまま逃げたい」と思ってしまう気持ちはわかります。

しかし、一度バックレてしまうと、二度と仕事は紹介してもらえなくなります。

あてにしていた人員が急に欠けた派遣先企業は大変な迷惑をこうむりますし、バックレるような人材を紹介した派遣会社は信用も失ってしまうからです。

また、連絡が取れなくなった場合は、事件や事故の可能性も考えるため、派遣会社から電話やメールが何度も来るといった事態にも。

場合によっては、実家などの緊急連絡先に連絡がいくこともあります。

いろいろな方面に迷惑をかけるだけでなく、自分自身も後味の悪い思いをすることでしょう。

辞めたい理由が「やむを得ない事情」でなかったとしても、とにかく派遣会社の担当者に相談することをおすすめします。

バックレることのリスクについては、「派遣先の仕事をバックレるとどうなるのか?無断欠勤のリスクとその後の対処方法も合わせて紹介」の記事で解説しているので参考にしてください。

まとめ

派遣を辞めたいと思う理由は、主に以下の5つです。

  • 収入の低さ
  • 待遇の悪さ
  • 疎外感
  • 雇用の不安定さ
  • やりがいのなさ

正社員と比較することで、上記に挙げた内容に対してより強く不満を感じる傾向が見られます。

ただ、契約期間の途中で辞めることは基本的にはNG。

どうしてもつらくて耐えられない場合は、決してバックレたりせず「派遣会社の担当者」に相談してください。

穏便に辞める方法をとってくれたり、問題解決のために交渉してくれるケースもありますよ。

一方、派遣社員の「人間関係がドライ」「仕事に責任が伴わない」といった特徴をメリットとして捉えている人は、自由度が高くて働きやすいと感じています。

ワークライフバランスを大事にしたい人、仕事よりもプライベートや家庭生活を重視したい人、気楽に働きたい人にとっては、満足度の高い雇用形態と言えるのではないでしょうか。

当記事の監修者、社労士事務所「志」代表 村井志穂氏からのアドバイス

派遣という働き方を辞めたい理由の上位に挙がっている収入面の不安や正社員との待遇差については、同一労働同一賃金が導入されたことで解消されつつあるため、これらの理由で派遣という働き方を辞めたいという方は減っていでしょう。

これらのことが是正されることで、派遣という働き方は今までよりもメリットが感じやすくなることも考えられます。

人生100年時代と言われている昨今、正社員として一つの会社で長く働くのではなく、派遣社員として様々な企業で様々なスキルを身につけつつ、自分のやりたいことを見つけるのもお勧めです。

■監修者プロフィール
社労士事務所志 代表 村井志穂氏

社労士事務所志 代表
村井志穂(むらいしほ)氏
【社会保険労務士会登録番号】第23210035号
【愛知県社労士会登録番号】第2313540号
椙山女学園高等学校 椙山女学園大学卒業

人事労務関連のソフト会社に入社後、カスタマーサポート・マーケティング・システム開発に携わる。

社会保険労務士資格取得後は、システムエンジニアとして勤めつつ、自身の事務所を開業。システム開発の経験を活かした、Office製品を利用した業務効率化ツールの提供も行っている。


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