- 「前の派遣先は良い人たちばっかりだったのになぁ」
- 「前の派遣先に比べると、今の職場はうんざりする・・・」
- 「前の派遣先に戻りたい!でも出戻りってできるの?」
仕事内容や人間関係、待遇面など、「前の派遣先の方が良かったから戻りたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、以前に働いてた派遣先への出戻りは難しいです。
「以前働いていた派遣先に戻りたいと思ったことがある派遣社員の経験者105人」へ口コミアンケート調査を行った結果、以前働いていた派遣先へ戻れたのはわずか3.8%だったからですね。
- 調査対象:以前働いていた派遣先に戻りたいと思ったことがある派遣経験者
- 調査期間:2020年4月6日~4月7日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:105人
しかし、出戻りできないわけではありません。
当記事では、
- 以前の派遣先に出戻ることが難しい理由
- 以前の派遣先に出戻りする方法とコツ
- 派遣法やルールによって出戻りできない人
などについて紹介しています。
この記事を読めば、以前の派遣先への出戻りは難しいのと、低い確率ながらも同じ派遣会社へ戻るための方法を理解できるでしょう。
以前の派遣先へ出戻ることが難しい理由5つ
以前働いていた派遣先に出戻りが難しい理由は5つあります。
- 求人が出てこない
- すでに他の就職先が決まっている
- 通えない距離に引っ越した
- 派遣先がなくなっていた
- 以前の派遣先に戻れないルールがあった
それぞれの理由について詳しく見てみましょう。
1.出戻りしたい派遣先の求人がない
出戻りしたい派遣先の求人は、そう簡単には出てきません。
出戻りしたいと思う派遣先は、「他の派遣社員にとっても魅力的な職場」だからです。
求人が出てもすぐに埋まってしまったり、定着率がよいことから空き枠もなかなか出ないからですね。
残念ながら出戻りしたくても、求人が出なければどうすることもできません。
- 次の人が決まっていると派遣会社に言われた。
- すでに派遣先が受け入れを終了していたから戻れず。
- 戻りたいと思ったときに求人募集がなかったから諦めました。
2.すでに次の仕事をしていると出戻りは難しい
以前の派遣先へ戻りたいと思っても、すでに次の仕事をしていると出戻りは難しいです。
なぜなら、今働いている職場を簡単に辞められないからですね。
すでに新しい派遣先で働いている人の場合、契約期間中は途中で辞められません。
また直接雇用で働いている人も、退職するなら少なくても2週間前に辞めると言わなくてはならず、なかなか身動きが取れません。
正社員として働いているケースだと、派遣社員に戻ってまで前の派遣先へ戻ることを躊躇する人も多いのではないでしょうか。
- 戻るお願いをしようと思った時に、次の仕事が決まったから戻れなかった。
- 自分が今の職場を離れると現場は困ってしまうので、辞められないし戻るのは難しい。
- 正社員を辞めてまで派遣に戻ることに抵抗があり、収入を比較しても戻るのはどうかと思った。
3.引越しで職場と距離が離れて通えない
引越しを理由に派遣先を辞めた人や、派遣先を辞めてから引越した人などの出戻りは難しいでしょう。
遠方へ引越ししたことで、職場と距離が離れたことで通勤できないからです。
通える範囲内の引越しであれば出戻りできる可能性もありますが、遠方へ引っ越した場合の出戻りは諦めざるを得ません。
- 出戻りできなかった理由は、入籍を機に引っ越したため、物理的に通うことが難しかったからです。
- 子供の大学進学で一緒に引越しをしなくてはならなくなったため戻れませんでした。
4.派遣先がなくなり出戻り不可能なケースもある
派遣先がなくなり出戻り不可能なケースもあります。
派遣先の倒産や、業績悪化による事業所撤退などで、戻りたくても働く場がないからですね。
派遣先がなくなっていたら、出戻りは諦めるしかありません。
- 派遣先が閉鎖して戻れなかった。
- 派遣先が合併統合されてしまった。
- 派遣先の入っていたビルが閉館になり、派遣先店舗も同時になくなってしまったから。
5.出戻りできないルールがある
派遣会社や派遣先によっては、出戻りできないルールを設けているケースがあります。
出戻りできないルールがあると、派遣会社は以前の派遣先を紹介してくれませんし、派遣先からも断られてしまうのです。
ただし、派遣会社は出戻り不可でも、派遣先が出戻りを受け入れている場合なら、違う派遣会社を利用して戻れる可能性はありますよ。
- 派遣先の規定で「一度派遣された人は二度と派遣として入社してはいけない」というものがあり、派遣会社も相談してくれたけどだめでした。
- 一度辞めた派遣先へは基本的に戻ることはできないと言われた。
以前の派遣先に出戻りする方法3つ
前の章を読んで、以前の派遣先への出戻りは難しいと思った人も多いと思いますが、出戻りする方法はあります。
- 派遣会社に相談する
- 派遣の求人サイトをチェックする
- 派遣先に直接雇用してもらう
それぞれの方法について、具体的にどうすればいいのか詳しく紹介します。
1.派遣会社に相談してもう一度紹介してもらう
派遣先を紹介してくれた派遣会社に相談して、もう一度紹介してもらいましょう。
派遣会社が今でも派遣先と取引きのある可能性もあって、再度紹介してくれるかもしれないからです。
表には出ていない派遣先の求人を紹介してくれたり、契約終了を控えている派遣社員の後釜として、社内選考の候補に挙げてくれる場合があります。
注意点として、「労働者派遣法第26条第7項」では、派遣労働者の特定を目的とする行為は禁止されています。
派遣会社は「以前派遣していた○○さんです。」と、派遣先へ紹介できないのです。
以前働いていたからといって、紹介時に優遇されることはありません。
2.派遣の求人サイトをチェックして応募しよう
いろんな派遣会社の求人が載っている、「派遣の総合求人サイト」をチェックして、以前の派遣先に求人応募しましょう。
以前お世話になった派遣会社に求人の取り扱いがなくても、他の派遣会社が求人を扱っている可能性もあるからですね。
ただし求人サイトでは派遣先の名前は伏せてあるので、勤務地や仕事内容、勤務先の情報などから、戻りたい派遣先かを見抜く必要があります。
いろんな派遣会社の求人が載っている派遣の総合求人サイト、「リクナビ派遣」や「はたらこねっと」から検索してみてくださいね。
3.派遣先に直接雇用してもらおう
出戻りは派遣社員としてでなく、派遣先に直接雇用してもらう方法もあります。
直接雇用してもらう方法は以下の3つです。
- 派遣先が募集している直接雇用の求人に応募する
- 派遣先の上司だった人などに直接雇用をお願いする
- 派遣先から直接雇用にならないか声を掛けてもらう
派遣社員と直接雇用では求められるスキルが違ったり、条件や待遇なども変わってくるため、狭き門の可能性もあります。
派遣先の人と良好な関係を築いている人、派遣先での評価が高かった人などは、直接雇用されるケースもあるのでぜひトライしてみてくださいね。
興味ある場合は「派遣先企業からの引き抜きは断るべき?直接雇用で社員になるメリット・デメリットと注意点」の記事も参考にしてみてくださいね。
以前の派遣先に出戻りするコツ4つ
以前の派遣先に出戻りするコツは4つあります。
- こまめに求人情報をチェックする
- 長い目で見ておく
- 派遣会社や派遣先企業に戻りたい気持ちを伝える
- スキルアップを怠らない
それぞれのコツについて詳しく見てみましょう。
1.こまめに求人サイトをチェックして求人を逃さないようにする
以前の派遣先に派遣社員として戻りたい人は、こまめに派遣の求人サイトをチェックして求人を逃さないようにしましょう。
出戻りできなかった人の理由を見てもわかるように、希望の求人は簡単に出てこないからですね。
派遣会社のサイトや「派遣の総合求人サイト」など、複数のサイトをチェックするといいですよ。
出戻りしたい派遣先がヒットしそうな条件をサイトごとに登録しておきましょう。
新着求人の案内メールを受け取れるようにしておけば、チェックする手間が省けるのでオススメです。
2.出戻りまでは長い目で見るように
新しい仕事に就いてすぐ「やっぱり前の派遣先が良かった。今すぐ戻りたい!」と思う人もいるでしょう。
しかし、出戻りは長い目で見ておく必要があります。
出戻りできた3.8%の人へ、「辞めてからどれぐらいの期間で以前の派遣先に戻れたか」アンケートを行ったところ、最短で3ヶ月、最長だと2年という期間を経て出戻りをしていました。
戻りたいからと言って、数日中にすぐ戻れるわけではないことを理解しておきましょう。
- 以前の派遣先を辞めて2年。他の仕事に区切りがついたタイミングで、以前の派遣先から仕事のお誘いがありました。
3.派遣会社や以前の派遣先へ戻りたい気持ちを伝える
出戻りしたい人は、派遣会社や以前の派遣先へ自分の気持ちを伝えておきましょう。
戻りたい気持ちを伝えておけば、
- 欠員が出たときに派遣会社から連絡してくれる
- 以前の派遣先から直接雇用のお誘いや求人募集の情報が入ってくる
といったケースがあるからですね。
派遣会社や以前の派遣先とコミュニケーションを取っておくといいでしょう。
- 派遣先の上長に「戻りたい」とお願いしたら戻れました。
4.出戻りをしたいならスキルアップは怠らない
以前の派遣先に出戻りをしたいなら、スキルアップは怠らないようにしましょう。
必ずしも以前と同条件の求人が出るとは限らないからですね。
- 「以前の派遣先の募集を見つけたけれど、求められているスキルの難易度が上がっていたので応募自体を躊躇し諦めました。以前は未経験や初心者でもOKだったのに…。」
以前の派遣先の求人募集が出たら、自信を持って応募できるよう、
- 違う職場で経験を積む
- 資格取得を目指す
などしてスキルを磨いておきましょう。
スキルアップできれば、出戻りのチャンスは広がりますよ。
- 仕事に役立つ資格を取得して、以前の派遣先の求人へ応募したら受かりました!
勤務態度の悪かった人の出戻りは難しい
以前の派遣先で勤務態度の悪かった人の出戻りは難しいでしょう。
派遣会社も派遣先も、勤務態度の悪い派遣社員へ再度声がけする可能性は低いからです。
- 遅刻や欠勤が多い
- 無断欠勤をする
- 挨拶ができない
- 仕事でミスばかりする
- 仕事中に居眠りする
さらに、契約期間中に辞めた人や、バックレた人なども出戻りは厳しいです。
途中で仕事を辞める人は信頼されませんし、途中で辞めておきながら「やっぱり以前の派遣先の方がマシだから戻りたい」と、あなたの都合では戻れません。
抵触日を迎えて辞めた人はクーリング期間が必要
抵触日を迎えて辞めた人が以前の派遣先へ戻るには、クーリング期間が必要です。
なぜなら派遣社員は、「抵触日をリセットしないと同じ派遣先で働けない」というルールがあるからですね。
抵触日をリセットするためには、3ヶ月と1日のクーリング期間(空白期間)が必要で、クーリング期間を過ぎれば以前の派遣先に出戻り可能となります。
抵触日を迎えて辞めた人は、すぐには以前の派遣先へ戻れないので注意してくださいね。
詳しく知りたい方は、「3年ルールとは?派遣の抵触日やリセットされるクーリング期間の注意点」の記事で解説しているので参考にしてみてください。
直接雇用されていた会社へ1年以内に派遣社員として出戻るのはNG
直接雇用されていた会社へ、辞めてから1年以内に派遣社員として出戻ることはできません。
なぜなら、派遣法で禁止されているからですね。
- ●「派遣法40条の9」「派遣法49条の2」
- 派遣先となる会社に直接雇用していた労働者を、退職後1年以内に派遣先は受け入れてはいけないと定めている。
- ●「派遣法35条の5」
- 該当する派遣社員を、派遣会社は派遣してはいけないと定めている。
派遣法で禁止されている理由は、人件費のコストカットを目的に直接雇用の人を派遣社員として雇い入れ、労働者の待遇が悪くならないようにするためですね。
事業者単位に適用されるので、同じ会社の別支店に派遣社員として戻ることもNGです。
ただし、グループ内の別会社や小会社であれば、1年以内に派遣社員として戻れます。
例外として60歳以上の定年退職者は、退職して1年以内であっても派遣社員として働けます。
以前利用した派遣会社への出戻りもできる
派遣先だけでなく、以前利用した派遣会社への出戻りも可能です。
契約満了まで問題なく働いていた人なら、また仕事を紹介してもらえますよ。
ただし、以前トラブルを起こしたことがある人は、再登録できないケースもあるので注意しましょう。
まずは以前利用した派遣会社へ連絡しよう
派遣会社を再度利用したい人は、以前利用した派遣会社へ連絡しましょう。
連絡するときは、「派遣スタッフのID番号」を伝えるとスムーズですよ。
派遣スタッフのID番号を覚えていない人は、氏名や電話番号などで、登録データの確認をしてもらってください。
登録データが残っていなかったら再登録しよう
派遣会社への登録データが残っていない場合は、再登録をしましょう。
仕事を紹介してもらうためには、派遣会社へ登録していることが前提だからですね。
派遣会社の指示に従って、再登録の手続きを進めてください。
登録抹消した人や、以前利用した派遣会社の社名変更や統合があった場合、再登録が必要となります。
まとめ
残念ながら、今回のアンケート結果を見ても分かるように、以前の派遣先へ戻ることは非常に難しいです。
しかし、出戻りできないわけではありません。
以前の派遣先に出戻りする方法は3つあります。
- 派遣会社に相談する
- 派遣の求人サイトをチェックする
- 派遣先に直接雇用してもらう
本気で出戻りしたい人は、こまめに求人情報をチェックし、派遣会社や派遣先とコミュニケーションを取りましょう。
すぐに出戻ることはできませんが、スキルアップを怠らず長い目で見ていれば、いつの日か以前の派遣先へ戻れる可能性もあります。
ただし、勤務態度の悪かった人や、派遣法やルールに引っかかる人は戻れないケースもあるので注意してくださいね。