「今すぐ働きたい」「収入を得て生活の基盤を作りたい」と思う一方で、仕事に対して悩みを抱えるシングルマザーの方も多いと思います。
- シングルマザーを受け入れてくれる職場なんてあるんだろうか…
- 子供に無理や我慢をさせる働き方はできるだけ避けたい
- これといった資格やスキルがなく、自分にできる仕事があるか不安…
そんなときに、働き方の選択肢として考えてほしいのが「派遣」です。
と思うかもしれませんが、実は派遣の働き方はシングルマザーにマッチしています。
なぜなら、正社員と違い、派遣は「勤務時間」「勤務地」「残業のアリなし」といった働く条件を自分自身で選べるから。
また、お子さんの成長に伴う生活スタイルの変化や、自分自身のスキルアップに合わせて、働き方や職種・業種を変えることも簡単です。
「ずっと派遣で働くのは不安」という場合は、派遣から社員になる方法もいくつかあります。
当記事では、シングルマザーが派遣で働くメリット・デメリットについて、経験者の意見を交えながら紹介していきます。
お仕事探しや働き方について悩んでいるシングルマザーの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
シングルマザー24人の口コミ!派遣で働くメリット・デメリット
正社員・パート・アルバイトなどさまざまな雇用形態があるなかで、派遣にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
今回は、派遣で働いたことのあるシングルマザー24人に、派遣のメリット・デメリットについて口コミ調査を行いました。
シングルマザーが派遣で働くメリット1位は「仕事の条件を選べる」
1位は「時短勤務」「土日休み」「残業なし」など、仕事の条件を自分で選べることでした。
正社員の場合、働く条件を自分で選ぶことはできません。
しかし派遣であれば、
- 保育園のお迎えに間に合う時短で働きたい
- 学校が休みの土日はきちんと休める仕事がしたい
- 長時間の留守番はさせたくないので残業なしの仕事がしたい
など、お子さん中心の生活を考えたお仕事選びができるのは大きなメリットだとわかります。
また、子供が小さいうちは時短、大きくなって手がかからなくなったらフルタイムのように、生活の変化に合わせて働き方を選べるのがメリットと答えた方もいました。
次いで2位は「休みやすいこと」でした。
派遣の場合、子供がいることを前提で仕事を探してもらえるので、派遣先が子供の発熱などによる急な休みに理解があることをメリットとしてあげていました。
1位、2位の結果から、シングルマザーの方は子供との生活を優先できることが派遣のメリットと感じているとわかります。
その他の意見もご紹介していきます。
- 責任や負担の多い仕事をさせられない(31歳/8歳と11歳のママ)
- 本職につくまでのつなぎとして生活費を得られる(24歳/0歳のママ)
- 自分で就職活動をしなくても、派遣会社が仕事を探してくれるのでラク(28歳/3歳と6歳のママ)
- 給与の前払い制度があるので生活が苦しいときに助かる(46歳/9歳と12歳のママ)
シングルマザーが派遣で仕事するデメリット1位は「雇用が安定していない」
シングルマザーが感じている派遣で働くデメリット1位は、「雇用の不安定さ」でした。
- いつ契約を切られるかわからない
- 契約が終了したら、また仕事を探す必要がある
- 最長3年しか働けない
など、派遣は契約期間の上限があり、また派遣先次第でいつ契約を切られるかわかならないことから、正社員に比べて雇用が安定しない、つまりずっと同じ会社で働けないことをあげる人が多くいました。
自分一人で家計を支えていることから、収入が途絶えることへの不安が大きいと考えらます。
そして2位は「交通費・ボーナスがない」、3位が「給料が少ない」で、いずれも収入に関する不満であることがわかります。
派遣は、働き方や仕事内容を選べる自由さが魅力である一方、仕事が途切れることや収入の少なさがデメリットとなっているようです。
さらに詳しくメリット・デメリットについて知りたい方は、「派遣とは?派遣社員の働き方・メリット・デメリットを解説」の記事も参考にしてみてください。
2020年4月の派遣法改正によって、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差を解消するため「同一労働同一賃金」が導入され、派遣社員にもボーナスや交通費が支給されるようになりました。
ただし支給方法は、待遇決定方式や就業規則によって異なるため、派遣会社や担当者へ確認するようにしましょう。
シングルマザー24人が選んだ派遣の職種
シングルマザー24人にどんな仕事(職種)をしているのか聞いたところ、下記の結果になりました。
- 事務:14人
- 軽作業・製造業:5人
- コールセンター:二人
- サービス業:二人
- 介護:一人
24人中14人と圧倒的に多かったのが事務のお仕事です。
人気の理由は、他の職種に比べて事務は求人が豊富な上、希望にあった条件の仕事が見つかりやすいからですね。
事務のお仕事がおすすめな人
事務は9:00~17:00、土日祝日休みのフルタイム勤務が一般的です。
事務のお仕事は、自分の条件に合った仕事が見つかりやすいのはメリットです。
どこの派遣会社でも案件が多いため、「残業なし」「自宅から近い」「未経験者可」など細かい希望条件にあった求人も多数含まれているからですね。
また、カレンダー通りに休めるので、お子さんと休みを合わせたい人におすすめです。
軽作業・製造業のお仕事がおすすめな人
倉庫での軽作業や工場内での製造業は、8:30~17:30、土日祝日休みのフルタイムが平均的なお仕事スタイルです。
事務職に比べると出勤時間がやや早めの傾向があります。
- 年齢に関係なく働ける
- 未経験でもできる仕事がほとんど
- パソコンスキルが必要ない
- 派遣登録してすぐに仕事をはじめられる
といった特徴があるため、とにかくすぐに働いて収入を得たい人に適しています。
コールセンターのお仕事がおすすめな人
コールセンターは、8時間勤務の週休2日が多いです。
勤務時間がシフト制のケースが多いので、下記のいずれかの条件に当てはまる方におすすめです。
- 帰りが遅くなるときにお子さんを見てくれる身内がいる
- お子さんを保育園に預けられる
- 多少の留守番ならできる年齢のお子さんがいる
また、事務職ほどのパソコンスキルは必要ないので、「オフィスワークをしたいけれども事務経験がない人」、「パソコンスキルに自信がない人」でもはじめやすいでしょう。
サービス業のお仕事がおすすめな人
4~5時間程度の時短勤務のお仕事も多いため、仕事のかけもちをしたい人、夜はお子さんと過ごしたいママにもやりやすいお仕事です。
ただ、土日出勤になるケースもあることに注意が必要です。
職場によっては「土日出勤なし」を条件にできる場合もありますが、できない場合は、お子さんの面倒を見てくれる身内がいたり、土日出勤になった場合に留守番ができる年齢のお子さんでないと、続けることは難しくなります。
介護のお仕事がおすすめな人
介護のお仕事は8:30~17:00前後のフルタイムのほか、15:00ぐらいまでの時短勤務もあるため、お迎えが必要な保育園のお子さんがいる方でも働きやすい仕事です。
また、未経験でも資格がなくても働けて、ニーズが高いことから求人数も多いため、とにかくすぐに働いて生活費を捻出したい方におすすめです。
【子供の年齢別】シングルマザーがお仕事探しをする上で注意したいポイント
子供の年齢によって、お仕事探しのポイントは変わってきます。
この章では、「未就学児」「小学生」「中高生」にわけて、お仕事探しで注意したいポイントをご紹介していきます。
子供が未就学児の場合
- 保育園や幼稚園から遠くない勤務先を選ぶ
- 保育園や幼稚園のお迎えに間に合う時間帯で勤務する
- 急な休みに対応できる会社を選ぶ
お子さんが未就学児の間は、時短勤務に合わせて「自宅→保育園→勤務先」が近い場所での仕事探しをおすすめします。
自宅や勤務先から保育園が遠いと、早く家を出たり退社したりする必要がありますし、勤務できる時間も通勤時間がかかる分短くなってしまうからです。
また、未就学児は体調を崩すことも少なくないため、急な休みにも対応できる仕事が良いです。
小学校入学前までは、時給よりもお子さんとの時間が優先できる働き方を選びましょう。
ただし、時短勤務をすると給与がその分少なくなってしまうので、おじいちゃんやおばあちゃんに保育園のお迎えや病気のときなどに頼れるのであれば、しっかり働けるフルタイムの仕事でも良いでしょう。
子供が小学生の場合
- 子育てに理解のある会社を選ぶ
- 急な休みに対応できる会社を選ぶ
- 残業なしの仕事を選ぶ
お子さんが小学生のうちは、「子育てに理解がある会社」や「残業なしの仕事」を選びましょう。
なぜなら、子育てに理解のある職場環境でないと、休みにくかったり、定時で帰りにくいといった問題が起こってしまうからです。
小学生になると送り迎えがなくなるので、フルタイムで働けるようになります。
しかし学校行事やPTAの役員、お子さんが病気をしたときなど、会社を休まなければならない機会はまだまだありますね。
また、低学年のうちは一人でできないことも多いため、学校から帰ったあと長時間留守番をさせることに不安なママもいると思います。
そのため、低学年のうちは時短勤務、高学年になったら残業なしのフルタイムに働き方を変える方法はおすすめです。
放課後や春休み・夏休みなど、学校が休みのときに預かってくれる学童保育(小学校卒業まで利用可能)を利用すると、ママも安心して働けますよ。
子供が中学生・高校生の場合
- 深夜勤務はなるべく避ける
- 極端に残業が多い仕事は避ける
中学や高校になると、フルタイム勤務や多少の残業もできるようになります。
会社を休まなければならないのは入学式・卒業式・3者面談くらいで、小学校のように親が関わる学校行事もほとんどありません。
部活動をしていれば帰宅時間は18時~19時と遅いので、通勤時間が短ければフルタイム勤務も難しくありません。
ただし、思春期でもあるので、なるべくお子さんと一緒に夕食を食べられるよう、深夜勤務や極端に残業が多い仕事は避けることをおすすめします。
派遣社員・正社員・パート・アルバイトで一番良い働き方はどれ?
結論から言えば、正社員で働くのが一番良い方法です。
やはり、正社員は雇用や収入が安定しているからです。
正社員と言うと、企業への直接応募を思い浮かべると思いますが、派遣の場合、紹介予定派遣や無期雇用派遣から正社員を目指せる方法もあります。
また、派遣先の企業に仕事ぶりを認められ、「うちの会社で社員として働きませんか?」と直接雇用に誘われるケースも決して少なくありません。
ただし、派遣先企業から引き抜きで社員になるのはメリット、デメリットあるので注意しましょう。
詳しく知りたい方は、「派遣先企業からの引き抜きは断るべき?直接雇用で社員になるメリット・デメリットと注意点」の記事で解説しているので参考にしてみてくださいね。
子育てと家事の両立を考えると、お子さんが小学校低学年までは「時短派遣」や「パート・アルバイト」が向いています。
しかし小学校高学年から中学校へあがる頃になったら、収入や生活の安定を視野に入れ、正社員を目指すのはおすすめですね。
大手派遣会社では、無料や格安で受けられるパソコン講座や実技講座、資格取得支援など、スキルアップ制度が充実しています。
小学校低学年までの間はこういった制度を利用し、なりたいタイミングで正社員になれるよう、働きながら準備しておくと良いでしょう。
シングルマザーにおすすめの派遣会社3選
この章では、シングルマザー向けに、子育てと家事を両立させやすいおすすめの優良派遣会社を紹介します。
シングルマザーがお仕事をするなら、大手派遣会社への登録がおすすめ。
大手派遣会社は、有給や各種社会保険制度などの福利厚生が、一般的な大手企業と遜色ないぐらい整っています。
派遣登録が済むと、パソコン・ビジネスマナー・英会話などのスキルを身につけられる講座も受講できます。
スキルアップすることで仕事の幅が広がり、収入アップにも直結するので、大いに利用しましょう。
【1.テンプスタッフ】女性の働きやすい条件が整っている
テンプスタッフは、母子家庭で育った創業者が「女性が活躍できる職場」を目指して立ちあげた派遣会社。
女性の気持ちに寄り添った対応とサービスが人気で、多くのシングルマザーが利用しています。
今回のアンケートでも、24人のシングルマザーのうち9人がテンプスタッフを利用していました。
常時30,000件以上と業界最大級のお仕事案件をもっているので、条件に合った仕事が探しやすいです。
- オフィスワークのお仕事が豊富にある
- 求人件数の半数が未経験者歓迎のお仕事案件
- 就学前のママ支援サービスを設けている
- 事務未経験がはじめられる無期雇用派遣(ファンダブル)がある
テンプスタッフの派遣登録を済ませると、2,600以上あるスキルアップ支援講座が無料で受講できます。
スマホで学べるeラーニングの無料サービスもしています。
【2.スタッフサービスグループ】1日でも早く仕事をはじめたい人におすすめ
スタッフサービスグループには、職種別に5つのサイトがあります。
- スタッフサービス オー人事net
- オー人事 スタッフサービス・メディカル
- 働くナビ
- スタッフサービス・エンジニアリング
- エンジニアガイド
大手派遣会社のなかでも求人数が群を抜いて多く、扱う職種も豊富なので、多くの求人のなかから希望条件に合った仕事が見つけやすいです。
スタッフサービスに定評ある部分としては、担当者がマメで頻繁にお仕事紹介の連絡をくれるところです。
1日でも早く仕事をはじめたい人におすすめです。
- 派遣業界のなかでも求人数は群を抜く
- 面談の翌日からお仕事が開始できる
- 求人紹介をマメにしてくれる
希望の職種 | 登録先 |
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オフィスワーク | スタッフサービス オー人事net |
介護・看護 | スタッフサービス・メディカル |
製造・物流・軽作業 | 働くナビ |
ものづくり系エンジニア | スタッフサービス・エンジニアリング |
IT・システム系やWEBエンジニア | エンジニアガイド |
【3.パソナ】担当者の好対応に定評あり
パソナは、2019年「月刊人材ビジネス」の派遣スタッフ満足度調査2部門で1位に輝いた派遣会社です。
担当者の質の良さや誠実さに定評があり、困ったことがあれば親身に相談にのってもらえます。
- 担当者の質が良い
- 時給が良い
- 紹介予定派遣のお仕事を多く扱っている
パソナの登録を済ませると、有料となりますが語学やパソコンなどの専門的な知識を身につけられます。
給料アップが期待できる資格
派遣会社では、登録を済ませた人または働いている人が利用できるスキルアップ支援制度を設けています。
スキルアップ支援では、自身のスキルを磨いたり資格を取得したりすることが可能です。
今よりもお給料アップさせたい人や正社員を目指している人は、ぜひ資格取得に挑戦してみてくださいね。
簿記の資格
事務のお仕事では、日商簿記3級の資格があると専門職の経理事務のお仕事ができます。最終的には、商業簿記・工業簿記ができる2級を目指しましょう。
詳細 | |
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資格内容 | 日商簿記3級では、商業簿記の基礎を学びます。 |
できる仕事 | 経理の仕事全般、決算書作成の作業ができるようになります。 |
難易度 | 合格率約56%(2019.6月) |
受講期間 | 50~100時間(約2~3ヶ月) |
費用 | 受講料約30,000円+検定料2,800円 |
試験内容 | 仕分け・帳簿記入・試算表作成問題・伝票会計問題・精算表作成 70点以上で合格 |
見込める月の給料アップ | 約10,000円~20,000円 |
介護福祉の資格
介護のお仕事で最初にとっておきたい資格が、介護職員初任者研修です。最終的に、介護福祉士の資格取得を目指すと良いです。
詳細 | |
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資格内容 | 在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を修得できる資格 |
できる仕事 | 身体介護サービスの仕事ができます。 |
難易度 | 受講をしっかり受け理解できれば合格率は高い |
受講期間 | 130時間(1ヶ月~4ヶ月程度) |
費用 | 受講料約6万円(教育訓練給付金制度あり) |
試験内容 | カリキュラム終了後、筆記試験がありそれに合格をすれば資格取得できる |
見込める月の給料アップ | 約18,000円 |
児童扶養手当や児童手当を生活費に充てる方法もアリ
お子さんが一定の年齢になるまでは、時短勤務で収入をあえて抑え、地方自治体からの手当を生活費に充てる方法もあります。
シングルマザー(母子家庭)の場合、子供が18歳になるまで地方自治体から児童扶養手当を支給されますが、収入が少ない方の支給額は多いためですね。
お子さんが小さいうちは、フルタイムや残業をして無理に収入をあげない方が、支給額が増えますし、お子さんもママも負担が軽くなります。
また、国からは中学校卒業まで児童手当が支給されます。(※2019年現在)
- 児童扶養手当(一人あたり):10,120円~42,900円/月
- 児童手当(一人あたり):2歳まで15,000円/月、それ以降は中学卒業まで10,000円/月
※2019.4月現在。二人目、三人目以降は金額が異なります。
市県民税が非課税だと、上記二つの手当で年間約60万円。正社員の給与2~3ヶ月分ほどになりますね。
母子手当以外にも、非課税世帯のみ受けられる助成制度もあります。
- 保育料が無料または減額
- 小・中・高等学校の授業料がほぼ全額免除される
- 奨学金の給付がある
※上記以外にも、地方によって受けられる制度があるので自治体へ問い合わせてくださいね。
非課税の場合、年収は少なくなりますが、メリットもたくさんあります。生活環境に応じて、働き方の工夫をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。
シングルマザーになると、一人で子供を養っていかないといけないため不安も多いと思います。
派遣会社では、時短勤務から正社員を目指せる「無期雇用派遣」や「紹介予定派遣」まで、お子さんの成長に合わせた働き方ができます。
派遣会社で働くメリット・デメリットを見て、上手く活用してみてくださいね。
- 調査対象:派遣で働いた経験があるシングルマザー
- 調査期間:2019年9月17日~10月1日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:24人