「もっと効率よく仕事したい」と考えている人も多いと思います。
また上司から「効率よく仕事してほしい」と注意・指導され、「自分がやっている仕事の進め方は効率が悪いのかも」と落ち込んだ経験がある人もいるかもしれません。
伊藤 陽介
今回は男女500人に「仕事の効率化のために取り組んでいること」についてのアンケート調査を実施。
- 調査対象:現在お仕事をしている方
- 調査日:2021年9月7日~9日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査人数:500人(女性298人/男性202人)
上記の調査結果とあわせて、仕事効率化に役立つおすすめ記事も紹介しています。
仕事効率アップしたいとお考えたの方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
自分の仕事効率がいいと思っている人は73.8%
まず、「ご自身の仕事効率はいいと思いますか?」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。
「思う(18.6%)」「まあ思う(55.2%)」と答えた人が合わせて73.8%と、全体の7割を超える結果に。
一方で「あまり思わない(23.4%)」「全く思わない(2.8%)」と答えた人は26.2%。
回答の中には「まだ仕事をはじめたばかりなので、わからないことが多い」などの意見もありました。
仕事効率化のための取り組み方法ランキング
続いて「仕事効率化のために取り組んでいる方法」を質問したところ、回答は以下の結果となりました。
回答数の多かった上位7位までをランキング形式で紹介します。
仕事効率化のための取り組み方法ランキング1位になったのは「タスク管理(179人)」です。
2位「スケジュールを立てる(70人)」、3位「システム・ツールの活用(68人)」、4位「時間を区切る(46人)」と続きます。
以降、5位「整理整頓する(37人)」、6位「作業手順の確認・遵守(33人)」、7位「適度な休憩・リフレッシュ(32人)」の結果となりました。
仕事効率化において、タスク管理やスケジュール調整など、実際に作業する仕事の管理を徹底している人が多いとわかります。
8位以下には、いわゆる「報・連・相」など、同僚とのコミュニケーションを円滑にすすめるための回答が寄せられています。
では各ランキングの解説と一緒に具体的な回答を紹介します。
1位 タスク管理
1位は「タスク管理」です。
- 商談用の手帳とは別に「やることリストだけのノート」を作成。社内社外問わず依頼事項は全てそのノートに書き、やり忘れを防ぐ(20代女性)
- 出社したら「今日必ずやるべきこと」を書き出します。書き出したメモをパソコンの横に貼り付け、仕事に取り掛かります(30代女性)
- 前日に翌日の仕事をなるべく細かくリストアップし、優先順位をつける(40代男性)
「ToDoリストをつくる」「優先順位をつけてから仕事にとりかかる」という回答が多数寄せられました。
ToDoリストは「頭の中で簡単に考える」という人もいれば、「付箋やノートにメモする」「アプリを使っている」という人も。
とりかかる業務の順番としては「緊急性が高いものから」「短時間で終わる仕事から」「難しい仕事から着手」など、さまざまな意見がありました。
伊藤 陽介
2位 スケジュールを立てる
2位に入ったのは「スケジュールを立てる」。
- 前日に翌日のスケジュールを確認しておく(20代男性)
- 始業前に1日のスケジュールを組み立てておく(30代女性)
- 1日のスケジュールを頭に入れて行動することはもちろん、月単位・週単位でもスマホのスケジュールアプリで管理しています(40代女性)
「朝一番で1日の流れを組み立てる」「1日の作業を確認してから仕事に入る」などの意見が寄せられています。
見通しを立て、次の仕事を予測しておくことで「一日の動きがスムーズになる」「頭の中を整理しやすい」などの効果があるという意見も。
タイムスケジュールを組むようになったことで「前職に比べて定時率9割になった」という体験談もありました。
伊藤 陽介
3位 システム・ツールを活用
「システム・ツールの活用」が3位に入りました。
- デュアルディスプレイにしたり、ショートカットキーを活用して時短している(30代女性)
- PCへの入力作業などはVBAを利用して効率化を進めています(40代男性)
- 仕事に必要な情報はノートパソコンひとつに集まるようにした上で、モバイルでも確認できるようにしてある(50代男性)
「ショートカットキーの活用」「デュアルディスプレイ」「Microsoft Excelの自動化」という意見が多数。
「オンライン会議のアプリを会社で導入し、移動なく業務を進めています」という回答も。
「ペーパーレスで作業が進められるように必要書類のデータ化」「FAXでの発注をメールで行う」など、ペーパーレスに関する意見も複数ありました。
伊藤 陽介
4位 時間を区切る
4位は「時間を区切る」です。
- 取り掛かる前に「何分を目標に終わらせよう」と、ある程度の時間を決めています(20代女性)
- 1日の終わりに、翌日何をするか時間配分を決めてから終わるようにしています(30代男性)
- 時計を見ながら目標時間を決めて仕事を進めている(40代女性)
「目標時間を決める」「時間配分を決めてから仕事する」などの意見が寄せられました。
「時間配分を自分で決めるようにして、実際の計画の時間になったところで、一度リフレッシュして取り組むようにしています」「時間があるときでも、終了時間を決める」という人も。
また「キツキツの時間配分はしない」という回答もありました。
伊藤 陽介
5位 整理整頓する
「整理整頓する」が5位に入りました。
- マメにデスク周りやPCのデータを整頓するようにする(20代女性)
- 自分のPC内や机を整理整頓しておき、必要な情報が必要な時にすぐ取り出せるようにしておきます(30代女性)
- 資料をごちゃごちゃにしないように、仕事ごとに振り分けています(40代男性)
「備品や文具類は決められた保管場所に戻す」「机の上・PC内などを常に整理整頓」といった回答が寄せられています。
仕事に必要なモノやデータの整理整頓ができていないと、探すのに時間がかかって非効率的ですよね。
「デスク周りの動線をまずきっちり決めて、書類の保管や流れを考えて配置しています」という人もいました。
伊藤 陽介
6位 作業手順の確認・遵守
6位は「作業手順の確認・遵守」でした。
- 細かく段取りを組む(20代女性)
- 順番をしっかり決めて、その順番を守る(30代女性)
- 朝、仕事の手順を頭の中で組み立てておく(50代男性)
「作業順序を考えて作業に入る」「作業手順を考えてから行動する」などの回答が寄せられています。
「多くこなす作業は必ず手順を決める。次第に効率のいい手順が定まっていき、スピードも上がる」という意見もありました。
伊藤 陽介
7位 適度な休憩・リフレッシュ
7位は「適度な休憩・リフレッシュ」でした。
- 休憩は全力で休憩すること(20代女性)
- 昼休憩以外に、15分休憩が何度かあります。そのうち5分だけでも良いので、ただ何もせずボーっとするようにしています(30代女性)
- 休憩時間は必ず確保してリフレッシュする。昼休みに仕事を引きずらない。退社して会社を一歩出たら仕事のことは忘れる(60代以上男性)
「仕事と休憩のメリハリをつける」「しっかりと休憩をとる」「休憩中に仮眠する」などの意見がありました。
25分作業して5分休む『ポモドーロ・テクニック』を実践している人や、「2時間作業したら10分休憩をとります」という人も。
また「週末は携帯電話の電源を切り、休日は仕事のことを一切考えないようにしたら効率が上がった」という体験談もありました。
伊藤 陽介
仕事効率化の参考にしているものがある人は48.2%
「仕事効率化の参考にしているものがあるか」を聞いたところ、半数近い48.2%が「ある」と回答。
「参考にしているものはない」と答えた人からは、「自分の経験から学んだ」「時短勤務のため効率化が必須なので、自然に身についた」などの声がありました。
仕事効率化の参考にしているものランキング
続いて「仕事効率化のために参考にしているものがある」と回答した241人に、何を参考にしているのか質問したところ、回答は以下のようになりました。
回答数の多かった上位5位までをランキング形式で紹介します。
1位は「上司・先輩・同僚の仕事の仕方(83人)」でした。
同じ職場内で仕事のできる人を参考にしている方の多いことがわかります。
以降、2位「本・雑誌(55人)」、3位「動画(26人)」、4位「ネット記事・ブログ(24人)」、5位「著名人の仕事術(12人)」の結果に。
2位以降は、他で結果を出している方の動画や記事を参考にしている人が並んでいます。
なお6位以下には「SNS」「他社の取り組み」などが入っています。
では各ランキングの詳細解説とともに具体的な回答を紹介します。
1位 上司・先輩・同僚の仕事の仕方
1位は「上司・先輩・同僚の仕事の仕方」です。
- 新入社員なので先輩を見習っている。その方は担当している業務が多いので、効率化の参考になる(20代男性)
- 効率の良い上司の行動を覚えておいて、マネをする(30代女性)
- 仕事の早い同僚の動きや手順などを見て参考にしています(40代女性)
「仕事が早い同僚」「社内で、周りから評価が高い人」を参考にしているという回答が寄せられています。
「先輩に限らず、後輩でも効率的だなと思ったことは真似して実践しています」「前任者からいろいろ聞く」という回答も。
「ハイレベルな人がハイレベルなことを書いていることが多いので、SNSは参考にしない。身近な先輩や同僚を参考にしています」という人もいました。
同じ職場で働く身近な人の取り組みのほうが、取り入れやすく、実践すやすいのかもしれませんね。
伊藤 陽介
2位 仕事効率化に役立つ本・雑誌
2位に入ったのは仕事効率化に役立つ「本・雑誌」。
- 月1冊はビジネス書を読み、自己啓発を行っています(30代男性)
- 雑誌でショートカットキー特集が組まれたものを購入したり、実用書を参考にしている(40代女性)
- ビジネス本で取り上げられている手法を試してみて、自分にあえば取り込むようにしている(50代男性)
「Excel関連の実用書」「時間術に関するビジネス本」や著名な実業家の著書を参考にしているという回答が寄せられました。
心理学の本やフリーランス向けの本を参考にしている人も。
「ベストセラーの仕事本を読むようにしています」「ビジネス本で人気のものがあれば読むようにしている」など、人気の本はとりあえず読んでみるという人も複数いました。
伊藤 陽介
3位 仕事効率化に役立つ動画
仕事効率化に役立つ「動画」が3位に入りました。
- 自己啓発本やビジネス本の要約動画を参考にしています(20代女性)
- Excelの使い方などの動画を見ます(30代女性)
- ビジネス系の動画を見る(40代男性)
ビジネス系・心理学系・Excel効率化に関するもの・著名人が配信している動画などが挙げられました。
「Webデザイナーさんの作業方法・ノウハウ動画を参考にしている」「参考にしているのはフリーランスの方が配信している動画」という回答もありました。
お気に入りの動画配信者・チャンネルがある人も多いようです。
伊藤 陽介
4位 仕事効率化に役立つネット記事・ブログ
4位は仕事効率化に役立つ「ネット記事・ブログ」です。
- 仕事効率を上げる方法について、インターネットで検索することが多いです(20代女性)
- めんどくさがりな性格なので、インターネットで業務短縮や簡素化のページをよく見て参考にしている(30代男性)
- 本で調べるのは時間がかかる傾向にあるので、ネットで調べることが多いです(40代男性)
ネット記事を参考にしている人も多いとわかりました。
「ショートカットキーやVBAマクロ高速化の記事」や「同じ仕事をしている人のブログ」を参考にしているという声が寄せられています。
「ネットでときどき『社長の1日』などを調べてモチベーションを上げることが、効率化につながっている」という人もいました。
伊藤 陽介
5位 著名人の仕事術
「著名人の仕事術」が5位に入りました。
- 有名経営者の考え方を参考にしてる(20代男性)
- 大企業社長の考えを参考にしている(30代男性)
- 有名実業家の経営理念などの言葉(40代女性)
大企業の経営者・起業家の考え方や仕事術を参考にしている人も多いようです。
具体的には「統計や数字をもとに考え、抽象的・感情的な考え方は排除する」などです。
経営者ではなく、学者・コンサルタント・タレントを挙げた人もいました。
伊藤 陽介
仕事効率化に取り組むうえで抑えておきたいポイント
この章では、仕事効率化に取り組むうえで抑えておきたいポイントについて解説していきます。
仕事の目的や目標を知る
業務効率化を考えるうえで、仕事の目的や目標を知る、もしくは作ることは大切です。
ゴールとなる目標さえがわかっていれば、何をするのかはもちろん、何をしてはいけないのかも明確になります。
簡単な例で言うと、書類のコピーを頼まれたとします。
書類のコピーが必要な目的をわかっていれば、詳しく聞かなくても「どこの部分のコピーが必要なのか」「何枚コピーが必要なのか」を判断できますよね。
逆に何も考えずに作業してしまうと、無駄なコピーを刷ってしまったり必要なページのコピーが出来なかったりの無駄が発生します。
もし、マネジメントを取る立場の人なのであれば、部下に仕事の目的や目標を共有しておきましょう。
いまの作業工程が本当にベストなのかを疑う
結論から言うと、いまの作業工程が本当にベストなのか疑うことです。
「仕事はこういうもの」「このやり方が当たり前」といった固定概念を持っていると、効率化自体を考えなくなります。
たとえばパソコン作業で日常的に行っていた作業が、ショートカットキーやエクセルのマクロ機能を使うことで、大きな時短になるケースも少なくありません。
簡単な例で言うと、パソコンのコピペ作業も、ショートカットキーを知っているか知らないかで大きな差が出ます。
「もっと他に方法はあるのではないか?と疑うことで、自分でも考えていなかった方法が見つかるケースも多いですよ。
業務の項目名、手順、成果を記録して第三者からチェックしてもらう
業務の項目名、手順、成果を記録として、第三者からチェックしてもらうことで効率化につながるケースは多々あります。
なぜなら、自分では全く気づいていなかったムダに気づけるからです。
例えば、同じ作業をしているにも関わらず、明らかに自分よりも速いスピードで仕事を終わらせている人などにチェックしてもらうのはおすすめです。
タイピングスピードが速いといった技術的な部分で差が出ているのであればマネできませんが、自分が使っていなかった効率化ツールを使っている可能性も十分に考えられます。
チームで仕事を場合はコミュニケーションを大切にする
チームを組んで仕事をする場合、仕事効率化の面においてもコミュニケーションは大切です。
ひとりだけ頑張っても無理があるのでみんなでカバーしながらしないと先には進まないケースも多々あります。
個々のスキルを上げる事はもちろん重要ですが、ひとりだけできていてもチームとして仕事が遅かったら意味がありません。
コミュニケーションができていないと、お互いに足を引っ張り合ったりするリスクも出てきます。
チームで仕事する場合には、「自分だけ効率よく仕事できていればいい」といった考えは捨てて、コミュニケーションを大事にしていきましょう。
まとめ
男女500人にアンケートを行った結果、「自分の仕事効率はいい」と考えている人は全体の73.8%でした。
「仕事効率化のための取り組み方法」第1位は「タスク管理」。
ToDoリストの作成や優先順位の設定を行ってから仕事にかかるという人が多数いました。
また「効率アップのために参考にしているもの」を聞いたところ、「上司・先輩・同僚の仕事の仕方」をお手本にしている人が多く、「仕事効率化に役立つ本・雑誌」を参考にしている人もいました。