アパレル業界で働きたい人にとって、派遣はおすすめの雇用形態です。
なぜなら、「バイトやパートに比べて時給が高いのに、正社員よりも責任が少ない」といったバイトと正社員のいいとこ取りができる働き方だからです。
ただ、「派遣ってなんとなく知ってるけど、具体的に社員と何が違うかわからない」
という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、実際に派遣社員としてアパレルで働いたことがある方の口コミを紹介しながら、アパレル派遣のメリット・デメリットについて解説していきます。
合わせて、アパレル業界に強いおすすめの派遣会社も紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
アパレル派遣とは?
「アパレル派遣ってどんな働き方なの?」という方のために、まずは「派遣」の働き方や仕組みについて説明していきます。
アパレル派遣には契約期間がある
アパレル派遣の大きな特徴は、契約期間があることです。
派遣社員が同じ職場(ショップ)で働けるのは最長3年。
この3年の範囲内で、2ヶ月、3ヶ月など数ヶ月ごとに契約を更新しながら働きます。
契約の更新は、派遣先であるショップと、派遣社員であるあなたの合意があった場合のみです。
あなたが「もっと働きたい」と思っても、派遣先が「契約更新はしない」と言えば、お仕事は終了となります。
「派遣社員は雇用が不安定」「いつ切られるかわからない」と言われるのは、このような理由からです。
しかし逆に、ショップ側が「もっと働いてほしい」と思っても、あなたが「もう辞めたい」「別のお店で働きたい」と思えば、契約は終了にできます。
職場が合わなければ「契約満了」を理由に後腐れなく辞められる、職場を変えやすいというのは、派遣の大きなメリットでもあります。
- 派遣社員は数ヶ月ごとに契約更新しながら働く
- 派遣社員が同じショップで働けるのは最長3年
- 「やめたい」「続けられない」場合は契約更新のタイミングで簡単にやめられる
派遣社員の雇用主はショップではなく派遣会社
アパレル派遣の2つ目の特徴は、派遣として働く場合、「あなたの雇用主は実際に働くショップではなく派遣会社である」ということです。
派遣とは派遣会社と雇用契約を結び、『派遣会社の社員』という立場で、ショップで働く雇用形態だからです。
あなたの雇用主は派遣会社なので、給料や残業代は派遣会社から支払われます。
また、社会保険への加入、有給休暇、無料健康診断といった福利厚生も、ショップではなく派遣会社のものが適用されます。
- 派遣社員の雇用主はショップではなく派遣会社
- ショップで働いていても給料を支払うのは派遣会社
- 福利厚生は派遣会社のものが適用される
派遣としてアパレルで働くメリット
では、派遣とてしアパレルで働くことにはどのようなメリットがあるのか、アパレル派遣の経験者さんの口コミをもとに解説していきます。
1.時給が高い
- 普通のアルバイト、パートさんに比べて高時給なことが多い(23歳 有名カジュアルブランド)
- 給料がそこで働いている社員さんよりも高かった(23歳 子ども服)
アパレル派遣のメリット1つ目は、時給が高いことです。
アルバイト情報誌タウンワークによると、東京都におけるアパレルのパート・アルバイトの平均時給は1,110円。
一方、アパレル派遣の時給相場は1,400~1,500円台と、パート・アルバイトよりも300~400円ほど高くなっています。
「1日7時間×月20日間」働いた場合、時給が300~400円違えば、月給は42,000~56,000円も違ってきます。
同じ店舗で働いても、アルバイトなのか派遣社員なのかの違いで、給料に大きな差がつきます。
収入を重視したい方にとって、派遣はおすすめの雇用形態です。
2.幅広い経験ができる
- ブランドに縛られることなく様々なショップを経験できる(23歳 有名スーツブランド)
- 他の人の接客を見て、いいと思ったところを自分の接客で生かせる(19歳 婦人服)
アパレル派遣のメリット2つ目は幅広い経験ができることです。
派遣の場合、有期雇用(契約期間に限りがある働き方)という性質上、数ヶ月から最長でも3年で勤務先が変わるからです。
社員として一つのお店で長く働くのは、もちろん素晴らしいことです。
一方で派遣は、さまざまな店舗のテイストや接客方法を見ることで幅広い経験を積み、自分自身の成長につなげることができます。
大好きなアパレルの仕事でより多くの知識や経験を積みたい、スキルアップしたいという方に派遣はおすすめですよ。
3.サービス残業がない
- 正社員だとサービス残業や休日に無給でミーティングなどがあったが、派遣にはない(25歳 10~20代向けレディースブランド)
アパレル派遣のメリット3つ目はサービス残業がないことです。
派遣社員は、実際に働くショップではなく派遣会社と雇用契約を結びます。
つまり、派遣社員の雇用主は派遣会社なので、たとえば「今日は忙しいから」といったお店側の理由で、派遣社員を無給で働かせる(サービス残業をさせる)ことはできないのです。
勤務時間はタイムカードや派遣会社への勤怠連絡などで管理され、残業した分の時給はきちんと支払われます。
サービス残業が当たり前のように行われているアパレル業界においても、派遣であれば働いたぶんの給料はしっかり受け取ることができるのです。
ほかにもある!アパレル派遣のメリット
その他、口コミにあがったアパレル派遣のメリットをご紹介します。
- 社員の人はノルマがあるが派遣にはなかった(25歳 販売・バックヤード)
- いい意味で責任がない。気軽に仕事を始められた(19歳 セレクトショップ)
- 嫌な職場は他のブランドへ変えられる(28歳 店頭販売員)
- 時給や日給の相談が可能(25歳 アウトドアブランド)
- 自社の商品を社販で安く手に入れることができる(28歳 外資系ブランド)
「社員のようなノルマがない」「社員に比べて責任が少ない」「嫌だと思ったら辞められる」など、正社員と比べて気軽な点をメリットに感じている人が目立ちました。
派遣としてアパレルで働くデメリット
次に、派遣社員としてアパレルで働くことのデメリットを見ていきます。
ノルマがないためモチベーションも上がらない
- ノルマがないので、どれだけ売り上げてもインセンティブはつかない(25歳 販売員・バックヤード)
- 正社員は予算達成ボーナスがあったが派遣社員はないので、売上げへの意欲に温度差があった(25歳 10~20代向けレディースブランド
アパレル派遣のデメリットとして多かったのが、「ノルマがないためモチベーションも上がらない」でした。
ノルマがないことを嬉しく思う人が多い一方で、頑張りが評価されにくいことから、仕事のモチベーションが上がらないという人もいるようです。
ただし、ノルマのあるなしは派遣先によります。
派遣社員であっても達成目標が課せられる派遣先もあるので、目標をもって働きたい人は「ノルマあり」「達成目標あり」の派遣先を紹介してもらいましょう。
仕事の安定性がない
- 派遣先のショップが良い環境だったとしても、満期が来たり延長のお話がなければ辞めなければいけない。相手方の都合で契約終了になったり、次がなかなか決まらないこともある(23歳 有名カジュアルブランド)
- 売り場が撤退したりするとすぐに次の派遣先が決まらないなど不安定感はある(25歳 百貨店内のブランドショップ)
アパレル派遣のデメリット2つ目は、仕事の安定性がないことです。
派遣社員の場合、ブランドやショップが契約更新を望まなければ、その時点でお仕事が修了してしまうからです。
たとえばリニューアルオープンやセールの時期に派遣社員を雇われた場合、お店が落ち着いてきた時点で契約が終了になるケースはよくあります。
間を空けずに継続して働きたい場合は、契約終了の時期が近づいたら派遣会社に次の派遣先を探してもらうよう伝えておきましょう。
また、できるだけ長く働きたい場合は、「長期案件」を選びましょう。
アパレル派遣には、1~3ヶ月程度の繁忙期限定の求人と、長く働いてくれる人を希望している求人があるからです。
なかには「紹介予定派遣」といって、社員登用を前提にしている求人もあります。安定性を望む方は、派遣会社に「紹介予定派遣」を紹介してもらいましょう。
派遣社員にも交通費が支給される
少し前までは、派遣のデメリットとして交通費は支給されないことが挙げられていました。
しかし、2020年4月施行の「同一労働同一賃金」により、多くの派遣会社で時給とは別に交通費支給が支給されるようになりました。
「全額支給」「上限金額あり」など、派遣会社によって対応は異なりますが、アパレルの求人を扱う下記派遣会社は、交通費支給となっています。
さらに詳しく知りたい方は、「派遣社員も通勤交通費が支給される!派遣社員が通勤交通費をもらう際の注意点」の解説記事を参考にしてみてください。
アパレル派遣は未経験でもできる
アパレルの仕事がしたいけど、「経験がなくても仕事を紹介してもらえる?」と不安に感じている人もいるでしょう。
結論からいうと、アパレル派遣のお仕事は未経験でもできます。
アパレル専門の派遣会社であるスタッフブリッジやIDAでも、求人の約20%は「未経験者歓迎」となっています。(※調査日2020年9月15日)
当メディアが28人に行ったアンケートでも、61%の人が未経験からアパレル派遣を始めたと回答しました。
- 調査対象:派遣でアパレルの仕事をしたことがある方
- 調査期間:2020年9月11日~9月18日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:28人
「服がすき!」「接客がすき!」という気持ちがあれば、未経験でも全く問題ありません。
はじめてのアパレル業界で不安な方は、IDAのような就業前の事前研修が充実している派遣会社を選ぶのもよいでしょう。
派遣先(ショップ)との顔合わせには何を着ていく?
事務職であれば、就業先との顔合わせにはスーツを着ていくのが基本です。しかしアパレルの場合、何を着ていけばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
アパレル派遣の経験者に「ショップとの顔合わせに何を着ていったか」質問した結果はこちら。
顔合わせには、「スーツ」「オフィスカジュアル」で行く人が多いと分かります。
- 初対面の際は、礼儀だと思う(30代 ジーンズ専門店)
- 冠婚葬祭用のお店でカジュアルではダメだろうと思ったので(25歳 フォーマルスーツの店)
- 印象を良くするため(25歳 アウトドアブランド)
- 普段着でいいと言われたが、さすがに私服で行くのはまずいと思ったので(子供服)
- 派遣会社からスーツ又はオフィスカジュアルでとの指定があったため(20歳 百貨店内のショップ)
- 派遣会社からの指示もあったが、やはりそのショップに合わせた服装の方が相手方も私がそのショップに合っているか判断しやすいと思う。また、服装も自己アピールの一部と考えているので(23歳 有名カジュアルブランド)
- 派遣会社からも指示がありますが、ファッションセンスや自社ブランドを着用した時のイメージなども問われるため(21歳 きれいめ系ブランド)
顔合わせは、面談や面接に近いものなので、よい印象をもってもらうためにはスーツやオフィスカジュアルが望ましいです。
ただし、派遣先によっては自社ブランドの着用イメージやファッションセンスを見たいというケースもあります。
当アンケートでは、28人中17人が「派遣会社からどのような服装で行けばよいか指示があった」と回答していますが、もし指示がない場合でも、派遣会社の担当者に確認するのが無難です。
そうすることで、「この服装で大丈夫かな…」と不安になることなく、自信をもって顔合わせに望めますよ。
アパレルで働くのにおすすめの派遣会社
アパレルの仕事をしたい場合にどの派遣会社を選べばよいか迷ったら、アパレルに特化した下記の派遣会社に登録しましょう。
アパレルに特化した派遣会社は、たくさんのブランド、メーカーとの取引があり、また担当者がアパレル業界に詳しいからです。
よい仕事に巡り合うためには「派遣会社の担当者の対応」がとても重要です。
できれば2社登録して比較し、親身になってくれる担当者がいる派遣会社にお願いしましょう。
アパレル販売におすすめの派遣会社を詳しく知りたい方は、「アパレル販売におすすめの派遣会社ランキング」の記事も参考にしてみてください。
まとめ
「アパレル・ファッションの仕事がしたいけど給料が安いのは悩み」という方は、ぜひ派遣会社に登録してみてください。
人気のブランドやメーカーで働きながら、収入面でも満足できますよ。
監修者のCOCOLOR(ココカラー)代表の都外川八恵氏から、『アパレル業界で派遣社員やアルバイトならではの押さえておきたいポイント』についてアドバイスいただきました。
これからアバレル派遣やアルバイトで働く際には、ぜひ参考にしてみてください。
派遣社員であろうとアルバイトであろうと、
アパレル業界で働きたいのであれば、
第一印象はもちろんのこと、
第二印象まで好印象を持っていただけるよう、
常に自分磨きをしておきましょう。
第一印象に大きく関わるのは、やっぱり「笑顔」。
そして自分自身の「お洋服の着こなし方や見せ方」もやっぱり大事です。
第二印象まで好感を持っていただくためには、
「場の空気」や「お客様のニーズ」を読むコミュニケーション能力。
そして、お客様が求めているものに対して
的確なものを提案できるプレゼンテーション能力です。
これらの能力は、派遣として転職を重ねていく上でも
ご自身にとってとても有利に働くと思いますよ。
それに加えて、私のところでは、アパレル業界のスキルに欠かせない
お客様の「似合う」や「らしさ」を客観的かつロジカルに分析する方法、
また、それらを生かしてお客様の「なりたい」を実現する
スタイリングテクニックをご指導しています。
皆様の転職活動を「ここから」応援しています。
参考:
新時代に対応できる
CoCoカラースタイリスト養成講座 2023年春開講!
https://www.cocolor.biz/cocolor_stylist/
■監修者プロフィール
色であしたを変える
COCOLOR(ココカラー)代表
都外川八恵(ととかわやえ)
十人十色の個性を輝かせるCoCoカラースタイリスト。
内面の個性を表す色は35億通りから
外面の似合う色や質感や柄や形は768タイプから見極め、
「なりたい」を実現するスタイリングやブランディングを得意とする。
大学の経営学部や、ビジネス系専門学校でも教鞭をとる。
業界25年、著書12冊、メディア出演多数。