あなたは職場で理不尽な思いをしたことがありますか。
理想は「全員が納得しながら快適に働ける職場」ですが、現実には働いていると理不尽なことも起こるのではないでしょうか。
実際、現在お仕事をしている500人に「仕事で理不尽さを感じることがあるか」と聞いたところ、「よくある」「たまにある」が合わせて83.2%でした。
多くの人が仕事で理不尽さを感じたことがあるとわかります。
全員が納得しながら働ける職場は少ないのでしょう。
「会社や仕事は、多かれ少なかれ理不尽なもの」という意識をもっている人もいるかもしれません。
上記の質問以外にも「仕事で理不尽と感じる瞬間」や「理不尽でイライラした場合の対処法」について聞いています。
- 調査対象:現在お仕事をしている方
- 調査期間:2023年3月16日~22日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:500人(女性299人/男性201人)
- 回答者の年代:10代 0.4%/20代 18.0%/30代 40.6%/40代 26.2%/50代 12.4%/60代以上 2.4%
仕事で理不尽さを感じるときランキング
続いて「仕事で理不尽さを感じたことが全くない」と回答した人を除く453人に「どんなときに理不尽さを感じるか」を聞きました。
その結果、1位になったのは「評価が不公平(75人)」でした。
2位「自分は悪くないのに怒られる(64人)」、3位「仕事量に偏りがある(44人)」、4位「えこひいきがある(38人)」と続きます。
「正当ではない評価」「仕事量の偏り」「えこひいき」などの不公平さを理不尽に感じる人が多数。
また「自分は悪くないのに怒られる」「感情的に怒られる」など、理由に納得できないまま怒られたときも、理不尽さを感じる人が多いとわかりました。
仕事で理不尽さを感じるとき1位 評価が不公平
- 生産性が高くても、低い人と同じ給料であること(22歳 女性)
- 他の人よりスキルがあるけど、年功序列のため昇進できなくてもどかしい(37歳 女性)
- 昇進が公平でない場合に理不尽さを感じます(45歳 男性)
1位は「評価が不公平」でした。
「自分の頑張りや成果が、給料や地位に反映されていない」と不満をもつ人が多くなっています。
とくに「自分より仕事ができないと思われる人」が上司から高評価を受けたり順調に昇進したりしていると、不満は大きくなりやすいと推測できます。
仕事で理不尽さを感じるとき2位 自分は悪くないのに怒られる
- 他人がやったことなのに怒られること(28歳 男性)
- 自分がミスをしたわけではないのに、クレーマー対応にあたったとき(38歳 女性)
- まったく自分に非がないにも関わらず、責任を押しつけられことがある(54歳 女性)
2位は「自分は悪くないのに怒られる」でした。
ミスを押し付けられるのはもちろん腹が立ちますし、他のスタッフが引き起こしたクレームの対応をするのもツラいですよね。
怒っているお客さんに対して「自分がやったわけではないので、知りません」とは言えないため、黙って怒られる人も多いでしょう。
仕事で理不尽さを感じるとき3位 仕事量に偏りがある
- ほぼ毎日、理不尽な仕事の配分に嫌気がさします(36歳 男性)
- 訪問看護師をしています。人よりシフトに入ることが多かったり、重症な人を当てられることが多く理不尽に感じます(40歳 女性)
- 自分の仕事を他人に押し付ける人がいる。「まじめな人だけが損をする」と感じます(54歳 女性)
3位は「仕事量に偏りがある」でした。
人によって業務量が違うことに理不尽さを感じている人も多数。
「周りより業務量が多いのに給料が変わらない」という場合は、さらに不満が大きくなるでしょう。
仕事で理不尽さを感じるとき4位 えこひいきがある
- 同じことをやっても、注意される人とされない人がいる(28歳 女性)
- 人によって上司の態度が違う(36歳 男性)
- 上司が特定の部下にばかり目をかけていて、その他はほったらかしなので仕事が進まない(49歳 女性)
「えこひいきがある」が4位でした。
「自分ばかり怒られる」「上司から気に入られている人の意見だけが通る」といった環境にうんざりしている人も多いのではないでしょうか。
人が集まれば相性の良し悪しはどうしても起こりますが、公平であるべき上司が堂々とえこひいきする職場はツラいですよね。
えこひいきが「仕事のスムーズさ」に影響しているケースもあるようです。
仕事で理不尽さを感じるとき5位 ノルマ・仕事が多すぎる
- 頼まれた仕事の内容が難しすぎるときや、仕事量が適切ではないとき(28歳 女性)
- 人員が足りないのに、仕事ばかり増やされること(32歳 男性)
- 過度な期待や目標を押しつけられること(40歳 男性)
5位は「ノルマ・仕事が多すぎる」です。
「自分のキャパシティを超えている仕事」を任される環境に理不尽さを感じている人も多数。
上司やクライアントが、個人の状況や能力をしっかり把握していない可能性が考えられますね。
仕事で理不尽さを感じるとき6位 聞くたびに指示が変わる
- 上司から伝えられた目標の達成に向けて取り組んでいたのに、途中で方向転換をされて目標も変えられたとき(29歳 女性)
- 昨日まで普通にできていたことが、社長方針で急にできなくなったとき(34歳 女性)
- 上司の指示や言うことがコロコロ変わる(50歳 男性)
6位は「聞くたびに指示が変わる」でした。
上司や経営者の指示が二転三転すると、実務を担うスタッフは混乱しますよね。
指示に従って動き始めていたのに、最初からやり直しになってしまうと、徒労感を味わうことになりそうです。
頻繁に指示が変わるうえに丁寧な説明もない場合には、理不尽さを強く感じるのではないでしょうか。
仕事で理不尽さを感じるとき7位 感情的に怒る上司・同僚がいる
- 先輩が八つ当たりをしてきます(28歳 女性)
- 短気な先輩が常にイライラしており、とばっちりで怒られる(37歳 男性)
- 感情で行動するヒステリックな人がいて、暴言を吐かれることがある(43歳 男性)
7位は「感情的に怒る上司・同僚がいる」でした。
感情で動いて八つ当たりしてくる人だと、いつどんなきっかけで怒られるかわかりません。
上司や経営者など職位が高い人が感情的なタイプだと、職場全体の雰囲気が悪くなってしまいそうです。
まずは冷静になって「なぜ理不尽なことをされるのか」考えてみましょう。
自分では理不尽だと思っていても、きちんとした理由があることもあります。
たとえば、「周りより結果を出しているのに、なかなかリーダーへ昇進しない」ことに理不尽さを感じている人の場合。
数字は上げられても、マネジメント能力不足が原因で、昇進の声がかからないことも考えられます。
しかし、正当な理由もなく理不尽なことをされているのであれば、パワハラの可能性も。
無理なことはハッキリ断り、冷静に話し合って改善を求めてみるのもいいでしょう。
意外とあなたの状況を理解していなかったり、相手自身も無意識に理不尽な言動を行っていることもあります。
それでも改善せず、さらに理不尽な言動が増加するのであれば、上司やさらに上の上司、会社の相談窓口に相談してみてください。
心身に不調をきたしていたり、話し合いや相談の余地がない場合は、転職を検討するのもいいでしょう。
転職の際は、転職市場の状況を教えてくれたり、転職理由についてアドバイスをくれる転職エージェントの利用をおすすめします。
理不尽でイライラした場合の対処法ランキング
最後に「理不尽でイライラした場合の対処法」を聞いたところ、圧倒的1位は「我慢して受け流す(252人)」でした。
職場ではできるだけ波風が立たないようにしたいと考える人も多いのでしょう。
また職場での立場が弱く、意見を言いたくても言えない人もいるかもしれません。
2位は「上司・同僚に相談する(97人)」、3位「反論する(66人)」、4位「愚痴などで気持ちを吐き出す(40人)」でした。
順番に詳しく解説していくので参考にしてみてください。
理不尽でイライラした場合の対処法1位 我慢して受け流す
- 基本的に現状を変えられないので、気にしないようにする(29歳 女性)
- 「仕事を失うよりはいい」「仕方ない」と思うようにする(34歳 女性)
- 一切気にせず受け流します(41歳 男性)
1位は「我慢して受け流す」でした。
受け流す理由は「自分の力では、社風や会社のシステムを変えられないから」「立場が弱いから」などです。
「抵抗しても何も変わらないから我慢するしかない」という諦めがあるようです。
理不尽でイライラした場合の対処法2位 上司・同僚に相談する
- 上司との個人面談が年に1回あるので、面談時に問題点の報告・相談をすることが多いです(27歳 男性)
- 理不尽な出来事を上司に報告し、相談に乗ってもらう(31歳 女性)
- もし理不尽なことがあったら、上司に相談する(59歳 女性)
2位は「上司・同僚に相談する」でした。
上司や同僚と信頼関係ができていれば、相談するのもよい方法ですね。
相談しても解決できないケースもありますが、気持ちを言葉にして誰かに伝えるだけでも、ストレスが少し和らぐのではないでしょうか。
なお理不尽を感じている原因が上司の場合は、さらに「上の上司」や「人事部」などに相談するのがおすすめです。
理不尽でイライラした場合の対処法3位 反論する
- あまりにひどいときは、自分の主張を言う(28歳 女性)
- 自分に関係のあることについては、納得がいかなかったら反論します(41歳 男性)
- どうしても納得いかないときは反論する(53歳 女性)
3位は「反論する」でした。
言われっぱなしではなく、自分の意見を伝える人も多いとわかります。
反論する際には「雑談のように反論する」「証拠や論理をもとに意見する」など、ことを荒立てないよう注意している人もいました。
感情的に反論すると、状況が悪化したり他のスタッフに迷惑をかけてしまったりするので、注意したいですね。
理不尽でイライラした場合の対処法4位 愚痴などで気持ちを吐き出す
- 職場に関係のない友人・家族に打ち明け、ストレス発散(25歳 女性)
- 家族に愚痴を聞いてもらう(32歳 女性)
- 同僚と一緒に愚痴を言う(50歳 男性)
「愚痴などで気持ちを吐き出す」が4位でした。
家族や友人に話を聞いてもらうだけでも、ストレス発散になるものです。
また自分と同じように理不尽な思いをしている同僚がいれば、愚痴も言いやすそうですね。
愚痴を言うときには、機密情報をうっかり話してしまわないよう注意しましょう。
理不尽でイライラした場合の対処法5位 相手に謝罪する
- 面倒だから謝っておく(35歳 男性)
- 「申し訳ございませんでした」と謙虚にふるまう。「知らされていなかった」と事実をいったところで、面倒な人扱いされるだけなので(45歳 女性)
- 丸く収めるため、とりあえず言い訳せずに謝っておく(53歳 女性)
5位は「相手に謝罪する」でした。
「理不尽に怒られているな」「自分は悪くないのに」と思っても、ことを大きくしないためにとりあえず謝罪して場をおさめてしまう人もいます。
感覚としては「受け流す」に近いのかもしれません。
理不尽でイライラした場合の対処法6位 気分転換を試みる
- 早く忘れるよう、趣味に没頭する(24歳 女性)
- 笑う。YouTubeでとにかく面白い動画を見る(30歳 男性)
6位は「気分転換を試みる」です。
趣味などでストレスを発散し、気持ちを落ち着けたり切り替えたりしている人もいるとわかりました。
「相談しても解決しない」「そもそも相談できない」といった状況で、仕事以外で息抜きするしかない人も多いのでしょう。
理不尽でイライラした場合の対処法同率6位 退職・異動で環境を変える
- 転職サイトを見て次の仕事を探します。徐々に気持ちはおさまってきますが、本当に限界なら、そのまま転職活動を始めようかと思います(27歳 女性)
- 改善しないときは仕事をやめる。仕事を続けてメンタルを壊しても、誰も助けてくれないのを知っているから(35歳 男性)
同率6位は「退職・異動で環境を変える」です。
「理不尽な環境が変わりそうにない」「ハラスメントがある」などの場合は、転職・異動が選択肢となります。
ストレスが大きくなりすぎて心身の不調が引き起こされると、休職せざるを得なかったり、回復に時間がかかったりすることもあるからです。
仕事で理不尽なことがあっても受け流そうと考えている人は、ストレスをため込まないように注意しましょう。
仕事の理不尽を我慢し続けた結果、ストレスによる体調不良を起こす可能性があります。
職場で理不尽なことが起こったら、まずは深呼吸をしてイライラを落ち着かせてください。
そして、仕事終わりや休みの日にストレスを発散させること。
ストレスが軽減でき、ポジティブに物事を捉えらえるようになります。
ストレス発散方法が分からない人は、「【ストレスの解消方法ランキング】男女3,013人アンケート調査」で紹介されているストレス解消方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
社会人500人にアンケートを実施したところ、「不公平な扱い」を理不尽だとイライラを感じている人が多くなりました。
「理不尽な扱いは受け流す」という意見が多かったものの、理不尽な扱いをまったく気にしないのは、実際には難しいものです。
身近に相談できる相手がいるなら、ひとりで抱え込まず早めに相談しましょう。
「会社は多かれ少なかれ理不尽なもの」と考える人もいますが、あまりに理不尽な環境に身を置き続けていると、心身に負担がかかります。
今の職場で働くのが限界だと感じているなら、転職や社内異動を考えてみてはいかがでしょうか。