【30代の看護師が辞めたい理由ランキング】経験者104人アンケート調査

看護師はやりがいがある一方、体力的な負担やストレスも大きい仕事です。

30代になると「中堅」になり、教育係を任されたり委員会への出席を求められたりして仕事が増え、ますます疲れてしまう人もいます。

家庭をもったことで「仕事とプライベートの両立が難しい」と感じる瞬間も多くなるでしょう。

そのため「看護師を辞めたい」と悩む30代の看護師さんも多いのではないでしょうか。

そこで今回は30代のときに「看護師を辞めたい」と思ったことがある104人にアンケートを実施。

「辞めたいと思った理由」「辞めたいと思ったときにどうしたか」について聞きました。

【調査概要】

  • 調査対象:30代のときに「看護師を辞めたい」と思ったことがある人
  • 調査日:2022年1月17日~31日
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 調査人数:104人(女性89人/男性15人)

30代の看護師が辞めたい理由ランキング

30代のときに「看護師を辞めたい」と思ったことがある人に理由を聞いたところ、回答は以下の結果となりました。

30代看護師が辞めたい理由

1位になったのは「プライベートとの両立が難しい(31人)」です。

2位「人間関係への不満(27人)」、3位「身体的にツライ(25人)」、4位「業務負荷が大きい(20人)」と続きます。

以降、5位「業務内容が合わない(10人)」、6位「仕事のわりに収入が低い(9人)」、7位「他の仕事がしたい(4人)」の結果となりました。

交代制で夜勤をこなしつつ働く看護師も多いことから、「プライベートとの両立が難しい」が1位となりました。

身体的にツライ理由として夜勤を挙げた人も多く、夜勤は看護師が仕事を続けていく上で大きなポイントになっているとわかります。

なお8位以下には「キャリアアップのため」などが入りました。

では具体的な回答を紹介します。

1位 プライベートとの両立が難しい

  • 子どもが生まれてからはワークライフバランスを保てなくなってきたので、辞めたいと思っている(35歳 男性)
  • 子育てしながら働いていたが、時短勤務でも残業は続き両立が難しくなった(36歳 女性)
  • 子どもが病気になるたびに休み、「スタッフに迷惑をかけている」と心苦しくなりました(38歳 女性)

1位は「プライベートとの両立が難しい」です。

30代になると「結婚」「子育て」「親の介護」などライフステージの変化を迎える人も多くいます。

そのため「看護師というハードな仕事では、プライベートと両立できない」と、退職を考える人も多くなりました。

「家族と生活リズムが合わない」「急な残業で保育園のお迎えが間に合わない」ことも多々あるからですね。

また「不妊治療と両立できないから」と回答した人も複数いました。

2位 人間関係への不満

  • 人間関係が険悪で、精神的に追い詰められてしまったからです(31歳 女性)
  • 人間関係が悪く、現場にいると空気が悪く、居心地もよくないから(32歳 男性)
  • 病棟で中堅の立場になり、上司と若いスタッフに挟まれて精神的にきつかった(37歳 女性)

2位は「人間関係への不満」です。

人間関係はどのような職場でも「退職したい理由」の上位に入ります。

また中堅になったり役職がついたりして、上司と後輩・部下の間で人間関係に悩むのも、30代の特徴といえそうです。

なお「看護師長が変わって職場の雰囲気も変わり、退職した」という人も。

看護師長の人柄や働き方が看護師に大きな影響を与えることもわかりました。

「男性看護師で、周りに話し相手がいなかったから」という回答も寄せられています。

3位 身体的にツライ

  • 患者さんを持ち上げた際に、腰を悪くしてしまうことが続いたため(35歳 女性)
  • 生理が止まったり、倦怠感や頭痛を感じるようになって悩んでいました(37歳 女性)
  • 夜勤が体力的にきつかった(38歳 女性)

3位は「身体的にツライ」。

男女問わず回答を集めました。

とくに「病棟勤務」「交代制勤務」の看護師からは、「夜勤や不規則な勤務が体力的にツライ」という声が多数。

「年齢的にキツくなってきた」という声もあり、「20代のときはこなせたけれど、30代になると体力も衰えてきてツライ」と感じる人もいると伺えます。

頻繁に患者さんを抱きかかえたりする職場では、腰痛に悩む人も多いですね。

4位 業務負荷が大きい

  • リーダーや委員会など任されることが多く、疲弊してしまった(32歳 女性)
  • 指導者や係など時間外での仕事が多く、責任を伴うものだった(35歳 女性)
  • 仕事の責任が増えてきたこと(39歳 男性)

4位にランクインしたのは「業務負荷が大きい」でした。

「そもそもの業務が多忙」「欠員が出て、他の看護師の負担が大きくなった」などの回答が寄せられました。

また30代になると「新人の教育係」「病院内の委員会業務」などを任される人も。

看護以外に任させる業務の負担が増えて、辞めたいと感じる人も多くなっています。

5位 業務内容が合わない

  • 外来の業務が合わず、病棟で働きたかったので辞めたかった(34歳 女性)
  • 異動した先の仕事にやり甲斐がなかった(35歳 女性)

「業務内容が合わない」が5位となりました。

「転職」「異動」「育休からの職場復帰」をしたあとに、業務内容が合わないと思い辞めたくなった人も多数。

30代になって昇進し、「業務内容が変わり、やりがいを失った」「看護の現場から遠ざかっていくような気がした」という人もいました。

責任感ゆえ、「担当患者の急変に直面し、向いていないかもと思い悩んだ」という回答も寄せられています。

6位 仕事のわりに収入が低い

  • 看護師は夜勤をしないとお給料が良くないため(33歳 女性)
  • 看護師を続けていても収入があまり上がらない(38歳 女性)

「仕事のわりに収入が低い」が6位。

世間からは「高給取り」と言われることも多い看護師ですが、収入に不満を持っている人も多いとわかります。

「昇給しづらい」「夜勤しないと収入は少ない」という職場も多いからですね。

30代になり、看護師以外の職種と比べて「仕事がハードなわりに、収入が少ないのでは」と感じる人もいるのかもしれません。

7位 他の仕事がしたい

  • 看護師以外の仕事をしたことがなかったので、違う職種の仕事を経験して自分のキャリアに活かしたいと思った(31歳 女性)
  • 普通の会社員のような生活で、疾病予防・健康維持の仕事をしたいと思った(47歳 女性)

「他の仕事がしたい」が7位となりました。

「看護師のキャリアを活かして、別の仕事をしたい」「別の診療科で働きたい」と退職を決意した人もいます。

30代に入って「今後の人生プラン」を考え直す人も多いからですね。

病院以外で働きたい場合、「保育園看護師」「企業看護師」などが有力な選択肢です。

また「医療系のコールセンタースタッフ」「治験コーディネーター」や事務職など、看護職以外に転職する人もいます。

辞めたいと思った30代看護師のうち実際に退職したのは6割

30代のときに「看護師を辞めたい」と思ったことがある人に「実際に退職したか」を聞いたところ、回答は以下の結果となりました。

30代看護師 転職経験

辞めたくなって実際に退職した人は64.4%です。

6割以上の人が実際に「退職・転職」を選んだのですね。

看護師は人手不足で転職先が見つかりやすいので、勇気を出して退職できる人も多いのでしょう。

では「退職した理由」「退職しなかった理由」について、具体的な回答をもとに紹介します。

30代で退職した理由

  • 夜勤がなくても平均収入が高い美容クリニックに転職を決めたから(31歳 女性)
  • 育児しながら仕事を続ける自信がなかったからです(34歳 女性)
  • 働き詰めで疲弊しており、少し体と心を休ませたいと思ったからです(37歳 女性)

退職を決めた人からの回答は、主に「続けるのがムリだった、限界だった」と「より良い条件で働ける職場を見つけた」の2パターンでした。

また退職について悩んでいたときに「管理職にならないか」と打診され、「管理職になったら辞められない」と感じて退職した人も。

「病院内で異動ができない」など、辞めずに続けられる道がなくて退職に至った人もいました。

30代で退職しなかった理由

  • 他の病院に行っても状況が改善するとは思えなかった。退職すると家計を直撃するため、リスクはとれなかった(34歳 女性)
  • 部署異動になったので、もう少し頑張ってみようと思えました(34歳 女性)
  • 退職しなかったのは、勤務先の病院で提供している医療に誇りをもっていたからです(53歳 女性)

退職しなかった人からは「退職する勇気がなかった」「転職しても変わらないと思った」「環境が変わった」「周りに支えられた」など、さまざまな回答が寄せられました。

業務はハードでも人間関係がいい場合、上司や同僚に相談することで辞めたい気持ちがなくなることもあります。

上司や勤務先に相談した結果、「別の診療科」や「系列病院」に異動でき、仕事を続けているという人も。

パートや時短勤務への切り替えも、ツライ時期を乗り切る手段です。

ただ「まだ実際に退職はしていないが、検討している」と答えた人も複数いました。

看護師の仕事が好きな人は8割

30代のときに「看護師を辞めたい」と思ったことがある人に「看護師の仕事が好きか」を聞いたところ、回答は以下の結果となりました。

30代 看護師の仕事はすきか

「まあ好き」「好き」が合わせて81.7%となりました。

ツラくて辞めたくなることがあっても、看護の仕事に「誇り」「やりがい」を感じている人が多いとわかります。

患者さんが回復したり、感謝の言葉をもらったりすると「看護職ならではのやりがい」を感じますよね。

一方で看護の仕事が好きなのに、職場環境や勤務時間の問題で離職する人が多いのも事実。

「患者さんの健康を守る看護師が心身ともに疲弊しているなんて」と思う人も多いからですね。

「看護が好き」という気持ちだけでは乗り切れない困難も多いことが伺えます。

「人間関係がいい」なら辞めたくない

30代のときに「看護師を辞めたい」と思ったことがある人に「辞めたいと思わずに働ける職場の条件」を聞いたところ、回答は以下の結果となりました。

30代看護師 辞めたいと思わずに働ける条件

1位になったのは「人間関係がいい(51人)」です。

2位「希望の勤務時間で働ける(30人)」、3位「満足できる収入(28人)」、4位「休みやすい(19人)」と続きます。

以降、5位「ワークライフバランスがとれる(18人)」、6位「人員配置に余裕がある(16人)」、7位「業務負荷が大きすぎない(15人)」の結果となりました。

「辞めたい理由」と反対の条件が多く並んでいます。

「収入」を挙げた人もいましたが、全体的には「働きやすさ」を求める人が多くなっています。

なお8位以下には「病院が看護師を大事にしてくれる」「スキルアップできる」「男性看護師が多い」などが入りました。

では具体的な回答を紹介します。

1位 人間関係がいい

  • 人間関係で、役職や年功序列関係なく互いに尊敬しあえる関係(31歳 女性)
  • 相談し合える職場環境(34歳 男性)
  • 人間関係良好で、何か不備があればその都度話し合って改善できるようなコミュニケーションが取れる環境(36歳 女性)

1位は「人間関係がいい」です。

「人間関係がよければ、ある程度の忙しさや大変さは我慢できる」という人もいました。

「困った時に相談しやすい」「引き継ぎや情報共有がしっかりできる」職場だと、モチベーションや看護の質も上がると考えられます。

また看護師同士の人間関係だけではなく、「医師や看護師以外の医療系専門職との人間関係がいいこと」を挙げた人もいました。

2位 希望の勤務時間で働ける

  • 時間外労働が少ない環境なら続けたかもしれません(33歳 女性)
  • 日勤の常勤で働けるならどこでもいい(36歳 女性)
  • 「夜勤」「早番」「遅番」のない、安定した勤務形態なら辞めたいと思わずに働けると思います(37歳 女性)

2位は「希望の勤務時間で働ける」です。

「夜勤がないこと」「定時で帰れること」を挙げた人が多くなりました。

体調面でも家庭面でも、希望に合う勤務時間で働けることは重要です。

「保育園」「デイサービス」「検診センター」などですと、夜勤なしや残業少なめで働ける職場も多いです。

3位 満足できる収入

  • 夜勤がなくても高い収入が得られるのであれば、続けてもよかったかなと思う(31歳 女性)
  • 仕事に見合った給料、待遇(33歳 女性)
  • 大手企業の事務職なみに給料をもらえて、長く続けられるのなら(49歳 女性)

3位は「満足できる収入」。

「夜勤なしでも収入が高いといい」「ちゃんと昇給してほしい」と答えた人が目立ちました。

日本看護協会の調査によると、看護師の給与は「設置主体」や「病床規模」によって異なり、大規模な病院ほど高い傾向です。

※参考:日本看護協会 看護職の給与データ(2018年版)

また、夜勤なしで収入を上げるなら、「自由診療」を行っている美容外科などが有力な転職先候補になります。

4位 休みやすい

  • 急な休みも取りやすい(33歳 女性)
  • 土日祝関係のない職業ですが、優先して休みをいただけると子ども過ごす時間が取れるため、辞めたいとは思わないかもしれません(38歳 女性)
  • ある程度休みが取れるところだと思います(44歳 男性)

4位にランクインしたのは「休みやすい」でした。

休みやすさは、働きやすさに繋がりますね。

多忙・人員不足の職場ですと「他の看護師に迷惑をかけて申し訳ない」「子どもや自分の体調不良のときであっても気兼ねする」と、休みにくさを感じる人もいます。

好きなときに有給休暇を使えない人もいるでしょう。

上司に相談しても、休みの取りにくさが改善されない場合には、転職が現実的な選択肢となってきます。

5位 ワークライフバランスがとれる

  • 子育てと両立できる場所(33歳 女性)
  • 託児所や病児保育が病院にある(36歳 女性)
  • 家族の状況によって、臨機応変に勤務の相談にのってくれるような環境(48歳 女性)

「ワークライフバランスがとれる」が5位となりました。

「子育てや介護への理解」「保育施設」を求める声が寄せられています。

家庭をもったり介護が始まったりする30代では、家庭との両立は切実な問題ですよね。

プライベートが充実することで、長く同じ職場で経験を積めて、スキルや専門性の向上にもつながるでしょう。

6位 人員配置に余裕がある

  • スタッフが十分に配置され、時間に追われることなく業務を進められる(34歳 女性)
  • 慢性的な人員不足が解消されていたなら、辞めずに働けたと思います(34歳 女性)

「人員配置に余裕がある」が6位。

欠員がなかなか補充されないという病院もあります。

人手が足りないと「一人あたりの業務負担が増える」「夜勤の回数が多くなる」「休みにくい」などの問題が生まれますね。

余裕を持って看護にあたるため、余裕をもった人員配置を求める人も多くなりました。

7位 業務負荷が大きすぎない

  • 中堅看護師にばかり新人教育や勉強会・委員会活動などの負担がかかり過ぎないような配慮(35歳 女性)
  • 看護業務以外の煩雑な業務が縮小されればよい(39歳 男性)

「業務負荷が大きすぎない」が7位となりました。

30代になると看護以外の仕事を任される人も多くなりますが、あまりに負担が大きいと、体調不良やストレスに繋がります。

「忙しすぎて患者さん一人ひとりにしっかり向き合えない」と、もどかしさを感じる人もいるでしょう。

看護師は命に関わる仕事だからこそ、ひとつひとつの仕事を焦らず、確実に、丁寧に進める必要があります。

ひとりの看護師に仕事・負担が集中しないような体制が整っている職場が働きやすいですよね。

まとめ

看護師はやりがいが大きい反面、身体的・精神的負荷も大きい仕事です。

そのため看護の仕事が好きでも、「プライベートと両立できない」と退職・転職する人も多くいます。

アンケートからは「上司と後輩の板挟みになって悩む」「任される仕事が増えて心身ともに負担が大きい」など、中堅である30代特有の「辞めたい理由」も浮かび上がりました。

「看護は好きだが、今の病院では負担が大きすぎて続けられない」のであれば、夜勤や残業が少ない病院を探して転職することも検討してみましょう。

病院以外で看護師を必要とする職場もありますし、自由診療を行うクリニックなど「夜勤なしで収入が比較的高い」職場もありますよ。

あなたにとって働きやすい職場を見つけてくださいね。