
新しい職場で働き始めるときは、不安や心配も多いですよね。
当メディアが行ったアンケート調査では、97.2%の人が「新しい職場で働くときに不安を感じる」と回答しました。
不安が大きいと、強い疲労感や精神的なつらさを感じ、「眠れない」「出勤したくない」などと追い詰められてしまう人も。
そこで今回は、働く男女500人にアンケート調査を実施。
「新しい職場で不安になること」をランキングにしました。
また、不安や緊張を解消するために「新しい職場で意識していること」についても聞いてみました。
就職や転職が決まり、新しい職場での不安を感じている人は、ぜひ参考にしてください。
- 調査対象:全国の働く男女
- 調査日:2021年2月1日~2日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査人数:500人(女性353人/男性147人)
新しい職場で不安になること1位は「職場の人間関係・雰囲気」
就職や転職で新しい職場で働き始めるとき、どんなことに不安になるか聞いてみました。
断トツの1位は、「職場の人間関係・雰囲気(417人)」で、2位「仕事をこなせるか(51人)」に8倍以上の差をつけました。
3位以下は「スキルが見合っているか」「質問しやすい環境か」と続きます。
業務内容よりも、職場の人間関係に不安を感じる人が圧倒的に多いとわかりました。
では、回答の内容を詳しく紹介します。
1位 職場の人間関係・雰囲気
- 業務内容については面接や会社案内である程度知ることができますが、職場の雰囲気や人間関係は分からないので心配(30代女性)
- 人間関係です。これがダメだったら、いくら仕事ができても職場に行くのが億劫になりますから(40代男性)
- 年齢が下の方が先輩になることがあるので、うまくコミュニケーションが取れるか不安(50代女性)
多くの人が「職場の人間関係・雰囲気がいいか不安」と答えました。
業務内容は求人情報や面接などで事前に確認できますが、職場の雰囲気や人間関係まではわからないため、不安を抱く人が多いようです。
「面接でなんとなくの雰囲気は分かっても、同僚との相性など詳しいことまではわからない」という意見もありました。
2位 仕事をこなせるか
- 新しい仕事を覚えられるか不安(20代女性)
- 自分にできるのか、上司の期待に応えられないのではないかというのが1番の不安(30代男性)
新しい仕事に対して、「業務内容が難しかったらどうしよう」「自分にできるのだろうか」と不安に感じる人も多いことがわかりました。
「周りに迷惑をかけてしまうのではないか」「損失を与えてしまわないか」など、「自分が職場に加わったことによる、会社や同僚への影響」を心配している人が多くいました。
3位 スキルが見合っているか
- 今までのスキルを活かした働き方ができるかどうか(40代女性)
- 自分の経験が活かせるかどうか(50代男性)
「スキルが見合っているか不安」と答えた人は、全員が30代以上でした。
経験や実績を積んで新しい職場にうつった人は、「自分のスキルと仕事内容があっているか」「スキルのミスマッチがないか」という点で不安を感じることも多いとわかります。
4位 質問しやすい環境か
- わからないことを聞ける先輩社員が多いかどうか(20代女性)
- 仕事をイチからしっかり教えてもらえるか(30代女性)
新しい職場ではわからないことだらけ。
わからないことに直面して、作業が止まってしまうこともあります。
仕事の進め方や職場のルールがわからなくて困った時に、すぐ質問でき、きちんと教えてもらえると安心ですね。
5位 社風・独自ルールがわからない
- その会社独自のルールを何も知らない状態だから、どうしていいかわからない(20代女性)
- 前の職場での当たり前が通用しないこと。今まで染み付いていたクセが通用しないと思うと不安(30代女性)
社風や社内ルールは、会社によりそれぞれです。
仕事の手順など業務に直接関わることから、休暇取得の手続き、人に声をかけるとき「さん付け」か「役職で呼ぶ」かなど、さまざまな違いがあることでしょう。
前職のルールに沿って行動していると、「うちの会社では、やり方が違うんだよ」と注意されかねず、不安に感じる人もいます。
同率5位 ハラスメントがないか
- 職場で怒鳴るようなパワハラをする上司がいないかが不安(30代女性)
- パワハラが原因で転職を決意したため、特に人間関係に不安を感じました(30代男性)
「人間関係・雰囲気」にも近いですが、パワハラなどのハラスメントがないか心配する人もいました。
とくに、前の職場でハラスメントを受けた人は「次は大丈夫だろうか」と大きな不安を抱くようです。
7位 求人内容と実情に違いがないか
- 労働条件が提示されてたものと同じかどうか(20代男性)
- 未経験者歓迎と求人には出ているが、実際どうなのか不安に感じていた(30代男性)
「業務内容や労働条件が、求人情報と違っていた」という経験をした人もいるのではないでしょうか。
「事務だと思って応募したのに、現場作業の補助が多い」「正社員登用ありと書いてあったのに、実際には登用実績がない」など、事前の認識とのズレがあると、不満や退職の原因になります。
【不安解消に効果あり】新しい職場で意識していることランキング
就職先・転職先での不安や緊張を解消するために、新しい職場で意識している心構えや行動を聞いてみました。
1位は「コミュニケーションを大切にする」で、2位に倍以上の差をつけました。
「新しい職場で不安なこと」の1位は「人間関係」だったので、人間関係の不安を解消するための手段として、周りとのコミュニケーションを大切にしている人が多いと考えられます。
2位以下にも「謙虚に振る舞う」「礼儀やマナーに気を配る」「職場の人間関係を把握する」など、人間関係に関する回答が多くランクインしました。
1位 コミュニケーションを大切にする
- 笑顔でハキハキと受け答えする(20代女性)
- 聞き上手になること。相手の意見を最後まで聞き、否定から入らない会話を心がけています(30代男性)
- できるだけ早く人の名前と顔を覚えて、自ら挨拶や声がけをして、コミュニケーションを取る(40代女性)
断トツ1位は「コミュニケーションを大切にする」でした。
具体的な行動としては、「挨拶」「笑顔」「明るく話す」「質問や声かけ」「同僚の名前を覚える」などが挙げられました。
快活さは好意的な印象を与えるので、周囲に受け入れられやすくなります。
コミュニケーションを積極的にとることで「仕事ができなくても、励ましてもらえる」「仕事上で困ったときに役立つ人との繋がりを築ける」など、仕事面でもいい影響があるという回答も寄せられています。
2位 早く仕事を覚える
- わからないことはそのままにせず、なるべく早めに確認して解決できるよう意識している(20代女性)
- 先輩から教わる事は必ずメモをとり、何度も同じことを聞かないようにする(40代女性)
- 先輩の言うことは素直に聞いて、早く仕事に慣れるようにしていました(50代男性)
2位は「早く仕事を覚える」でした。
「仕事ができない」「やり方がわからない」というのは、新しい職場での大きな不安要素ですよね。
そのため、仕事を覚えれば自信がつき、緊張や不安から開放される人も多いです。
具体的な方法としては、「わからないことはすぐ聞く」「曖昧なまま仕事を進めない」「メモをとる」「家で復習」といった工夫をしているという回答が寄せられました。
「早く仕事を覚えたい」という意欲を見せている人になら、先輩たちも、快く指導してくれるのではないでしょうか。
3位 謙虚に振る舞う
- 年下に対しても、その会社では先輩にあたるため謙虚に振る舞う(30代男性)
- 慣れるまで、指示されたこと、言われたことは素直に聞く(40代女性)
- 他の職場で経験があっても、前に出過ぎない(50代男性)
新しい職場での不安解消方法として、人間関係をよくするために「謙虚に振る舞う」ことを心がけている人も多いようです。
前職での経験があったとしても、新しい職場では新人。
でしゃばったり、過去の実績を自慢したりすると反感をかってしまいます。
「前の職場ではこうしていた」などと比較するのもNG。
新しい職場になじみ、ある程度の人間関係が構築されるまでは、謙虚に振る舞うのが得策です。
4位 礼儀やマナーに気を配る
- 職場の人にもお客様にも、分け隔てなく、礼儀正しい対応をすること(20代女性)
- 年齢に関係なく全員に敬語で接します(40代女性)
「礼儀やマナーに気を配る」が4位に入りました。
敬語で話す、時間を守る、清潔感のある服装を心がけるなどの礼儀やマナーは、よい人間関係を築き、職場に馴染むためには重要ですよね。
またマナーに関しては、服装やネイル、髪色、スマホの使い方、昼食の取り方など、職場ごとに暗黙のルールがあるケースも。
ビジネスパーソンとして最低限の礼儀・マナーを守ったうえで、職場独自のマナーがないかもチェックしましょう。
5位 率先して動く
- 手が空いた時には雑用や同僚の手伝いをする。「手伝えることはありませんか」など積極的に声をかける(30代女性)
- 社会人12年目で初めて転職したが、中途採用なので、基本新卒の新入社員が行うような電話取りは進んで行った(40代男性)
5位は「率先して動く」でした。
言われた仕事だけでなく、自分にできることを積極的に行う姿勢が見えると、「いい感じの人だな」「気が利くな」と、周囲からいい印象をもたれます。
とくに、仕事が少ない最初のうちは、雑用や電話の取り次ぎなどを率先して行いましょう。
電話の取り次ぎは、社員の顔と名前が一致しなかったり、取引先の会社名が聞き取れなかったりして、苦手に感じる人も多いと思います。
しかし、会社や部署の業務内容を知れたり、職場の人の名前や担当業務を把握できたりと、大変なぶんだけメリットも大きいです。
苦手なことを早めにつぶして、不安要素を減らしていきましょう。
6位 職場の人間関係を把握する
- 仲良くしても大丈夫な人と、ある程度距離を取って接する人の判別(20代男性)
- 転職者に愚痴や悪口を言いにくる人は「面倒な人」の可能性が高いので、なるべく距離を置く(30代女性)
6位は「職場の人間関係を把握する」でした。
「キーマンは誰か」「信頼できる人は誰か」などを観察してから、人間関係の構築をはじめる人も多いようです。
少し打算的に思えるかもしれませんが、面倒な人間関係に巻き込まれないためには、職場の人間関係を把握することが重要です。
一度できた人間関係の悩みはなかなか解決されず、仕事への意欲にも大きく関わるからです。
少数でもいいので、気の合う人を見つけることから始めてはいかがでしょうか。
7位 周りに合わせる
- 周りを良く見て、どう動いたら良いかを考えて動く(30代女性)
- 周りの人の服装や昼休憩の時間の使い方などを観察して、合わせる努力をする(40代女性)
7位は「周りに合わせる」でした。
仕事のやり方や手順、職場独自のマナーはさまざま。
会社の方針も上司の考え方も前職とは違い、ときには反論したくなることもあるかもしれません。
ただ、新しい職場に馴染むためには、「郷に入っては郷に従え」の精神で「まずは周りのやり方に合わせてみる」ことも大切。
3位の「謙虚に振る舞う」にもあるように、最初のうちはあまり我を出さないことが、周囲とうまくやっていくコツと言えそうです。
まとめ
97.2%の人が、新しい職場で働くときには不安になることがわかりました。
不安の内容は、仕事内容そのものではなく「人間関係」と答えた人がほとんど。
そのため、多くの人が新しい職場で働き始めるときに意識しているのは、「コミュニケーション 」「謙虚な姿勢」「礼儀やマナー」など、人間関係を円滑にするための工夫でした。
さまざまな工夫や心がけが寄せられたので、「新しい職場が決まったけど、うまく仕事をこなして馴染めるか、不安だな」という人は、ぜひ参考にしてくださいね。