- 「正社員の仕事が決まるまで派遣で働こうかな」
- 「派遣で働きながら転職活動はできるのかな」
- 「仕事が決まったら派遣はすぐにやめられる?」
転職先が決まるまでのつなぎとして、派遣社員で働くのを選択肢として考える人も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、次の転職先が決まるまでのつなぎとして派遣で働くのは「あり」です。
毎月収入が得られることに加え、職歴に空白期間なく転職できるからですね。
しかし、転職先が決まるまでのつなぎに派遣で働く際、いくつか注意点があります。
そこで、当記事では
- 「つなぎ派遣」で働くときのメリット・デメリット
- どのように派遣で働くのがいいのか
を紹介していきます。
記事を読み終わる頃には、つなぎ派遣で働くメリット・デメリットがわかり、派遣で働きながらでも自信を持って転職活動ができることでしょう。
転職活動中でも派遣で働ける
- 「転職するまでのつなぎに派遣で働けるのかな?」
転職が決まるまで派遣で働いてみたいけれど、派遣で働きながら転職活動はできるのか、そもそも働いている間に転職活動をしていいのか不安に思っている人もいるのではないでしょうか。
転職活動中でも派遣で働けるので心配不要です。
なぜなら、派遣会社や派遣先企業で転職活動が禁止されておらず、正社員として働きながらの転職活動と同じ扱いなためですね。
ただ、そうはいっても本当に派遣で働きながら転職はできるのか不安の人も多いのではないでしょうか。
そこで当メディアでは、転職のつなぎに派遣で働いた経験のある100人に「つなぎ派遣で働きながらの転職活動は成功したか」の独自アンケート調査を行いました。
- 調査対象:転職のつなぎに派遣社員として働いたことがある人
- 調査期間:2021年1月20日~22日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:100人
アンケートの結果をみると、100人中74人が「成功した」と回答しました。
7割以上の人が転職に成功していることから、派遣で働きながらでも「転職活動はできる」とわかりますね。
転職までのつなぎ派遣のメリットは5つ
つなぎ派遣のメリットについて見ていきましょう。
1、アルバイトやパートよりも高い収入が入る
つなぎ派遣のメリットは、収入を途絶えさせずに転職活動できて、アルバイトやパートで働くよりも高い収入が見込めるところです。
一般的に派遣社員は、アルバイトやパートよりも高い時給で働けるからですね。
そのため、お金の心配しないことから精神的にも余裕ができ、落ち着いて転職活動ができますよ。
収入がなければ、今まで通りの生活をするのは難しく、とくに一人暮らしをしている人は生活ができなくなってしまう心配もあります。
つなぎ派遣で働きながら転職活動をしたことのある100人に行ったアンケートで、つなぎ派遣のメリットに「高い時給で働ける」と回答した人の口コミを紹介します。
- あくまでつなぎ前提でしたが、高い時給で仕事ができたのでたすかりました。
- 普通にパートなどをするよりも高い時給で働かせてもらえたので、生活に困らなくてよかったです。
- 収入があるため時間をかけて就職活動が出来ました。
- 時給がいいですし残業がなかったので定時で帰れました。
2、派遣ならではのスキルアップも期待できる
2番目のメリットは、派遣ならではのスキルアップを期待できるところです。
派遣として働く中でスキルを身につけられて、派遣会社の研修制度やスキルアップ支援も受けられるからですね。
派遣会社には、パソコン研修や英語のスキルアップ支援など、さまざまな研修・支援制度があります。
例えば、自宅で学べるe-ラーニング「Excel・Word基礎」やオープンカレッジで学ぶ「TOEIC講座」などですね。
また、スキルアップをすれば、より条件のいい仕事に転職できる可能性も上がりますよね。
現在のスキルに自信のない人や、違う職種に転職を考えている方は、研修制度や福利厚生が充実した派遣会社へ登録しましょう。
つなぎ派遣で働きながら転職活動をしたことのある100人に行ったアンケート結果を観ると、つなぎ派遣のメリットに「スキルアップできた」と回答した人の口コミを紹介します。
- 未経験であった採用の仕事を選び、派遣社員として勤務していたらスキルが身に付いたので、面接でアピールすることが出来、内定をもらえました。
- 自分のスキルや収入を落とす事なく仕事ができた。
- 次の転職に必要なスキルを派遣で身につけられました。
3、次の仕事まで空白期間ができるのを防げる
履歴書の職歴部分の空白期間が長いと、その期間に「何をしていたのか」を聞かれることも多いです。
3つ目のメリットは、職歴に空白期間ができるのを防げます。
転職をする際には、働いていない期間(空白期間)が長いと不利になることがあるからですね。
空白期間に「資格の勉強をしていた」など、面接官が納得できる理由を答えられないと、あなたに対するイメージはマイナスになりやすいです。
職歴の空白期間で採用が不利にならないためにも、転職活動をしている間に派遣で働くのはおすすめですよ。
つなぎ派遣で働きながら転職活動をしたことのある100人に行ったアンケートで、つなぎ派遣のメリットに「空白期間が空かないこと」と回答した人も多いです。
口コミの中から一部抜粋してご紹介しますね。
- 職歴が途切れないことは大きなメリットです。
- アルバイトよりも効率よく稼げ、ブランクが発生しないところも良かったです。
- 無職の期間をなくせました。
4、転職活動中の期間合わせて働ける
4つ目のメリットは、転職活動に合わせて派遣期間を決めて働けるところです。
派遣の仕事は、期間が決められている有期契約だからですね。
急ぎで仕事先を決める必要がない場合であっても、転職活動をズルズルと長引かせることなく、メリハリを付けて動けるようにもなります。
契約期間が決まっていることで、「もし、派遣期間中に転職を決まらなかったら?」と考えると、転職活動にも気合いが入りますよね。
なぜなら、派遣期間終了後に更新できるとも限らないため、終了後の収入や生活面に不安が出るためですね。
また、単発や期間限定の仕事、短期の派遣であれば、自分の都合に合わせて働けるので、面接などの日程も組みやすく転職活動もしやすいですよ。
つなぎ派遣で働きながらの転職活動経験者100人に行ったアンケートで、つなぎ派遣のメリットに「転職活動期間似合わせて働ける」と回答した人の口コミを紹介します。
- 自分の知らない業種で勤務することが短期間だけでできて、経験になりました。
- つなぎの間(短期間)だけだからと気持ちを割り切れて働けた。
- 次の仕事をするまでと思うのでメリハリ持って働けました。とくに人間関係もつなぎの間の人たちだからと色々と割り切れることがいいのではないでしょうか。
5、派遣社員は辞めやすい
転職までのつなぎでアルバイトやパートで働いた場合、すぐに転職先がきまったときに「辞める」とは言いにくいですよね。
最後のメリットとして、派遣社員は辞めやすいところです。
契約期間が終われば、更新するかは自分で決められるため、退職するにしても深く理由を聞かれることはないからですね。
とくに単発で働いていた場合は、転職先が決まり次第すぐに辞めることも可能です。
ただし退職できるのは、契約期間の終わっていることが前提で、契約期間中は途中退職できないので注意してくださいね。
つなぎ派遣で働きながら転職活動をしたことのある100人に行ったアンケートで、つなぎ派遣のメリットに「退職しやすい」と回答した人の口コミを紹介します。
- 派遣なのでやめるタイミングが決めやすくていいと思う。
- 次が決まった時に辞めやすい。
- 辞める時にすんなり辞められます。
転職までのつなぎ派遣のデメリットは5つ
つなぎ派遣のデメリットを見ていきましょう。
1、転職活動をする時間が取りにくい
1つ目のデメリットは、転職活動のために取れる時間が少ないことです。
派遣の仕事と転職活動を両立させる必要があるからですね。
例えば、フルタイムで働く派遣社員も多いと思いますが、仕事をしながら条件にあった就職先を探すのは思っている以上に大変です。
派遣先(就業先)に配属されたばかりならなおさらです。
なぜなら、初めての仕事を覚えたり慣れない職場で働くことに対して、精神的にも肉体的にも疲れやすいからです。
中には派遣社員と転職活動の両立に疲れて、「このまま派遣社員でもいいや」となってしまう人もいるかもしれません。
転職を成功させるためにも「正社員になりたい」「安定した収入がほしい」など、なぜ転職したいのか目標を忘れないようにしましょう。
つなぎ派遣で働きながら転職活動をしたことのある100人に行ったアンケートで、つなぎ派遣のデメリットに「時間がない」と回答した人の口コミを紹介します。
- つなぎの仕事の方が忙しく、転職活動との両立は探す時間もなく難しかったです。
- 社員と変わらないくらいの仕事量だったので就活する時間が取れませんでした。
- 派遣勤務中は転職活動が時間的に制限されました。
2、休暇が取りにくい
2つ目のデメリットは、派遣で働きはじめたばかりだと有給休暇が取れないことです。
なぜなら、条件を満たしていなければ、有給休暇は取れないからですね。
有給休暇が取れる条件は、労働基準法で次のように定められています。
つまり働きはじめてから半年経たなければ有給休暇は取れないので、休むと欠勤扱いになってしまい、その分のお給料も減ってしまうというわけですね。
それでも休みを取る場合、休む理由を派遣会社と派遣先に連絡する必要があります。
転職活動自体には問題ないとわかっていても、「面接に行くから休みたい」とは言いにくい人も多いのではないでしょうか。
「休暇が取りにくい=面接に行きにくい」ことであり、転職活動している人にとってはデメリットと言えるでしょう。
つなぎ派遣で働きながら転職活動をしたことのある100人に行ったアンケートで、つなぎ派遣のデメリットに「休暇が取りにくい」と回答した人の口コミを紹介します。
- なかなか休みが取れないため、転職活動する時間がなかったです。
- 週休2日はありましたが、平日は派遣だったので面接にこぎつけるまでが大変でした。
- 繁忙期で休めない日に転職したい会社の面接日と重なってしまい、無理矢理仕事を休んだのが辛かったです。
どうしても休みを取りたい場合は「派遣社員が仕事を休みたいときの「休みの取り方」や「休む場合の言い訳」を紹介」の記事を参考にしてください。
3、転職先が決まっても契約期間中だと仕事を辞められない
3つ目のデメリットは、転職先が決まっても派遣の仕事を契約期間だと辞められません。
期間の定めのある雇用では、「やむを得ない事由」がない限り、契約期間中に退職することはできない」と定められているからです。(※参照元:民法628条)
メリットに「退職しやすい」とありましたが、契約期間が終わった時の話であり、契約期間の途中の場合、「転職先が決まったから」と辞めることはできません。
ただし、次のような事由(やむを得ない事由)があるときは退職が認められます。
- 心身の障害や疾病がある
- 親や子供に介護が必要
- 業務内容が法令に違反している
- 悪質なハラスメントを受けた
派遣期間がまだ数ヶ月残っている場合、転職先は派遣期間が終わるまで待ってくれる可能性は低いため、転職するのは難しいです。
つなぎ派遣で働きながら転職活動をしたことのある100人に行ったアンケートで、つなぎ派遣のデメリットに「すぐに仕事を辞められない」と回答した人の口コミを紹介します。
- 先方が長期を見込んでいた場合、なかなか辞めづらいです。
- 結局責任感が生じ、思っていたほど短期間ではやめられなかったです。
- 契約期間満了までは身動きがとれず、いい求人をお見送りしなければならないことが多々あり、結局つなぎにするつもりが、うまく活用できませんでした。
契約期間で迷ったときは「派遣社員の契約更新は何ヶ月がおすすめ?1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月など契約期間別のメリット、デメリット」の記事を参考にしてください。
4、派遣から抜けられなくなってしまう
つなぎのつもりで派遣派遣の仕事をはじめたのに、働いているうちに慣れてしまい転職する意欲が薄まってしまう人も多いのではないでしょうか。
4つ目のデメリットは、派遣から抜けられなくなってしまい、長期間派遣で働いてしまうことです。
派遣社員として長期間働く中で、派遣の仕事に慣れてしまうからですね。
例えば、派遣で働きながらの転職活動自体を面倒に思ってしまうこともあります。
派遣の仕事をしながらの転職活動は「精神」「肉体」「時間」すべての面で余裕がなくなりやすいからですね。
また、正社員と同じぐらいの収入を受け取れたり、当初の予想よりも派遣先の待遇がよかったりすることで、転職意欲そのものがなくなってしまう人もいます。
正社員になるためのつなぎで派遣社員になった人は、「なんで転職したいと思ったのか」を頭に入れながら働くようにしましょう。
つなぎ派遣で働きながら転職活動をしたことのある100人に行ったアンケートで、つなぎ派遣のデメリットに「派遣から抜けられなくなってしまう」と回答した人の口コミを紹介します。
- 派遣の仕事が意外に楽しくなり転職活動に身が入らなくなってしまった。
- 派遣をはじめると毎日仕事をこなすだけになり、新しい仕事を探すことも放棄してしまいがちです。そうなるとそこから抜け出せず、無駄に派遣生活が伸びてしまい、次の就職の際に「なぜこんなに長期間派遣をしていたのか?」となります。
- しっかり求人を探し続けないとダラダラ派遣で働き続けてしまう。
5、ブランク扱いされる
最後のデメリットは、派遣で働いていた期間はブランク扱いされることです。
企業によっては、派遣をキャリアとして見てくれない場合もあるからですね。
メリットで「空白期間ができない」があった一方で、派遣をキャリアと認めない企業へ面接に行った場合、派遣社員で働いていた期間は「ブランク」扱いとなってしまいます。
結局、職歴に空白期間が空くことになるわけですね。
空白期間とみなされること、あなたに対しての評価が下がったり、給料の設定が低くなることもあります。
面接時に失敗しないためにも、「なぜつなぎ派遣をしていたのか」をきちんと答えられるようにしておきましょう。
つなぎ派遣で働きながら転職活動をしたことのある100人に行ったアンケートで、つなぎ派遣のデメリットに「ブランク扱いされる」と回答した人の口コミを紹介します。
- 派遣期間は正社員としてのキャリアからはブランク扱いされます。
- 最終の職歴が派遣社員となるため、直前職の給与テーブルが安くなってしまう。
- ブランク期間だと思われてしまい転職活動に不利になってしまう事もある。
つなぎ派遣のおすすめの働き方3つ
- 「転職を成功させるためにはどんな働き方がいいの?」
- 「つなぎ派遣の上手な活用方法を知りたい」
「つなぎ派遣」をしながらトラブルなく上手に転職するためには、どのような働き方をすればいいのでしょうか。
おすすめの働き方を3つ紹介します。
1、派遣期間は短期にする
派遣期間は、1~3ヶ月程度の短期か単発の仕事がおすすめです。
派遣の契約期間中は、自己都合退職できないからですね。
長期契約にしてしまうと、途中で転職先が決まってもすぐには退職できません。
それでも無理矢理退職すれば、派遣会社にも派遣先にも迷惑がかかってしまいます。
社会人として働く以上は、人に迷惑をかけてしまう行為は避けるべきですよね。
自分がどれくらいの期間で転職をしたいのか、転職期間をあらかじめ設定し、転職活動に合わせて派遣の仕事をするようにしましょう。
ただし、短期契約中に転職先が決まらずに契約も更新してもらえないリスクも考えておく必要があります。
また単発の仕事は、すぐに転職先を決めたい人にはおすすめですが、収入が安定しないため長期間の転職活動をする場合は注意しましょう。
2、派遣会社につなぎ派遣であることを伝えておく
派遣会社へ登録する際、正社員になるための「つなぎ派遣」であることを伝えておきましょう。
あらかじめ伝えておけば、条件にあった派遣先を紹介してくれたり、転職が決まったときも辞めやすいからですね。
例えば、つなぎ派遣だと伝えておくことで、単発や短期といった転職しやすい条件の派遣先を紹介してくれることもあります。
また「更新してほしい」と言われたとしても、「転職が決まったから」と辞退しやすいですよね。
登録するときに「正社員になるためのつなぎ」とは言いにくい人もいると思いますが、派遣求人サイト「エン派遣Q&A」の回答を見る限りでは、派遣会社も「つなぎ派遣」だと伝えてほしいと考えていることがわかります。
上記理由から、登録する際に「つなぎ派遣」だと伝えておけば、トラブルになる可能性も低いです。
3、紹介予定派遣で働く
正社員になるために転職活動をしている人は、紹介予定派遣がおすすめです。
一定期間派遣で働いた後、双方の同意があれば直接契約になるからですね。
紹介予定派遣は、派遣で働いた後に社員になるかを決められるので、職場の雰囲気や仕事内容が自分に合っているかを見極められます。
また、新たな業界や職種にチャレンジしたい人も社員になる前に働けるので、「この職種は自分にあっていなかった」なんてことがなくなりますよ。
ただし、紹介予定派遣の直接契約には「正社員」だけでなく「契約社員」も含まれます。
紹介予定派遣に応募する際には、どのような条件なのかを確認するようにしましょう。
まとめ
転職までのつなぎに派遣社員で働けますが、
- 派遣から抜けられなくなってしまう
- キャリアと認められないと空白期間とみなされてしまう
など、転職活動が長期になることで転職しにくくなってしまう場合もあります。
つなぎ派遣をしながら転職を成功させるには、転職活動期間を決めて目標を見失わないことが大切です。
つなぎ派遣のメリット・デメリットを知り、転職までつなぎ派遣で働くことが自分に合っているのかを考えるようにしましょう。
派遣で働く場合、派遣会社が仕事を探してくれますので、自分でハローワークや求人サイトで仕事を探すより、比較的早く仕事が見つかりやすいですし、日数や時間などの労働条件も交渉しやすいです。
そのため、次の転職までの「つなぎ」として、選択肢の一つになるのではないでしょうか。
ただし、派遣は派遣として、仕事の責任はもちろん、転職活動の時間や労力の確保、契約期間の制約などのデメリットもありますので、本来の目的を見失わないように、上手に「つなぎ」を利用してください。
伊藤社労士事務所
伊藤雅光氏
大学卒業後、会社員・社会保険労務士事務所に従事。在職中に、社会保険労務士試験および特定社会保険労務士試験に合格。
退職後、派遣社員として人事総務部に在籍し、その後、派遣先で直接雇用となる。しかし、精神疾患を患い退職。
闘病中に傷病手当金や、障害年金の申請の難しさ思い知る。この経験から、社会保険労務士事務所を開業し、全国から傷病手当金や障害年金の相談・依頼を受けている。