「仕事だけの生活になるのはイヤ」と考えている人は多いですよね。
仕事だけでなくプライベートも大切にするために「定時退社できる仕事」を探している人もいるでしょう。
残業がなければ、精神的にも肉体的にも負担が少なくなります。
今回は、定時退社できる仕事をしている500人にアンケートを実施。
「定時退社できる仕事」や「定時退社できる仕事の特徴」について聞きました。
- 調査対象:定時退社できるお仕事をしている方
- 調査期間:2023年8月19日~30日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:クラウドワークスによるアンケート
- 有効回答数:500人(女性309人/男性191人)
- 回答者の年代:20代 23.6%/30代 40.2%/40代 23.4%/50代 11.6%/60代以上 1.2%
【残業なし】500人に聞いた定時退社できている仕事ランキング
定時退社できるお仕事をしている500人に仕事内容・職種を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「事務職(172人)」です。
2位「製造職(40人)」、3位「医療系専門職(33人)」、4位「コールセンター(25人)」と続きます。
以降、5位「営業職(24人)」、6位「販売職・接客業(22人)」、7位「ITエンジニア(15人)」の結果となりました。
「事務」と答えた人が圧倒的多数となっています。
全体としてはオフィスで働く内勤の仕事が多くランクイン。
また「製造」「医療系専門職」「販売職・接客業」など、営業時間やシフトでの稼働時間が明確な仕事も入りました。
では具体的な回答を紹介します。
1位 事務職
- 法律事務所の事務員(37歳 女性 フルタイム正社員))
- 福祉用具販売の営業事務(46歳 男性 フルタイム正社員)
- 行政機関での時短契約事務職員(52歳 女性 パート・アルバイト)
1位は「事務職」でした。
「経理事務」「営業事務」「総務事務」など、さまざまな回答がありました。
事務が1位になるのは「事務職として働いている人が多い」という理由もあるのでしょうが、「仕事がルーチンで安定している」という理由も考えられます。
また受発注関連の事務だと注文の締め切り時間があるため、残業が発生しないケースも多いようです。
2位 製造職
- 食品関係の工場(26歳 女性 派遣社員)
- 電子部品製作会社の製造(31歳 男性 フルタイム正社員)
- 化粧品メーカーの工場勤務(44歳 男性 契約社員)
2位は「製造職」です。
交代制のシフトを組んでいる工場なら、定時になればすぐ帰れることも少なくありません。
日勤から夜勤にバトンタッチするので、仕事を引き継げるからですね。
また「自動化が進んでいる工場」「1日の作業量が決まっているライン作業」なども、残業が発生しにくい傾向にあります。
3位 医療系専門職
- デイサービスの看護師(27歳 女性 フルタイム正社員)
- 病院で理学療法士(32歳 男性 フルタイム正社員)
- 小児科クリニックの看護師(53歳 女性 パート・アルバイト)
3位は「医療系専門職」でした。
具体的には「看護師」「理学療法士」「薬剤師」「管理栄養士」などです。
看護師の場合、患者の急変が多い職場だと残業がよく発生します。
一方「急変する患者が少ない職場」「予約制の病院」などは残業が少ない傾向にあります。
例えば「療養型の病院」「完全予約制の美容クリニック」「デイサービス」などは、残業は発生しにくいでしょう。
4位 コールセンター
- 損害保険会社の一時受付専用コールセンター(29歳 女性 派遣社員)
- 携帯会社のコールセンター(35歳 女性 パート・アルバイト)
- ワクチン接種受付のコールセンター(49歳 男性 派遣社員)
「コールセンター」が4位でした。
コールセンターはシフト制勤務が多いので、トラブルがない限り定時で帰宅できることが多いです。
時給制のアルバイトや派遣社員として働いている人が多いため、残業をお願いされにくいのも理由のひとつでしょう。
5位 営業職
- 人材派遣会社の営業(29歳 男性 フルタイム正社員)
- 家電メーカーの営業(31歳 男性 派遣社員)
- 保険の営業(52歳 女性 パート・アルバイト)
5位は「営業職」でした。
ノルマ達成のため残業が多いイメージのある営業職ですが、定時で帰宅できる人も多数。
自分で営業のスケジュールを決められるため、効率よく仕事すれば残業をなくせるのでしょう。
また、ルート営業や内勤営業は比較的残業が少なくなります。
6位 販売職・接客業
- 通信キャリアの販売員(24歳 男性 派遣社員)
- アパレルの販売員(36歳 女性 フルタイム正社員)
- 珈琲豆店の販売員(56歳 女性 パート・アルバイト)
6位は「販売職・接客業」でした。
販売職や接客業もシフト制が多いので、残業なしで帰宅しやすいです。
店舗は営業時間が決まっているので、「営業時間が終われば片付けて帰るだけ」という職場も多数あります。
7位 ITエンジニア
- EC通販開発のプログラマー(22歳 女性 フルタイム正社員)
- 金融・証券システムの運用・保守エンジニア(29歳 男性 契約社員)
- フリーランスエンジニア(44歳 女性 業務委託)
7位は「ITエンジニア」でした。
激務のイメージもあるITエンジニアですが、職種や職場によっては定時帰りが可能です。
「社内SE」「ヘルプデスク」「自社開発がメインの企業」のITエンジニアは、比較的残業が少なくなります。
定時退社できる仕事に就きたいと考えている人は、今回紹介した職種を中心に探してみてはいかがでしょうか。
以下に、今回ランクインした職種別におすすめ転職エージェントと派遣会社をピックアップしてみました。
転職を希望する人や派遣社員を検討している人は、ぜひ活用してみてください。
職種 | 転職エージェント | 派遣会社 |
---|---|---|
事務職 | マイナビAGENT | テンプスタッフ |
製造職 | ジョブペーパー | ランスタッド |
医療系専門職 | ジョブメドレー | スタッフサービス・メディカル |
コールセンター | コールナビ | 綜合キャリアオプション |
営業職 | マイナビ営業AGENT | テンプスタッフ |
販売職・接客業 | iDA | アデコ |
ITエンジニア | レバテックキャリア | パーソルクロステクノロジー |
残業なしで定時退社できている雇用形態1位は「フルタイム正社員」
定時退社できるお仕事をしている500人に雇用形態を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
「正社員(フルタイム)」が60.6%で、圧倒的多数となっています。
「正社員(時短)」が少ないのは、そもそも時短勤務している人の総数が少ないからでしょう。
「非正規雇用のほうが残業は少ない」といわれがちですが、正社員でも残業なしで働いている人は多いとわかりました。
働き方改革によって雇用形態問わず、残業にシビアになっている今、定時で上がれる正社員も増えてきているようです。
定時での帰宅を強制する「時短ハラスメント」も問題になっています。
どの雇用形態にも残業なしの職場もあれば、残業ありの職場もあるので、自分のライフスタイルに合わせた雇用形態を選ぶといいでしょう。
もし転職や仕事復帰を考えている人で働き方に悩んでいるなら、上記アンケート結果を参考にしてみてください。
残業なしで定時退社できる仕事の特徴1位は「定時退社が当たり前の社風」
定時退社できるお仕事をしている500人に「残業なしで定時退社できる仕事の特徴」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「定時退社が当たり前の社風(87人)」です。
2位「営業時間・業務時間が明確(86人)」、3位「シフト勤務の交代制(80人)」、4位「子育て・介護に理解がある(72人)」、5位「仕事内容が明確(51人)」と続きます。
以降、6位「自分のペースで仕事できる(48人)」、7位「仕事量が適度(36人)」、8位「スタッフが多い(27人)」、9位「納期・スケジュールに余裕がある(26人)」、10位「仕事量の変動が少ない(19人)」の結果となりました。
「定時退社が当たり前の社風」「営業時間・業務時間が明確」が多くなっています。
営業時間が明確で仕事内容が決まっていても、帰りにくい雰囲気だと定時退社したいと言い出しにくいでしょう。
「制度」と「雰囲気」のどちらも重要ですよね。
では具体的な回答を紹介します。
1位 定時退社が当たり前の社風
- 周囲の人も定時に帰る。「早く帰りなさい」と上司から言われる(29歳 女性)
- 所属する部署全体で「絶対に今日やるべき仕事がないのなら、残業しない」という意識をもっている(39歳 女性)
- 働き方改革を意識している会社(51歳 男性)
1位は「定時退社が当たり前の社風」です。
周りの社員たちが定時に退社していれば、自分も定時退社しやすいですよね。
とくに上司やベテラン社員など、影響力の大きな人が残業なしで帰っていると、帰りやすい雰囲気になりやすいでしょう。
会社全体で「残業を減らそう」「ノー残業デーをつくろう」と取り組んでいるかどうかを重視している人もいました。
2位 営業時間・業務時間が明確
- 窓口が終業時間の1時間前に閉まる(25歳 女性)
- 営業時間が明確で、定時になると電話対応が自動音声に切り替わる職場(35歳 男性)
- 営業時間が明確なサービス業(43歳 女性)
2位は「営業時間・業務時間が明確」でした。
窓口での受付時間や店舗の営業時間が決まっていると、終業時間が延びにくくなります。
例えば「コールセンター」「飲食店や小売店」などが当てはまるでしょう。
3位 シフト勤務の交代制
- 早番と遅番がいる(29歳 女性)
- シフト制で朝と夜の人がいる。朝は交代のタイミングで、夜は営業時間が終わって後片付けしたら帰れる(30歳 男性)
- 1日のノルマではなく、シフト勤務での交代制(48歳 男性)
3位は「シフト勤務の交代制」でした。
シフト勤務だと、「繁忙期」「大きなトラブルが発生した」という状況でなければ、交代の時間に帰りやすいです。
当日中にやるべき仕事が残っていたとしても、引継ぎができるからですね。
シフト制は稼働時間の長い業種で採用されています。
例えば「製造業」「サービス業」「医療・介護」などです。
4位 子育て・介護に理解がある
- 子育て中の主婦が多いため、融通がきき理解もある(29歳 女性)
- 定時退社して保育園に迎えに行くことの大変さをわかってくれている(30歳 女性)
- 仕事と家庭の時間をしっかり分けることに理解がある(42歳 男性)
「子育て・介護に理解がある」が4位でした。
仕事と家庭の両立に理解がある職場なら、定時退社しやすい雰囲気になるからでしょう。
「子育てしている人が多い」「上司が子育てや介護の経験者」などの場合は、理解を得やすいと考えられます。
5位 仕事内容が明確
- 仕事の役割がきっちり決まっている(25歳 女性)
- 毎月同じルーティンの仕事(35歳 女性)
- 業務の範囲が絞られている(42歳 男性)
5位は「仕事内容が明確」でした。
ルーチンワークだと定時退社しやすいと感じている人も多数。
「自分の業務範囲」や「1日にやるべきこと」がはっきり決まっており、イレギュラーな仕事が発生しなければ、予定通りに進められるからでしょう。
ルーチンワークの仕事としては「経理事務」「受付」「製造職」「コールセンター」などがあります。
6位 自分のペースで仕事できる
- 個人で進めるタスクが多く、自分でペースを調整できる(30歳 女性)
- 自分で業務の進捗やスケジュール管理をしやすいこと(48歳 男性)
- 自分のペースででき、自分なりの作業工程を組みやすい(58歳 女性)
6位は「自分のペースで仕事できる」でした。
「他の人と一緒に進める作業」や「取引先とやりとりしながら進める仕事」だと、待ち時間などが発生して残業につながることもあります。
一方自分の裁量で作業ペースを決められるのであれば、「今日はできないから翌日に持ち越そう」といった調整が可能です。
「営業職」「コンサルタント」などは、裁量が大きく自分のペースで仕事しやすい職種です。
7位 仕事量が適度
- そもそもの業務量が多くない(23歳 男性)
- 仕事量そのものが少なく、残業するほどの仕事が発生しない(41歳 女性)
- 時間内で終わる業務量であること(54歳 女性)
7位は「仕事量が適度」でした。
そもそもの仕事量が少なければ、残業することもありません。
ただし、暇すぎるとツラい人も多いので、適度な業務量かどうかを見極める必要があります。
業種や職種だけでは判断できないことも多いため、口コミサイトなどで調べてみるとよいでしょう。
8位 スタッフが多い
- 納期や締切に対して、人員が足りている(32歳 男性)
- 繁忙期でも、人が足りている会社(38歳 女性)
- 人員に余裕がある。無理なく業務を分担でき、誰かが休んでも負担が少なくカバーしやすい(43歳 女性)
8位は「スタッフが多い」でした。
同じ仕事を担当するスタッフが多いと業務量が分散するので、残業につながりにくくなります。
トラブルがあってもみんなで助け合える職場なら、なおよいですね。
スタッフ数が多いと「休むときに気兼ねしなくていい」というメリットもあります。
反対にスタッフが少ない職場では、ひとりあたりの業務負荷が大きくなります。
9位 納期・スケジュールに余裕がある
- 日々の締切がない(28歳 女性)
- 仕事の納期に余裕がある(41歳 女性)
- 当日中の作業完了を求められない業務(53歳 男性)
9位は「納期・スケジュールに余裕がある」でした。
納期に間に合わせるため、残業する人も多いですよね。
そのため「そもそも納期や締め切りがない仕事」「スケジュールに余裕がある仕事」なら、残業は発生しにくくなると考えられます。
例えば接客業などは納期がありません。
10位 仕事量の変動が少ない
- 一日の生産量が決まっている業務(31歳 女性)
- 急成長しにくい業種は仕事量が安定しており、残業が少ない傾向にあると思います(38歳 男性)
- 毎月の仕事量がある程度決まっている(59歳 女性)
10位は「仕事量の変動が少ない」でした。
仕事量が安定していれば予定を立てやすいからですね。
仕事量が決まっている職場としては「生産量が決まっている製造現場」「完全予約制のクリニックや店舗」「ルート配送」などがあります。
ただし仕事量が多すぎると、いくら仕事量が決まっていても残業になりますので注意しましょう。
残業なし・定時退社を実現できる職場で働きたいと考えている人は、企業研究を徹底的に行いましょう。
求人票に「定時退社OK」「残業なし」と記載されていても、帰りにくい雰囲気や、サービス残業が当たり前の価値観が根付いている職場もあります。
企業研究の方法については、「転職活動時の企業研究の方法8選!経験者521人のアンケート調査結果を発表!」の記事も参考にしてみてください。
また、今からでも始められることとして、仕事の効率化を目指してみてはいかがでしょうか。
業務効率化によって、定時内で仕事を終わらせられるかもしれません。
仕事を抱え過ぎている人は、時には断る勇気を持つことや、周りにSOSを出すことも選択肢に入れてみてください。
まとめ
定時退社できる仕事としては「事務」「製造職」「医療系専門職」「コールセンター」などが多く挙げられました。
定時退社しやすい仕事の特徴としては、「ルーチンワーク」「営業時間が明確」「シフト勤務」などがあります。
ただ上記の特徴にあてはまっていても、「残業を断ると冷たい目で見られる」などの場合、定時退社しにくくなると考えられます。
また一般的には「残業が多い」といわれる業種や職種でも、働き方改革が進んで、残業がほとんどない職場もあるかもしれません。
残業がない職場を探すときは、口コミサイトや求人票の「平均残業時間」もチェックしましょう。