「仕事のことを考えると眠れなくなる…」
仕事のストレスが大きすぎて、「つらい」「もう限界」と感じている人も多いのではないでしょうか。
今回は、働く男女500人にアンケートを実施し、仕事でストレスを感じる瞬間やストレスの解消法について調査しました。
ただ、「今の会社にいる限りストレスは解消できない」「つらすぎて一刻もはやく辞めたい」という緊急性の高い方は、下記の記事も参考にしてください。
- 調査対象:仕事をしている全国の男女
- 調査人数:500人(女性283人/男性213人/未回答4人)
- 調査日:2020年10月3日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 回答者の年代:10代 0.4%/20代 20.4%/30代 38.4%/40代 28.0%/50代 10.4%/60代~ 2.4%
調査結果に対して、株式会社Gentle代表取締役の中村成博氏から監修コメントいただいております。
中村成博(まさひろ)氏
株式会社Gentle 代表取締役
株式会社フラップゼロα 執行役員
八洲学園大学 非常勤講師
講演・研修・コンサルティングを通して、どの業種・業態においても実効性のある人との関わり方の原理原則を伝授。企業・組織にとって大切な人財を全力でサポートしている。>>詳しいプロフィールはこちら
仕事にストレスを感じている人の割合は95.8%
仕事をしている10~60代の男女500人に「仕事でストレスを感じることがあるか」質問したところ、「頻繁にある(42.2%)」「たまにある(53.6%)」が合わせて95.8%という結果に。
仕事の中で頻繁にストレスを感じる原因の76.3%が「人間関係」
また、「頻繁にストレスを感じる」と回答した人のうち76.3%(211人中161人)は、人間関係に起因するストレスを感じていることがわかりました。
人間関係の問題は一朝一夕に解決するものではないことから、ストレスの原因が人間関係にある場合、継続的に、または頻繁にストレスを感じてしまうと考えられます。
【男女500人に聞いた】仕事でストレスを感じる瞬間ランキング
どんなときにストレスを感じるか聞いたところ、1位は「態度の悪い顧客やクレームへの対応(52人)」でした。
次ぐ2位は、「意思疎通がうまくいかない(48人)」となっています。
「人間関係・対人関係における問題」が、ストレスの大きな原因となっているとわかります。
そして4位以降で目立ったのが、上司に対するストレスで、10位以内に4つもランクイン。
- 4位:理不尽な言動を受ける(39人)
- 5位:上司の高圧的な態度・イヤミ(34人)
- 7位:仕事のできない上司や同僚がいる(31人)
- 9位:上司やクライアントの無茶振り(19人)
上司の言動がストレスの原因となっている人も非常に多いとわかります。
では、ストレスを感じる瞬間10位までを、具体的な回答と共に紹介していくのでチェックしてみてください。
1位 態度の悪い顧客やクレームへの対応
仕事でストレスを感じる瞬間ランキングの1位は、「態度の悪い顧客やクレームへの対応」です。
- お客様に暴言を吐かれたとき(10代 女性 コールセンター)
- 顧客先でクレーム対応をするとき(30代 男性 営業職)
- 患者様から自分勝手なクレームを受けたとき(50代 女性 看護師)
営業職、販売・接客業、コールセンターなど、顧客と直接関わる職業の方に多かったのが、態度の悪い顧客やクレームへの対応でした。
威圧的な態度、暴言、しつこく何度も文句を言うなどのカスハラ(カスタマーハラスメント)や、上から目線の横柄な態度をとる顧客への対応が、大きなストレスとなっているようです。
立場上、理不尽さを感じても言い返すことができないのも、ストレスが増幅する原因と考えられます。
2位 意思疎通がうまくいかない
ついでランキング2位は、「意思疎通がうまくいかない」です。
- 常識の通じない社員とやり取りしなければならないとき(20代 女性 事務職)
- 打ち合わせなどで話が全くかみ合わず、話が進まないとき(20代 男性 経理)
- 上司との話し合いで、こちらの意見を全く聞かず受け入れてくれないとき(20代 女性 介護職)
相手との考えにズレがあって話が前に進まないときや、自分の主張ばかりで建設的な話し合いができない人にストレスを感じるという声が多く挙がりました。
そもそも人の話を聞く気がない上司にストレスを感じるという声も。
「考えを理解してもらえない」「思った通りに動いてくれない」など、自分の思いが相手にうまく伝わらないことは、仕事をする上で大きなストレスの原因になっているようです。
3位 仕事量が多い
3位は、「仕事量が多い」です。
- 人手不足で一人にかかる負担が大きく、肉体的、精神的にかなりキツい(50代 男性 食品小売業)
- 仕事が忙しくて同時進行しないといけないとき。あせってストレスを感じる(40代 女性 事務職)
- 仕事が立て続けにきて納期に間に合わなさそうなとき(30代 女性 販売職)
キャパオーバーの仕事を任される、人手が足りず一人あたりの仕事量が多い、複数の仕事を同時に進めなければいけないなど、仕事量の多さもストレスの原因となっています。
また、『働き方改革』を推進するために残業NGになったものの、仕事内容は以前と変わらないため、就業時間内の仕事量が増えてかえって大変になったとの声も。
仕事が終わらずに家に持ち帰る人や、休憩時間が十分に取れない人もいました。
4位 理不尽な言動を受ける/ミスを自分のせいにされる
4位は、「理不尽な言動を受ける/ミスを自分のせいにされる」となります。
- 上司の指示が間違っていたのに、自分のせいにされたとき(20代 男性 設計開発)
- 上司から理不尽に怒られたとき。上司のミスを私のせいにされて怒られるのは意味がわからない(20代 女性 イベント運営)
- 指示通りに作業したのに、「違う、そんなこと言ってない」と言われるとき(30代 女性 事務職)
自分に非がないことで怒られたり、指示通りの仕事をしたのに後から違うと言われたりすることにストレスを感じるとの声も多数ありました。
いずれも上司に対しての意見が大半となっています。
また、本来部下の仕事に責任をもつべき上司が、責任をもつどころか自分のミスを部下のせいにするというケースも少なくないようです。
5位 上司の高圧的な態度・イヤミ
5位は、「上司の高圧的な態度・イヤミ」です。
- 常識のない偉そうな上司と話す時はいつもストレスを感じる。ただ長く働いているだけなのに、自分が誰よりも偉いと勘違いして毎日怒鳴り散らしている。大きな声、態度、視線、すべてがストレス(30代 女性 事務職)
- 上司が理由なく怒鳴り始める、機嫌が悪いと当たられる(30代 女性 医療職)
- 誰かが上司から大声で怒鳴られている場面を見ると、職場の雰囲気が良くないのでストレスを感じる(40代 男性 システムエンジニア)
いつも高圧的な態度や偉そうな上司にストレスを感じるという声も多く挙がりました。
高圧的な態度を取る上司は、自分に従わせたい、相手より優位に立ちたいと思っているケースが多いです。
しかしそういった態度を取ることで、逆に信頼を失っていることには気づいていないため、高圧的な態度が改善されることはあまり期待できません。
自分自身に被害がなくても、誰かが叱責されている様子を目にすることでストレスを感じる人も多くいました。
あまりにもひどい場合は、転職など環境を変えることを検討してもいいかもしれませんね。
6位 仕事が思うように進まない
6位は、「仕事が思うように進まない」となります。
- 任された仕事が上司の確認待ちで止まってしまい、発注先への締切に間に合わないとき(40代 女性 事務職)
- 取引先に必要な書類を依頼しているのに、何度言ってもなかなか揃わないときや遅くなるとき(30代 男性 販売サービス業)
- 自分以外の原因で遅れていて、納期が迫っているのに、終了見込みすらみえないような場合にストレスを感じる(50代 男性 技術職)
予定通りに仕事が進まないことも、ストレスの原因となっています。
とくに多かったのが、「いちいち上司の確認が必要」「指示通りに動かないメンバーがいる」など、自分以外が原因で仕事が中断すること。
また、取引先のレスポンスの遅いことが原因で仕事が進まないケースも多いようです。
自分の努力ではどうにもならないことに、イライラやもどかしさを感じる人が多くいました。
7位 仕事のできない上司や同僚がいる
7位は、「仕事のできない上司や同僚がいる」です。
- 上司が優柔不断で責任感がない。上司の決定がないと動けないのにウダウダしていて仕事が進まない(30代 女性 事務職)
- 私より高い給料を貰っている先輩が言われたことをこなすだけの仕事しかせず、複雑な仕事がすべて私に下りてくる(20代 女性 事務)
- 非正規として働いているが、仕事ができない正社員の方にストレスを感じる。立場上、指示を仰いだり丁寧に対応をしなければいけないが、「何年も働いているのに、どうしてこんなこともわからないのだろう」と思ってしまう(40代 女性 事務職)
仕事ができない上司や同僚にストレスを感じている人も多くいました。
- たいしたことをしていないのに態度だけは大きい
- 仕事ができないくせに指示は出してくる
- 何度言っても同じミスをする
こんな人が職場にいると、仕事が手につかなくなるほどイライラしてしまうという声も。
上司や先輩であれば指摘することはできないですし、部下や同僚であれば、仕事ができない人の尻拭いをするはめになることもあるでしょう。
他人の行動や性格を変えることはできないため、ストレスをなくすのは自分の心持ち次第となるのがツライところです。
8位 急な仕事の依頼/期限が迫った仕事
8位は、「急な仕事の依頼/期限が迫った仕事」となります。
- 急な仕事を今日中にと言われてしまうこと(20代 女性 事務職)
- 仕事を終えて帰ろうとしている時に大量の仕事を押しつけてくる時は、怒りで倒れそうになるぐらい急激にストレスを感じる(30代 女性 事務職)
- お客様都合で急に仕事が入ったとき。事前に一日の予定を立てているので、予想外の仕事が追加になり予定が崩れることにストレスを感じる(20代 女性 サービス業)
期限がせまった仕事や予定外の仕事、また帰り間際に仕事を頼まれたときにストレスを感じるとの口コミも挙がりました。
締め切り迫っている方が集中力上がる、やる気が出る、という人もいますが、多くの人にとって「間に合わせないとまずい。でも間に合うかどうか分からない」という状態での仕事は非常に大きなストレスになります。
また急ぎの仕事や期限が迫った仕事は、「急かされる」「自分のペースで仕事ができない」「本来の仕事やプライベートの予定が崩れる」といった面からもストレスを感じるようです。
9位 上司やクライアントの無茶振り
9位は、「上司やクライアントの無茶振り」です。
- クライアントから無理に修正を依頼されたとき(30代 女性 グラフィックデザイナー)
- 取引先の人が無理難題を押しつけてくる(40代 女性 事務職)
- 担当の顧客からの無理なスケジュールでの資料作成の依頼があったとき(20代 女性 会計事務所スタッフ)
こちらの都合を考えずに、無理な内容・期限の仕事を振ってくる上司やクライアントにもストレスを感じる人が多いです。
営業職であれば、クライアントに「もう少し料金下げてくれる?」「今週中になんとかしてくれる?」といった無理難題を言われた経験も一度や二度ではないでしょう。
立場上断りにくいため、批判を覚悟で上司に相談したり、現場に頭を下げたり、残業をしてなんとか間に合わせたりすることも多いかもしれません。
また、上司が顧客の希望を安請け合いしたために、現場にシワ寄せがくるといったケースも多いようです。
10位 残業が多い
10位は、「残業が多い」となりました。
- 残業で帰りが遅れるとき。予定をたてて動くので、それが狂うと腹がたつ(30代 男性 事務職)
- 繁忙期は残業が多く帰宅時間が遅くなり睡眠時間が減る。休みの日もメールの返信や電話の対応をしなければならない(30代 女性 事務職)
- サービス残業をしたり、休日に呼び出されたりしたとき(30代 女性 販売職)
『働き方改革』の推進により、最近は「残業をできるだけしない・させない」会社が増えています。
しかし、月末・月初・年末・イベント時など、決まった時期は必ず残業になる業種もあります。
そういった場合、定期的に残業の多い時期がくることにストレスを感じるようです。
また、定時で帰ることが当たり前の人にとっては、急に入った残業に予定を崩されることも強いストレスになっています。
仕事でストレスを感じる瞬間は、自分の想定と相手の対応とのギャップからイライラしたり、悲しくなったりするようです。
対お客様であれば、想定外の理不尽な言われ方をした時、対上司であれば、上司の求める理想とのギャップからストレスが発生します。
また、対自分に対してもギャップが生まれ、ストレスを感じる瞬間があります。
対自分に対しては、自分に厳しい・マジメ・負けず嫌いの人がストレスを感じやすいようです。
【男女500人に聞いた】仕事のストレス解消法ランキング
仕事のストレス解消方法を聞いたところ、男性の1位は「運動する(39人)」、女性の1位は「おいしいものを食べる(71人)」という結果に。
ストレスの解消法は、男女で大きく違うことがわかりました。
男性のストレス解消法の特徴
男性は、筋トレ・ランニング・長距離のウォーキングなど、運動をしてストレスを発散している人が多く、「運動したあとは気分がスッキリする」という声も複数あがっていました。
- ジムに行って思いっきり汗を流す(30代 男性 エンジニア)
- 休日に筋トレやランニングをすることにより、嫌なことを考えなくなる(40代 男性 製造業)
女性のストレス解消法の特徴
女性の場合、イライラしたときは「好きなものを食べる」「甘いものを食べる」という声が多かったです。
カロリーや値段を気にせずにおいしいものを好きなだけ食べることで、幸せな気分になれる、イヤなことを忘れられるという声が多く聞かれました。
- 仕事帰りにスイーツを買って食べる(20代 女性 軽作業)
- 美味しいモノを食べる!友達に愚痴る!!(30代 女性 美容関係)
- 一人カラオケでフリードリンクを付け、歌い、ソフトクリーム&ポップコーンを食べまくる!(30代 女性 接客業)
ストレス解消法は男性と女性で違うということを知っておくことは大切ですね!
私もカラダを動かすことでスッキリします。
ここで特記すべきところは、女性のストレス解消法2位:『愚痴を聞いてもらう』です。
そう、女性は聞いてもらうことでストレス解消につながるのですが、男性は聞くだけにとどまらず、アドバイスしちゃいがちです。
大切なことは、受容と共感ですよ。
まとめ
仕事をしていれば、誰もが大なり小なりストレスを感じています。
とくに今回のアンケートでも多かった「人間関係」に関するストレスをゼロにすることは難しいです。
考え方や価値観、仕事の能力、仕事への向き合い方、置かれている状況は千差万別だからです。
逆に考えれば、あなたが快適と感じる仕事の環境が、他の誰かにとってはストレスとなっているかもしれません。
「仕事に多少のストレスはつきもの」
そう考えて、うまくストレスを解消していきたいですね。
ただし、仕事量や残業といった解決可能な問題や、ハラスメントのような放置できない問題に関しては、上司や専門機関へ相談する、転職をして環境を変えるといった方法も検討しましょう。
人間関係の悩み・ストレスは尽きないものです。
何故なら10人10色、関わる人が変わると生じますし、1人10色、人の心は変わりやすいからです。
なので、これからはこのストレスをうまく活かし、自分の想いに気づくキッカケであったり、相手の要求に気づくキッカケができるといいですね!