嫌いな家事や、苦手な家事は人それぞれです。
「食器洗いが心底イヤ!」という人もいれば、「お風呂のカビ取りが本当に憂鬱…」という人も。
そこでビズヒッツは、株式会社コロプラが提供するスマートフォンユーザー向けリサーチサービス「スマートアンサー」と共同で、20代~50代のワーキングマザー551人を対象に「嫌いな家事」に関する調査を実施。
調査結果に関して、株式会社ワンストップ代行センター代表取締役の戸村 徹平氏からご考察いただきました。
株式会社ワンストップ代行センター(東京便利屋.com)
便利屋代表 戸村 徹平氏
東京都心を中心に家事代行などを行う便利屋を経営。
都心部の共働き世代に人気のサービスは大掃除や家具の組み立て代行。
- 調査対象:全国のワーキングマザー
- 調査人数:551人
- 回答者の年代:20代 24.0%/30代 26.0%/40代 26.0%/50代 24.0%
- 調査日:2020年9月1日
- 調査方法:インターネット調査(スマートアンサー)
嫌いな家事がある人は87.7%
まずは、仕事をもつお母さんに「嫌いな家事があるかどうか?」と質問したところ、以下の結果となりました。
ワーキングマザーの87.7%が「ある」と回答しており、9割近くは何かしらの嫌いな家事があるとわかりました。
逆に言えば、12.3%は「嫌いな家事が何もない」ということになりますね。
年代別の結果は以下のとおり。
若年層よりも中年層の方が「嫌いな家事がある」と回答している割合が多く、最も多い40代と20代には18%以上の差がありました。
嫌いな家事のみプロにお願いしたり、家族にやってもらうのも1つの方法です。
イヤなことや苦手なことを、「家族のため」「家をきれいに保つため」と義務感でこなすのはしんどいですよね。
得意な家事は自分でこなし、苦手なことを他の人にやってもらえば、ぐんと負担も減るはずです。
また、「完璧にしなきゃだめ」「すべて自分でやらないと」という考え方をやめると、苦手意識が軽減されるケースも。
家事がプレッシャーになっている人は、考え方を変えてみるのもいいでしょう。
ただでさえ自身の仕事だけでも日々忙しいお母さんたちが、「嫌いな家事」「やりたくない家事」があるのは当然の結果かと思います。
今よりも時間にゆとりができて、余裕を持って家事をできるのであれば、また結果は変わってくるのかもしれません。
20代から50代へと嫌いな比率が上がっていくのも興味深いです。体力の有無と相関関係があるのかもしれませんね。
ワーキングマザーが一番嫌いな家事は「浴室掃除」
嫌いな家事があると答えた483名に、最も嫌いな家事を一つだけ挙げてもらい、上位7位までをランキングにしました。
その結果、「浴室掃除(18.2%)」が最も多く、「キッチンの換気扇やコンロ掃除(15.3%)」「料理(14.9%)」が僅差で2位、3位に。
年代別だと以下の結果になりました。
40代を除いて浴室掃除が1位に。
一方で40代は、浴室掃除よりも料理を嫌いな人の方が約10%多く、5人に1人以上が全ての家事のなかで料理が一番嫌いと回答しています。
では、それぞれの家事について、具体的にどんなところが嫌いなのか理由を見ていきましょう。
1位 浴室掃除
嫌いな家事1位は18.2%を占めた「浴室掃除」となりました。
圧倒的に多かった理由は、カビ取りや排水口の掃除が大変との意見。
掃除をしてもすぐにカビやヌメリが発生するし、「汚いので見たくない、触りたくない」という声が多く挙がりました。
ほかにも、掃除する範囲が広くて時間がかかる、中腰の姿勢が疲れる、夏は暑く冬は寒いといった意見も。
頻繁な掃除が必要で、作業時間も手間もかかり、さらに汚いとなるとダントツの1位も納得の結果です。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- カビ掃除が大変すぎる(23歳)
- 排水溝などが汚い(33歳)
- 面倒だし、汚いものを見るのが苦痛(38歳)
- 色々物を置いてるから掃除に時間がかかる(54歳)
浴室掃除を習慣化して、できるだけ汚れを溜めないようにしましょう。
汚れが溜まりに溜まった状態で掃除しようとすると、負担が大きいためですね。
掃除の負担を軽減するためにも、以下のことを日々の入浴時の習慣にしてみてください。
- 入浴中にながら掃除をする(蛇口や手すりなど)
- 入浴後に排水口の髪の毛を取る
- 入浴後に鏡を拭く
- 入浴後に浴室壁やドアにシャワーをかけて汚れを流しておく
ほかにも次のような「お風呂掃除のコツ」があるので参考にしてください。
- 浴室乾燥機があれば長めにつけて湿気対策をする
- 最後に入浴した人が掃除する
- シャンプーボトルなどは吊るして収納する
- 浴槽にはこすり洗い不要の洗剤を使う
- 汚れがひどい場合はプロにお願いする
習慣やコツなどを取り入れて、浴室掃除を少しでもラクにしましょう。
2位 キッチンの換気扇やコンロ掃除
嫌いな家事2位は「キッチンの換気扇やコンロ掃除」でした。
換気扇やコンロは油汚れがひどく汚れが落ちないこと、また、掃除に時間がかかることが嫌いな理由となっています。
ガスコンロは、天板、五徳(ごとく)、魚焼きグリルなど部品も多く、焦げ付きや油のギトギト汚れは落ちにくいですよね。
換気扇も同じく部品が多く、さらに手も届きにくいため、なかなか気軽にはお手入れできません。
放置することで油汚れがこびりつき、ますます掃除したくなくなる悪循環になってしまうようです。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 油がギトギトで掃除しづらいし、時間がかかる(29歳)
- ごとくのこびりつき掃除に時間がかかる(39歳)
- 汚れが落ちにくい。換気扇は大きいので洗うにも場所を取るし、高いところにあるから取り付けや取り外しも面倒(41歳)
- この家に住んで13年、換気扇の掃除を一度もしたことがない。触るのもイヤ。(51歳)
キッチン周りの掃除は、汚れを溜めないことが一番です。
回答を見てもわかるとおり、頑固な汚れに苦戦している内容が目立ちますよね。
キッチン周りは油汚れが中心なので、溜めてしまうとこびりついて掃除が大変なことに。
次の点に気をつけて、掃除をする時の負担を減らしてください。
- 掃除のしやすいコンロを選ぶ
- コンロまわりは毎日か使い終わったら拭く
- シンクは食器洗いのついでにサッと磨く
- 五徳は汚れがひどくなる前に食洗機で洗う
- 換気扇にフィルターカバーをつける
- 換気扇は調理前から回しはじめ、調理後も5分は回しておく
- 油料理をひかえる
「あまりにも汚れがひどい状態」「手の届きにくいレンジフード」「分解の必要な換気扇」などの掃除は、『油取り取りトリケラトプス』のようなキッチン周りの掃除に強いクリーニング業者に依頼するのもおすすめです。
3位 料理
嫌いな家事3位にランクインしたのは「料理」でした。
「とにかくイヤ」「毎日苦痛」…など、苦手や嫌いのレベルをはるかに超えていると思える回答も多かった料理。
子どもがいると、「今日は面倒くさいから作るのやめとこう」というわけにもいかないのがツライですよね。
ワーキングマザーであればなおさら、仕事で疲れたあとに作る料理はしんどいのではないでしょうか。
また、料理は作るだけでなく、「献立を考える」「買い物をする」といった工程が多いことも、嫌いな人が多い理由となっています。
時間も労力もかかることを毎日、日によっては一日2回も3回も行うってすごく大変なこと。
しかし、「お母さんがご飯を作るのはあたりまえ」という考えは根強いため、苦労が報われないのも料理を嫌いと感じる理由かもしれません。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 何を作るか、どう作るか、考えることが多くてめんどくさい(34歳)
- 手間がかかるのに食べるのは一瞬で、家族からの感謝も感じられない。死ぬまで毎日やらないといけないと思うと心底うんざりする(35歳)
- 手抜きがしにくい。やらなくていい日が全くない(45歳)
- 理由なし。とにかく嫌い!!(58歳)
毎日の料理を少しでもラクにするためには、手間を省きましょう。
惣菜・レトルト・冷凍食品などを活用すれば、調理時間や調理器具の洗い物も短縮できます。
調理工程の少ない「鍋」「焼き肉」「手巻き寿司」などのメニューもいいですよ。
デリバリーや外食の日を決めておくのもおすすめです。
「明日は外食の日だから今日は頑張って夕飯を作ろう」と思えたり、リフレッシュもできるでしょう。
メニューを考えるのが面倒な人は、あらかじめ1週間分の献立を考えておいたり、食材宅配サービスを利用してみるのはいかがでしょうか。
4位 トイレ掃除
嫌いな家事4位は「トイレ掃除」となりました。
掃除自体の手間よりも、不潔な場所、汚い場所という固定観念から、拒否反応で嫌いと感じている人が多かったトイレ掃除。
清潔にしておきたいけど触りたくないのが本音のようです。
潔癖な人にとっては、苦痛さえ伴う家事と言えますね。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 掃除してもすぐ汚くなるから(33歳)
- 臭くて汚いから(22歳)
- 汚いから触りたくない(49歳)
- 子どものあとはいつも汚いから(37歳)
嫌いでもこまめに掃除しておきたい場所の1つがトイレです。
放置しておくと汚れがこびりつき、臭いなどの原因にも。
使った後にトイレットペーパーで拭いたり、子供には汚したらすぐに拭くことと教えるといいでしょう。
また、流すたびに洗浄可能な「トイレスタンプ」を使って汚れをつきにくくしておくのもおすすめ。
- 潔癖の人は使い捨て手袋を使って入浴前に掃除をする
- 床に物を置かないようにして掃除しやすくしておく
- 掃除したくなるよう空間をオシャレにコーディネートする
上記の方法などもぜひ試してみてくださいね。
5位 部屋の片付け
嫌いな家事5位は「部屋の片付け」です。
部屋の片付けが嫌いな理由としては、「片付けや整理整頓が苦手」「ものが多くて収納できない」「ものが捨てられない」という声が多く挙がりました。
ものが多いほど片付けは大変になり、広い収納スペースも必要になります。
必要なもの以外は思い切って処分し、ものをできるだけ減らすのが理想ですが、「いつか使うかも」「もったいない」「あとで後悔しないか不安」といった思いもあり、なかなか難しいようです。
また、せっかく片付けても家族がすぐに散らかしたり、子どものおもちゃが散乱したりするのでイヤという声もありました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- ものを捨てるのが苦手で、あれこれ考えていると時間がかかってしまう(58歳)
- 片付ける場所がない(54歳)
- 子どもが二人いるのですぐに散らかる(33歳)
部屋の片付けにはルールが必要です。
とりあえず収納に詰め込んだだけだと、また散らかる可能性があるからですね。
片付けのルールは以下のとおり。
- 収納場所を決める
- 出しっぱなしにせず使った後はしまう
- 床に物は置かない
具体的な片付けのアドバイスが欲しい人は、「整理収納アドバイザー」へ相談するのもいいでしょう。
また、物を増やさないためにも、本当に必要な物のみ購入して、購入後は不要な物を必ず捨てること。
どうしても物を捨てられない人や、必要な物がたくさんある人はトランクルームにまとめて預けておくという方法もありますよ。
6位 アイロンがけ
嫌いな家事6位は「アイロンがけ」がランクイン。
「暑い」「時間がかかる」「上手にかけられない」といった理由から嫌いな人が多いアイロンがけ。
たしかに夏のアイロンがけは、熱や蒸気で汗だくなってしまい、苦行にも感じるかもしれません。
また、綿のYシャツはかけたそばからシワが戻ったり、かけているうちに変なところにシワがついたりしてキレイに仕上がらないのも嫌われる理由です。
さらに1枚かけるのに10~15分はかかるため、平日1週間のYシャツをためてしまうと、スチームサウナのような暑さのなか、1時間以上もかけ続けなければならないことに。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 暑い、夏は地獄(49歳)
- かけてもかけても小ジワが寄ったりして、同じところを繰り返しやらなくてはいけないのがイライラする。夏は暑いのもイライラする(30代)
- アイロンは主人の分しかなく、自分に関係ないものなのでやる気が出ない(53歳)
アイロンがけが嫌いな人は、アイロンしなくてもいい素材の衣類を選びましょう。
シワになりにくいポリエステル・ナイロン・ウールといった素材ですね。
コットン・リネン・レーヨン・キュプラなどはシワになりやすいため、アイロンが必要になります。
形状記憶の衣類などもおすすめですよ。
シワになりやすい衣類は、洗濯後すぐにシワを伸ばして干す、アイロン代わりに「シワ取りスプレー」や「衣類スチーマー」を使うという方法も。
手間をかけたくない人は、クリーニングに出すことも検討してみてください。
7位 食器洗い
嫌いな家事7位は「食器洗い」でした。
「食後は動くのが面倒になる」「手が荒れる」、この2つが食器洗いを嫌いな理由となっています。
お腹がいっぱいになり家族がまったりしているなか、お母さんにはもうひと仕事待っている感じがイヤですよね。
食後にのんびりテレビを見たり、横になったりしているご主人を見て、「なんで私だけ…」と思っている奥様は多いことでしょう。
また、お湯や洗剤で皮脂や角質が落ちてしまうため、冬場は手荒れに悩む方も多いようです。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 食べ終わったあとはゆっくりしたいのに、汚れ物を洗わなければならないのは面倒(59歳)
- 面倒くさいので凄くイヤ(41歳)
- 家族が多くて洗い物が多いし、冬は手が荒れる(39歳)
家族内で「交替制」「自分の食器だけは自分で洗う」といったルールを決めるのも1つの方法です。
料理ができないご主人やお子さんでも、食器洗いならできるはず。
できるだけ洗い物を増やさない工夫もしてみてください。
たとえば「大皿に盛りつける」「1つのフライパンや鍋を使い回す」などですね。
設置スペースがあるご家庭であれば、食洗機の購入もおすすめです。
体力が必要な浴室掃除やキッチンの換気扇やコンロ掃除がトップにランキングされましたね。
私も便利屋を経営していて、浴室掃除やキッチンの換気扇やコンロ掃除は家事代行で依頼が高い業務ですので、納得の結果です。
料理は献立の企画から、買い物、そして、調理まで作業工程が多く、他の家事に比べて時間がかかってしまうのも嫌われる理由かもしれません。
家事代行を利用したことがある人は7.3%
次に、家事代行や掃除代行の利用経験について聞いてみたところ以下の結果となりました。
家事代行を利用したことが「ある」と答えた人は551人中40人とわずか7.3%でした。
ワーキングマザーの増加に伴い、日本では30年ほど前からサービスとしてスタートした家事代行ですが、利用している人はまだまだ少ないようです。
当アンケートにおける利用者の感想では、「自分が気づかないところまで綺麗にしてくれた」「さすがプロ」「また頼みたい」など、満足する声が多い一方で、
- お金がかかる
- 家に入られることに抵抗がある
といった声もありました。
共働きにも関わらず、夫から家事の協力を得られないのであれば、家事代行の利用がおすすめです。
「本来自分がすべき家事を他人にお願いすることに罪悪感や抵抗がある」という人もいるかもしれません。
しかし、「家事を時給に換算したら○○円」という話題がたびたび出るように、家事は立派な『仕事』です。
日中は職場で働き、朝晩に家事をしているお母さんは、睡眠時間以外はすべて、何かしらの仕事をしていることになります。
「家の中の仕事」である家事を外注することに、罪悪感を覚える必要はありません。
家計が心配な人も、今は料金の安いサービスがあるので、ぜひ一度検討してみてくださいね。
家事代行の利用率の低さは驚きの結果です!
日本人の男性は世界的に家事や育児に使う時間も低いようですし、ワーキングママさんたちの負担は相当高いものと想像されますね。
私達のような便利屋を含めて、家事代行を提供する会社は増えてきていますので、どんどん活用して、より充実した生活をしていただきたいですね。
欧米だけではなく、アジアでも共働き世代はハウスキーパーさんやナニーさん(母親の代わりに育児を行ってくれるプロ)を使うことは一般化していますので、日本も政府が後押ししつつ、共働き世代のサポートができるといいですね。
まとめ
嫌いな家事があっても、「家事は私の仕事だから」と我慢しているワーキングマザーは多いことでしょう。
しかし、今や15~64歳女性の就業率は70.9%。
7割の女性が仕事をしている現代において、「家事=女性の仕事」という風潮は、そろそろ本気で変えていかなければいけません。
今日からすべての家事を家族で分担することは難しくても、まずは「これだけはどうしても嫌い」という家事をお任せしてみてはいかがでしょう。
また、今は家事代行も多種多様で、便利で安いサービスがたくさんあります。
抵抗を感じる方も多いと思いますが、「百聞は一見にしかず」で、一度利用してみることをおすすめします。
嫌いな家事を工夫して克服することはもちろん素晴らしいですが、思い切って誰かに任せる選択肢もぜひ検討してみてください。
平成28年の総務省統計局の「社会生活基本調査」によると、6歳未満の子供を持つ夫婦の1日あたりの平均家事時間は、男性19分、女性144分(2時間24分)と、男女間の差はかなり大きく、家庭内での女性の家事負担が相当大きいです。
それらの不平等さを日々感じていることからも、今回のアンケートのような「家事が嫌い」という結果が出てくると思います。
男性がより家事に参加をし、私たちのような家事代行会社、便利屋を使っていただき、大変な家事はアウトソースしていただくことで、よりストレスの少ない幸せな家庭になっていただきたいですね。
ママさんがハッピーであることがお子様、パパさんのハッピーにもつながると思います。