転職活動には、「交通費」「スーツの購入費用」「履歴書用の写真撮影代」などのお金がかかります。
退職後に転職活動する場合は、生活費と転職活動費用を貯金で賄うため、余裕をもって計画しておくことが重要です。
今回は転職活動をしたことがある401人に「転職活動にかかった費用」を口コミ調査した結果、回答は以下のようになりました。
平均金額は20,680円となっています。
ボリュームゾーンも「10,000円超30,000円以内」です。
20,000円程度の出費であれば、生活費に大きな影響も出ないでしょう。
一方で100,000円前後かかったという人も。
「Uターン転職で交通費がかさんだ」「転職に資格が必要で通信教育を利用した」などの場合には、費用が大きくなりがちです。
退職後に転職活動している場合は、貯蓄がないと生活に影響してしまうかもしれません。
実際、「転職活動にかかった費用は想定内でしたか」も聞いていますが、回答は以下の通りです。
「想定以上に費用がかかった」と答えた人は25.4%です。
転職活動が長引くと、かかる費用もかさんでいきます。
想定以上の費用がかかると、「早く転職を決めなくては」と焦ってしまい、妥協して転職先を決めてしまう可能性も。
妥協して転職すると、短期離職につながることも考えられます。
気持ちに余裕をもって転職活動ができるよう、少し多めにお金を用意しておくと安心といえるでしょう。
今回の調査では、転職活動でかかる費用の具体的な内訳や削減するための方法についても聞いています。
- 調査対象:転職活動をした経験がある方
- 調査期間:2023年8月17日~29日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:401人(女性223人/男性178人)
- 回答者の年代:20代 38.7%/30代 40.1%/40代 15.2%/50代 5.0%/60代以上 1.0%
※年齢はすべて転職活動時のものです。
転職活動で費用がかかる費用の内訳を401人に口コミ調査
転職活動をした経験がある401人に「転職活動にかかる費用の内訳」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「交通費・ガソリン代(276人)」です。
2位「スーツ・服・カバンの購入費用(134人)」、3位「履歴書用の写真代(60人)」、4位「履歴書用紙・印刷代(59人)」と続きます。
以降、5位「勉強のための費用(17人)」、6位「履歴書などの郵送費(16人)」、7位「転職エージェントの登録料(9人)」の結果となりました。
7割近い人が「交通費・ガソリン代」を挙げており、転職活動では交通費の負担がメインだとわかります。
また「写真代」「履歴書の購入費用」「応募書類の郵送費」など、こまごました費用がかかることもわかりました。
ひとつひとつの金額は少なくても、積もり積もると負担に感じることもありそうです。
では具体的な回答を紹介しているので参考にしてみてください。
1位 交通費・ガソリン代
- 面接のための交通費。県外での最終面接も多く、数万円ぐらいかかりました(27歳 男性)
- 交通費。県外での転職だったため車での移動が多く、ガソリン代や高速道路利用料金がかかりました(32歳 男性)
- 面接や登録会、またセミナー等に足を運ぶ際の交通費です(42歳 女性)
1位は「交通費・ガソリン代」でした。
転職活動で必ずかかる交通費。
最近ではオンライン面接も増えていますが、最終面接だけは来社するケースも多いです。
とくにUターンやIターン転職などを希望しており、遠方での面接が頻繁にある場合は、交通費がかさんでしまいます。
2位 スーツ・服・カバンの購入費用
- 面接用の夏用シャツとパンプス(28歳 女性)
- スーツを用意するのが一番高くついた(32歳 男性)
- 面接先に合わせたスーツやブラウスを新調したこと(34歳 女性)
2位は「スーツ・服・カバンの購入費用」です。
スーツ通勤している人なら新調する必要はないかもしれませんが、私服通勤している場合は「転職活動用の服や靴・カバン」をひと通り揃える必要があります。
リクルートスーツは転職活動には不向きとされているため、転職活動用のスーツを改めて揃えると、数万円程度かかることになるでしょう。
スーツのレンタルサービスもありますが、着用する機会が多く何度も借りているとレンタル費用がかさみます。
「面接回数が多い」「転職活動の期間が長い」という場合は、購入したほうが安く済むかもしれません。
3位 履歴書用の写真代
- 証明写真を撮る費用(30歳 女性)
- 履歴書用写真の撮影代(38歳 男性)
3位は「履歴書用の写真代」でした。
証明写真は自動撮影機なら数百円~1,000円程度で撮影可能。
フォトスタジオなどでプロに撮ってもらう場合には、仕上がりはキレイですが、2,000円~数千円程度かかります。
セルフ撮影した画像をコンビニで印刷する場合は上記より安くなりますが、やはり印刷代はかかります。
応募数が増えて必要な枚数が多くなれば費用もかさむため、負担に感じた人もいるようです。
4位 履歴書用紙・印刷代
- 履歴書のコピー代(25歳 女性)
- 家にパソコンやプリンターがないので、ネットカフェで応募書類を印刷する費用がかかった(33歳 男性)
- 履歴書の購入費(35歳 女性)
「履歴書用紙・印刷代」が4位でした。
「購入代」よりも「印刷代」と答えた人が多く、テンプレートの印刷が一般的になっていることが伺えます。
履歴書を書き損じた場合、修正テープなどは使えないので、書き直すことになります。
応募数や書き直しが多くなると、その分費用が増えてしまいます。
5位 勉強のための費用
- 資格を取るための受験料や教材費(32歳 女性)
- 転職に関するセミナーや勉強会の参加費(40歳 男性)
5位は「勉強のための費用」でした。
転職活動を有利にするためやキャリアチェンジを叶えるため、資格取得などのスキルアップに取り組む人もいます。
参考書を使った独学にしろ勉強会や講座に通うにしろ、何らかの費用が発生します。
学びたい内容によりますが、通信教育受講や専門学校通学には、まとまった費用がかかるでしょう。
6位 履歴書などの郵送費
- 郵送代。締め切りギリギリの時期に応募したため、速達料金がかかった(25歳 女性)
- 応募書類の郵送費(38歳 男性)
6位は「履歴書などの郵送費」でした。
オンラインで履歴書や職務経歴書を送付できる会社もありますが、まだまだ「郵送してください」という会社も多いです。
そのため応募する会社が多いほど、郵送代がかかってしまいます。
ひとつひとつは少額ですが、数が多くなるとお金がかかると感じてしまうでしょう。
7位 転職エージェントの登録料
- 転職エージェントでの手数料(28歳 男性)
- 転職エージェントへの登録費(37歳 女性)
7位は「転職エージェントの登録料」でした。
ほとんどの転職エージェントや転職サイトは登録料無料で利用できます。
企業側からお金をもらうビジネスモデルだからです。
ただし一部有料で「より手厚いサービス」を提供している転職エージェントやサイトもあります。
転職を考えている人は、転職活動にもお金がかかることを理解しておきましょう。
今回のアンケート結果を見ても、いろいろな費用がかかっているとわかります。
とくに上京転職やU・Iターン転職を検討している人は、交通費やガソリン代の負担は大きいです。
お金に余裕がなくて転職先を妥協するようなことがないよう、収入が安定している在職中の転職活動をおすすめします。
もし仕事を辞めてからの転職活動を希望するなら、今回の回答を参考に、転職活動貯金を用意しておくといいでしょう。
転職活動にかかる費用を削減する方法7選
転職活動経験者401人に「転職活動にかかる費用を削減する方法」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「オンライン面接の活用(81人)」です。
2位「無料の転職エージェントを利用(49人)」、3位「安く移動できる方法を考える(35人)」、4位「安い衣料品・文房具を選ぶ(26人)」と続きます。
以降、5位「1日に複数社を回る(25人)」、6位「近場の会社を受ける(23人)」、7位「無料の転職サイトを利用(22人)」の結果となりました。
「オンライン面接」「安く移動できる方法を考える」「近場の会社を受ける」「1日に複数社を回る」などは、いずれも交通費の削減に役立ちます。
転職活動で負担が大きいのは交通費なので、納得の結果です。
では具体的な回答を紹介します。
1位 オンライン面接の活用
- 最終面接以外はオンライン面接にしてもらい、交通費を削減した(28歳 男性)
- 初期の選考については、オンライン面接・試験ができるか会社に確認した(32歳 女性)
- オンライン面接のある企業を受けた(35歳 男性)
1位は「オンライン面接の活用」でした。
オンラインで面接を受ければ、面接地までの交通費がかかりません。
最近では「最終面接以外はオンライン可能」という会社も多くなっています。
また転職エージェントもオンライン面談に対応しているため、「エージェントとの面談はオンラインや電話で行った」という人もいました。
2位 無料の転職エージェントを利用
- 無料のエージェントへ相談しながら、費用のかからない範囲で履歴書の添削や面接対策を行った(27歳 男性)
- 無料の転職エージェントを利用した(43歳 女性)
2位は「無料の転職エージェントを利用」です。
多くの転職エージェントは登録料や手数料なしで利用可能。
無料でも「応募先企業の提案」「履歴書の添削」「面接対策」「企業との日程調整」などをしっかり行ってくれます。
転職エージェントを利用することで転職活動の効率化にもつながります。
3位 安く移動できる方法を考える
- 面接時は早く出て一駅歩き、交通費を削減した(29歳 女性)
- 新幹線ではなくバスを使用した(31歳 男性)
- 都心への移動になるため、安い経路を探して移動をしていました(43歳 男性)
3位は「安く移動できる方法を考える」でした。
具体的には「できるだけ徒歩や自転車で移動」「タクシーを使わない」「安い経路を探す」「飛行機は早割で予約」といった工夫が寄せられています。
また金券ショップを利用すれば、安い切符が手に入るかもしれませんね。
遠方への移動で早期予約割引を利用する場合は、「面接日程の変更がないか」に注意しましょう。
4位 安い衣料品・文房具を選ぶ
- スーツはなるべく安いものを選んだ(26歳 男性)
- スーツはネットで古着を購入した(32歳 女性)
- 面接に行くためだけなので、費用をかけないように安く買えるお店で購入した。ストッキングなども100円ショップで購入した(38歳 女性)
「安い衣料品・文房具を選ぶ」が4位でした。
スーツやカバンの購入は、転職活動の初期費用となり、まとまったお金がかかります。
できるだけ負担を少なくしようと、リサイクルショップやセールを活用した人も多くなりました。
安いスーツやシャツであっても、シワや汚れに注意し清潔感のある着こなしをしていれば、「服が原因で落とされる」といったことはないはずです。
5位 1日に複数社を回る
- 実家近くで面接があるときは、まとめて何社か受けるようにした(22歳 女性)
- 1日に複数社で面接できるよう、エージェントへ依頼した(36歳 男性)
- 面談日を1日に集約した(41歳 男性)
5位は「1日に複数社を回る」でした。
面接日を1日にまとめて移動の効率はよくして、交通費を節約した人も多数。
ただし1日で複数社を回るのは準備や体力面で少し大変です。
面接直前には「想定問答集の見直し」などの準備もありますし、気分の切り替えも重要。
慣れるまでは1日1社にしたほうが、面接そのものの質はあがると考えられます。
6位 近場の会社を受ける
- 地元の企業を集中的に選んだ(22歳 男性)
- なるべく近くの会社を選ぶこと(34歳 男性)
- できるだけ交通費をかけたくなかったので、「家から自転車で行ける範囲内の会社」または「電車で3駅以内」と決めました(43歳 女性)
6位は「近場の会社を受ける」でした。
近場の会社であれば、面接に出向く際の交通費が少なくなります。
「通勤定期の範囲内で活動した」という人もいました。
ただ住んでいる場所によっては、エリアを限定することで選択肢が少なくなることも。
「近場なのはいいけど、仕事内容や職場環境には不満が大きい」となりかねないので注意しましょう。
7位 無料の転職サイトを利用
- 無料の転職サイトを利用(36歳 女性)
- スマホの求人サイトで探しました(53歳 女性)
7位は「無料の転職サイトを利用」でした。
転職サイトの多くも、登録料や手数料なしで利用できます。
オンラインで提出できる「WEB履歴書機能」がある転職サイトなら、応募書類関連の費用を節約可能です。
転職サイトへの登録内容を充実させてスカウトを受け取ることができれば、効率的に転職活動が進むことも期待できます。
転職活動の費用負担を軽減させるためには、オンライン面接を活用しましょう。
転職活動にかかる費用でとくに負担の大きいのが、遠方の面接地へ行くための交通費や宿泊費です。
面接は2~3回が一般的なので、一次面接だけでもオンライン面接が受けられれば、費用を抑えられます。
また、転職活動を長引かせず早く終わらせるのも効果的でしょう。
効率的に転職活動を進めたいなら、サポートが手厚い転職エージェントの利用がおすすめです。
多くの転職エージェントが無料で登録できるので、ぜひ転職活動をサポートしてもらってください。
まとめ
転職活動にかかった費用について調査した結果、転職活動費用の平均は約20,000円でした。
とくに「交通費」や「スーツなどの購入費用」にお金がかかった人が多くなっています。
「転職活動が長引いた」「遠方での面接が多くなる」といった場合には、想定以上の費用がかかることもあります。
転職活動を始める前に余裕をもって資金を用意しておくとともに、「オンライン面接の活用」などの費用削減方法を試してみましょう。
「転職活動の費用はケチりたくない」という方もいるかもしれません。
確かに費用を削減して転職活動の幅が狭まっては本末転倒です。
しかしオンライン面接は時短になり、転職エージェントの利用は転職活動の質・効率アップにつながります。
費用削減と他のメリットを両立できる工夫については、積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。