「仕事が多すぎてつらい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
仕事量が多すぎると、ひとつひとつの作業に手をかけられない分、品質低下のリスクを招きかねません。
とあわせて、あなたの心身にも悪影響が出る可能性があります。
当メディアで「仕事量が多い」と感じている500人に対して独自アンケートを実施することで調査してみました。
- 調査対象:仕事量が多いと感じている人
- 調査期間:2023年5月6日~9日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:500人(女性299人/男性201人)
- 回答者の年代:20代 19.4%/30代 38.8%/40代 27.0%/50代 12.2%/60代以上 2.6%
まずは、「仕事量が多いことで仕事の品質に影響が出ることがあるか」と聞いたところ、回答は以下の結果となりました。
「頻繁にある」「たまにある」と答えた人が合わせて82.6%と多数。
仕事量が多いせいで仕事のクオリティが下がってしまう人はかなり多いとわかります。
仕事が多すぎるとスケジュール管理やタスク管理が追いつかなくなり、効率が悪くなってしまうからでしょう。
アウトプットの質が下がると、周囲やクライアントからの評価が下がる可能性もあります。
仕事量を多くこなしているのに評価されないという、つらい状況になってしまいかねません。
また仕事の品質低下以外にも、心身面でも悪影響が出やすいので注意しましょう。
以下の追加で聞いた「仕事量が多いことで身体的・精神的に悪影響があるか」の回答結果からもわかります。
「とてもある」「まあある」と答えた人が合わせて86.0%と多数。
仕事量が多すぎて心身がつらい状態になっている人が多いとわかる結果です。
仕事量が増えると、残業・休日出勤が増えてプライベートの時間が削られることも多々あります。
すると十分な休息やリフレッシュができなくなり、心身に悪影響を及ぼすと考えられます。
「やってもやっても仕事が終わらない」と感じると、仕事に対するモチベーションが下がってしまい、職場に行きたくなくなることもあるでしょう。
今回のアンケート調査では上記以外にも、「仕事量が多くなる理由」や「仕事量が多い場合の解決策」についても質問、回答いただいております。
仕事量が多い理由ランキング
仕事量が多いと感じている500人に「仕事量が多い理由」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「人手不足だから(224人)」です。
2位「断れない性格だから(68人)」、3位「他にできる人がいないから(44人)」、4位「他人のフォローをしているから(35人)」と続きます。
以降、5位「仕事の進め方が遅いから(30人)」、6位「非効率な職場だから(29人)」、7位「他の人に頼れない性格だから(28人)」の結果となりました。
「人手不足」が圧倒的多数。
「他にできる人がいないから」「非効率な職場だから」なども含めて、職場や同僚など「自分以外に原因がある」と考えている人が比較的多くなっています。
では具体的な回答を紹介します。
仕事量が多い理由1位 人手不足だから
- 単純に「人が足りていないこと」が一番の原因です(33歳 男性)
- ズバリ人員不足。今も減り続けています(47歳 男性)
- 社内で人数を減らす傾向があるため(53歳 女性)
1位は「人手不足だから」でした。
仕事量に対してスタッフ数が少ないため、ひとりひとりの負担が大きくなっている職場も多いようです。
人が足りていないのに補充されないという職場も多いのではないでしょうか。
また採用活動はしていても新人が定着しない職場だと、「教育に手間ばかりかかって仕事量が減らない」という事態になりそうです。
仕事量が多い理由2位 断れない性格だから
- 頼まれた仕事を断れず、どんどん溜まっていくから(21歳 女性)
- 頼まれたら何でも了承してしまう(35歳 男性)
- 得意・不得意で選別をしないで、依頼があった仕事を全部受けてしまう(45歳 男性)
2位は「断れない性格だから」です。
「お願い」「助けてほしい」と頼まれると、自分の仕事が忙しくても、断れない人も多いようですね。
「断ったら申し訳ない」「相手に悪く思われるかも」などと考えてしまうのでしょう。
優しさのせいで、つらい状況に追い込まれてしまう人も多いとわかります。
個人事業主やフリーランスの場合、単価が低い仕事や苦手な仕事でも、今後のクライアントとの付き合いを考えて、無理して受けることがあると考えられます。
仕事量が多い理由3位 他にできる人がいないから
- 周りの人が、私のしている仕事を代わりにできない(29歳 女性)
- 周りに同等のスキルをもつ人材がいない(33歳 男性)
- 自分にしかできない作業のため(45歳 女性)
3位は「他にできる人がいないから」でした。
自分にしかできない仕事があるため、他の人に仕事を任せられず、仕事量が多くなってしまうパターンですね。
新人が多い職場や担当が細分化されている職場で起こりやすいと考えられます。
仕事量が多い理由4位 他人のフォローをしているから
- 自分の仕事を抱えていても、他の人が困っているのを見ると手伝ってしまう(26歳 女性)
- 周りの人の作業が遅くて効率も悪いため、私がやることになってしまう(39歳 女性)
- 同僚があまりうまく仕事を回せないので、フォローしないといけない(50歳 男性)
「他人のフォローをしているから」が4位でした。
本来担当している業務のほかに、周囲のサポートやフォローもしているため仕事量が多くなっているケースです。
困っている人を放っておけないという気持ちで手伝っている人もいれば、周りがさぼるから仕方なくという人もいました。
仕事量が多い理由5位 仕事の進め方が遅いから
- ペースが遅いから(28歳 女性)
- 時間管理が致命的に下手だから(39歳 男性)
- 効率よく仕事をこなせない(52歳 女性)
5位は「仕事の進め方が遅いから」でした。
「仕事に優先順位をつけるのが苦手」「スケジュール管理ができない」など、自身の能力が原因で仕事量が増えていると考えている人もいます。
ただ仕事を始めて間もない人の場合は、慣れてくれば効率よくこなせるようなるかもしれません。
仕事量が多い理由6位 非効率な職場だから
- 昔からの体制を変更せず、現在まで「必要のある仕事」「必要のない仕事」を社内でふるいにかけなかったことが理由だと思います(25歳 女性)
- ペーパーレス化していないなどの理由で、無駄が多い(39歳 女性)
- 複雑な計算をするシステム・アプリがなく、手計算している。またシステム化が進んでいる部署とそうでない部署があり、連携できない(48歳 男性)
6位は「非効率な職場だから」でした。
会社全体が非効率なために個人の仕事が増えていると考えている人も多いようです。
例えば「慣習に則った非効率な作業工程がずっと続いている」「ルーチン作業がシステム化されていない」などが挙がっています。
本当はもっとラクに仕事をこなせるはずなのにと不満をもちながら働いている人も多そうです。
仕事量が多い理由7位 他の人に頼れない性格だから
- なかなか人に頼めないから(31歳 女性)
- 自分の仕事を他人に任せられない(41歳 女性)
- 人に仕事を振るのが下手で、自分で抱え込んでしまう。人を信用できないのかもしれない(50歳 男性)
7位は「他の人に頼れない性格だから」でした。
「自分の仕事は自分でこなさなくては」と考えて、他の人に手助けをお願いできない人も多いとわかります。
なかには「部下には任せられない」と自分で抱え込んでいる人も。
部下がいる場合は、仕事をうまく割り振らないと自分が苦しいのはもちろん、部下も育たなくなってしまいます。
仕事量が多い場合、上司に現状を伝えてみてください。
なんらかの措置を上司が講じてくれる可能性もあるからです。
今回のアンケート結果を見ると、「人手不足」「他に自分が担当している仕事をできる人がいない」など、労働力があれば解決する理由が上位を占めています。
よって、採用活動に力を入れてもらったり、他の部署から応援にきてもらったりすれば負担する仕事量も減るのではないでしょうか。
ただ慢性的な人手不足は社会問題にもなっており、求人を出してもなかなか人が集まらない企業も多いです。
また、経営状況的に増員できないという事情がある場合も。
人手不足が解消できないようであれば、自分自身で仕事量をコントロールすることも大切になってきます。
次の章以降では、「仕事量が多すぎる場合の解決策」について紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
仕事量が多すぎる場合の解決策ランキング
仕事量が多いと感じている500人に「仕事量が多いときの解決策」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「仕事を効率化する(179人)」です。
2位「他の人に仕事を割り振る(115人)」、3位「勤務時間を増やす(72人)」、4位「頑張りすぎない(38人)」と続きます。
以降、5位「誰かに相談する(29人)」、6位「とにかく頑張る(24人)」、7位「適度に休息をとる(18人)」の結果となりました。
回答は大きく「工夫して自分で何とかする」と「周りに助けを求める」の2パターン。
「効率化を工夫してみるが、仕事量が多すぎてどうにもならないなら上司に相談する」など、2タイプの対処法を組み合わせている人も多くみられました。
では具体的な回答を紹介します。
仕事量が多すぎる場合の解決策1位 仕事を効率化する
- 行動する前に、すべきことの優先順位を考え、作業の効率化を図る(26歳 女性)
- 業務の一部をできる限りプログラム化する(48歳 男性)
- スケジュールを立て、計画的にこなす(51歳 女性)
1位は「仕事を効率化する」でした。
仕事量を変えることは考えず、スピードアップして勤務時間内や納期に間に合わせようと頑張る人が多いようです。
具体的な効率化の方法は「マニュアル化・システム化」「優先順位をつける」など。
ただ早くたくさんの仕事をさばける人には、さらに仕事が割り振られる可能性もあります。
仕事量が多すぎる場合の解決策2位 他の人に仕事を割り振る
- 同じチームの社員か、他部署の社員に仕事を頼む(28歳 女性)
- 同僚に手伝ってもらい、仕事を時間までに終わらせます(37歳 女性)
- 簡単な仕事はチームメンバーに割り振る(58歳 男性)
2位は「他の人に仕事を割り振る」です。
周りに手伝ってもらい、自分の仕事量を減らす方法ですね。
頼む際には相手が「私だって忙しいのに」と思わないよう、相手の状況を把握し、自分の状況を説明してから依頼するとよいでしょう。
自分から言い出しにくいなら、上司から伝えてもらう方法も検討してみてください。
仕事量が多すぎる場合の解決策3位 勤務時間を増やす
- 働く時間を増やす(28歳 女性)
- キャパオーバーしているのを、残業によって解決している。残業くらいしか解決策がなかった(30歳 男性)
- 残業や早出をしてどうにか終わらせる(47歳 女性)
3位は「勤務時間を増やす」でした。
残業や休日出勤で勤務時間を増やし、増えた仕事量をカバーしている人も多数。
仕事量が減らせない場合、効率化して短縮できる時間にも限りがありますので、どうしても勤務時間が増えてしまうでしょう。
「残業して、上司がなんとかしてくれるのを待っている」というコメントも。
残業を「仕事量が多くて大変です!」というアピールにしている人もいるようですね。
仕事量が多すぎる場合の解決策4位 頑張りすぎない
- 無理せずできる量だけこなす(28歳 女性)
- 100%のパフォーマンスはせず、お客様に迷惑をかけない30%ぐらいで乗り切る(30歳 女性)
- 無理をしない。できる範囲で切り上げる(57歳 男性)
「頑張りすぎない」が4位でした。
いくら頑張っても効率化しても、決まった時間でこなせる仕事量には限界があります。
限界を超えると、疲労やストレスが溜まって心身に影響が出てしまう可能性も。
そもそも限界を超えるほど仕事をさせる組織に問題があるとも考えられます。
そのため「限界を超えてまでは頑張らない」と決めている人も多くなりました。
仕事量が多すぎる場合の解決策5位 誰かに相談する
- 上司や周りの人に相談する(28歳 女性)
- 上司に報告(35歳 男性)
5位は「誰かに相談する」でした。
相談相手としては上司が多くなっています。
「仕事量が多すぎて大変」という状況に対応できるのは、人員配置や業務分担の権限をもつ上司だからでしょう。
ただし「上司に相談しても、あまり効果はなさそう」という意見もありました。
会社として、人員を減らすという流れになっているなら、上司も流れにあらがえないかもしれません。
仕事量が多すぎる場合の解決策6位 とにかく頑張る
- 我慢します。無理な要求でもとりあえず、頑張ってみる(32歳 女性)
- 文句を言いながら、ひとりでやっている(45歳 男性)
- 気合で乗り切ります(50歳 男性)
6位は「とにかく頑張る」でした。
「頑張りすぎない」とは真逆の回答ですね。
解決策が見い出せず、とにかくこなすしかないという気持ちで取り組んでいる人も。
繁忙期など一時的に仕事が多いのなら、気合いで乗り切れるかもしれません。
しかし慢性的に仕事量が多い場合、とにかく頑張るだけではいつかつぶれてしまいそうで心配です。
仕事量が多すぎる場合の解決策7位 適度に休息をとる
- 思い切って休みを取り、自分の時間をつくる(37歳 女性)
- こまめな休憩(44歳 男性)
- 休憩を少し長く取る(53歳 女性)
7位は「適度に休息をとる」でした。
「仕事中に休憩をとる」という意見もあれば、「休暇をとる」という人もいました。
一度休んでリフレッシュすると、仕事に戻ったときに集中力が高まるでしょう。
心身への悪影響を防ぐためにも、有効な方法だと考えられます。
また「あえて休むことで、仕事の属人化は危ういと上司に思い知らせる」という意見もありました。
仕事量が多い解決策としてまず実施したいのが、仕事の効率化です。
効率化によって仕事のスピードが上がり、仕事量はそのままでもこなせるようになるからですね。
ただ、すでにいろんな知恵を絞って効率化を進めているにも関わらず、「仕事が手一杯」という人もいるでしょう。
職場内を見渡してみて、手の空いている人がいれば、引き受けてもらえそうな仕事をお願いしてみるのもひとつの方法です。
「なんとかすべての仕事量をこなしてやる」と勤務時間を増やしたり、死ぬ物狂いで頑張ったりするのは、解決策としてはおすすめできません。
上司が頑張りを評価してくれればいいですが、適正量とみなされることもあるので注意してください。
仕事量が多すぎる状況が改善されない場合の対処法
「仕事を効率化する」「上司や同僚に相談する」などの工夫したにも関わらず、仕事量が多すぎる状況が改善されない場合もあるでしょう。
上記のようなケースの対処法を2つ紹介します。
- 異動願いを出す
- 退職・転職する
順番に解説するので参考にしてみてください。
仕事量が多すぎる状況が改善されない場合の対処法異動願いを出す
まずは異動願いの提出を検討してみてはいかがでしょうか。
同じ会社の中でも、部署や支店が違えば、忙しさや仕事量も変わる可能性があるからです。
また業務内容が変われば、「少し忙しいけれども、やりがいを感じられて楽しい」と思える可能性もあります。
転職や退職にはかなり気力を使いますので、まずは異動の検討をおすすめします。
仕事量が多すぎる状況が改善されない場合の対処法退職・転職する
異動が叶わず、社内の状況を変えられそうにないなら、転職・退職が選択肢となります。
転職すればガラリと環境を変えられます。
求人票で残業時間をしっかりチェックしたり、転職エージェントから「実際の残業時間」の情報を得たりしておけば、忙しすぎる職場を避けられる可能性は高まります。
転職活動には「気力」「体力」「時間」が必要なので、気軽にできるものではありません。
ただし今の環境に限界を感じるのであれば、転職に踏み切ることも検討しましょう。
転職エージェントを活用すれば、求人探しや日程調整の負担を抑え、在職しながらでも効率的に転職活動できます。
【まとめ】株式会社タンタカ代表取締役 丹野氏からのコメント
当記事の監修者、株式会社タンタカ代表の丹野貴浩氏から、コメントいただいたので紹介します。
はじめまして、株式会社タンタカの丹野と申します。
「人手不足」「仕事の進め方が非効率的」などの理由で、仕事量が多いと感じている人は多数いるとわかる調査結果ですね。
仕事量が多すぎると仕事のクオリティが下がってしまうほか、心身にも影響が出てしまいます。
仕事量が多いときには「仕事を効率化する」「勤務時間を増やす」といった対処をしている人が多数いるとわかりましたが、自力でできることには限りがあります。
根本的に状況を解決するのであれば、上司や周りに相談して、業務分担や人員配置を変更することが望ましいのではないでしょうか。
何をやっても状況が変わらないようなら、異動や転職も検討してみても良いかもしれません。
■監修者プロフィール
株式会社タンタカの代表取締役「丹野貴浩」。
簿記1級の資格を持ち、15年以上、クレジットカードやカードローン、住宅ローン、保険など金融系のWEBメディアを運営・管理している金融メディア運営の専門家です。