退職・転職を経験する20代の若手社会人も珍しくなくなってきました。
新卒のときに希望や意欲をもって入社しても、「仕事内容がキツイ」「長時間労働がしんどい」「人間関係が悪い」などの理由で、転職を考える人も多いのではないでしょうか。
今回は20代の男女500名にアンケートを実施し、「仕事を辞めたい理由」や「辞めたいけど辞めない理由」について聞きました。
- 調査対象:20代の働く男女
- 調査期間:2022年8月3日~14日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:500人(女性341人/男性159人)
20代で仕事を辞めたいと思ったことがある人は8割以上
20代の働く男女500名に「仕事を辞めたいと思ったことがあるか」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
500人中435人と、9割近い人が「ある」と回答しました。
「もう仕事を辞めたい」「転職したい」と思った経験のある人が、圧倒的に多いのですね。
多くの20代が、仕事をしながらさまざまな不満を抱えているのだろうと推測できます。
- 「入社したばかりなのに」
- 「同期は向上心をもって働いているのに」
すぐに辞めたいと思ってしまう自分を責めてしまったり、周りと比べて落ち込んでいる人もいるのではないでしょうか。
仕事を辞めたいと悩んでいるのは、あなただけではないので心配する必要はありません。
今回のアンケートでも9割近くの20代が「辞めたいと思ったことがある」と回答しています。
次の章では、仕事を辞めたい理由ランキングの紹介していくのでチェックしてみてください。
共感できる理由もあるかもしれないので、ぜひ確認してみてください。
20代が仕事を辞めたい理由ランキング
20代の仕事を辞めたいと思ったことがある435名に「辞めたいと思った理由」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「人間関係がツライ(168人)」です。
2位「収入に不満(88人)」、3位「仕事内容に不満(76人)」、4位「長時間労働でツライ(58人)」と続きます。
以降、5位「仕事が多すぎる(18人)」、6位「叱られた(17人)」、7位「体力的にツライ(16人)」の結果となりました。
仕事内容そのものではなく、人間関係がイヤになって辞めたいと思った人が多数。
人間関係が「働きやすさ」「働く意欲」に大きく影響しているとわかります。
では具体的な回答を紹介していくので確認していきましょう。
1位 人間関係がツライ
- 上司とうまくいっていないから(23歳 男性 銀行員)
- 職場の人間関係がよくない(27歳 女性 福祉系事務職)
- 人間関係がうまくいかなかったとき、人間関係をリセットしたくて「辞めたい」と思う(29歳 女性 飲食業)
1位は「人間関係がツライ」でした。
「職場全体の雰囲気がよくない」という人もいれば、「苦手な人がいてツライ」という声もありました。
苦手な人と毎日顔を合わせるのはストレスですよね。
上司や先輩に対して苦手意識を持ってしまった場合、考え方が合わなくても指示に従わないといけないため、さらにツラく感じてしまいそうです。
2位 収入に不満
- 先輩たちを見ていても、給料やボーナスが上がらないようだから(24歳 女性 事務職)
- 給料が仕事に見合っていないから(27歳 男性 理学療法士)
- ボーナス前日に「ボーナス全額カット」と通達されたときは、本当に「辞めよう」と思いました(29歳 女性 事務職)
「収入に不満」が2位。
収入は大きなモチベーションなので、「仕事内容」「責任の重さ」「役職」に対して給料が少ないと不満が募りますよね。
同級生などと月給やボーナスを比べて、嫌になってしまう人もいるかもしれません。
また「昇給しそうにないので、将来を考えたときに不安」という理由で退職・転職を考えている人もいました。
3位 仕事内容に不満
- 仕事内容が自分にはあっていない(23歳 女性 事務職)
- 仕事の意義がわからなくなったとき。社会に向かった仕事ではなく、社内に向けた仕事が多くなったとき(26歳 男性 システムエンジニア)
- 誰の役にも立たない雑務をしなければならないから(27歳 女性 営業職)
3位は「仕事内容に不満」です。
「やりがいがない」という回答が目立ちました。
「自分の仕事が誰かの役に立っている」という実感は大きなモチベーションになる一方、「自分の仕事に価値がない」と感じるとツライですよね。
また「就職してみたら思っていた仕事と違って、自分の能力が活かせない」と感じ、辞めたくなった人もいました。
4位 長時間労働でツライ
- 会社での拘束時間が長いこと(22歳 男性 建設業)
- 残業が多くツラかったため(25歳 男性 倉庫業)
- 残業や休日出勤が続いて、ライフワークバランスが取れなかったから(27歳 女性 介護職)
4位は「長時間労働でツライ」でした。
勤務時間が長く、プライベートの時間がとりにくいことに不満を感じている人も多いとわかります。
遊びに行って気分転換できないのはツライですし、睡眠や休息がしっかりとれないと仕事にも支障が出てしまいます。
また「上司や先輩からの無茶振りで残業が続く」といった状況だと、さらに不満を募りそうですね。
5位 仕事が多すぎる
- 人件費の削減とスタッフのスキル不足により生じる激務(26歳 女性 小売業店長)
- 常に人手不足であり、無理難題を押しつけられること(27歳 男性 看護師)
- とにかく任されることが多すぎる(29歳 男性 非常勤講師)
5位は「仕事が多すぎる」でした。
仕事が多くなる原因としては「人手不足」「周りのスキル不足」などが挙げられました。
「忙しすぎて疲れてしまい、休日は何もする気にならない」という人も。
繁忙期・閑散期に関係なく常に忙しいと、体力的にも精神的にも疲弊してしまいそうですね。
6位 叱られた
- 上司に理不尽に叱責されたとき(25歳 男性 事務職)
- 理不尽なことで一方的に怒られたとき(28歳 女性 非常勤講師)
6位は「叱られた」です。
上司や先輩のほか、顧客から叱られて辞めたくなったという人も。
「理不尽に叱責されたとき」と回答した人が目立ち、筋の通らないことで一方的に怒られてストレスを感じている人が多いとわかりました。
叱る方にも工夫が必要だといえそうですね。
7位 体力的にツライ
- 屋外仕事で、夏の暑さに耐えられないから(21歳 女性 港湾作業員)
- 体力的な不安があった(25歳 男性 営業職)
7位は「体力的にツライ」。
女性からの回答が多く、職種としては「製造」「建築・工事関係」「介護・福祉」「サービス・販売」が多く挙がりました。
若く体力もある20代ですが、屋外作業や立ち仕事にツライ思いをしている人も多いようです。
とくに持病や既往歴がある人だと、周りの理解がないとツライことも多いと想像できます。
20代が仕事を辞めたいと思ったら、すぐ転職するというのもアリです。
なぜなら、業界や職種にもよりますが20代は転職市場で有利な年代だからですね。
まだ経験の浅い20代前半の場合、人柄や伸びしろなどを重視するポテンシャル採用も期待できます。
20代後半は、これまでに経験やスキルを積んでいるので即戦力になる点が強みです。
キャリアアップ転職も目指せますし、異業種・異職種転職への挑戦もまだまだチャンスがあります。
転職に抵抗がある人は、不満やツライことの改善を目指してみましょう。
残業や仕事量が多い場合は相談して減らしてもらったり、人間関係や仕事内容が合わない場合は部署異動をお願いする方法もあります。
ただ、理不尽な叱責や過大な要求などはハラスメントに該当するケースも。
ハラスメントを受けている人や職場内で横行しているようなら、やはり転職を考えたほうがいいでしょう。
20代が仕事を辞めない理由ランキング
20代の仕事を辞めたいと思ったことがある435名に「仕事を辞めたいのに辞めない理由」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「お金が必要(124人)」です。
2位「いいところもある(120人)」、3位「転職活動が面倒(55人)」、4位「次の仕事が見つからない(48人)」と続きます。
以降、5位「転職できなさそう(37人)」、6位「転職しても良くならない(25人)」、7位「困難を乗り越えられる(20人)」の結果となりました。
「生活のために辞められない」と感じている人が多数。
また「いいところもある」「困難を乗り越えられる」など、現職で頑張っていこうと決めたために辞めない人も。
さらに「転職活動が面倒」「転職できなさそう」など、転職活動に抵抗を感じている人もいました。
では具体的な回答を紹介していくので参考にしてみてください。
1位 お金が必要
- 働かないと収入がなくなってしまうから。「非正規」「安月給」「一人暮らし」のため、生活のためには稼がなければならない(23歳 女性 製造職)
- 生活のことを考えるとやめられない(26歳 男性 広告代理店)
- 住居を購入したばかりで、ローン返済が気になって我慢の日々(28歳 女性 営業アシスタント)
1位は「お金が必要」でした。
20代ですとまだ十分な貯金がない人も多いでしょう。
そのため「退職して転職活動すると生活に困る」「転職で収入が減ってしまうと家計が回らない」と心配する人も多いのだと考えられます。
すでにマイホームを購入した人からは「ローン返済のため」という回答もありました。
また転職活動自体にも「スーツの購入費用」「交通費」などのお金がかかるため、貯金がない場合にはハードルが上がりそうです。
2位 いいところもある
- 嫌な上司もいれば好きな上司もいるので、「もう少し頑張ろう」がずっと続いている感じ(23歳 女性 飲食業)
- 人間関係がいいのと、景気に左右されることなく安定しているから(27歳 男性 社会福祉士)
- 職種のわりには給料がよい。仕事量が少ないので、出産後も残業がなく働きやすそう(29歳 女性 事務職)
「いいところもある」が2位。
「仕事内容は嫌いだが、給料はいい」「苦手な人はいるが、いい人のほうが多い」などの回答が寄せられました。
つまり「メリットがデメリットを上回っているので辞めない」ということですね。
人間関係や仕事内容に不満をもったときに、感情的・衝動的に辞めてしまうと、後悔する可能性も。
現職のメリット・デメリットを整理してみると、「今の職場にもメリットがあるな」と冷静になれそうですね。
3位 転職活動が面倒
- 職場を変えるのがめんどくさい(23歳 男性 銀行員)
- 転職活動の大変さを知っているから(27歳 女性 事務職)
- 転職活動が面倒だと感じてしまうため。また転職後に新しい環境でイチから仕事を覚えることも面倒なため(28歳 女性 事務職)
3位は「転職活動が面倒」です。
想像で「めんどくさそう」と考えている人もいれば、「実際に転職したことがあり面倒だったので」という人もいました。
「自己分析」「求人探し・企業研究」「面接」「退職時期や入社時期の交渉」など、転職活動にはかなりの労力がかかりますので、大変そうだと感じるのも当然ですね。
とくに働きながらの転職活動ですと、時間の確保や日程調整も大変です。
在職中の転職活動であれば、転職エージェントなどの上手に利用する必要があるでしょう。
4位 次の仕事が見つからない
- 田舎なので転職先がない(25歳 女性 事務職)
- まだ転職先が見つかっていないから(26歳 男性 営業職)
- 新しいチャレンジしたい職種がないから(29歳 女性 販売員)
4位は「次の仕事が見つからない」でした。
「収入が心配なので、仕事を見つけてから辞めたい」という場合、次の仕事が決まらないと退職できませんよね。
また「今の仕事に不満はあるが、他にやりたい仕事が見つからないので転職しない」というパターンもありました。
つまり「条件を満たす仕事」「やりたい仕事」が見つかったら、転職に踏み出す人も多そうです。
5位 転職できなさそう
- 自分にはまだ大した能力がないので、転職できる自信がない。将来に向けて資格の勉強をしてるので、転職するつもりではある(26歳 男性 飲食業)
- 今辞めても次の仕事に就けるかどうかわからない(27歳 女性 調理)
- 転職先が見つかるかどうか不安があるから(29歳 男性 建設業)
5位は「転職できなさそう」でした。
20代だとまだ職歴やスキルが少ないため、「実力不足なので転職が難しそう」と勇気が出ない人も多いとわかります。
しかし実際には、若手の転職者(第二新卒)を積極的に採用している企業も多数。
経験の少なさが不安で転職に踏み切れないなら、第二新卒専門の転職エージェントや転職サイトを利用してみるのもいいでしょう。
6位 転職しても良くならない
- 転職したからといって、「給料」「ボーナス」「働きやすさ」がすべてよくなるとは限らない(24歳 女性 ITエンジニア)
- 転職先の職場環境が今より良くなるか自信がないから(27歳 女性 福祉系事務職)
- 他の会社に転職したとしても、納得できないことは必ずあると思っているから(29歳 男性 接客業)
6位は「転職しても良くならない」です。
残念ながら、転職により収入が減ったり福利厚生が手薄になったりするケースはあります。
また程度の差こそあれ、転職先にも苦手な上司・先輩がいて、人間関係に悩むことも。
「実際の昇給スピード」「福利厚生の満足度」「人間関係」は、求人情報などから読み取るのが難しいポイントでもあります。
そのため「環境が悪くなるかもしれないなら、今の職場で我慢しよう」と考える人も多くなりました。
7位 困難を乗り越えられる
- 上司は転勤で入れ替わることが多いため、少しの間の辛抱だと思っているからです(25歳 女性 販売職)
- 「思っていた職場と違うが、これもいい経験だ」と自分に言い聞かせて仕事をしているうちに、仕事に慣れてできることが増えた。できることが増えると自信につながり、前向きになれた(29歳 男性 システムエンジニア)
7位は「困難を乗り越えられる」。
「職場や仕事内容に馴染めない」という悩みは、時間が経って仕事や職場に慣れるとともに解消される可能性があります。
また苦手な人がいても、自分か相手のどちらかが異動することで、悩みがなくなることも。
ただ待つのではなく、異動を願い出るなどして積極的に状況打開をはかった人もいました。
仕事は辞めたいけど金銭面や転職が成功するか心配な人は、転職エージェントを活用してみてください。
転職活動のサポートをしてもらえるので、自分で仕事を探すよりも転職先が見つかりやすく、次の仕事を見つけてから転職できるからですね。
また、今の職場よりも高待遇の仕事の紹介を受けられたり、担当者が条件交渉を行ってくれるサポートもあるので、収入アップを目指すこともできます。
お仕事紹介から面接日や入社日の調整、面接対策など幅広く転職を支援してもらえるので、転職活動が面倒だと感じている人にもおすすめです。
無料で利用できるので、まずは今感じている不満やツライことなどを相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
20代の男女500名にアンケートを実施したところ、仕事を辞めたいと思う理由として「人間関係」「長時間労働」などの労働環境を挙げた人が多くなりました。
仕事内容そのものに不満はなくても、「辞めたい」と思う人が多いのですね。
「人間関係」「収入」「ライフワークバランス」が仕事へのモチベーションになるとわかります。
ただ辞めたくても「いいところもある」「困難を乗り越えられる」という理由で辞めない人も多数。
「今の仕事のメリット・デメリット」「課題を解決できそうか」を考えてみると、転職すべきかどうか冷静に判断できるのではないでしょうか。
検討した結果やはり転職を目指すのなら、収入面での不安を減らすためにも、在職したまま転職エージェントを上手に使って効率的に進めるのがおすすめです。