「働きたくない…」
お仕事をしていれば、そう感じる瞬間は誰にでもあるのではないでしょうか。
10代~50代の働く男女1,000人に「働きたくないと思ったことがあるか」をアンケート調査したところ、「ある」と答えたのは1,000人中845人。
なんと、全体の84%にのぼることがわかりました。
上記以外にも、「働きたくない」と思う理由や、それでも頑張って働く理由、さらに「どんな職場や条件なら積極的に働きたいと思うか?」についても質問・回答いただきました。
また調査結果に対して、株式会社YY代表取締役の諏訪義久氏、Doublee Consultingの中村ゆみ氏、ビズヒッツ代表の伊藤が監修者としてアドバイスしてもらっています。
- 調査対象:現在働いている全国の男女
- 調査期間:2019年10月9日~12日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査人数:1,000人(男性332人/女性666人/未回答2人)
- 調査対象者の年齢層:10代 1%/20代 32%/30代 37%/40代 21%/50代 9%
働きたくない理由1位は「職場の人間関係がつらい」
働きたくないと思う理由を聞いたところ、1位は「職場の人間関係がつらい(196人)」でした。
5位の「上司が嫌い(55人)」も含め、職場の人間関係が悪いことは、仕事をイヤだと思う大きな原因であるとわかります。
- 人の悪口ばかり言っている人がいてうんざりする
- 職場に苦手な人がいるけど仕事上関わらなければいけない
- 上司に文句ばかり言われる
- 上司の機嫌が悪い日は働きたくなくなる
また営業職や接客業の場合、「クライアントから理不尽な要求を受けるとイヤになる」「暴言を吐かれるとつらい」のように、顧客対応がストレスとなり働きたくなくなるとの声も多数寄せられました。
社内外に関わらず、人間関係の悪さは働く意欲を削ぐ大きな理由となっているようです。
ほかには、「疲れる(125人)」、「休みがない(100人)」、「家事との両立が大変(33人)」など、過労が原因で仕事がイヤになるとの声も。
また、満員電車や通勤時間の長さといった都会ならではの悩み(31人)もランクインしました。
働く理由は「生活のためのお金がほしい」がダントツの1位
では、つらいことや大変なことがあるにも関わらず、なぜ働いているのでしょうか。
「あなたは何のために働いていますか?」と質問したところ、1,000人中740人が「生活のためのお金がほしい」と回答。
ただし男女別で見ると、「生活のため」と回答した人の割合は、男性の方が10%多くなっています。
男性は家計を支えるため|女性は生活水準を上げるため
下記は男女別の働く理由です。
男女とも働く理由のダントツ1位は「生活のため」です。
しかし同じ「生活のため」でも、男女では違いが見られました。
男性の場合、まさに「生活費を稼ぐため」に働いているとの回答が大半なのに対し、
- 生きるために必要なお金を稼ぐため
- 家族を養うため
女性は「より良い生活のため」に働いているという回答が目立ちました。
- 生活の質を下げないため
- 家族で楽しく生活できるだけの収入を得たい
一家の大黒柱である男性は「自分が働かなければ生活が成り立たない」という責任を感じており、夫の収入がある女性は「生活水準を上げるために働いている」という人が多いと推測できます。
共働き家庭は夫婦で給料の使い道を分担
また、女性には「貯金や老後の蓄え(66人)」、「子どもの教育費(66人)」と答えている人が多いのに対し、男性で貯金や教育費と答えた人は少数。
このことから、共働き夫婦の場合「生活費は夫」「貯蓄や子どもの教育費は妻」というように、給料の使い道を分担していることが伺えます。
働く目的|男性は単一、女性は複数
さらに男性は、「何のために働いているのか?」の答えが
- 家族を養って日々生活していくため(40代 正社員 男性)
- 住宅ローンやカードローンの支払いをして生活していくため(30代 正社員 男性)
- 生活費を稼ぐため(30代 パート・アルバイト 男性)
のように1つのみのケースが多いのに対し、女性は、
- 趣味や旅行の資金を稼ぐため。また、自身のスキルアップや日々の生活に必要な資金を稼ぐため(20代 パート・アルバイト 女性)
- 生活のため、自分が興味のあることをしたいため、そして仕事を通じて人の役に立ちたいから(30代 自営業 女性)
- 生活するためと、ストレス解消のためのリフレッシュや娯楽費を稼ぐため(20代 正社員 女性)
のように、働くことにいくつもの目的をもっていることがわかりました。
また女性では、「社会とつながっていたい(35人)」、「自分自身の成長のため(32人)」など、働くことで家庭以外に居場所や存在意義を見出したいという回答も。
さらに、欲しいものを夫に気兼ねなく買えるよう「自由に使えるお金がほしいから働いている(27人)」と答えた人もいました。
給料が多く人間関係の良い会社なら働きたい
次に「どんな職場環境や条件なら働きたいと思うか」を聞きました。
その結果、「給料が多い/仕事に見合った報酬がもらえる(255人)」、「人間関係の良い職場(250人)」がほぼ同数でした。
給料は「高収入」を希望している人よりも、「生活に困らない給料、仕事量に見合った給料がほしい」という回答が目立ちました。
- 生活していけるお金+少し余裕がもてるくらいの月給がもらえたら頑張れる(20代 正社員 女性)
- 働きに見合う給与がもらえるなら、積極的に働きたい(20代 パート・アルバイト 女性)
また、お互い助け合いの気持ちがある、仲が良い、信頼できる上司など、人間関係の良い職場なら多少仕事がキツくても頑張れるという声も多数寄せられました。
- お金よりも環境が大切なことに気づいた。条件よりも人間関係が良いところで働きたい(20代 正社員 女性)
- 人間関係が良く、コミュニケーションが活発に取れる職場が理想(30代 正社員 男性)
- 自分の能力を適正に評価してもらえ、尊敬できる先輩や上司がいるところで働きたい(30代 正社員 男性)
気兼ねなく休める職場が理想
理想の職場としては「休みや有休が取りやすい」(124人)も上位に上がりました。
「有給休暇があっても取りにくい」という人は多く、気兼ねなく休める職場が理想という声も目立ちます。
- 有給休暇が自由に取れ、お互いの用事に寛容に対応してもらえる環境が良い(20代 正社員 女性)
- 子どもの行事や急な病気の時に、すぐ休ませてもらえる職場が良い(30代 パート・アルバイト 女性)
また、休みが取りやすいことを希望している人の中には、「週休2日にしてほしい」「休日出勤はしたくない」といった声も。
今の会社では「週2日休めていない」「休日出勤せざるを得ない」という人も少なくないようです。
しっかり休みを取ることは、仕事のパフォーマンスを上げることや、仕事のストレス発散につながります。
内閣府が推奨する「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」を実現するためにも、企業には休みの取りやすい職場環境を作ってほしいですね。
リモートワークに憧れるワーキングママは多い
ワーキングママからは、「リモートワークなら積極的に働きたい(91人)」という意見も多く寄せられています。
- 基本は在宅で、必要な時だけ会議などに参加する形が良い(20代 正社員 女性)
- 外で働いているのと同条件で自宅勤務できるなら働きたい(30代 派遣社員 女性)
- 自分のペースで、好きな場所で仕事のできるリモートワークが理想(20代 派遣社員 女性)
出社せずに働けるリモートワークには、
- 通勤のストレスがない
- 人間関係の煩わしさがない
- 子どもの病気やお迎えを気にしなくて良い
といったメリットがあります。
とくに「子どもの病気や学校行事の際に休みにくい」と感じているワーキングママは、自宅で働けるリモートワークに魅力を感じているようです。
通勤ストレスが軽減できる働き方を希望
また、満員電車や通勤時間の長さなど、通勤ストレスが軽減できるなら働きたいと思っている人も多数いました。
例えば「フレックスで働きたい(65人)」と回答した人の中には「満員電車に乗らなくてすむ」「交通渋滞を避けられる」といった声が多く聞かれました。
また、「通勤時間が短いなら苦にならずに通える(49人)」との回答も。
とくに都心の場合、通勤ピーク時の混雑は大きなストレスとなります。
そのため、ラッシュを外して出勤できる「フレックスタイム制」、もしくは通勤時間が短いことを望んでいると読み取れます。
働きたくない場合の5つのおすすめ対処法
この章では、「働きたくない」という気持ちが抑えきれなくなったときの対処法を紹介していくのでチェックしてみてください。
1.有給休暇を取ってリフレッシュする
「疲れがたまってやる気が出ない」という方は、有給休暇を取ってリフレッシュしましょう。
我慢や疲れが限界に達する前に、一旦心身をリセットするためです。
心や体が疲れていると仕事に身が入りませんし、ネガティブ思考にもなりがち。
有給休暇を取り、「一日のんびり過ごす」「趣味に没頭する」「小旅行する」などして、リフレッシュできる時間を過ごしましょう。
休暇前は、多少面倒でもしっかり引き継ぎをすることで、仕事を気にすることなく休みを満喫できますよ。
2.ビジネス系YouTubeでモチベーションを上げる
「仕事にやりがいを感じられない」「なんかやる気が出ない」という方は、ビジネス系YouTubeを見るのもおすすめです。
ビジネス系YouTubeで人気なのは、メンタリストDaigoさん、中田敦彦さん、そしてプログラミングスクールTECH CAMPのマコなり社長など。
さまざまな実体験や幅広い情報から、仕事・人生への向き合い方や考え方を語っているため、見るだけでも学びがあり、驚くほどモチベーションが上がることも。
ビジネス系YouTubeと聞くと、「うさんくさい」「なんかヤダ」と拒否反応が出る方もいるかもしれません。
しかし、「働きたくない」という思考から抜け出せる人も多いので、一見の価値はありますよ。
3.転職して環境を変える
「働くこと自体は嫌いでない。でも今の職場環境がつらい」という方は、転職も検討しましょう。
「休みがない」「給料が安い」などは、個人の努力ではどうにもできないからです。
職場の人間関係に関しては、入社してみないとわからない面もあります。
一方、「勤務条件」や「環境」に関しては、事前に知ることができます。
- 平均残業時間
- 年間休日数
- 休暇の種類(週休2日制、完全週休2日制…など)
- 有給休暇の取得率
- 給与・賞与・昇給制度
- 物理的な職場環境(立地、室内環境、設備など)
求人サイトなどにも掲載されていますが、「正しい情報」を知りたい場合は、転職エージェントを介して仕事を紹介してもらうと安心です。
幅広い業種・職種の求人を多数保有。
【公式】https://mynavi-agent.jp/
独自の基準でブラック企業を徹底排除。
【公式】https://uzuz.jp/
フリーターからの転職実績も多数。
【公式】https://hataractive.jp/
4.雇用形態を変える
結婚・出産などライフステージの変化によって、「以前と同じ働き方がしんどくなった」という人も多いことでしょう。
その場合、「正社員」→「派遣社員やパートタイマー」のように、雇用形態を変えるのも一つの方法です。
たとえば派遣なら、「週に3日」「残業なし」などの希望に合わせて勤務先を選べます。
またアルバイトやパートには、「責任が少なく気楽にできる仕事」「時間の融通がきく仕事」なども多くあります。
雇用形態をシフトすれば、今の生活スタイルに合わせて無理なく働ける職場が見つかるかもしれません。
扶養内で働ける求人が豊富。
【公式】https://tempstaff.co.jp/
日本最大級の求人サイト!全国どこでも仕事が見つかる。
【公式】https://townwork.net/
5.在宅でできる仕事を探す
「人間関係」や「通勤」がストレスで働きたくないという方は、在宅でできる仕事を探すのもおすすめです。
最近は、在宅勤務ができる企業も増えているため、「テレワーク可」「在宅勤務OK」といった求人に絞って仕事を探すのも良いでしょう。
転職サイトで見つかるのでチェックしてみてください。
日本最大級の転職サイト!希望の求人が見つかる。
【公式】https://tempstaff.co.jp/
未経験歓迎の求人多め。
【公式】https://doda.jp/
また、クラウドソーシングを利用する方法もあります。
WEBデザインやプログラミングのような専門スキルをお持ちなら、フルタイム勤務と同じくらいの収入を得られるケースも珍しくありません。
また、「月数万円の収入で十分」という方であれば、WEBライターやデータ入力といった未経験でもできる仕事がありますよ。
会員登録数100万人超の大手クラウドソーシング。
【公式】https://crowdworks.jp/
人気のWEBライター求人が豊富。
【公式】https://www.craudia.com/
デザイナー・エンジニアなど専門スキルを活かせる仕事も豊富。
【公式】https://mamaworks.jp/
働きたくない理由に関する調査総括と監修者からのワンポイントアドバイス
調査結果の総括として、「働きたくない」と思ったことがある人の中で、「そもそも労働が嫌い、働かずにラクして暮らしたい」と考える人は1,000人中36人とわずか3.6%とわかりました。
多くの人は、「人間関係のつらさ」「休みがなく疲れも取れない」「働きに見合った給料が得られない」「通勤がつらい」のように、本当は働きたいけれども心の折れてしまう瞬間があるとわかりました。
現在、内閣府は「ワーク・ライフ・バランス」を勧めていますが、それと並行して、働く人同士が互いに思いやりをもち、気持ちよく働ける職場の雰囲気を作っていくことも大切なのかも知れません。
最後に、今回ご協力いただいた監修者様3名からワンポイントアドバイスしてもらっているので、参考にしてみてください。
■監修者プロフィール
Doublee Consulting
中村 ゆみ氏
国家資格キャリアコンサルタント 19039435
マーケティング会社を経て、インナーコミュニケーション、組織活性施策の重要性を実感する。働く一人ひとりのキャリアと、組織成長の関係を研究テーマとし、働く人と組織の悩みに対する支援を行う。個人相談と組織内施策展開の両面での課題解決を目指す。
■中村氏のコメント
働きたくないと思っても、ほとんどの人は働きます。また、今回の調査でも働きたくないと思っている人はごく少数でした。
サラリーマン、自営業をするのか、ボランティア、家事労働、さまざまな仕事のあり方があり、仕事は幸せな人生をおくるためには切り離せないもの。
人間は「社会的な生き物」であり、社会の中でより良く生きたいと考えることは遺伝子に組み込まれた本能的欲求なのだそうです。
それを踏まえ文中でも触れた統合的な人生設計という考え方をご紹介します。
キャリア理論の大家である「L・サニー・ハンセン」の理論です。
人生には4つの役割があり、それをキルトのように組み合わせて、自分の人生を”有意義な全体”として織り上げると考えましょうと言っています。
4つの役割とは「仕事」「学習」「余暇」「愛」だそうです。
「仕事に行きたくないな」と思う日があっても、人生の大事な役割の中での意味を考え、うまくバランスを取りながらあなたらしいキャリアを組み立てていただきたいと思います。
■監修者プロフィール
株式会社YY代表取締役
諏訪 義久氏
大学卒業後、約20年間を日本マクドナルド株式会社にて勤務、2016年3月に独立して「株式会社YY」を設立。
20年間働く中で得た知識や経験を活かし、得意分野である飲食店経営やサービス業のコンサルティング、エステサロン「ブランエミュ」を運営。
自身の経験談や将来に向けた話を、中学校や高校などで多数講演。現在も多くの学生たちに「仕事の楽しさ」を伝えるメッセージを送り届けている。
■諏訪氏のコメント
働く理由が「そもそも生活のためのお金が欲しい」という回答もありましたが、仕事には3つの種類があると考えています。
・1つ目は『ライスワーク』
・2つ目は『ライクワーク』
・3つ目は『ライフワーク』
『ライスワーク』は名前通り食事のために働く、お金のために働くことを指します。
一方『ライクワーク』は自分の好きなことを仕事にすることです。
例えば、自分は服が好きなので洋服屋で働く、自分は食べることが好きなので飲食店で働くなどですね。
最後に『ライフワーク』は自分の人生を賭けて誰かのために働く仕事であると考えています。
私の場合は元々マクドナルドで働いていましたが、いまはエステで人が劣等感を抱いているところにアプローチしたり、疲れが取れて喜んでもらえることにやりがいを感じています。
また結婚相談所も運営していますが、「結婚できない人」や「出会いのない人」たちが幸せになるお手伝いすることで、喜んでいただけています。
上記ともに「自分の人生を賭けて仕事をしている」と自負しており、仕事していて幸せです。
同じように、自分の天職と言えるような仕事を見つけられたら、「仕事=人生」として楽しんでいけるのではないでしょうか。
■監修者プロフィール
株式会社ビズヒッツ代表取締役
伊藤 陽介
会社倒産時をキッカケとして、リモートワークの組織化に取り組む。当時10名以上居た内勤スタッフを全てリモートワークへと変更。
三重県鈴鹿市に本社事務所を置いたまま、自身は東京へと住まいを移し、現在も継続中。
リモートワークマネジメントの専門家として、セミナー講演や記事執筆、監修経験多数。
■伊藤のコメント
「働きたくない」とは思っているけど、「生活のため」に働き続けている人が多い結果となりました。
もし、「現在の状況を変えたい」と望むのであれば、一週間だけでも良いので「仕事内容とそれぞれにかかった時間をメモ」するのもおすすめです。
仕事内容と時間の使い方を見直す中で、「何が問題なのか?」「どうすれば改善できるのか?」が浮き彫りになってくるからですね。
例えば、以下のような内容です。
・どんな仕事内容なのか?
・それぞれの仕事にかかった時間は?
・仕事の何が問題なのか?苦痛なのか?
・改善できる点はないか?
私の場合であれば、日時問わずいつでも届くビジネスチャットの通知を即レスするたびに集中力が切れて苦痛だと気づきました。
そのためスマホの通知をOFFにして、1日の間に2回まとめてチェックするようにしています。
どうしても緊急対応が必要な場合のみ、社内チームメンバーから電話連絡してもらうように変更したことで、いつでも来る通知に悩まされることがなくなりました。
ただ、これはあくまで私のケースであって、常に即対応が求められる仕事もあれば、逆に即レスしないと落ち着かない人も居るでしょう。
また、夜は仕事がキリついた時点で、その後は一切ビジネスチャットをチェックしない、スマホもできる限り観ないようにしています。
寝る寸前に仕事を観てしまうと気になってなかなか寝付けないためですね。
ちなみに自分の使い方メモを「タイムログ」と呼んでいますが、特別なツールを使うわけではなく、プライベート用の「Googleカレンダー」にメモしていっています。
他にも小さなことを常に工夫改善し続けることで仕事がラクになって、どんどん楽しくなっています。
特別難しかったりお金がかかるわけでもないし、すぐマネできると思うので、興味がある方はぜひ試してみてください。