「あなたが事務職を辞めたいと思うのはどんなときですか?」
女性を中心に人気の事務職ですが、実際にやってみると、予想外の苦労があったり、自分には向いていないことが分かったりして「辞めたい」と思う人も少なくありません。
今回は、現在事務職をしている500名に「辞めたい」と思う理由についてアンケート調査を実施し、回答数の多かった順にランキング形式で紹介しています。
- 調査対象:事務職をしている人
- 調査日:2022年2月12日~20日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査人数:500名(女性361人/男性139人)
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事務職を辞めたいと思うときランキング
事務職をしている500名にどんなときに事務職を辞めたいと思うのか聞いたところ、1位は「仕事が単調・やりがいを感じないとき」でした。
次いで、2位「眼精疲労・肩こり・頭痛・腰痛」などの体調不良を感じたとき、3位「仕事が多いとき」と続きます。
具体的にどんな理由で辞めたいと思うのか見ていきましょう。
1位 仕事が単調・やりがいを感じない
- 毎日単純作業で変化がなく、働いている目的や楽しみが見出せない(40代 男性)
- ルーチンワークな作業を毎日やっていると、自分が何も成長できていないのではと感じてしまう(40代 男性)
- 単純作業を毎日繰り返しやっていて、自分じゃなきゃいけないわけでもないし、私が辞めても誰も止めないだろうし、誰も困らないだろうなとふと思う(30代 女性)
事務職を辞めたいと思うとき、ダントツの1位は「仕事が単調・やりがいを感じない」でした。
事務職は、書類の作成にしても、仕事の進行方法やスケジュールにしても、ある程度「型」が決まっています。
そのため、業務に慣れて自分なりのやり方が確立されると、ルーティンワークになってしまうんですね。
入社当時には難しかったことが、「単純作業」と思えるほど簡単にできるようになるのは成長の証であり、喜ぶべきことです。
しかし、向上心のある人や仕事ができる人ほど「つまらない」と感じてしまうようです。
2位 眼精疲労・肩こり・頭痛・腰痛
- 眼精疲労や肩凝り・首凝り・頭痛がすごくて、パソコン画面やiPhone画面すら見たくなくなる時がある(20代 女性)
- 肩から首から頭まで酷く痛む時は事務職をやめたくなる(20代 女性)
- マウスで手が痺れて感覚がなくなったり、肩や首の痛みが薬やマッサージでも治らない(30代 女性)
眼精疲労や肩こり、頭痛、腰痛がつらく、仕事を辞めたいという声も多数寄せられました。
仕事の多くがデジタル化した昨今、一日中パソコン作業をしている事務職の方も多いことでしょう。
今や、眼精疲労や肩こり・頭痛・腰痛などは、事務職の「職業病」と言ってもいいかもしれません。
事務職をしてから視力が落ちたという人も、年令問わず目立ちます。
不調の原因が分かっているだけに、「このまま続けていいものか」と不安を感じるようです。
3位 仕事量が多い
- 山のような書類を長時間、処理させられる(40代 男性)
- とにかく忙しい。営業の人が取ってきた仕事を丸投げされて手伝ってももらえないのでどんどん仕事がたまる(30代 女性)
- 退勤時間間近に今日中に処理しなければいけない膨大な書類が回ってきた時(20代 男性)
「仕事が多すぎて辞めたくなる」という人が3位でした。
月末、決算、締め日などに仕事量が増え、「休憩する暇もないほど忙しい」「残業が続く」といった状態になる人が多数。
仕事が特定の日や時間に集中しないよう調整できればいいですが、コントロールできないケースも多いですよね。
また、「終業時間まぎわに帰社した営業さんに事務作業を振られる」というのも、事務職あるあるではないでしょうか。
仕事を依頼する側は、事務職が抱えている仕事量を把握していないケースがほとんどです。
- 上司に抱えている案件を伝えて、配慮してもらう
- 仕事の依頼者に優先度を聞く(後まわしにできるものはする)
といった工夫で乗り切れるといいですね。
4位 人間関係が悪い
- 事務職は職場の人と関わる時間が長い。理不尽な上司がいると辞めたいと思ってしまう(20代 女性)
- 事務職は上司ともよくやりとりをするので、パワハラや、セクハラの上司だとすごくしんどい(30代 女性)
- 女性が多いので、何かと気を遣う(20代 女性)
4位は「人間関係が悪い」でした。
人間関係の悩みは、事務職に限らず多くの社会人が抱えています。
しかし事務職の場合、就業時間のほとんどを自席で過ごすため、職場に苦手な人がいても逃げ場がありません。
苦手な人とも長い時間一緒にいなければならないため、物理的に距離をおける営業職などよりも精神的なつらさを強く感じてしまうようです。
5位 給料が少ない・上がらない
- 若い営業職の方が給料が良い(30代 男性)
- どんなに経歴を積んでも給料が上がらない(30代 女性)
- 給料日に給料の低さを実感する。昇級やインセンティブを受け取れる機会が少ない(20代 女性)
5位は「給料が少ない・上がらない」。
事務職は、他部署に比べて給与水準が低いことに合わせ、昇給しにくい点に不満を感じている人が多数いました。
営業職の場合、成績によってインセンティブ、ボーナス、昇給などがあります。
一方事務職は、膨大な仕事や大変な仕事を「スキル」や「頑張り」でやり遂げても、給与には反映されません。
そのため、不公平感や「仕事量に賃金が見合っていない」と不満を感じる事務職さんは多いようです。
6位 雑用が多い
- パソコンスキルを評価されて事務職に採用されたのに、なぜこんな雑用をやらないといけないんだろうと嫌になる(20代 女性)
- 雑務がすべて女性事務員へ回ってくるという暗黙のルールがある(40代 女性)
- 社内の御用聞きみたいな仕事をしないといけないとき(30代 女性)
雑用をさせられるのがイヤで辞めたくなる、との声も寄せられました。
会社の風土にもよりますが、規模の小さい会社では、お茶出し、コピー取り、お使い、掃除などが「事務職の仕事」になりがちです。
ほかにも、自分の仕事ではないことを「これやっといて」的な感じで頼まれることが、他の職種の人よりも多いですよね。
スキルが高い人ほど、「なんでも屋」のような扱いに嫌気がさすのかもしれません。
7位 息抜きできない
- デスク作業が多く、気分転換を仕事中にあまりできなく自由度が低い(20代 女性)
- 狭い空間でのありきたりな仕事の毎日なので息苦しい(50代 男性)
- 電話対応や雑用など、一挙一動を先輩社員が密かにチェックしていて怖い(30代 女性)
就業時間の大半を自席で過ごす事務職の方からは、「息抜きできない」との声が寄せられました。
営業職のように外出する機会がないと、気分転換が難しいですよね。
「一人事務なので一日中誰とも会話がなく、精神的につらい」という人も。
また、狭い事務所や少人数の会社の場合は、電話応対や仕事の様子を常に上司に監視されているようで息苦しいと感じる人も多いようです。
8位 楽な仕事と思われている
- 事務職は座っているので、楽な仕事と思われがち(30代 女性)
- 営業職の人に、事務職は楽でいいよなと言われた時(20代 女性)
- 事務職というだけで他職種より下に見られる(20代 女性)
「事務職=楽な仕事」と思われることに不満を感じている人も多くいました。
苦労や頑張りに気づいてもらえず、簡単な仕事と思われるのは悔しいですよね。
それどころか、「座っているだけ」「会社に利益を生み出していない」などと見下す人もいるようです。
たしかに「間接業務」である事務職は、直接的には利益を生み出しません。
しかし、縁の下の力持ちである事務職がいてこそ会社は成り立っています。
安直な考えで失礼な発言をする人がいるのは、とても残念なことです。
9位 評価されない
- 数値で評価されることがないため、頑張っても頑張らなくてもあまり給料に反映されず、モチベーションが維持しにくい(20代 男性)
- 成果が見えにくい仕事が多く、上司や会社からの評価を得られない(30代 女性)
- PC処理速度では、社内で一番といっていいほど自信もあるが、周りからはなかなか評価されない(30代 男性)
9位は「評価されない」でした。
事務職は、営業職のように「取引先を開拓した」「売上目標を達成した」といったわかりやすい「会社への貢献度」が見えません。
そのため会社側からすると、評価をしにくいという事情もあります。
また事務職は、「できて当たり前」という基準になりがちなため、頑張りをアピールする機会がないどころか、ミスをすれば評価が下がってしまいます。
頑張っても報われないと感じ、モチベーションが上がらなくなる人も多いようです。
10位 電話応対がイヤ
- 電話のほとんどがクレーム。対応するのに疲れた(30代 女性)
- 事務仕事をしている時に電話が殺到する時はイラッとして嫌気がさす。電話は一方的にかかってくるので仕事を中断して出なければならないから(30代 男性)
- 静まり返った事務所で電話に出ると会話を全て聞かれているようですごく嫌(40代 女性)
事務職には避けられない仕事である「電話対応」がイヤという声も目立ちました。
なかでも、クレーム対応が苦痛で事務職を辞めたくなるという人が多数。
理不尽なことを言われたり、自身のミスではないことで謝罪したりするのはイヤですよね。
また、電話対応のせいで仕事が滞ったり、中断されたりすることにイライラするとの声も。
「電話は事務職の女性が取る」といった暗黙の了解があることに不満を抱いている人も少なくないようです。
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事務職の人がやってみたい仕事ランキング
現在事務職をしている500名に、転職するとしたらどんな仕事をしてみたいかを聞いたところ、1位は「接客・販売」となりました。
2位には「営業」、4位に「IT・クリエイティブ職」、5位に「フリーランス・在宅ライター」が入り、
- 人との関わりをもてる
- 仕事に裁量がある
- 評価や成果がわかりやすい
など、現在の事務職での不満を解消できる職業が選ばれていることがわかります。
一方、職場の人間関係に不満を感じている人からは、「フリーランス・在宅ワーカー」「ドライバー」のような一人時間の多い仕事が選ばれました。
では、男女別に「やってみたい仕事」の特徴を見ていきましょう。
「事務職の閉塞感」から開放されたい女性は多い
女性は、2位以下に大差をつけて「接客・販売」が1位となりました。
「もっと人と関わりたい」「体を動かしたい」「日々に変化がほしい」といった理由が目立つことから、事務職に閉塞感を感じている人が多いと伺えます。
また3位には、男性では少数だった「フリーランス・在宅ワーカー」がランクインしました。
理由は、「人間関係のわずらわしさを避けたい」「自由度の高い仕事がしたい」など。
事務職ならではの「しがらみ」や「窮屈さ」から開放されたいという思いが感じられます。
在宅ワークでフルタイムの会社員と同等の収入を得るのは簡単ではありませんが、夫に収入がある主婦であれば、現実的な選択肢となっているのでしょう。
男性には裁量権があり評価の明確な「営業」が人気
男性では「営業」が一番人気でした。
理由は「仕事の裁量権がある」「頑張りに見合った報酬がもらえる」など。
「間接業務」である事務職は、自分が会社に貢献しているという実感を得づらく、評価される機会も多くありません。
そのため、「裏方ではなく自分主体で働きたい」「仕事に対して正当な評価をされたい」と思う男性は多いようです。
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【悩み別】事務職を辞めたくなったときの対処法4つ
では、「事務職がつらい」「辞めたい」と思った場合はどうすればいいのでしょうか。
この章では、4つの悩み別に事務職を辞めたくなったときの対処法を紹介していくのでチェックしてみてください。
1.事務職にやりがいを感じない場合の対処法
「事務職の仕事が単調でつまらない」「やりがいを感じない」という方は、今とは違うタイプの事務職に転職する方法があります。
一口に事務職といっても種類はさまざまで、やりがいを感じやすい仕事や、ルーティンワークでない仕事もたくさんあるからです。
とくにおすすめなのは、以下3つの事務職です。
営業事務とは、日中外回りをしている営業さんに代わり、事務全般のサポートをする仕事です。
ルーティンの仕事だけでなく、「営業担当が外出中にクライアントへの問い合わせに対応する」といったイレギュラーな仕事をすることも。
営業事務は、業者さんや取引先など社外の人との関わりもあるため、コミュニケーション能力も存分に活かせます。
業務内容が営業活動に直接関係するため、事務職でありながら、営業部の一員として会社の利益に貢献していると感じられるでしょう。
都心でも地方で仕事が見つかる。
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派遣会社のなかで営業事務の求人数はトップクラス。
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医療事務には、大きく分けて「受付業務」と「レセプト業務」という2つの仕事があります。
受付は、診察券の確認、カルテの作成、患者さんの案内、予約管理、会計など、業務内容が多岐にわたります。
立ち仕事も座り仕事もあるため、「自席に座って黙々と作業する」といった一般的な事務職とは一線を画します。
患者さんとの関わりが多く、感謝もされる仕事ですので、今の事務職にやりがいを感じない人におすすめです。
また、医療事務は無資格でもできますし、資格取得自体も難しくないため、「やってみたい」と思ったときにすぐに挑戦しやすいのもおすすめポイントです。
都心でも地方で仕事が見つかる。
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「残業なし」明記の医療事務求人が多数。
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受付事務は、カウンターなどでの接客と事務作業を兼務する仕事です。
適度に人との関わりがあるため、事務作業のみのルーティンワークにならないのがメリット。
また、接客業務はあっても販売職と違って自らお客様に働きかける必要はないため、「積極性がないので接客業は向いていない」という人でもチャレンジしやすいです。
受付事務は、企業だけでなく、商業施設、美容クリニック、ディーラー、配送センターなど、さまざまな場所で募集しています。
ディーラーや配送センターなどは職場に男性が多いので、女性の多い職場が苦手な方にもおすすめですよ。
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パソコンや語学のスキルアップ講座も充実。
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2.事務職の閉塞感が苦手な場合の対処法
事務職の「人間関係の狭さ」や「息抜きできない」といった閉塞感がつらい方は、規模の大きな会社で働くことをおすすめします。
大きな会社は社員が多いため、必然的に関わる人も多くなります。
そのため、小規模な職場に比べ、人間関係が固定されることによる閉塞感が避けられます。
また、人が多ければ適度な雑音があるため、シーンとしたなかで電話対応をするプレッシャーがありません。
社内が広ければ、上司から近くで監視されることもないでしょう。
「大手企業に採用される自信がない」という方は、派遣社員として働くのも一つの方法です。
派遣であれば、正社員入社が難しい大手企業の募集も多く、採用基準も正社員と比べて低いため、働ける確率が格段に高くなりますよ。
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3.評価されないことに不満を感じる場合の対処法
自分の仕事を評価されないことに不満がある方は、営業職、エンジニア、フリーランスといった「評価基準のわかりやすい仕事」に転職することも検討しましょう。
事務職は評価をつけにくい仕事なので、頑張りや能力が給与に反映されることは期待できないためです。
ただ、事務職は頑張っても評価が上がらないデメリットがある一方で、「普通に働いていれば安定した収入を得られる」というメリットを享受しています。
反対に「評価基準のある仕事」は、結果を出さなければ評価が下がるリスクも。
評価基準のある仕事を選ぶ場合は、能力のあるなしが給与にダイレクトに反映されることを覚悟する必要があります。
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4.パソコン作業による体調不良がつらい場合の対処法
パソコン作業による目の疲れ、頭痛、肩こりなどがある方は、負担が軽くなったり、症状が改善される対策をとりましょう。
眼精疲労には、目の周りの筋肉をほぐすのが効果的です。
方法は、目をぎゅっと閉じたり、眼球をぐるぐる回したり、まばたきをしたりと簡単にできます。
また、蒸しタオルやホットアイマスクで温めると、血行がよくなって筋肉の緊張がほぐれますよ。
首・肩・背中などのこりも筋肉の緊張が原因となって起こるケースが多いです。
同じく蒸しタオルで温める、肩や首をぐるぐる回したりストレッチをしたりすることで改善されるケースも。
事務職を辞めたいと思った場合におすすめの考え方
憧れだった事務職に就いたものの、「私には合わない」「辞めたい」と思ってしまう人は少なくありません。
しかし、今の職場や仕事内容が『事務職の全て』ではありません。
事務職には色々な種類がありますし、職場が違えば環境が変わり、やりがいや働きやすさを感じる可能性もあるからです。
「事務職は好きだけど今の仕事はつらい」という場合は、事務職自体を辞める前に、今とは違う種類の事務職に挑戦してみることをおすすめします。
ただし、給与による評価がほしい場合は、事務職では実現できる可能性が低いため、明確な評価基準がある職種を選びましょう。
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