転職先を検討したり、転勤先で新居を探すにあたって気になるのが「職場までの通勤時間や交通手段」ですよね。
場所によっては車通勤のほうが時短で便利なこともありますが、「車通勤には抵抗がある」「どんなメリットがあるんだろう」と考えている人もいるでしょう。
そこで今回は車通勤の経験がある500人にアンケートを実施し「車通勤のメリットとデメリット」について調査しました。
- 調査対象:車通勤の経験がある人
- 調査日:2021年6月8日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査人数:500人(女性300人/男性200人)
車通通勤をしている理由1位は「近くに公共交通機関がない」
まず車通勤をしている理由について聞くと、結果は以下のようになりました。
上位7位までをランキング形式で紹介します。
ダントツの1位は「近くに公共交通機関がない」です。
2位以下は「車のほうが早い」「公共交通機関が不便」と続きます。
利用できる公共交通機関がないか、あっても不便なので車通勤を選んだ人が多いとわかります。
8位以下には「早出・夜勤のため」「(仕事で使うものも含め)荷物が多いから」「家族の送迎のため」「仕事でも車を使うから」などの回答も入りました。
では具体的な回答を紹介します。
1位 近くに公共交通機関がない
- 沖縄離島暮らしで電車がない。バスも職場から遠いバス停しかない(20代女性)
- 自家用車以外の交通手段がないところに職場があったため(30代女性)
- 郊外の工場勤務で、自宅から会社まで片道約15㎞かつ近くに電車やバスがないからです(40代男性)
1位は「近くに公共交通機関がない」です。
自宅や職場が最寄りのバス停や駅から遠く、公共交通機関を利用できないために車通勤している人が多数。
なおバイク通勤を検討している人もいるかもしれませんが「バイクは事故を起こした人がいて禁止されている」という職場もあるようです。
また災害によって利用していた路線が運休していまい、車通勤をした人もいました。
2位 車のほうが早い
- 交通機関も使えるが、車の方が最短距離で行けて時間が早いので(30代男性)
- 公共交通機関のみで通勤すると、時間と距離が非常にかかるため(40代女性)
- 職場が最寄駅から遠く、公共交通機関だと2時間以上かかる。車通勤だと1時間で行けたため、時間的に楽だった(50代男性)
2位は「車のほうが早い」です。
公共交通機関を使うと遠回りになったり乗り継ぎがあったりして、時間がかかることも。
「車だと直接職場まで行けるので時短になる」という人が多数いました。
「電車だと1時間半だが、車だと30分」「公共交通機関だと時間が倍かかる」などの回答が寄せられました。
3位 公共交通機関が不便
- 電車が1時間に1本しかない地域だったから(20代女性)
- 東京にもかかわらず、30分に1回しか電車が来ないため(30代男性)
- 通勤に使える交通機関はありましたが、便数が少なく不便だからです(50代女性)
「公共交通機関が不便」が3位。
利用できる公共交通機関はあるものの「バスや電車の本数が少ない」「駅が遠くて大変」といった回答が寄せられました。
「1時間に1本しか電車が来ない」などだと業務開始時間に合わせにくいですし、1本乗り過ごすと遅刻してしまうので、ちょっと怖いですよね。
4位 通勤時間に合わせるため
- 通勤に必要な時間帯に公共交通機関がまったく合わないため(20代女性)
- 運輸業で深夜に会社に通勤するため(40代男性)
- 残業をすると公共の交通機関では帰れなくなるから(50代男性)
4位は「通勤時間に合わせるため」です。
通勤時間帯と公共交通機関の時間があわないために、車通勤をしているという人たちです。
「早朝勤務や夜勤だと公共交通機関が動いていない」「毎日のように帰りが遅くなり、終バスを逃してしまうことがあったので車通勤にしていました」などの回答が寄せられました。
5位 人混みを避けるため
- 人混みが苦手で、朝の通勤ラッシュがストレスになるので(20代男性)
- 満員電車が嫌だったので(30代女性)
- 公共交通機関を使うとラッシュがあるので(50代男性)
5位は「人混みを避けるため」でした。
満員電車や人混みを避けるため、車通勤をしていたという人たちです。
満員電車に揺られての出勤は、それだけで疲れてしまいますよね。
「痴漢にあう」「痴漢に間違われる」などのリスクを減らせるという意見もありました。
6位 車通勤があたりまえだから
- 同僚が自分以外全員車通勤だったので(20代女性)
- 車通勤が普通の県だから(40代女性)
- 地方の工場ですので、マイカーなしでは生活できません(50代男性)
6位は「車通勤があたりまえだから」です。
「車社会の地方に住んでいるので、自然な流れで車通勤に」「地域柄、車社会だから」といった回答が寄せられました。
「公共交通機関が不便」とも似ていますが、車がないと生活が不便な地域では、当然のように車通勤になる人が多いようです。
7位 車通勤OKだから
- 会社が車通勤を推薦していたから(20代女性)
- 車通勤OKな仕事場だったので(30代男性)
- 最寄り駅から遠く、社長が車通勤の許可を出してくれました(50代女性)
7位は「車通勤OKだから」です。
車通勤のほうがラクな人にとっては、車通勤OKは嬉しい条件ですよね。
職場によっては駐車場が完備されていたり、「駐車場代やガソリン代も負担してくれた」というところも。
また「経費削減のため、なるべく車通勤してほしいと会社に頼まれた」という人もいました。
車通勤のメリット1位は「時間の融通がきく」
続いて「車通勤のメリットはなんですか」と聞いたところ、以下のような結果になりました。
上位7位までをランキング形式で紹介します。
1位は「時間の融通がきく」です。
2位以下は「一人の時間を楽しめる」「寄り道しやすい」と続き、車通勤ならではの自由さにメリットを感じている人が多いようです。
また「天気に左右されない」「荷物を運べる」「体力的にラク(8位)」など、ラクさを挙げた人も目立ちました。
では具体的な回答を紹介します。
1位 時間の融通がきく
- 時刻表の時間を気にしなくていい(20代女性)
- 自分の好きなタイミングで家を出たり、会社を出たりできる。公共交通機関だと、決まった時間に合わせなければならない(30代女性)
- 自分のペースで通勤がしやすい(40代男性)
車通勤のメリット第1位は「時間の融通がきく」でした。
「好きな時間に家を出られる」「電車・バスの時間を気にしなくていい」という回答が多数。
一方で「時間を気にしなくていい分、つい残業してしまう」という人もいました。
また時間に関しては「待ち時間がない」を挙げた人も9位(18人)に入っています。
2位 一人の時間を楽しめる
- 自分の好きな音楽やラジオを聞いたり、食べ物や飲み物も自由に飲めたり気楽(20代女性)
- 車内で自分の時間がつくれる(30代女性)
- 通勤自体がプラベートタイムとなり、車に乗った瞬間、自由な気分になれる(50代男性)
2位は「一人の時間を楽しめる」です。
音楽やラジオを楽しんだり歌ったり、自由に過ごせる空間を楽しみながら通勤している人が多数。
仕事に育児にと忙しい人だと「一人で過ごす時間」は貴重ですよね。
「仕事終わりにすぐホッとできる」という回答もありました。
3位 寄り道しやすい
- 通勤中にコンビニやスーパーなど自由に寄れること(20代女性)
- 寄り道やイレギュラーな対応ができる(30代男性)
- 仕事帰りに買い物に寄れます(50代男性)
3位は「寄り道しやすい」でした。
仕事の行き帰りに買い物に寄ったり、ATMでお金をおろしたいことってよくありますよね。
「車ならそういった寄り道がしやすい」と答えた人が多くなりました。
6位に「荷物が運べる」が入っているように、買い物した商品を運びやすいのも車ならではです。
4位 人混みを避けられる
- 満員電車や人混みを通ることなく通勤できて、ストレスがない(20代男性)
- 電車の通勤ラッシュなどに巻き込まれず、ゆったりとした気持ちで出勤できる(40代女性)
- 他人と一緒にならないので安全やプライバシーが守られる(50代女性)
4位には「人混みを避けられる」が入りました。
車通勤をしている理由の5位にも「人混みを避けるため」が入っていましたね。
「満員電車のストレスがない」「電車内で痴漢に間違われるかもしれないリスクが減る」といった回答が寄せられました。
5位 天気に左右されない
- 天気の悪い日でも、雨で濡れたり風で髪の毛がぼさぼさになるのを気にする必要がないところ(20代女性)
- 雨風をしのげて、冷暖房完備で快適(30代男性)
- 寒い冬でも外気に触れる時間はわずかです(40代男性)
5位にランクインしたのは「天気に左右されない」。
雨の日や、暑い日・寒い日でも快適に通勤できると答えた人が多くなりました。
急に雨が降ってきたときなどは、車だとありがたいですよね。
「雨に濡れない」「冷暖房がついていて快適」という答えのほか、「天候が悪くても身軽に出社できる」という声もありました。
6位 荷物を運べる
- 仕事の荷物を入れておけること(20代男性)
- 帰り道にスーパーでまとめ買いしても運べるから(30代女性)
- 荷物を車に置いておける(40代女性)
6位は「荷物を運べる」です。
「仕事で使う資料が多くて重いので、車でよかった」「帰り道で買い物しても、荷物が気にならない」など、仕事・プライベート両方のメリットが寄せられました。
「スポーツジムに寄るときの荷物を気にしなくていい」という意見もあり、車があることで、退社後の行動範囲も広がりそうですね。
7位 時間の短縮になる
- 公共交通機関より楽で早い(20代女性)
- 交通機関を使うと1時間くらいかかってしまうのですが、車だと15分くらいで着くのがメリットです(30代女性)
- 通勤の時間が短く済み、自分の時間を多くとれる(40代男性)
7位は「時間の短縮になる」です。
公共交通機関で通うと遠回りになる職場でも、最短ルートで行けるため時短になっているという人が多数。
通勤時間が短くなることで「自分の時間ができる」「時間に余裕がもてる」「朝の支度がゆっくりできる」という意見もありました。
車通勤のデメリット1位は「渋滞で遅刻する可能性」
最後に車通勤のデメリットを聞いたところ、結果は以下のようになりました。
回答数が多かった7位までをランキング形式で紹介します。
1位は「渋滞にはまる」でした。
渋滞にはまると遅刻する可能性がありますし、渋滞で遅れても電車のような遅延証明書は出ませんから、これはたしかにデメリットですね。
2位以下は「費用がかかる」「事故の危険性がある」と続きます。
自分で運転するため「疲れる」「事故が怖い」といった回答が目立ちました。
なお、「デメリットはない」と答えた人は10人でした。
では具体的な回答を紹介します。
1位 渋滞にはまる
- 渋滞です。普段なら20分くらいの距離ですが倍はかかります(20代女性)
- 渋滞に巻き込まれると、スケジュールに影響する場合がある(30代男性)
- たまに事故渋滞に巻き込まれ、遅刻することです(50代男性)
1位は「渋滞にはまる」です。
「雨だから混みそうだな」など、通勤渋滞を想定して早めに家を出るなどの対策をしている人もいましたが、予想が難しい「事故による渋滞」などが起こると、遅刻する可能性も。
「同じ時間に家を出ても、その日の混み具合によって到着時間がバラバラになる。遅刻ギリギリになることもありました」という体験談も寄せられています。
2位 費用がかかる
- 車の維持費やガソリン代がかかる(20代男性)
- 交通費の支給だけでは、月の駐車場代とガソリン代を賄えない(30代女性)
- タイヤなどの消耗品が自分持ち(40代男性)
2位は「費用がかかる」です。
車通勤するにあたってには、ガソリン代のほか駐車場代や車のメンテナンス費用もかかります。
会社からガソリン代や駐車場代が支給されている人もいましたが「足が出る」とか「維持費など含めトータルで換算すると、電車通勤の方が安い」という意見も。
「飲み会の際には、代行車を頼む費用がかかる」「通勤で使うと、自動車保険の保険料があがる」という回答もありました。
3位 事故の危険性がある
- 事故の確率が上がる(20代男性)
- 疲れている時の運転は注意力がなくなるので事故が怖い(30代女性)
- 車の運転がとにかく不安で、事故を起こすのではないかという緊張感が常にあった(50代女性)
3位には「事故の危険性がある」ことを挙げた人が入りました。
「雪など、天候が悪いときの運転」「疲れているときの運転」が怖いと答えた人も。
実際「疲れている時など、運転していて事故にあいそうになる」という人もいました。
また「事故に遭う可能性が電車より高い」「ぶつけられたり盗難の心配がある」という回答もありました。
4位 疲労時も運転せざるを得ない
- どんなに疲れていても運転する必要がある(20代女性)
- 電車なら疲れてたら寝れるけど、車通勤ではできない(40代男性)
- 製品検査の仕事をしているので、たまに目が疲れて運転に集中できない(50代女性)
4位は「疲労時も運転せざるを得ない」です。
電車やバスなら乗りながら寝られますが、自分で運転するならそうはいきません。
「疲れているときは、運転がツライ」「疲れているときの運転は、とくに神経を使う」という声が多数ありました。
疲れがたまっているときの車通勤で、とくに長距離を運転する場合には、危険もともないますし大変ですね。
5位 スキマ時間がない
- 通勤時間は運転しないといけないので、本を読んだりゲームをしたり携帯ができない(20代女性)
- 通勤時間に本を読んだり勉強したりできない。うたた寝できない(30代女性)
- 電車通勤では乗車時にいろいろできるが、移動時間は運転しなければならず、時間がもったいない(40代男性)
5位は「スキマ時間がない」です。
電車であれば乗車中にニュースチェックしたり、本を読んだりする人も多いのではないでしょうか。
しかし車通勤だと運転以外のことはできません。
そのため「通勤時間をスキマ時間にできない」のをデメリットとして挙げた人も多くなりました。
6位 運転で疲れる
- 長い距離の運転だったため疲れる(20代男性)
- 雪道の運転や、残業後の暗闇の運転は非常に気を張るため、運転に対する疲労があること(30代女性)
- 通勤すること自体と車の運転というのふたつのストレスがあるので、会社に着くときには精神的に疲れていること(40代女性)
6位は「運転で疲れる」でした。
運転そのものが集中力を要しますし、天候が悪かったり外が暗かったりするとさらに緊張します。
そのため「仕事開始前から疲れる」という意見もありました。
運転が好きな人ならそれほど苦にならないのかもしれませんが、「運転があまり好きではないので緊張する」という声も聞かれました。
同率7位 駐車場の確保が大変
- 近くに駐車場がない場合は、少し遠くに停めてから歩いて会社まで行く必要がある(20代男性)
- 会社近くのパーキングが満車なら停められない可能性もある(30代女性)
- 会社によっては駐車場がない、足りない(40代女性)
7位は「駐車場の確保が大変」です。
車通勤前提で駐車場が完備されている職場ならいいですが、「駐車場がない」「車通勤する従業員の数に対して、駐車場が足りない」という職場だと、自分で駐車場を探す必要があります。
月極ではない駐車場だと「当日行ってみないと、空きがあるかわからない」という状態になるため、ドキドキしますね。
「行事があるときは、駐車場が争奪戦になる」という回答もありました。
同率7位 早めに出勤する必要がある
- 時間帯によって混む場所があるので、早めに家を出る必要がある(20代男性)
- 渋滞予測がしにくいので、出勤時間にかなりの余裕を持たせる必要がある(40代女性)
- 雨の日などはひどい渋滞に巻き込まれる可能性があるため、時間に余裕をもって家を出ないといけない(50代女性)
同率7位は「早めに出勤する必要がある」です。
多少渋滞しても業務開始に間に合うよう、早めに出ているという人が多数。
天候、季節、時間帯を考慮しているという声が寄せられました。
なお天候については「雪が降ると車を車庫から出すのが大変」という意見も。
冬季の雪国では、家から出発するのにも時間がかかりそうです。
まとめ
車通勤の経験がある500人を対象にアンケートを行ったところ、車通勤のメリット第1位は「時間の融通がきく」でした。
時刻表に縛られないため「少し寝坊しても間に合う」といった意見も。
2位に「一人の時間を楽しめる」、3位には「寄り道しやすい」が入り、車通勤ならではの「自由さ」をメリットに挙げた人が多くなりました。
一方デメリットとしては「渋滞にはまって遅刻する可能性がある」「事故を起こすかもしれない」などが挙げられました。
クタクタに疲れた日も自分で運転して帰るため「疲れている日は怖い」という人も。
また「維持費やガソリン代がかかる」という意見も多く寄せられました。