転職のために取っておいたほうがいい資格や、転職時に活かせる資格は何なのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「転職で役に立ったおすすめの資格」について男女500人にアンケート形式による口コミ調査を実施しました。
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【調査概要】
- 調査対象:転職で役立った資格がある人
- 調査日:2021年4月2日~14日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査人数:500人(女性305人/男性195人)
口コミ投票数の多かった順に「転職に役立つおすすめの資格ランキング」を発表しています。
さらに、転職に有利な資格の選び方や、資格取得後に使えるおすすめの転職エージェントもご紹介。
転職で役立つおすすめの資格ランキング【男女500人へ口コミ調査】
転職経験者500人に「転職で役立ったおすすめの資格」について聞いたところ、結果は以下のようになりました。
口コミの回答数が多かった順に10位までをランキング形式で紹介します。
多くの資格があげられたなかで、2位以下に大差をつけて1位になったのは「簿記」でした。
2位以下は「普通自動車運転免許」「TOEIC」と続きます。
上位には簿記やMOSなど「事務職で役立つ資格」、幅広い業種で評価される「語学」、そして各種の国家資格がランクインしました。
それぞれの資格が転職活動で役立った理由・評価された理由を、実際の回答をもとにご紹介します。
1位 簿記
1位は500人中92人が回答した「簿記」でした。
簿記は知名度が高く、経理から一般事務まで幅広いフィールドで活かせる資格。
「経理の実務経験がない人でも、簿記の資格があれば歓迎」という求人も多いです。
日商簿記は1級から3級まであり、「2級以上で応募可能」という条件をつけている企業もありますが、「3級でも評価された」という口コミも多く寄せられました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 簿記3級でも結構評価されました。経理のことを学ぶ意欲に見えるみたいです(男性)
- 未経験の経理職に応募したが、簿記2級取っているなら大丈夫だと判断され採用された(男性)
簿記の資格を活かしたいなら、「経理事務」や「会計事務所」などへの転職を目指してみてはいかがでしょうか。
経理職や会計事務所の求人情報を見てもわかるように、募集条件に「簿記資格の保有者」の明記がよくされています。
経験がなくても資格があればOKの求人も一定数あるので、未経験であっても転職に活かしやすい資格だといえます。
ただし、経理職や会計事務所に就いたとして、『何がしたいかなどのビジョン』は必要です。
また、企業の財務全体を把握したいと考えているのであれば、基本的な知識を身につける簿記3級に留まらず、さらに上の級を目指すといいでしょう。
簿記の基本情報
受験料 | 3級2,850円,2級4,720円,1級7,850円(各税込) |
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合格率 | 25%前後(2級) |
平均学習時間 | 4~8か月(2級) |
公式サイトURL | https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping |
2位 普通自動車運転免許
2位は500人中37人が回答した「普通自動車運転免許」でした。
職場によっては運転免許必須のところもあるため、免許を持っていると選べる求人の幅が広がりますよね。
また21位(7人)には「準中型以上の運転免許」もランクインしています。
こちらは配送業や農業など、トラックを運転する職種への転職に役立ったという回答が多く寄せられました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 出勤に必要だし求人の幅も広がるから(男性)
- 営業職を希望していたので、免許があると動きやすかったため(女性)
「普通自動車免許」を転職で活かす際に気をつけたいのが、実際に運転できることはもちろん、仕事内容によっては自分で道を覚えたり調べる必要も出てきます。
実際に運転する車が古い型の軽トラだったりすると、カーナビなども掲載されていないためですね。
「普通自動車免許」を活かせる仕事は多く、ドライバーといった運転がメインの仕事はもちろん、交通の不便な立地に事務所がある場合、事務職でも銀行などへ行く際に運転が求められるケースもあります。
また、高齢化社会の進む日本では、高齢者の買い物や病院の送迎といった需要も増える可能性があるため、将来の転職のために取得しておいて損はないでしょう。
普通自動車運転免許の基本情報
受験料 |
3,800円(受験料1,750円・免許証交付料2,050円) ※自動車教習所へ通う場合は、各教習所ごとに料金は異なります。 |
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合格率 | 70%~75% |
関連URL | https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/index.html |
3位 TOEIC
3位は500人中29人が回答した、英語力をはかるテスト「TOEIC」がランクイン。
語学力はどの業界でも評価されますので、高いスコアを持っていると有利ですよね。
一定以上のTOEICスコアを取得していることが応募条件になっている会社もあります。
採用に有利になるだけではなく、「資格手当がついた」など、給料に反映されたという回答もありました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 英語を使う仕事だったため、資格があることで面接時にアピールポイントとなった(女性)
- 旅行関係の会社だったので、TOEICやTOEFLなどの英語のスキルがあると優先で面接をしてもらえた(女性)
TOEICを転職で活かしたいなら、600~700点以上のスコアは取っておきましょう。
TOEICの「英語活用実態調査(2019)」によれば、企業が求める英語スキルの一つの基準として「英語を使った会議で議論することが可能である」という回答が最も多くなっています。
スコアにすると700点前後となるので、学習する際は目安にしてみてください。
ただし、スコアが高くても実務で英語を使えるかは別です。
「DMM英会話」などのオンライン英会話スクールなどを活用して英会話力を磨いておくと、アピールポイントも増え、転職後も実際の業務で活かせるでしょう。
もしTOEICで取ったスコアが古いものである場合、2年を目処にもう一度受け直し、最新スコアを履歴書に書くことをおすすめします。
グローバル化が進み、社内公用語に英語を導入している企業も増えています。
英語の習得度アピールのためにも、ぜひTOEICにチャレンジしてみてください。
TOEICの基本情報
受験料 | 7,810円(税込) |
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難易度 |
500点:比較的易しい 600点:普通 700点:やや高い 800点:高い 900点:非常に高い 990点満点:最高 |
1日の最低勉強時間 |
1日2時間、週末に1日5時間で、1週間に20時間くらい、 3カ月で約240時間 500点:450h 600点:700h 700点:950h 800点:1,225h 900点:1,550h 990点満点:2,000h |
公式サイトURL | https://www.iibc-global.org/toeic.html |
4位 看護師・准看護師
4位は500人中26人が回答した、国家資格である「看護師・准看護師」です。
「求人が多く、日本全国どこででも働ける」という回答が多数寄せられました。
今の日本は「看護師不足」ともいわれており、どの地域でも、どの時期でも募集が出ているような状態なので、転職には困らなそうですね。
看護職専用の転職サイトや転職エージェントもありますよ。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 仕事がないことがない。こちらが選べる立場になる(女性)
- 求人が引く手あまたであり、一生モノの資格だから(男性)
高収入と安定的な雇用を確保したい人には、看護師の資格取得はおすすめです。
仕事内容や夜勤がある勤務形態などハードな面もありますが、事務職や接客・販売職などに比べると年収は圧倒的に高いです。
また、慢性的な人手不足のため、条件交渉などもしやすく、仕事が見つかりやすい特徴もあります。
「正社員」はもちろん「契約社員」や「パート・アルバイト」「派遣」「フリーランス」と雇用形態も様々で、柔軟性を持った働き方も可能です。
たとえば、ライフワークバランスを保つために、「家から近い病院でパート勤務として当直をはずしてもらって働く」などですね。
「看護roo!」「レバウェル看護」といった転職エージェントを間に入れて、条件交渉をするのもおすすめです。
病院やクリニックだけでなく、介護施設や老人ホーム、学校での勤務も可能なため、幅広い職場で活躍できるでしょう。
看護師・准看護師の基本情報
受験料 | 看護師:5,400円、准看護師:6,900円 |
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合格率 | 看護師:90%、准看護師:99% |
平均学習時間 | 看護師:6時間、准看護師:5時間20分 |
公式サイトURL | https://www.nurse.or.jp/ |
5位 フォークリフト免許
5位は500人中22人が回答した、物流や製造、建設の現場で役立つ「フォークリフト免許」です。
履歴書などに記入する正式名称は「フォークリフト運転技能講習 修了」ですが、一般的には「フォークリフト免許」で通じます。
資格取得者には資格手当を支給する会社もあり、持っていれば待遇アップが狙えますよ。
ちなみに最大積載荷重が1トン未満のフォークリフトは、技能講習の代わりに「フォークリフト運転業務に関わる特別教育」を受ければ運転できます。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 選択肢が増えたから(男性)
- 製造業ではフォークリフトに乗れることが重宝された(男性)
フォークリフト免許を活かして転職するなら、資格手当の出る求人をチェックしていきましょう。
同じ基本給でも、手当の有無によって手取り額も変化するので、求人情報を比較検討する際はぜひ確認してください。
また、運送業・物流倉庫・工場・建設業などフォークリフトを扱う仕事は多様です。
転職後に「思っていた仕事と違った」とならないよう希望条件を整理しておきましょう。
「どの業界でもいいのか」「フォークリフトの運転メインで仕事がしたいのかな」といったことですね。
フォークリフトで運搬する物は、倉庫・工場内・建設現場といったように、働く環境下で大きく異なります。
希望する業種に応じて、フォークリフトだけでなく「クレーン」や「玉掛け」などの資格も併せて取得しておくと、転職面で有利に働くことでしょう。
フォークリフト免許の基本情報
受験料 | 約2万〜4万円前後 |
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合格率 | 90% |
平均学習時間 | 35時間(講習のみ) |
公式サイトURL | https://www.komatsu-kyoshujo.co.jp/ |
6位 マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
6位は500人中19人が回答した、マイクロソフトオフィス(ワード、エクセルなど)の操作スキルを証明できる「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」です。
パソコンスキルがどの程度なのか的確に伝えられるため、とくに「これまで業務でOfficeを使ったことがない」「未経験から事務職に転職する」という人にオススメの資格です。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 派遣会社に登録した際、紹介してもらえる仕事が増えた(女性)
- 自分がどのくらいソフトを使用できるのかを、客観的に証明できた(30代 女性)
未経験からオフィスワークやパソコンを使う仕事に転職を希望している人は、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)の資格は活かせるでしょう。
MOSはパソコンスキルを証明するための資格だからですね。
パソコン操作ができることを証明できるので、他の資格を持っていない応募者よりも面接や履歴書の資格欄などでのアピールポイントとして使えます。
ただし、数あるパソコン資格の中でも難易度が低くて簡単に取れる資格で、資格保有者も多いです。
同じ資格をもっているライバルと差別化するためにも、他にアピールできる資格も併せて取得してみてはいかがでしょうか。
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)の基本情報
受験料 | 1科目の受験料:スペシャリストは9,800円(税別)、エキスパートは11,800円(税別) |
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合格率 | スペシャリスト:約80%、エキスパート:約60% |
平均学習時間 | 約80時間、 約2ヶ月 |
公式サイトURL | https://mos.odyssey-com.co.jp/ |
7位 保育士
7位は500人中18人が回答した、国家資格である「保育士」でした。
保育施設で保育士として働くには必須の資格であるのはもちろん、保育士として勤務しない場合でも子どもに関する職場で「優遇された」「手当がついた」という口コミが多数寄せられました。
なお「幼稚園教諭」は18位(8人)にランクインしています。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 保育施設は人手不足が多く、採用されやすい(女性)
- 小児科の医療事務だったから、小さい子がたくさん来院するために役立ちました(女性)
保育士の資格は、正社員として「保育園」や「乳児院」などで乳幼児と携わる仕事を希望している人なら必ず取っておきたい資格です。
資格がなくても保育園で働けますが、多くの場合は非常勤(パート)や用務など、子どもとの関わりが少ない仕事内容となってしまいます。
保育士資格があれば、正社員としての転職を実現しやすいわけですね。
また保育園で働くだけでなく、障害がある子どもの療育のためにも保育士資格は役に立ちます。
医療現場などで保育士として経験を積むことで、「医療保育専門士」など福祉関連では上位の資格も取得できるようになるため、さらなるスキルアップを目指したい人にもおすすめです。
ちなみに保育業界は大半が人手不足なので、仕事に困りにくいでしょう。
保育士の基本情報
受験料 | 12,700円(税込)+250円(郵送料)=12,950円 |
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合格率 | 20%前後 |
平均学習時間 | 60~180時間程度 |
公式サイトURL | https://www.hoyokyo.or.jp/ |
8位 介護福祉士
8位は500人中17人が回答した、こちらも国家資格の「介護福祉士」です。
介護現場も人手不足と言われており「求人が多い」という意見が多数。
「国家資格のため優遇される」という回答も多く見られました。
なお介護の入門資格に位置づけられる「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級含む)」も12位(13人)に入っています。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 仕事が山ほどある(女性)
- 資格を持っていると給与が上がって、求人数もたくさんあるから(女性)
難易度が高くなく、仕事としての需要が高い資格を目指したい人には「介護福祉士」はおすすめです。
学習時間は3ヶ月~半年程度で、合格率は70%と難易度も低め。
また、高齢化社会に伴い、今後もますます需要が高まると予想されるため、資格を取得しておくと転職時にも役立つでしょう。
「介護施設」「デイサービス」「訪問介護」など、活躍できる場もいろいろあるので、仕事内容や条件面、働きやすさなどを比較検討して転職先を決めるといいでしょう。
ただし、給料面で物足りなさを感じる人もいるのではないでしょうか。
介護福祉士を取得したら、経験を積んでさらなるキャリアアップを目指しましょう。
規定の勤務年数を重ねれば、年収アップが期待できる「認定介護福祉士」などの資格を取得できるようになるので、ぜひチャレンジしてみてください。
介護福祉士の基本情報
受験料 | 15,300円 |
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合格率 | 70% |
平均学習時間 | 半年~3か月、1日2時間~3時間 |
公式サイトURL | https://www.jaccw.or.jp/ |
9位 実用英語技能検定(英検)
9位は500人中16人が回答した、TOEICと並んで有名な語学系資格である「実用英語技能検定(英検)」がランクインしました。
企業へのアピールになるのは「英検2級以上」と言われています。
また11位以下には「英語以外の語学(中国語、韓国語)の資格が役立った」という回答もありました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 外資系の会社なので英語力が必要だった。英語のレベルを分かってもらえた(女性)
- 家庭教師の求人に応募した際に、他にこの資格を持った人はなく、採用の決め手になった(男性)
「実用英語技能検定(英検)」の資格を活かして転職したいなら、「1級」「準1級」は目指したいところです。
履歴書に書けるのは2級以上からですが、仕事で使える英語力となると、1級・準1級を学習したほうが実践でも活かせるからですね。
近年はTOEICのスコアで英語力をはかる企業が増えているので、転職活動にはTOEICがポピュラーだといえます。
しかし、リスニングとリーディングの試験のみのTOEICに対し、英検は3級以上になると二次試験の面接があり、スピーキング能力も問われます。
英検をスピーキングのアピールとして使うといいのではないでしょうか。
実用英語技能検定(英検)の基本情報
受験料(個人) |
5級:4,500円 4級:4,900円 3級:7,900円 準2級:9,200円 2級:9,700円 準1級:10,700円 1級:12,600円 |
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合格率 |
5級:81.4% 4級:69.9% 3級:52.9% 準2級:36.7% 2級:26.4% 準1級:16.0% 1級:12.0% |
平均学習時間 |
5級:約10~12時間 4級:13~17時間 3級:17~21時間 準2級:26~33時間 2級:30~36時間 準1級:33~41時間 1級:46~54時間 |
公式サイトURL | https://www.eiken.or.jp/ |
10位 秘書検定
10位は500人中15人が回答した、ビジネスマナーが身につく「秘書技能検定」です。
「秘書技能検定を取得して、実際に秘書の仕事に就けた」という人もいました。
敬語や一般常識も身につくので、秘書を目指している人だけではなく「社会人として、きちんとした振る舞いを身につけたい」という人にもオススメの資格です。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 取引先やVIPの対応をする職場への転職で、基準以上のビジネスマナーが求められたから(女性)
- 「ビジネスマナーは一通りわかっていて、細やかな気遣いが出来そうな人」だと評価してもらえた(女性)
オフィスワークを希望している人や、秘書として働きたい人は取得しておいて損はありません。
秘書検定の資格は、ビジネスシーンにおける社会人としてのマナーを習得しているアピールに使えるからですね。
ビジネスマナーや一般常識などの知識を得られるので、社会人経験の未熟な人がマナーを身につけるために学習するのもおすすめです。
秘書検定の基本情報
受験料 | 2,800円~6,500円 |
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合格率 | 3級約71%、2級約60%、準約1級36%、1級約27% |
平均学習時間 | 1ヵ月、30時間程度 |
公式サイトURL | https://jitsumu-kentei.jp/ |
【男女別】転職で役立つおすすめの資格ランキング
続いて、転職で役立ったおすすめの資格を男女別に集計しました。
男女とも1位は「簿記」。
2位以下は、男女でランキングが大きく異なりました。
とくに男性では、総合ランキングに上がらなかった工場や作業現場の仕事に役立つ資格もランクインしました。
【女性】転職に役立つおすすめの資格ランキング
女性の場合、オフィスで役立つ資格と、看護師・保育士といった専門職の資格に分かれました。
仕事探しに困らない「看護師」「保育士」
看護師・保育士の資格をもっていれば、仕事探しに困ることはまずありません。
どちらも慢性的に人材不足の仕事で、都心・地方に関わらず求人が豊富だからです。
また看護師や保育士は、圧倒的に女性が多い職業。
そのため、結婚・出産といったライフスタイルの変化にも対応できる多様な雇用形態が用意されています。
独身時代はフルタイム、子育て中はパートや派遣、子どもに手がかからなくなったらまたフルタイムに戻るといったことも可能です。
ただ看護師や保育士は、サクッと勉強してすぐに取得できるわけではないため、今すぐ転職したい方には向きません。
今すぐ仕事につなげたいならオフィス系資格
今から取得して早く仕事につなげたい女性には、オフィス系の資格がおすすめです。
ランクインした簿記・TOEIC・MOS・秘書検定のいずれも、通信教育やネット教材などを使って学習する人が多い資格。
やる気があれば半年以内での取得も可能です。
なかでも簿記は、”実務経験がなくても資格があればOK”という求人も多数ある『使える資格』。
まずは、合格率40~60%前後と比較的難易度の低い3級を取得して仕事の足がかりを作り、その後2級を目指してみてはいかがでしょうか。
3級はいわゆる簿記の入門編ですが、2級は上級編となります。
2級をもっていれば、多様な業界・企業で活躍できるため、より転職しやすくなるでしょう。
商工会議所が実施する日商簿記検定の試験は、年3回とチャンスも多いのでぜひ挑戦してみてください。
【男性】転職に役立つおすすめの資格ランキング
男性は、簿記・基本情報技術者・宅建などの専門職系の資格と、工場などで役立つ作業系資格に分かれました。
オフィス系専門職なら「簿記」「基本情報技術者」「宅建」
「簿記」は、経理の仕事をしたい方にとっての必須資格。
持っていなければ応募できないケースも多く、取得してよかったという声が多く寄せられました。
一方、IT系の企業・職種への転職で役立ったとの声が多かったのは「基本情報技術者」です。
基本情報技術者とは、IT人材となるための基本的な知識・技能を証明する国家資格。
「前職で必須資格だった」という回答が多いことからも、実際に企業からのニーズも高い資格であると推測できます。
また、不動産業界に転職した方からの声が多かったのは「宅建」。
宅建は、不動産業界では応募の必須条件や優遇条件になっているケースも多くなっています。
男性には製造・物流・建築系で役立つ資格も人気
男性には、フォークリフト・危険物取扱者・玉掛けなど、製造や物流、建設系の仕事に役立つ資格も人気でした。
フォークリフトや玉掛けは、数日間の講習を受ければ取得できます。
特に物流倉庫や建築現場などで働きたい方が取得するのはおすすめと言えるでしょう。
資格があるとできる仕事の幅が広がるのはもちろん、給与以外にも別途、資格手当が出るケースも多いためです。
一方、危険物取扱者は、化学工場や半導体工場、タンクローリーの運転手、ガソリンスタンドなどで働く際に使える資格です。
甲種・乙種・丙種と3つの資格がある中、乙種・丙種は誰でも受験可能。
乙種・丙種の合格率は40~50%と決して高くないですが、対策をせずに受験する人が多いことも原因と言われています。
丙種では小学1年生の合格者もいるので、しっかり対策をして望めば難しい試験ではありません。
どの資格取得を目指そうか悩んでいる人は、性別関係なく「簿記」「普通自動車免許」「TOEIC」を押さえておくといいでしょう。
今回のアンケートでも女性と男性、両方にランクインするほどの役立ち度で、比較的幅広い仕事でアピールできる資格だからですね。
たとえば簿記なら、「経理職」はもちろん「金融関係」「会計・税理士事務所」「営業職」、TOEICなら「英文事務」や「翻訳」「外資系企業」「接客・販売」など、多種多様な業界・職種で活かせるでしょう。
将来的に転職しようと検討している人は、今のうちから勉強を始めて、資格取得しておくことをおすすめします。
女性の場合、資格取得までに時間はかかりますが、「看護師」「保育士」の資格もおすすめです。
看護師や保育士といったエッセンシャルワーカーは、社会生活に必要不可欠な存在のため、仕事がなくなることは考えにくく、一生役立つ資格とも言えるのではないでしょうか。
また、出産や子育てを経て社会復帰したい場合でも、看護師や保育士の資格があれば仕事も見つかりやすいでしょう。
一方の男性は、オフィスワークか現場仕事、どちらを希望するかによって役立つ資格が異なります。
男性の場合、自分の希望やタイプに合った資格を選んでみてください。
たとえばオフィス系の仕事に転職したいなら、「簿記」「宅建」などがおすすめですし、建設現場や工場で作業員として働きたい人は「フォークリフト」「危険物取扱者」などの資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
転職のために資格を取得したか?
次に、転職で役立った資格について「転職のために取得しましたか?以前からもっていましたか?」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。
「以前からもっていた」人が78.4%、「転職のために取得した人」は21.6%でした。
新たに資格をとった人は少なく、以前からもっていた資格を生かして転職した人が多いとわかりました。
続いて「以前から資格をもっていた人」「転職のために資格をとった人」から寄せられた回答をご紹介します。
以前から資格をもっていた人の回答
学生時代や前職在職中に取得した資格を活かして転職したという人が多くなりました。
資格から求人を絞り込むことで、興味がある分野・得意分野の仕事が見つかりやすくなりますし、資格を評価され好条件で転職できる可能性もありますね。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 前職で業務上必要なため取得。この資格があると、ビル管理の仕事が引く手あまた(男性、電気主任技術者)
- 経理に興味があったので、学生時代に取得。転職先では応募条件の必須資格でした(女性、簿記)
- 整骨院勤務で必要だったので取得。介護業界の機能訓練士という職種でスキルを活かせた(男性、柔道整復師)
転職のために資格を取った人の回答
「転職のために資格をとった人」からは、転職したい業種・職種が決まっており、その仕事の「必須資格」や「有利になる資格」を取得したという回答が寄せられました。
仕事や転職活動をしながら新たに資格を取得するのは、勉強時間の確保や体調管理など、とても大変です。
大変な中でも勉強を続けるためには「この仕事に就きたい」という強い気持ちが必要なのかもしれません。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 不動産業界への転職を目指す上で必要と思ったから(男性、宅地建物取引士)
- 好条件の事務系の仕事は競争率が高いので、他の応募者と差をつけるために資格を取得した(女性、簿記)
- 未経験の事務職に応募する際に、どのくらいのスキルがあるか証明になるものがあったほうがよいと考えた(女性、MOS)
転職のために資格取得を始めるよりも、日頃からスキルアップを目指して資格を取得しておくのがおすすめです。
今回のアンケート結果を見てもわかるように、転職のために取得した人(21.6%)よりも、以前から持っていた人(78.4%)のほうが圧倒的に多い結果となっています。
数ヶ月から年単位で学習が必要なものまで、資格取得までにかかる時間はさまざまですが、「今すぐ転職したいから、すぐに資格が欲しい」というのは難しい話です。
転職を検討しているか関係なく、現職の仕事に関する資格を積極的に取得したり、スキルアップのために資格の勉強を普段から行うなど、いざというときのために備えておくといいでしょう。
転職に有利な資格の選び方5つ
ここまで、転職に役立つおすすめの資格について、口コミとともに紹介してきましたが、どの資格を選べばいいか迷う方もいるのではないでしょうか。
転職に有利な資格の選び方は次の5つです。
- 転職を希望している業界・職種で活かせる資格を選ぶ
- 「業務独占資格」または「必置資格」を選ぶ
- 転職しやすい業界・職種に関する資格を選ぶ
- いまの自分の状況下でも取得可能な資格を選ぶ
- 希望している転職時期内に取得できる資格を選ぶ
それぞれの選び方について紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.転職を希望している業界・職種で活かせる資格を選ぶ
具体的に転職先を決めている人は、転職を希望している業界・職種で活かせる資格を選びましょう。
なぜなら、以下のアピールができるからですね。
- 入社後の実務に役立つ資格としてアピールできる
- 資格取得するほど業界・職種を熱望しているアピールになる
- 資格取得のために頑張ったことをアピールできる
- 経験はなくても知識があることをアピールできる
今回のアンケートを例に解説していきましょう。
たとえば、男性の「転職に役立った資格」第5位にランクインした『基本情報技術者』という資格は、IT業界への転職に活かせる資格です。
IT業界の場合、スキルや経験があれば資格がなくても仕事はできますし、人材不足のため未経験者でも比較的転職しやすいです。
しかし、未経験者でも資格を取得しておくことで、無資格の他の応募者が多数いる場合など有利に働く可能性は高いでしょう。
もうひとつの例をあげます。
金融業界の営業職の場合、入社後に取得が必要な「証券外務員二種」の資格を転職前に取得しておくと、有利になりやすいです。
特定の業種・職種で評価される資格は、まだまだたくさんあるので、希望の業界や職種で活かせそうな資格を探してみてくださいね。
2.「業務独占資格」または「必置資格」を選ぶ
仕事に将来性や安定性を求める人は、「業務独占資格」または「必置資格」を選びましょう。
社会的に需要の高い仕事が多く、不景気で求人状況が悪い場合にも強い資格と言えるからです。
有資格者でないと就けない仕事なので、ほかの職種に比べると競争率も低いためですね。
ただし、国家資格が中心で難易度も高い資格が多いです。
それぞれの資格の特徴と、具体的な資格や職種は以下のとおり。
- ●「業務独占資格」
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・資格を持った人しか働けない仕事のこと
・「医師」「弁護士」「公認会計士」など - ●「必置資格」
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・企業や事業所に資格保持者の設置を法律で義務付けられている資格
・「宅地建物取引士」「登録販売者」「ケアマネージャー」など
『危険物取扱者』のように「業務独占資格」と「必置資格」、両方に分類される資格もあります。
3.転職しやすい業界・職種に関する資格を選ぶ
資格を取ってできるだけスピーディーに転職したい人は、転職しやすい業界・職種に役立つ資格を選びましょう。
人気の高い業界・職種の場合、資格取得者をはじめとした経験やスキルの高い転職希望者も多く集まってきます。
そのぶん競争率は高くなり、転職活動がスムーズに進まなくないでしょう。
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和3年10月分)」の有効求人倍率を見てみると、職業計の有効求人倍率は「1.06」なのに対し、以下の職業は有効求人倍率の高さが目立ちました。
※「有効求人倍率が高い」=「人手不足」ということになります。
職業 | 有効求人倍率 |
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保安の職業(自衛官・警察官・消防員・警備員など) | 6.23 |
建築・土木・測量技術者 | 5.46 |
建設・採掘の職業 | 5.06 |
機械整備・修理の職業 | 3.87 |
介護サービスの職業 | 3.64 |
上記の人手不足の職業で強みを持つ資格を取得することで、採用へとつながる確率は高いと考えられます。
- 介護サービスの職業なら「介護福祉士」「介護職員初任者研修」
- 建築・土木・測量技術者なら「二級建築士」
- 建設・採掘の職業なら「第二種電気工事士」
また就職先が見つかるだけでなく、より好条件の仕事を見つけられる可能性も出てくるでしょう。
4.いまの自分の状況下でも取得可能な資格を選ぶ
- 「スクールに通って先生に教えてもらうほうがいい?」
- 「通信講座がベストかな?」
- 「過去の問題集を見るだけで十分そう」
・・・資格取得に向けての勉強方法で学ぶ方も多いのではないでしょうか。
いまの自分の状況下でも取得可能な資格を選んでいきましょう。
なぜなら、人それぞれで現在の状況も違えば、勉強の仕方に合う合わないが出てくるためですね。
たとえば「働きながら資格取得を目指す人」と、「仕事を辞めて転職活動中の人」とでは、勉強に使える時間とお金は違います。
具体例をあげると、「看護師資格」は、働きながらだと難しい上、学費もトータルすると数百万円になるケースも普通です。
看護師資格は、専門学校や大学に通いながら資格取得を目指す必要があるからですね。
しかし、「簿記」や「医療事務」など、通信講座や書籍を使った独学でも取得可能な資格も多数あります。
通信講座だけでなく、専門学校などでも学べるため、いまの自分の状況下や好みにあわせて選択していきましょう。
幅広い資格を学校で学べる。
【公式】https://www.o-hara.jp/
「通学」「通信講座」が選べる。
【公式】https://haa.athuman.com/
また、独学で人気の資格や勉強方法を知りたい方は、【独学で取得した資格ランキング】男女500人アンケート調査の記事も参考にしてみてください。
5.希望している転職時期内に取得できる資格を選ぶ
「1ヶ月以内に転職したい」などの転職時期に目安をつけている人もいるのではないでしょうか。
転職の希望時期内でも取得可能な資格を選びましょう。
今すぐ転職したい人と、長い目で転職を検討している人とでは、資格取得のためにかけられる時間が違います。
早く転職したいのに「税理士」など難易度の高い資格を目指すのは、現実的ではありません。
働きながらでも短期間で取得できる資格のひとつとして、今回のアンケートで第5位にランクインした「フォークリフト免許」が挙げられます。
最短2日から最大5日で取得できる上、土日の講習もありますよ。
転職を急いでいない人は、じっくり時間をかけられる難易度の高い資格を選ぶのもいいでしょう。
資格を活かせる仕事探しにおすすめの転職エージェント2つ
「有利になる資格を持っている」「転職時にアピールできる資格が取れた」という人は、以下2つの転職エージェントを活用しましょう。
いずれのサービスも、資格から求人検索できる機能があるからですね。
多種多様な資格を活かせる求人保有。
【公式】https://mynavi-agent.jp/
会計・不動産・建築系資格の求人あり。
【公式】https://www.pasonacareer.jp/
登録する際は、保有資格の入力や、キャリアアドバイザーへの資格取得アピールも忘れないようにしてくださいね。
転職に役立つおすすめの資格のアンケート調査まとめ
500人に「転職で役立った資格」について聞いたところ、もっとも多かった回答は「簿記」でした。
比較的簡単だとされる簿記3級でも「アピールになった」という意見が寄せられています。
また転職のために新たに資格を取得した人は21.6%と少数派で、78.4%の人がすでに持っている資格を生かして転職していました。
資格は転職活動を有利にすすめるうえで役立ちますが、時間や費用を考えると無尽蔵に取得できるものではありません。
仕事しながら取得するとなると、なおさらです。
今後転職を検討している人は、転職に有利な資格の選び方5つを参考に、資格取得を目指してみてくださいね。