転職希望者に人気の事務職ですが、実際に働いてみると「合わない」「つらい」と感じる人も少なくありません。
そのような理由で、事務職から他の職種へ転職を考えている人もいるのではないでしょうか。
今回は、事務職から異職種へ転職した456人にアンケートを実施し、「転職理由」をランキングにして発表します。
また、失敗のリスクがある「注意すべき転職理由」や「後悔しないための転職方法」についても解説していきます。
- 調査対象:事務職から他の職種への転職経験がある人
- 調査日:2021年2月26日~3月9日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査人数:456人(女性351人/男性105人)
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事務職から異職種へ転職した理由ランキング
事務職から異職種に転職した理由を尋ねたところ、1位は「他の職種に興味があった」でした。
営業職や接客業、医療などの専門職に興味や憧れを抱いていて、思い切って事務から転職したという人が多いようです。
4位にも「専門性・スキルを身につけたかった」という前向きな回答がランクイン。
ただ全体的には「仕事内容への不満」「給料への不満」「職場の雰囲気がよくなかった」「体調不良」など、ネガティブな回答が多くなりました。
では具体的な回答をご紹介します。
1位 他の職種に興味があった
- 興味を持っていた職種にチャレンジできるギリギリの年齢だと思い、思い切って転職(女性、25歳で転職)
- 長年事務職しかやってなかったこともあり、異業種に興味を持った(女性、38歳で転職)
- 屋外での仕事がしてみたかった(男性、42歳で転職)
やってみたい職業に挑戦するため、事務職を辞めて転職した人が1位でした。
ひとつは「憧れの職業を一旦諦めて事務職になった人」が、「やっぱり諦めきれない」と挑戦したパターン。
もうひとつは、事務職として働くうちに他の職種に興味を持ったり「より自分にあった職種があるのではないか」と考えるようになり、転職を決意したというパターンでした。
2位 仕事内容への不満
- 同じ場所で行う作業に向いていなかったので(男性、27歳で転職)
- 電話応対が途切れず、電話に出たくなくなったから(女性、33歳で転職)
- ズバリ、やりがいです。毎日、同じような作業に飽き飽きしていました(男性、40歳で転職)
2位は「事務職としての仕事内容に不満があり、転職した」でした。
不満の内容は、「ルーティンワークばかりで単調」「やりがいを感じない」「マルチタスクが苦手」「電話応対が苦痛」「アシスタント的な仕事に限界を感じた」など。
仕事そのものが向かなかった人と、事務作業にやりがいを感じられなかった人がいました。
3位 給料への不満
- 何年勤めても、お給料が上がらなかったため(女性、27歳で転職)
- 婚約者に「事務職では将来不安」と言われ、しっかり収入につながる他の職種に転職しました(男性、29歳で転職)
- お給料が低く、生活に困ったから(女性、30歳で転職)
「給料への不満」が理由で、事務職から他職種へ転職した人が3位。
事務職は「仕事の成果」が可視化・評価されにくく、営業職や販売職のようなインセンティブもあまりありません。
企業によっては、事務職だと昇進や昇給が遅いこともあり、収入面での不満を抱く人が多いようです。
4位 職場の雰囲気がよくなかった
- 営業事務をしていましたが、担当の営業さんからのセクハラを受けていたから(女性、21歳で転職)
- 職場の人間関係が嫌だったから。事務職だと一日中会社にいなければいけないためストレスが多かった(男性、25歳で転職)
「職場の雰囲気が良くなかった」が4位に入りました。
事務職だと「同じメンバー・同じオフィス」の中で仕事をすることが多く、営業職のように外出する機会は少ないです。
居心地の悪い職場から離れる時間がなく、「職場の人間関係・雰囲気の悪さ」の影響を大きく受けてしまい、異職種への転職を考えはじめる人が多いのでしょう。
同4位 専門性・スキルを身につけたかった
- 事務職では技術的な成長が見込めなかったため(女性、25歳で転職)
- 手に職を持ちたくて、看護師に転職した(女性、32歳で転職)
- 資格を持って働いた方が、歳を取り環境が変わったときにも仕事が見つけやすいと思った(女性、35歳で転職)
同率4位は「専門性・スキルを身につけたかった」でした。
事務職は決まった業務を繰り返すルーティンワークが多く、「事務職のままではスキルアップに繋がらない」「将来が不安」と感じる人も。
「手に職をつけたい」「資格をとって、専門的な仕事がしたい」と考えた人が多いとわかりました。
6位 事務職での転職が難しかった
- 希望の事務職の求人に巡り合えなかったので、一旦繋ぎの意味で他の職種に就きました(男性、32歳で転職)
- 事務職の求人が少なく、また年齢的にも難しいと言われたので(女性、54歳で転職)
6位にランクインしたのは「事務職での転職が難しかった」でした。
事務職での転職を希望したのに、求人数が少なかったり不採用になったりしたために、やむなく他の職種に転職したパターンです。
「120回も不採用になった」「子育てしながら、平日短時間のみ働ける事務職は見つけられなかった」という回答もありました。
7位 事務職ならではの体調不良
- パソコンを見すぎて、毎日の頭痛に耐えられなくなったため(女性、22歳で転職)
- 同じ姿勢でのパソコン作業で腰痛、ストレートネック、頭痛で体が辛くなってしまった(女性、41歳で転職)
腰痛や眼精疲労など「事務職ならではの体調不良」が理由で転職した人もいました。
事務職の人は座って一日中パソコンに向かうことが多いため、腰痛、肩こり、目の疲れや視力低下、頭痛に悩まされることもしばしば。
身体のメンテナンスをしながら続けられる程度ならよいですが、転職・退職を考えるレベルに達してしまう場合もあるようです。
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異職種への転職活動は順調だった人が65.1%
次に「事務職から異職種への転職活動が順調だったか」を聞いたところ、結果は以下のようになりました。
65.1%の人が「順調だった」「まあ順調だった」と回答し、「事務職から他職種への転職は、スムーズにいくことのほうが多い」とわかりました。
「転職活動が順調だった人」「順調ではなかった人」からの経験談をご紹介します。
転職活動が順調だった理由
- 人材不足の職種だったため、転職活動はスムーズに進んだ(女性、25歳で転職)
- 事務職=裏方作業を知っていることで、業務の最適化に繋がると転職先にて評価をしていただいたため(男性、27歳で転職)
- 転職先で活かせる資格を取得していたため、即決で採用された(女性、35歳で転職)
事務職から他職種への転職活動が順調だった人からは「資格を持っていたからスムーズに採用された」「適性や経験を活かせる職種への転職だったから」などの回答が寄せられました。
また「人手不足の業界への転職だったから、スムーズに決まった」「資格やスキルが必要なく、未経験歓迎の仕事だった」など、職種や業種の特性についての回答も。
希望職種が決まっておらず「とにかく事務を辞めたい」という人なら、「人手不足の業界」「未経験者が活躍中の業界」をリサーチしてみるのも手ですね。
転職活動が大変だった理由
- 資格もなく未経験だったため、いくつも面接で落ちました(女性、26歳で転職)
- 資格取得に約2年間を要しました。資格取得後にやっと転職ができました(女性、33歳で転職)
- 事務職の経験だけでは採用してくれる企業がとても少ないから(男性、50歳で転職)
転職活動が順調ではなかった人からは「資格がなくて大変だった」「これまでの経験が評価してもらえなかった」という回答がありました。
転職活動が順調だった人とは反対の結果です。
「学校へ通った」など、転職するための資格取得に時間がかかり、大変だったという人もいました。
事務職から異職種へ転職してよかった人は86.0%
最後に「事務職から異職種に転職して、よかったと思うか」と聞くと、回答は以下の通りでした。
「よかったと思う」「まあ思う」と答えた人が86.0%。
「事務職を希望していたが難しかったため、他職種に転職した」という26人の中でも、「よかったと思う」「まあ思う」と答えた人が20人でした。
自分から異職種転職を希望したかどうかに関わらず、事務職から異職種への転職に満足している人が多いとわかります。
では具体的な回答をご紹介します。
転職してよかった理由
- 収入の大幅アップと、その後の就職にかなり有利になりました(男性、27歳で転職)
- 自分の能力を最大限に活かせていると感じてます(女性、32歳で転職)
- 適度に体が動かせるので、事務の時の体の不調がなくなった(女性、42歳で転職)
転職してよかった理由として、「収入増」「希望の仕事につけて、やりがいアップ」「体調不良の改善」などが挙げられました。
転職によって「憧れの仕事・興味がある仕事につきたい」という希望が叶ったり、給料への不満などが解消されたりしたことがわかります。
転職してよかったとは思わない理由
- (事務職なら)ノルマというストレスがなく、休日出勤もなかったから(女性、21歳で転職)
- 前職とのギャップに適応するのが大変だったから。前職では経理や総務で活躍していたのに、食品工場では役立たずのように扱われ屈辱だった(女性、34歳で転職)
- 快適な室内で仕事をしているほうがいい(男性、42歳で転職)
転職してから「やっぱり事務職のほうがよかった」と感じた人は14.0%でした。
目立ったのは「立ち仕事やシフト勤務が体力的にきつい」「人と多く接する仕事のほうが疲れる」「事務以外の仕事に馴染めない」などの回答。
自分で希望して接客業やクリエイティブ職に転職したものの「自分には事務の方が向いていたとわかった」という人もいました。
失敗のリスクあり?注意すべき事務職からの転職理由
この章では、転職に失敗する可能性もある「注意すべき転職理由」について解説していきます。
当てはまる項目がある場合は、「本当に転職すべきかどうか」いま一度、慎重に検討してみることをおすすめします。
【転職理由1】事務職の単調な仕事に飽きた
「単調な仕事に飽きた」という理由で転職を考えている人は注意が必要です。
どんな仕事でも、慣れてくると単調さを感じてしまうもの。
単に「飽きたから」という理由で仕事を変えると、転職を繰り返す恐れがあります。
転職を検討する前に、「今の仕事で創意工夫できることはないか」「なにか目標を設定できないか」などを考えてみましょう。
一方で、事務職の単調さが嫌で転職したものの、他の仕事を経験した結果、「やっぱり事務職のほうが向いている」と実感する人も少なくありません。
自分の適性をじっくり分析したうえで、転職先を決めることをおすすめします。
【転職理由2】事務職とは違う環境で働いてみたい
1日中同じ場所で働き、人間関係も限られる事務職に窮屈さを感じ、
- もっといろいろな人と関わりたい
- 活動的な仕事がしたい
と、接客業や営業、製造業などを希望する人も多いです。
ただ、転職先の業界についてよく調べずに、「違う環境も経験してみたい」という”漠然とした理由”で転職を考えるのは危険。
なぜなら転職後に、「体力的につらい」「職場環境が悪い」など、事務職との違いを実感して後悔する声も多いからです。
事務職経験しかない方には当たり前に思えるかもしれませんが、オフィスワークは職場環境に恵まれてるケースが多いです。
たとえば、室内は冷暖房完備なので、季節も天気も関係なく快適に過ごせますし、トイレ休憩も自由にとれますよね。
座り仕事なので体力は必要なく、基本的に平日の日中勤務なので、生活サイクルも整いやすいでしょう。
一方、営業職は移動が多いため、「電車の乗り継ぎや、車の運転が疲れる」「天候が悪い日は大変」という声も。
また、接客業は体力勝負であることから、アンケートでも「事務職なら少しくらい体調が悪くても乗り切れるが、販売職ではそうはいかない」という声が寄せられています。
製造業は、工場や倉庫内の空調が快適でないケースも多かったり(暑い・寒いなど)、トイレ休憩が自由に取れなかったりすることも。
「違う環境で働いてみたい」という理由で、事務職から他の職種への転職を考えている方は、転職先業界の実情やデメリットも調べ、十分に納得したうえで決めましょう。
【転職理由3】事務職は給料アップが見込めない
事務職は、営業職などと違って会社の業績に直接貢献できる仕事ではないため、年収が上がりにくい職種です。
しかし、給料アップを主な目的として、異職種への転職を考えている人は要注意です。
なぜなら、事務職から未経験職種へのキャリアチェンジは難しいうえに、転職できた場合でも、実績がないため最低レベルの給与からスタートするケースが多いからです。
また、「営業職」は未経験者にも門戸を開いている職種ですが、歩合制の場合、収入は能力次第です。
事務職から営業職に転職した人のなかには、給料が倍近く上がった人もいれば、「思うような成績を上げられず、事務職のときより年収が下がった」という人も。
とくに、家計を支えている方や一人暮らしの方は、自身の能力や適性などをよく考えたうえで、転職することをおすすめします。
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後悔しないための事務職から異職種への転職方法
この章では、事務職から異職種への転職に失敗したり、後悔したりしないための方法を2つ紹介します。
1.異なる業界の事務職に転職する
「今の仕事に飽きた」「環境を変えたい」という理由で転職を考えているなら、今とは別業界の事務職に挑戦するのもおすすめです。
一口に事務職といっても、英語力が活かせる「貿易事務」や「英語事務」、簿記資格が必要な「経理事務」、接客と事務の両方をこなす医療事務など、さまざまな仕事があります。
日系企業から外資系企業、一般事務から医療事務など、職場環境や業界が変われば、仕事内容も社内の雰囲気もガラッと変わり、新鮮な気持ちで働くことができるでしょう。
また、「事務職から事務職」への転職であれば、これまで培ったスキルを活かせるため、未経験の職種を目指すより採用されやすいメリットもあります。
「仕事に飽きたので転職したい」という方は、事務職の種類を変えたり、他業界の事務職の仕事を探すことを検討してみてはいかがでしょうか。
2.転職エージェントでキャリアを一緒に考えてもらう
事務職以外の仕事にチャレンジしたい人には、転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントなら、客観的な目であなたの適性やスキルを判断し、キャリアプランや目指す方向性を一緒に考えてくれるからです。
一人で転職活動をしていると、視野が狭くなり、誤った判断をしてしまうことも。
転職エージェントでは、「そもそも転職をしたほうがいいのか?」というところから相談にのってもらえるので、「転職したい気持ちはあるけど迷っている」という人は、ぜひ利用してみてください。
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まとめ
事務職から他職種に転職した経験がある456人にアンケートを実施したところ、転職理由は「他の職種に興味があった」「仕事内容への不満」が上位でした。
事務職を辞めて他の職種についた人のうち86.0%が転職に満足しており、転職への満足度は高め。
事務は人気職種ですが、実は「事務からの転職を目指す人」「事務職から他職種に転職して満足している人」もたくさんいます。
事務職を辞めたい人は、転職サイトなどで「興味を持てる職種」「かつて憧れていた職種」の求人を探してみてはいかがでしょうか。
事務職への転職を希望している人も、「何が何でも事務!」と思い込むのではなく、一度「本当に事務が向いているか」「事務以外の職種への適性はどうか」を考えてみるのもいいかもしれません。
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