
- すべての条件にハマった転職先がなかなか見つからない…
- 転職先の条件を妥協すべきなのだろうか?…
- 妥協した結果、後悔するハメになったら嫌だしなぁ…
- けど、転職先を早くきめないと色々とヤバイし…
理想の条件を兼ね備えた転職先が見つからず、妥協して良いのかどうか迷う人も多いと思います。
今回は転職経験がある男女500人を対象にアンケート調査を実施し、「転職先の条件で妥協したこと」や「妥協した理由」を調査しました。
- 調査対象:転職経験がある人
- 調査日:2021年2月26日~27日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査人数:500人(女性327人/男性173人)
上記の調査結果とあわせて、転職先の条件で妥協すべき点と妥協してはいけない点の見極め方も解説しています。
転職先の条件に妥協するべきなのかどうか迷っている人の参考となれば幸いです。
転職先の条件に妥協をした人は約8割
「転職するにあたり、転職先の条件で妥協した点はありますか」と質問したところ、79.2%と8割近くの人が「妥協した点がある」と回答しています。
収入・立地・勤務条件など、すべてが揃ったパーフェクトな職場を見つけるのは難しいことがわかります。
【500人に聞いた】転職先の条件で妥協した点ランキング
転職経験者500人に「転職時にどのような点を妥協したのか」を聞いた結果、2位に倍以上の差をつけて1位になったのは「収入額(173人)」。
希望の月収・年収額を貰える転職先探しを諦めた人が多いとわかる結果となりました。
2位は、出勤日や勤務時間などの「就業時間・曜日(79人)」、3位は立地や交通の便などの「勤務地・通勤時間(72人)」と続きます。
転職で妥協した点の上位3つは、主に勤務条件に関わる内容が上位に並びました。
以降、4位「業種・職種内容(34人)」、5位「雇用形態(21人)」、6位「福利厚生(14人)」、7位「会社の規模・知名度(10人)」の結果に。
では、各ランキングの解説とあわせて具体的な回答をご紹介します。
1位 収入額
「収入額について妥協した」と回答した人がダントツの1位。
- 月収25万円を望んでいましたが、19万円の手取りで妥協(男性、29歳で転職)
- 中途採用だったが、給与や新卒と同じところからスタートだった(男性、36歳で転職)
「転職して収入が減ってしまった」「年収アップを狙ったが、希望額に届かなかった」といった回答が多数。
時給や月収額のほか、ボーナスの有無について妥協したという人もいました。
2位 勤務時間・曜日
「勤務時間・曜日や休日」について妥協した人が2位でした。
- 土日休みがよかったが、火曜と水曜休み(男性、23歳で転職)
- フルタイムで働きたかったが、時短で妥協した(女性、35歳で転職)
「土日休希望だったが、平日休みの職場で妥協した」とか「カレンダー通りに勤務したかったが、シフト勤務になった」などの意見が寄せられました。
勤務開始時間や終業時間について妥協したという人もいました。
3位 勤務地・通勤時間
「職場の立地や通勤時間に妥協した」と回答した人が3位。
- 地元を出て関東圏での転職を検討していたが、妥協しました(男性、26歳で転職)
- なるべく自宅近くで働きたかったが、通勤時間1時間10分程度かかるところに転職(女性、40歳で転職)
「通勤時間が希望より長くなってしまった」とか「電車一本で通いたかったが、乗り継ぐことになった」といった回答が寄せられました。
また「自宅近くで働きたかったのに、勤務地が遠くなってしまった」という声が多かったものの、中には「地元を離れたかったが、できなかった」といった回答もありました。
通勤に関しては「車通勤したかったが、電車通勤になった」など、「職場への交通手段」を妥協したと答えた人も8位(9人)に入っています。
4位 業種・職種内容
「やりたい業種や職種を諦めた」という人が4位でした。
- 製造業へ転職しましたが、本当は住宅の建築関係の仕事がしたかった(男性、29歳で転職)
- キャリアチェンジを考えていたが、前職に近い職種に妥協した(女性、32歳で転職)
「未経験や無資格での転職は厳しい」という業種や職種も、やはりあります。
また「業界全体の給与水準が低かったから諦めた」という回答もあり、やりたいことよりも収入などの他条件を優先した人もいるとわかります。
5位 雇用形態・雇用期間
5位は「希望とは違う雇用形態・雇用期間で転職した」という人たちでした。
- 本当は長期の仕事がよかったけれど、短期の仕事でもないよりはマシと受け入れた(女性、27歳で転職)
- 正社員で働きたかったが、フルタイムのパートで妥協した(女性、48歳で転職)
正社員を希望していたものの「契約社員」「派遣社員」「パート」といった非正規雇用になったという人が多数いました。
6位 福利厚生
「福利厚生の充実度」で妥協したという人が6位でした。
- 無料の駐車場がある会社が良かったが、無料ではなかった(女性、21歳で転職)
- 健康診断や交通費支給など福利厚生が良いところを希望していたが、それらがないところに転職(女性、30歳で転職)
希望していた福利厚生の内容としては「社会保険」「通勤手当」「リフレッシュ休暇や有給休暇の日数」「住宅手当」「健康診断あり」などがあがりました。
7位 会社の規模・知名度
「会社の規模・知名度の高い会社への転職を諦めた」と回答した人が10人で7位でした。
- 大手企業をあきらめ中小企業にした(男性、28歳で転職)
- せめて中小企業に就職したかったが、従業員6人の零細企業だった(女性、28歳で転職)
大手企業や有名企業は人気なので、応募者が多数集まり、採用は狭き門となります。
また、希望する業界トップ企業に転職できた人からも「大きな支店での勤務を希望していたが、小規模支店への配属を受け入れた」と、「大きな事業所での勤務が叶わなかった」という回答が寄せられました。
転職先の条件を妥協した理由ランキング
転職先の条件を妥協した理由を質問したところ、回答は以下の結果となりました。
転職先の条件を妥協した理由ランキングのダントツの1位は「他の希望条件を優先した(221人)」。
「収入時間」「通勤時間」「勤務日」「仕事内容」など、いくつかの希望条件を天秤にかけて「他の条件は満たしているし、この条件については妥協しよう」と考えたようです。
2位には「早く転職したかった(51人)」が入りました。
続く3位に「妥協しないと転職できなさそうだった(38人)」、4位「他に求人・転職先がなかった(26人)」など、やや消極的な声がランクイン。
以降、5位「許容範囲だった(14人)」、6位「悪条件の理由に納得できた(13人)」、7位「時間が経てば解決する(9人)」の結果となりました。
全体的に、転職に対する焦りや不安の気持ちから妥協した理由が多くなっています。
では、各ランキングの解説とあわせて具体的な回答を紹介します。
1位 他の希望条件を優先した
「希望に満たない条件はあるものの、それ以外の条件を優先して妥協した」という人が圧倒的多数となりました。
- 通勤の条件以外は理想に近かったため妥協しました(女性、22歳で転職)
- 業務を問わず、その会社で働きたかったためです(男性、31歳で転職)
- なるべく給与は下げたくなかったですが、それよりも働きやすさを重視しました(女性、41歳で転職)
「仕事内容にやりがいがある」「その会社に入りたかった」「家から近い」「子育てしやすい」「正社員になれる」「収入」など、優先した条件はさまざま。
希望条件のすべてを満たす職場を見つけるのは難しいので、転職の際には、あらかじめ条件の優先度を決めておくとよいですね。
2位 早く転職したかった
「早く転職したくて、希望に満たない職場で妥協した」という人が2位でした。
- 人間関係が嫌ではやく転職したかったから(女性、28歳で転職)
- 決められた期間に転職しないと、保育園を退園させられてしまうため(女性、40歳で転職)
- 生活が厳しくなり、早く仕事に就けるところを優先したため(男性、48歳で転職)
早く転職先を決めたかった理由は「生活のため」「早く前の職場を辞めたかった」「無職の期間をつくりたくなかった」「子どもが保育園に在籍できるように」など。
転職活動できる期間に期限があったり、転職活動が予想より長くなって生活費が心配になったりすると「早く決めたい」と思って妥協する人が多いようです。
3位 妥協しないと転職できなさそうだった
3位は「妥協しないと転職できなさそうだった」でした。
- 自転車通勤できるところがよかったのですが、近くに求人が無かったため通勤範囲を広げなければなりませんでした(女性、24歳で転職)
- なかなか転職先が見つからず、ここで妥協しないと仕事が見つからないと思ったから(女性、26歳で転職)
- 落選が続き、能力的に高望みだったと気づいたため(男性、30歳で転職)
希望勤務地や希望職種の周辺の求人が少なかったり、落選が続いたりすると「思ったより転職市場は厳しいぞ」と実感します。
厳しさを感じ、希望条件を下げたという人が多くなりました。
4位 他に求人・転職先がなかった
「他に求人・転職先がなかった」という人が4位。
- 転職当時、他にいい条件の求人がなかったため(女性、24歳で転職)
- そこしか就職先が見つからなかったから(女性、44歳で転職)
不景気だったり地方だったりで、求人数や働き口が少ない環境だと、「働けるだけでもありがたい」「ここを逃すと次がない」と感じるので、妥協してでも決めたくなりますよね。
5位 許容範囲だった
希望条件には満たないものの「許容範囲だった」という人が5位になりました。
- 通勤時間が合計30分を越えなかったため妥協した(女性、29歳で転職)
- 交通費が実費の半額しか出ないのと出勤が朝早いですが、妥協部分がこれくらいなら御の字(男性、60歳で転職)
「これくらいなら仕方ないか」「交通費が半分出るならいいか」と納得した人が多くなりました。
転職活動にあたっては「希望月給は25万円で、低くても20万円以上は欲しい」「所要通勤時間の理想は30分だけれど、長くて45分まで」など、許容範囲を決めておくのも良さそうですね。
6位 悪条件の理由に納得できた
「未経験での転職だから、どうしても月給は少なくなる」など、「悪条件の理由に納得できた」という人が6位。
- 初めて経験する業種・職種だったので、しょうがないと思った(女性、26歳で転職)
- 不景気だったので業種を妥協(女性、34歳で転職)
「業界全体として土日祝の休みがないのが通例だから、休日については妥協した」といった回答もありました。
7位 時間が経てば解決するから
7位は「時間が経てば解決するはずだから、妥協した」と回答した人たちでした。
- 通勤距離に関しては、どうせ結婚したら変わるだろうと思ったので(女性、23歳で転職)
- 将来的には正社員登用を前提としての契約社員契約と言われたので(男性、36歳で転職)
具体的には「最初は契約社員だけど、正社員登用前提」「昇給予定がある」とか、「引っ越す予定があるから、通勤時間についてはのちのち解決できる」など。
転職当社は希望に満たなくても、将来的には希望を満たせると予想して入社したようです。
転職先に妥協した場合と妥協しなかった場合それぞれの満足度
「転職先に満足していますか?」と質問したところ、回答は次の結果となりました。
転職にあたって妥協していない人は92.3%が「満足」と回答、妥協した点がある人は、71.0%の人が「満足」と回答しています。
転職先に妥協していなかった9割以上の人が満足していることに対して、転職先に妥協した人の約3割の人が何かしらの不満を抱えていることがわかります。
「妥協した理由」別に満足度を調べてみると、「他の希望条件を優先した」人は比較的満足度が高く、「他に求人・転職先がなかった」という人は満足度が低くなりました。
選択肢が少ない中から選ぶと、「希望条件をほとんど満たしていない」ような仕事に就いてしまうこともあり、満足度が低くなりがちなのだとわかります。
転職先の条件で妥協すべき点と妥協してはいけない点の見極め方
絶対に叶えたい優先順位の高い条件は妥協すべきではない
絶対に叶えたい優先順位の高い条件は、妥協すべきではありません。
なぜなら、転職後に後悔する可能性が高いからです。
転職を考える際、なぜ転職をしたいのか動機がありますよね。
たとえば、給料が低すぎて生活もままならないから、収入アップの転職を希望しているとしましょう。
しかし、収入面を妥協して以前と変わらない待遇で転職した場合、一番の転職動機であった収入アップは叶わず、生活も改善されません。
・・・結果、再転職を検討することになってしまいかねません。
まずは「なぜ転職したいのか」動機をはっきりさせ、希望する転職先の条件について書き出してみてください。
- 優先度1位 給料アップ(※絶対に譲れない)
- 優先度2位 英語を使う仕事ができること
- 優先度3位 ボーナスがあること
- 優先度4位 通勤時間は40分以内
- 優先度5位 教育体制が整っていること
条件が出揃ったら、絶対に譲れない条件を決めておくと、妥協するべきか見極めやすくなりますよ。
もちろん、すべての条件を満たす転職先はないので、優先順位をつけておきましょう。
優先順位の低い条件なら妥協しても後悔は少ないですよ。
- 教育体制は整っていないが、優先順位の高い条件はすべて満たしている。
- 自分で勉強すればいいから教育体制が整っていない点は妥協しよう。
妥協することでストレスや心身の負担にならないか見極める
妥協することでストレスや心身の負担にならないか見極めましょう。
なぜなら、体調を崩して休職や退職に追い込まれてしまう可能性があるからですね。
たとえば、子どものいる人が以下の点を重視して転職したとします。
- 育児と仕事の両立
- 通勤時間は30分以内
給料・仕事内容は希望以上で申し分なし。
しかし、通勤時間が1時間半と大幅に希望条件を越えていたにも関わらず、妥協して転職を決めました。
すると通勤時間が増えたことによって、子どもと過ごす時間は減少。
育児どころか家事もおろそかになり、時間に追われる毎日にイライラするように。
さらに通勤の負担も大きく、体を壊してしまい最終的に退職してしまうという結果に。
上記はあくまでも例えですが、ストレスや心身の負担につながりそうな妥協はおすすめできません。
転職エージェントに相談して見極めてもらう
- 「自分では妥協していいのか判断できない」
- 「条件面の優先順位が決められない」
自分自身で妥協するべきか見極められない人は、転職エージェントに相談するのもアリですよ。
条件面で「妥協すべき点」「妥協してはいけない点」について、転職のプロであるキャリアアドバイザーにアドバイスしてもらえるからですね。
複数登録するといろんなアドバイザーに相談できるので、納得できる妥協点も見つかるでしょう。
また、妥協をしたとしても満足できる転職をサポートしてもらえるのが、転職エージェントを活用するメリットです。
キャリアコンサルタントの国家資格保有者が多数在籍。
【公式】https://doda.jp/
さまざまな業種・職種に精通。
【公式】https://www.r-agent.com/
丁寧なヒアリングときめ細やかなサポートあり。
【公式】https://pasonacareer.jp/
まとめ
転職経験のある500人のうち8割近くが「転職にあたり条件で妥協した点がある」と答えました。
転職に妥協した点の1位はダントツで「収入額」で、妥協した理由は「他の希望条件を優先した」が1位でした。
転職に満足している人は全体の75.4%で、「妥協したことがある人」の満足度も71.0%と比較的高い結果になりました。
すべての条件を満たす職場が見つかればラッキーですが、現実にはなかなか難しいですよね。
そのため、いくつかの希望条件を天秤にかけて折り合いをつけ、妥協した点があっても「他の条件は満たしているから、まあ満足」と感じている人が多いとわかりました。
ただし、転職先への希望条件を妥協して後悔するケースもあります。
「絶対に叶えたい優先順位の高い条件」や「ストレスや心身の負担になる条件」の妥協はおすすめできません。
自分自身で妥協するべきか見極められない人は、転職エージェントへの相談も選択肢のひとつと言えるでしょう。
当記事はキャリアコンサルタントの『Doublee Consulting.』中村ゆみ氏に監修いただいております。

Doublee Consulting.中村ゆみ氏
国家資格キャリアコンサルタント(19039435)
マーケティング会社を経て、インナーコミュニケーション、組織活性施策の重要性を実感する。
働く一人ひとりのキャリアと、組織成長の関係を研究テーマとし、働くひとと組織の悩みに対する支援を行う。個人相談と組織内施策展開の両面での課題解決を目指す。