海外旅行でロシアのモスクワへ行きたいと思う方へ必ず役立つと思う便利グッズは何なのか?ロシアのモスクワへ8年間住んでいた男性へインタビューさせていただきました。
ロシアはずっと極寒のイメージがあるのですが実際のところどうなんでしょうか?
ロシアは時差ゾーンが6つに分かれるほど大きな国ですので、極寒のところもあればそうでないところもあります。
わたしが住んでいたモスクワは「ヨーロッパロシア」と呼ばれ、ロシアの中でも比較的あたたかいエリアになります。夏は30度を超える日もあり、冬はマイナス20度くらいになる日もあります。
モスクワにも日本のような四季がありますが、モスクワの四季は冬が長く、夏が短いです。
1年の約半分が冬になります(11月~3月)。
夏は7月~8月の2か月ほど。
残りが春(4月~6月)と秋(9月~10月)になります。
では、それぞれの季節で旅行へ行くなら便利なグッズを教えてください。
ロシア・モスクワだから特別な持ち物が必要ということはないです。冬だけちょっと寒いくらいで、ヨーロッパや北欧の海外旅行と同じようなイメージで想定してもらえれば大丈夫です。
それでは具体的に4月~6月(春)におすすめの便利グッズについて教えてください。
ロシアモスクワの「4月~6月」は、まさに日本の春のような気候です。長い冬が終わり、新緑が芽を出し、さわやかな気候に変わってきます。
気候的な特徴としては「白夜」。5月くらいから日が延びて、夜遅くまで明るくなります。
首に巻けるショール
この春の時期の便利グッズとしては、「首に巻けるショール」が1枚あると便利です。モスクワの春は、日中はあたたかいが朝晩は冷え込むといった気候なため、服装の調整がむずかしい時期となります。
ですので、ちょっとした防寒対策にも使え、おしゃれにも使える「首に巻けるショール」があると重宝します。空港や飛行機の機内でも使い勝手がいいですしね。
それでは次に7月~8月(夏)におすすめの便利グッズについて教えてください。
モスクワの夏は30度くらいまでいく日もあるほど暑くなります。日本のように湿っていないので気持ちいい暑さですが、日差しはやっぱり強い!そのため日焼け、日よけ対策はマストですね。
モスクワにあった日焼け対策アイテム
ただ、日本の日焼け対策をそのままモスクワでやるのはあまりおすすめしません。
日本人観光客がやりがちなのは、日傘、黒いアームカバー、つばの大きい帽子などを使うこと。これらのアイテムを使うと、とにかく目立つため観光客まる出しで危険です。
もちろんロシア人はほとんど使っていませんからね。日焼け止めを塗って、サングラスをするくらいでOKです。
日本用の虫除け薬
あとは虫よけ対策もしておくといいでしょう。ロシアは日本と比較して格段に緑が多いため蚊をはじめとする虫も多いです。
ロシアで虫よけを購入してもいいのですが、ロシア人向けで威力が強めなので肌に合わない人も多いです。日本から使い慣れた愛用の薬を持参するといいでしょう。
口が締まるバッグ
あと、ファスナーなどでちゃんと口が締まるバッグもあったほうがいいですね。夏は薄着になり、開放的になるので、モスクワでもスリが活発化します。
ポケットにむき出しで長財布のような貴重品、スマホなどを突っ込んでいたりすると、狙ってくださいと言っているようなものです。
女性でも、日本と同じ感覚でバッグの口を開けっぱなしにしているかたを多く見かけます。人が多い場所はもちろん、オープンカフェなども注意です。
最後に11月~3月(冬)におすすめの便利グッズについて教えてください。
1年の半分は冬というモスクワ旅行で防寒対策をしっかりするのは当たり前です。ダウンウエアやヒートテック、使い捨てカイロといった通常の旅行でも持参する防寒対策はもちろん必須。
そのうえで、以下のものをポイントとして挙げておきます。
防寒対策にニット帽
帽子はマスト。かぶっていないと、ロシア人に「死ぬぞ」と注意されます(笑)
ロシアでの防寒対策の基本は頭からです。頭さえしっかり防寒しておけば、なんとかなります。ロシア人がかぶっているイメージが強い毛皮の帽子などは不要です。あれは動物臭が強く頭が臭くなります(笑)
最近のロシア人はあまりかぶっていませんし、ニット帽で十分です。
雪道対策にブーツ
モスクワの道は雪が中途半端に溶けていてぐずぐずの場所が多いです。履物はブーツがベストで、女性ならムートンブーツなどがおすすめですね。
ローカットのスニーカー(とくに布製)などはやめておいた方が無難です。せめてハイカットの靴を履くようにしましょう。
マスク代わりのマフラー
ロシアでは、日本人の冬の定番マスクはしないため、日本人が白いマスクをして歩いていると、観光客まる出しでカモです。ですので、マフラーを口の周りに巻いてマスク代わりに使うのがベターですね。
脱いだり着たりしやすい服装
ロシアはセントラルヒーティングなので、どこの建物のどこの部屋に入っても暖房がガンガン効いています。場所によっては、半そででも大丈夫なくらい室内が暑かったりします。
脱いだり着たりしやすい服装をチョイスしておくのがいいでしょう。
乾燥対策用の保湿クリーム
ロシアと日本の冬の大きな違いは湿気です。ロシアはとにかく乾燥しているため、冷蔵庫の中にいるような寒さなのです。
寒さの質が違うので、全身にたっぷり使えるような保湿クリームなどがおすすめですね。
ちょっとしたドレッシーな服や靴
ロシアの冬は、芸術を楽しむ季節でもあります。街中の劇場で毎日のように、バレエやオペラなどが楽しめます。
バレエやオペラは社交場でもあるため、ジーンズ・スニーカーで行くのはおすすめできません。そんなときにちょっとしたおしゃれでドレッシーな服や靴があると重宝します。
バレエやオペラの劇場で気後れすることありませんからね。モスクワやサンクトペテルブルクは、ヨーロッパの文化が色濃く残っています。
観光客であっても、その文化をできるだけ崩さない配慮が必要です。
一年を通じてどの時期に行く場合でも持っていきたい便利グッズについて教えてください。
使い慣れたシャンプー&トリートメント
ロシアの水道水は、基本的には飲み水ではありません。硬水で石灰が多く含まれています。
髪の毛が弱い人がその水で洗うと、キシキシになってしまうことがあります。
シャワーの水自体は変えられないので、最低限の対策として使い慣れた日本のシャンプー&トリートメントを持参することをおすすめします。
パスポートカバー
ロシアで出歩くときは、常にパスポートを持参します。街中で観光客に警官が声をかけてきてチェックすることはよくあります。
そのときに、パスポートを持っていないとやっかいなことになります。(身元確認だけでなく、パスポートにビザが張りつけられているため)
そのパスポートを、「日本国」と書かれた表紙がむき出しで持っていたりするのもよくありません。
パスポートカバーをしていることで、どこの国のパスポートかをカモフラージュできるし、汚れ防止にもなります。
ダイソーやセリアなどの100均で売っているもので十分です。
ロシア語対策にグーグル翻訳アプリ
ロシアでは、首都モスクワでも英語があまり通じません。街中でも、ほとんどの看板がロシア語表記です。
ですので、グーグル翻訳などのアプリを入れておきましょう。
グーグル翻訳アプリに実装されている「リアルタイムカメラ翻訳」なども使いこなせるようにしておくと便利です。
折りたたみできるエコバッグ
ロシアでは、スーパーの袋は有料なため、折りたたみできるエコバッグなどを持っていると、荷物を入れられるだけでなく、ちょっとした買い物のときは節約できて便利です。
ヨーロッパCタイプの電源アダプター
ロシアでは、日本の電源とプラグの形が違うため、スマホの充電器をはじめとする電気製品をそのままつなげることはできません。
差し込む部分が2本で丸い「ヨーロッパCタイプ」を持参しましょう。電圧は220Vです。
パスポートとビザのコピー
便利グッズではないですが、パスポートとビザのコピーは必需品として用意しておいたほうがいいでしょう。現地のホテルにチェックインするとき、パスポートを預けます。
ホテルによっては、返却がかなり遅い場合があるのですが、観光に出かけたい場合にずっと待っているわけにはいきません。
そんなとき、パスポートとビザのコピーがあれば、もし外出時に警官に声をかけられてもなんとかなります。
■今回取材させて頂いた方のプロフィール:中西賢一
1997年から4年、2005年から4年、約8年モスクワに在住。現地にて、ホテル、レストラン、マスコミ関係の仕事を経験。現在もロシア関連のコーディネートなども行うロシアウォッチャーでもある。ロシア以外にも数多くの場所を旅した経験を元に作られた人気旅行ブログ「Trip-Nomad」の運営者でもある。
趣味はサウナ、週1~3回ペースで通っている生粋のサウナー。サウナに通った体験談をまとめた「俺のサウナ」も運営している。