派遣会社のブラックリストに載る原因と載ってしまったときの対処方法を紹介

派遣会社のブラックリストにのる原因
  • 「派遣会社にはブラックリストがあるって聞いたけど本当?」
  • 「最近、全然仕事が紹介されなくなったのはどうして?」
  • 「ブラックリストに載ったらどうすればいいの?」

派遣会社の「ブラックリスト」の存在について聞いたことがあり、「本当にあるの?」と心配な人もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、ブラックリスト、もしくは類似する評価表が存在します。

派遣社員には一人ひとりに評価表があって、ここに記載される評価が悪いと、「ブラックな派遣社員」のひとりとしてリスト化されてしまうからです。

※「ブラックリスト」という名称を使うかどうかは派遣会社ごとに異なります。

当記事の作成にあたって、派遣社員として働いたことがあり、ブラックリストは存在すると思っている60人に「なぜブラックリストがあると思うのか」のアンケートを実施しました。

なぜブラックリストがあると思うか

アンケートの結果を見ると、「派遣担当者に聞いた」「一緒に働いていた人に聞いた」「実体験からあると感じる」と回答した人が42人、全体の70%を占めています。

中でも、「派遣担当者に聞いた」という回答した人が60人中20人と3人にひとりいることは「信憑性が高い」と言えますよね。

上記結果から、「ブラックリストは存在する」と言えるのではないでしょうか。

ブラックリストがあるとわかったら次は、「どんなことをするとブラックリストに載るのか?」と知りたい人もいるでしょう。

当記事では

  • ブラックリストに載ってしまう原因
  • ブラックリストに載ってしまったときの対処方法

について解説していきます。

この記事を最後まで読むことで、派遣会社のブラックリストの存在に怯えることなく、派遣社員として働けるでしょう。

ブラックリスト(評価表)には勤怠などの勤務情報が書かれている

「評価表=ブラックリスト」になるとわかりましたが、評価表にはどんなことが書かれているのでしょうか。

「評価表」は、派遣会社によって内容や評価段階はさまざまですが、欠勤や遅刻などの勤怠や勤務情報が書かれています。

「なんでそんな評価表があるの?」

と疑問を持つ人もいるかと思います。

評価表がある理由は、派遣担当者が変わっても情報共有できるようにするためですね。

また、派遣社員のモチベーションアップのためでもあります。

良い評価をされれば誰でもやる気になりますよね。

派遣会社によって違いはあるものの、評価表には主に次のようなことが書かれています。

  • 勤務状況(欠勤・遅刻・私用外出の有無)
  • 協調性
  • 積極性
  • 責任感
  • ルールを守っているか
  • 報告ができているか
  • 業務の正確さ
  • 業務の迅速さ

上記の項目の評価が悪いとブラックリストに入ってしまう可能性は高くなります。

ブラックリストへの掲載が考えられる原因

「どういうことをするとブラックリストに載ってしまうのかな?」

派遣社員で働いている人は不安に思いますよね。

当記事では、派遣社員として働いたことがあり、ブラックリストはあると持っている60人に「自分がブラックリストに載ってしまったことがあると思うか」アンケートを行いました。

自分がブラックリストに載ってしまったことがあると思うか
アンケートの結果を見ると半数近くの24人が「載ってしまったことがあると思う」と回答。

さらに、思い当たる原因を聞いたところ、次のような回答を得られました。

思い当たる原因 人数
無断欠勤や遅刻・早退が多かった 9人
ミスやトラブルを起こしてしまった 6人
契約途中で辞めた 4人
派遣担当者に文句や要求が多かった 4人
スキルがなかった 2人
態度が悪かった 1人

アンケートの結果から、「派遣先企業に迷惑をかけてしまう」とブラックリストに載ってしまう可能性は高いとわかりますね。

以下、ブラックリストへの掲載が考えられる原因となります。

  • 契約の途中で突然辞める(バックレる)
  • 採用が決まったのに直前で辞退する
  • 顔合わせなどの予定のキャンセルが続く
  • 資格や学歴にウソを書く
  • 遅刻や早退、欠勤が多い
  • 派遣先企業でトラブルを起こす
  • 違反行為をした
  • 営業担当者への文句やわがままが多い

上記に挙げた内容をそれぞれ解説していきます。

契約の途中で突然辞める(バックレる)

アンケートの回答にもありましたが、1回でもやってしまうと即ブラックリストに載るのは、「契約の途中で突然辞めること」、いわゆるバックレです。

なぜなら、契約違反になるからですね。

派遣社員は3ヶ月、6ヶ月などの期間を決め、企業に派遣されて働く契約となっています。

突然辞められてしまえば、派遣先企業に多大な迷惑がかかってしまいます。

無断退職は当然のこと、電話やメール一本で「辞めます」と言うのもNGです。

契約途中に仕事を辞めたくなるようなことが起きたときには、営業担当者に相談しましょう。

バックレると具体的にどのようなことが起こるかについては、「派遣先の仕事をバックレるとどうなるのか?無断欠勤のリスクとその後の対処方法も合わせて紹介」の記事を参考にしてください。

採用が決まったのに直前で辞退する

採用が決まったのに直前で辞退をする行為も、即ブラックリストに載ってしまいます。

なぜなら、派遣会社や派遣先企業が費やした時間や労力すべてが無駄になってしまうからですね。

派遣先企業にしてみれば、人手が欲しいから派遣会社に依頼しているのに、直前で辞退されてしまっては、また一からやり直しになってしまいます。

採用後の辞退は、派遣会社にとっても派遣先企業にとっても、それまでに費やした顔合わせの時間や選考の時間など、すべてが無駄になってしまう迷惑行為だと覚えておきましょう。

顔合わせなどの予定のキャンセルが続く

派遣会社の登録派遣先企業との顔合わせなど、予定のキャンセルが続くと、ブラックリストに載ってしまう可能性は高くなります。

なぜなら、日にちや時間が決まった予定は、相手もその時間の予定を空けているからですね。

来るはずの人が来ないと、約束をしていた相手も時間が空いてしまいますよね。

1回のキャンセルでブラックリストに載る心配はありませんが、何度も続けば信頼がなくなり、ブラックリスト入りする可能性は高まります。

また、あまり働く意欲がないとも思われてしまいます。

約束した予定はよほどのことがない限りましょう。

履歴書にウソの資格や学歴を書く

派遣会社に提出する履歴書にウソの資格や学歴を書いたとバレるとブラックリストに載ってしまいます。

なぜなら、本当に資格や学歴があるかよりも、ウソを書く人間性が問題となるからです。

バレた場合はブラックリストに載るだけでなく、派遣先企業とは契約解除、派遣会社からは登録抹消されてしまいます。

ウソの経歴を書いてもプラスになることはないので、履歴書は正直に書くようにしましょう。

派遣社員と学歴については、「中卒や高卒と学歴が低くても派遣社員になれる理由と派遣登録時の注意点」の記事を参考にしてください。

遅刻や早退、欠勤が多い

「無断欠勤や遅刻、早退が多い」とブラックリストに載る可能性は高いです。アンケートでも一番多い原因でした。

なぜなら、欠勤や遅刻・早退が多いと、予定通りに仕事が進まず、派遣先企業に迷惑がかかるからですね。

無断欠勤はもちろんダメですが、連絡を入れたとしても「月に2回以上の遅刻や早退、欠勤」があるとブラックリスト入りする可能性が高くなります。

もし、無断欠勤をした場合、安否確認のために派遣会社から連絡がつくまで電話やメールがくるだけでなく、営業担当者が自宅に来ることもありますよ。

「ズル休み」や「寝坊による遅刻」以外にも、アンケートでは「体調不良による遅刻や早退が多かった人」もブラックリストに載ったと回答しています。

仕事を休まなければいけない病気になってしまったときは、派遣会社の担当者へ相談をおすすめします。

派遣先企業でトラブルを起こす

派遣先企業でトラブルを起こすとブラックリストに載ってしまいます。

なぜなら、他の会社に派遣したとしても同じトラブルを起こすのではないかと思われるからですね。

アンケートでは、ブラックリストに載ってしまったと思う原因の2番目に「派遣先企業でトラブルを起こした」という回答が入りました。

「トラブルを起こした」と答えた人が具体的に起こしたトラブルは2つありました。

  • 仕事で大きなミスをした、ミスが多かった
  • 派遣先企業の社員と揉めた

派遣先では即戦力を求めているため、ミスの多さは「能力がない」「スキル不足」とみなされマイナス評価になります。

また、派遣先で人間関係のトラブルと起こせば「協調性がない」と思われますね。

派遣社員には、正社員で働く人よりも協調性や忍耐力が必要となります。

違反行為をした

派遣先の企業秘密を漏らしたなど、違反行為をするとほぼブラックリストに載ります。

なぜなら、違反行為をした人を雇っていることは、企業にとって大きなリスクになるからです。

例えば、派遣先企業で得た個人情報を漏洩してしまったとしますね。

その個人情報が悪用されれば、会社が潰れてしまうかもしれないくらい大きなリスクとなり得ます。

さらに、派遣会社や派遣先企業は派遣社員の管理責任を問われてしまいます。

1回でも違反行為をしたら、同じ派遣会社や派遣先企業では働けないと思いましょう。

営業担当者への文句やわがままが多い

派遣会社の営業担当者に対して、文句や無理難題を言うなどの行為をするとブラックリストに載ってしまいます。

面倒な人だと思われてしまうからですね。

実際、アンケートでもブラックリストに載ってしまったと思う原因の3位に「派遣担当者に文句や要求が多かった」が入っています。

回答者が、どのようなことをしてしまったのか紹介します。

  • 休憩時間や、契約時の内容と実務が違っていることなど、細かい質問を営業担当に問い合わせさせてしまった。
  • いろいろな要求を言ってしまった
  • 派遣先の文句を営業担当者に言ってしまった
  • 営業担当が仕事しないことを派遣会社にクレームを入れた

派遣会社の担当者も人間なので、文句や要求が多いと「イラッ」としてしまうのはわかりますよね。

また、派遣する側からすると、文句や要求の多い人を派遣してトラブルを起こされても困るというのが本音です。


いかがでしょうか?

原因となりうる数は多いですが、どれも社会人として基本的なことばかりですよね。

上記のような理由で派遣先企業に迷惑をかけてしまった場合、派遣会社だけでなく派遣先企業にも要注意人物としてブラックリスト入りしてしまう場合もあります。

派遣先企業のブラックリストに載ってしまうと、次のようなことが起こります。

  • 契約更新をしてもらえない
  • 試用期間が終わったあとに採用してもらえない
  • 他の派遣会社からエントリーしても書類審査が通らない

ブラックリストに載ると、その派遣先企業で採用されることはありません。あきらめて他の派遣会社に行きましょう。

ブラックリストに載ったことは教えてもらえない

「自分がブラックリストに載ったことはわかるのかな?」

と思う人もいると思います。

結論から言うと、ブラックリストに載っても派遣会社から教えてもらえることはありません。

ブラックリストに載ったことを教えない理由は、派遣社員とのトラブルを避けるためです。

では、ブラックリストに載ってしまうとどのような変化があるのでしょうか。

「自分はブラックリストに載ったことがあると思う」と答えた24人に、「どうしてブラックリストに載ったと思ったか」を聞いてみました。

ブラックリストに載ると起こること

アンケート結果を見ると、24人中15人が「紹介が来なくなった」と回答しました。

次の項目では、ブラックリストに載ったとしたらどんなことが起こるのかを解説します。

仕事を紹介されなくなる

アンケートの結果からもわかるように、仕事の紹介が来なくなります。

なぜなら、ブラックリストに載るような人には仕事を紹介したくないからですね。

アンケートでも次のような意見がありました。

  • ひっきりなしにあった仕事の依頼がいきなりなくなった
  • 大量募集の案件でも声がかからなくなった
  • 電話がかかって来なくなった

無断欠勤してしまった、派遣先でトラブルを起こしてしまったなどの心当たりがある人で、派遣会社から仕事の紹介が来なくなった人は、ブラックリストに載ってしまった可能性が高いと思ってください。

エントリーしても断られる

ブラックリストに載ると、仕事にエントリーしても断られてしまいます。

理由は、先ほどと同じでブラックリストに載るような人を派遣先企業に紹介したくないからですね。

エントリーしても「他の人に決まりました」「お仕事の紹介が難しい」といったメールで断られるようになります。

特に、今まではすんなり決まったような仕事がメールで断られるようになった場合は、ブラックリストに載った可能性が高いと言えます。

ただし、営業担当者から直接電話で断られたときには、ブラックリストに載っていないかもしれないので、次の仕事へチャレンジしてみましょう。

担当者が避けるようになる

ブラックリストに載ると、派遣会社の担当者に避けられるようになります。

なぜなら、話をしても紹介できる仕事がないからですね。

実際にアンケートでも

  • 冷たくあしらわれるようになった
  • 対応が非常に遅く、曖昧な返答しかなくなった
  • 担当者と連絡がつかなくなった

という意見がありました。

電話をしてもいつも留守だったり、連絡はついても「後で連絡しなおす」と言われたまま連絡が来ない場合は、ブラックリストに載った可能性が高いと思いましょう。

ブラックリストは無期限掲載で消えることはない

クレジットカードや消費者金融の借り入れ滞納によるブラックリストは、第三者機関によって掲載期間が決まっています。

そのため、

「ブラックリストに載っても、ある程度の期間が過ぎれば消えるんでしょ」

と多くの人が思うのではないでしょうか?

実際は、ブラックリストは無期限掲載では消えません。

また同じトラブルを起こす可能性のある人を、わざわざブラックリストから外す理由がないからです。

それでは、ブラックリストに載ってしまったときはどうすればいいのでしょうか。

ブラックリストに載ってしまったときの対処方法を紹介します。

他の派遣会社に移る

派遣社員として働きたいのなら派遣会社を変えるしかありません。

なぜなら、ブラックリストに載ってしまうと、仕事を紹介してもらえなくなるからですね。

ブラックリストに載ってしまい、それでも派遣社員として働きたいと思っているのなら、他の派遣会社に移るしかありません。

別の派遣会社を探す際は、「大手派遣会社ランキング|172人の口コミ調査で大手6社を徹底比較」の記事を参考にしてみてください。

派遣登録を解除する

求人数の多さや、営業担当者の対応の良さなどから、派遣会社を変えたくないという人もいますよね。

同じ派遣会社で働きたいのなら一度派遣登録を解除しましょう。

なぜなら、登録を解除すれば情報は消えるからですね。

情報が消えれば、再度新規登録できて、同じ派遣会社で働けます。

ただし、登録情報は少なくとも3年は残ります。

また、登録を解除してもブラックリストの情報が消えるかは派遣会社によって違います。

まずは、登録を解除し、他の派遣会社で働きつつ時間が経つのを待つのがおすすめです。

具体的なやり方を知りたい方は、「派遣登録の削除・抹消方法」の記事を参考にしてください。

他派遣会社とブラックリストは共有されない

派遣会社のブラックリストはカード会社のブラックリストのように他社と共有されるのか気になりますよね。

結論から言うと、他派遣会社とブラックリストを共有されることはありません。

派遣社員の評価表はセンシティブな個人情報なので、他の会社に漏らしてはいけないためです。

労働基準法でも次のように定められています。

使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第一項及び第二項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。

つまり、労働者が就業するのに不利になるようなことを他社に教えてはいけないということですね。

実際、ブラックリスト入りした自覚のある人でも、他の派遣会社では「すんなり働けた」「たくさん仕事の紹介をしてもらった」という声が多く聞かれます。

派遣会社で働いていた社員が他の派遣会社に転職することや、営業担当者の横のつながりで情報が伝わってしまう可能性もゼロではありませんが、基本的には、ブラックリストが共有されることはないと思って良いでしょう。

派遣先に対するブラックリストはない

  • 「派遣されたけど初めに言われていたのと労働条件が違う」
  • 「派遣先社員のセクハラがひどい」

といった経験がある人の中には、派遣先企業にこそブラックリストを作ってほしいと思う人もいるかもしれません。

しかし残念ながら、派遣先企業に対するブラックリストはありません。

なぜなら、派遣会社にとって派遣先企業は「顧客」であり、派遣会社が派遣先企業を選ぶ立場にはないためです。

ただし、「事前に聞いていたのと違う仕事をさせられた」「セクハラされた」といった問題が起こった場合は、派遣会社から派遣先企業へ問題解決のための提言は当然行います。

派遣先企業の対応がひどいときは、遠慮せずに営業担当者に相談してください。

まとめ

派遣会社にあると言われているブラックリストについて解説しました。

まとめると

  • 派遣会社にブラックリストは存在する
  • ブラックリストに載ると仕事を紹介してもらえなくなる
  • ブラックリストは他社とは共有していない

ということがわかりましたね。

「ブラックリストがあるなんて怖い」と思う人もいると思いますが、社会人として常識ある行動をしていれば、基本的にブラックリストに載ることはありません。

ブラックリストに載らないようにするのも大切ですが、もし載ってしまったと思ったときは割り切って他の派遣会社に移るようにしましょう。

【本記事で利用したアンケート調査】

  • 調査対象:派遣会社にブラックリストがあると思う人
  • 調査期間:2020年2月18日~20日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 有効回答数:60人