カードローンやクレジットカードのキャッシングで払いすぎた利息を返還してもらえるのが「過払い金請求」です。
2010年6月17日以前にカードローンやキャッシングを利用していた人の場合、過払い金発生の可能性があります。
「過払い金がいくら発生しているか」「時効になっていないか」を調べるのは難しいので、過払い金の調査や請求手続きは弁護士・司法書士に依頼するのがおすすめ。
過払い金請求でおすすめの弁護士・司法書士事務所は以下の通りです。
- アディーレ法律事務所
- ベリーベスト法律事務所
- 弁護士法人東京ロータス法律事務所
- 弁護士法人ひばり法律事務所
- 弁護士法人・響
- 弁護士法人サンク総合法律事務所
- 司法書士法人はたの法務事務所
- 司法書士法人みつ葉グループ
この記事では「過払い金請求の相談におすすめの弁護士・司法書士事務所」や「事務所の選び方」について紹介します。
過払い金請求とは
過払い金の概要について解説します。
過払い金請求とは「払いすぎた利息を取り戻す手続き」
過払い金請求とは、払いすぎた利息を取り戻す手続きです。
2010年6月17日以前にカードローンやクレジットカードのキャッシングを利用していた人の中には、本来払わなくていいはずの利息を払っている人がいます。
「払わなくていいはずの利息」を過払い金と呼び、過払い金を取り戻す手続きを「過払い金請求」といいます。
過払い金が発生する理由…
いわゆる「グレーゾーン金利」が原因。グレーゾーン金利は、出資法の上限金利(29.2%)と、利息制限法の上限金利(15%~20%)との差。
法律改正が行われたものの罰則がなかったため、多くの業者が「利息制限法違反のグレーゾーン金利」で貸し付けを行っていた。2006年の最高裁判決によって、グレーゾーン金利については、返還の請求が認められるようになった。
思い当たる方は、一度借入日などを調べてみてはいかがでしょうか。
過払い金請求の方法は2種類
過払い金請求の方法には、「裁判」と「交渉」の2種類があります。
裁判 |
・取り戻せる額が大きくなる傾向(全額返還も可能) ・返還までにかかる期間が長くなる傾向 ・弁護士費用が高くなる |
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貸金業者・クレジットカード会社との交渉 |
・取り戻せる額が少なくなる傾向(返還率40%~90%程度) ・返還までにかかる期間が短くなる傾向 ・訴訟費用がかからないので、費用は少なく済む |
どちらを選択するかは、「過払い金の状況(金額、相手先業者など)」や「本人の希望」によります。
「できるだけ多く過払い金を取り戻したい」なら裁判ですし、「早く解決したい」なら交渉を選択することになるでしょう。
「交渉でも返還率が高い」ことを売りにしている事務所もあります。
裁判を起こすべきか判断する際には、まず弁護士・司法書士に相談してください。
過払い金請求にかかる費用
過払い金請求にかかる費用は、以下の通りです。
相談料 |
・弁護士・司法書士への相談にかかる費用 ・無料にしている弁護士・司法書士事務所が多いので、あまり気にしなくていい |
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着手金 |
・過払い金請求が成功するかどうかに関わらず、弁護士・司法書士が案件に着手した時点で発生する費用 ・着手金がない事務所もある ・ある場合は、1万円~2万円/1社が相場 |
基本報酬 |
・過払い金請求が成功するかどうかに関わらず、弁護士・司法書士が依頼を受けると発生する費用 ・案件終了後に支払うことが多い ・基本報酬がない事務所もある ・ある場合は、2~3万円/1社が相場 |
解決報酬 |
・過払い金請求が成功したときに発生する費用 ・解決報酬がない事務所もある ・ある場合は、2万円/1社が相場 |
過払い金成功報酬 |
・過払い金を取り戻せたときに発生する ・返還された金額の22%が上限(裁判した場合は27.5%) |
「過払い金成功報酬」は、「返還された金額の○%」で計算されますので、費用は「取り戻せる過払い金がいくらになるか」で大きく変わります。
また料金体系は事務所によって異なりますので、「着手金や基本報酬がかからない事務所」「解決報酬がかからない事務所」もあります。
一方上記費用のほかに「事務手数料」などが発生する事務所も。
できるだけ費用を抑えたい方は、基本報酬・解決報酬がかからない「完全成功報酬型」の事務所を選ぶとよいでしょう。
過払い金請求ができる条件
過払い金請求できる条件は以下の通りです。
- 2010年6月17日以前の借金である
- 完済から10年が過ぎていない
詳しく解説します。
2010年6月17日以前の借金である
過払い金を請求できるのは、2010年6月17日までの借金です。
グレーゾーン金利で借金している可能性があるのは、2010年6月17日までだからですね。
2010年6月18日に法改正があり、貸金業者が利息制限法の範囲内で貸し付けするようになったため、2010年6月18日以降の借金についてはグレーゾーン金利が発生しません。
ただし実際には、多くの貸金業者が2007年に金利を利息制限法の範囲内まで引き下げています。
そのため2010年6月17日以前での借金でも、グレーゾーン金利ではない可能性があります。
例えば銀行カードローンでは、2010年6月17日以前もグレーゾーン金利での貸し付けが行われていませんでした。
そのため銀行カードローンで過払い金は発生しません。
「2010年6月17日以前なら、すべて過払い金請求の対象」というわけではありません。
グレーゾーン金利が適用されていたかどうか調べるには、「契約書・明細書」や「取引記録」を確認しましょう。
完済から10年が過ぎていない
完済から10年が過ぎていないことも、過払い金請求の条件です。
過払い金の時効が、完済から10年だからですね。
完済日から10年以上が経過していると、過払い金の請求権が消滅しています。
法改正から時間が経つにつれ、過払い金請求ができるケースも減ってきています。
ただし「完済したあとに、短期間の借入を行った」などの場合は、時効が成立していない可能性も。
時効が成立しているかを自分で判断するのは難しいので、過払い金請求に詳しい弁護士・司法書士に相談しましょう。
過払い金請求の相談におすすめの弁護士・司法書士事務所8選
過払い金請求の相談におすすめの弁護士・司法書士事務所を紹介します。
- アディーレ法律事務所
- ベリーベスト法律事務所
- 弁護士法人東京ロータス法律事務所
- 弁護士法人ひばり法律事務所
- 弁護士法人・響
- 弁護士法人サンク総合法律事務所
- 司法書士法人はたの法務事務所
- 司法書士法人みつ葉グループ
費用倒れの心配がないアディーレ法律事務所
「過払い金の額が少なかったら、弁護士費用のほうが高くなってしまうのでは」と心配している方におすすめなのが、アディーレ法律事務所です。
アディーレ法律事務所では、取り戻せた過払い金が「基本費用+報酬金」より少なかった場合、不足分を支払う必要はないからです。
基本費用は高めですが、費用倒れを心配する必要はありません。
アディーレ法律事務所の特徴をまとめました。
所在地 | 国内65拠点以上 |
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費用 |
・相談無料 ・基本費用:66,000円 ・報酬金:過払い金の22%(交渉時)または27.5%(裁判時) ※取り戻せた過払い金が「基本費用+報酬金」より少なかった場合、不足分を支払う必要はない |
対応エリア | 全国 |
※金額は税込みです。
※情報は2024年3月14日現在のものです。
全国に拠点があり電話受付時間も22:00までと長いので、相談しやすい事務所でもあります。
15年以上過払い金請求を行っており実績も豊富ですので、気になる人はまず相談してみてはいかがでしょうか。
24時間相談できるベリーベスト法律事務所
「日中は仕事しており、法律事務所に電話できない」という人におすすめなのが、ベリーベスト法律事務所です。
ベリーベスト法律事務所なら、24時間電話を受け付けてくれるからです。
ただし営業時間外の電話だと、相談予約の受付のみになることがあります。
ベリーベスト法律事務所の特徴をまとめました。
所在地 | 国内73カ所 |
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費用 |
・相談無料 ・過払い金調査無料 ・解決報酬金:22,000円/社 ・報酬金:過払い金の22%(交渉時)または27.5%(裁判時) ・事務手数料:44,000円/案件 |
対応エリア | 全国 |
※金額は税込みです。
※情報は2024年3月14日現在のものです。
過払い金回収実績は1067億円以上(2011年~2022年)で、消費者金融ごとに「返還率」「返還までにかかる期間」のノウハウも蓄積されているので、安心して依頼できます。
過払い金調査まで無料ででき解決報酬金も安いですが、事務手数料がかかる点には注意しましょう。
費用を抑えやすい東京ロータス法律事務所
低コストの弁護士事務所を探しているなら、東京ロータス法律事務所をおすすめします。
東京ロータス法律事務所なら、相談無料ですし、着手金も基本報酬もかからないからです。
過払い金請求が成功したときの報酬だけでいいので、費用面が心配な方でも安心して依頼できます。
ただし訴訟になった場合は、訴訟費用などが別途かかります。
東京ロータス法律事務所の特徴をまとめました。
所在地 | 東京 |
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費用 |
・相談無料 ・過払い金報酬:過払い金の22%(交渉時)または27.5%(裁判時) |
対応エリア | 全国 |
※金額は税込みです。
※情報は2024年3月14日現在のものです。
土日も対応してもらえるので、気になる方は一度相談してみてください。
女性におすすめのひばり法律事務所
過払い金請求を考えている女性の中には、「男性弁護士に相談するのは、なんとなく怖い」と感じている方もいるのではないでしょうか。
「同性のほうが話しやすい」「女性弁護士に相談したい」という方におすすめなのが、ひばり法律事務所です。
ひばり法律事務所には、女性弁護士が在籍しているからですね。
他の依頼の都合もありますので、必ず女性弁護士に担当してもらえるとは限りませんが、「女性弁護士にお願いしたい」と希望を伝えることはできます。
ひばり法律事務所の特徴をまとめました。
所在地 | 東京 |
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費用 |
・相談無料 ・過払い金報酬:過払い金の22%(交渉時)または27.5%(裁判時) ・その他:5,500円/社 |
対応エリア | 全国 |
※金額は税込みです。
※情報は2024年3月14日現在のものです。
費用も法律事務所としてはリーズナブルですので、コストを抑えたい方にもおすすめです。
有利な条件で和解したいなら弁護士法人・響
有利な条件で和解したいなら、弁護士法人・響をおすすめします。
弁護士法人・響は過払い金請求の実績が豊富で、蓄積されたノウハウをもとに業者と交渉できるからです。
貸金業者ごとの傾向も把握しているので、交渉をスムーズに進めやすくなります。
弁護士法人・響の特徴をまとめました。
所在地 | 全国9カ所 |
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費用 |
・相談無料 ・解決報酬金:22,000円 ・過払い金報酬:過払い金の22%(交渉時)または27.5%(裁判時) |
対応エリア | 全国 |
※金額は税込みです。
※情報は2024年3月14日現在のものです。
弁護士法人・響のサイトには「無料減額診断」というシミュレーターも用意されています。
「過払い金がありそうかどうか、簡単に判断したい」という方は、まずシミュレーターを試してみるのもおすすめです。
手元にお金がなくても利用できるサンク総合法律事務所
「過払い金請求をしたいけれど、手元にお金がなく費用を払えるか心配」という方におすすめなのが、サンク総合法律事務所です。
サンク総合法律事務所では相談料や着手金が不要で、弁護士費用も分割払いできるからですね。
債務整理や過払い金請求の実績も豊富で、裁判を見込んでいる場合も安心して依頼できます。
サンク総合法律事務所の特徴をまとめました。
所在地 | 東京 |
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費用 |
・相談無料 ・基本報酬:22,000円/社 ・過払い金報酬:過払い金の22%(交渉時)または27.5%(裁判時) ・実費別途 |
対応エリア | 全国 |
※金額は税込みです。
※情報は2024年3月14日現在のものです。
納得できるまで相談でき、「ヒアリングが丁寧」「対応が親切」という口コミも多数。
そのため「しっかり話を聞いてもらいたい」という方にもおすすめできます。
費用を抑えやすい司法書士法人はたの法務事務所
費用が安い司法書士事務所を探しているなら、はたの法務事務所をおすすめします。
はたの法務事務所は「相談料」「着手金」「基本報酬」が無料で、過払い報酬だけで依頼できるからです。
10万円以下の場合、報酬は過払い金の14%と安く済むのもメリット。
出張面談が無料なのも、地方に住んでいる方にとっては助かりますね。
はたの法務事務所の特徴をまとめました。
所在地 | 東京、大阪 |
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費用 |
・相談無料 ・基本報酬:22,000円/社 ・過払い金報酬:過払い金の22%。10万円以下の場合は12.8%(計算費用別途11,000円) |
対応エリア | 全国 |
※金額は税込みです。
※情報は2024年3月14日現在のものです。
女性専用の相談窓口があるので、「男性には相談しにくい」という女性にもおすすめします。
匿名で減額できるか調べたいなら、司法書士法人みつ葉グループ
過払い金請求に興味があっても、「本当に過払い金があるかどうかわからないし、いきなり弁護士・司法書士に相談するのは気がひける」という方もいるでしょう。
上記のような方におすすめなのが、司法書士法人みつ葉グループです。
司法書士法人みつ葉グループは匿名・無料で利用できる「借金減額診断」を用意しているからですね。
まずは匿名で「借金を減額できそうか」を診断し、「相談・依頼したい」と思ったら連絡先や名前を伝えればOKです。
司法書士法人みつ葉グループの特徴をまとめました。
所在地 | 全国7カ所 |
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費用 |
・相談無料 ・基本報酬(返済中の場合のみ):11,000円~/社 ・過払い報酬:過払い金の22% |
対応エリア | 全国 |
※金額は税込みです。
※情報は2024年3月14日現在のものです。
借金完済後の過払い金請求なら成功報酬のみで利用できますので、コスト面でのメリットも大きい事務所です。
気になる方は「借金減額診断」「メール」「電話」で連絡してみてください。
過払い金請求を相談する弁護士・司法書士事務所の選び方
過払い金請求を相談する弁護士・司法書士事務所の選び方を紹介します。
- 過払い金請求の実績が多い
- 初期費用がかからない
- トータルの費用が安い
- 都合のいい日時に相談できる
- 丁寧に対応してくれる
過払い金請求の実績が多い
まずは過払い金請求の実績が多い弁護士・司法書士事務所を選びましょう。
過払い金請求の実績が多い事務所なら、過払い金の返還額が多くなると期待できるからです。
業者との交渉や裁判に関するノウハウが豊富であれば、交渉を有利に進められるからですね。
弁護士・司法書士事務所の中には、「貸金業者ごとの過払い金返還率実績」を公表しているところもあります(弁護士法人・響など)。
依頼先事務所を探すときには、公式サイトなどで過払い金請求の実績を確認しましょう。
初期費用がかからない
初期費用(相談料、着手金)がかからない事務所を選ぶのもポイントです。
初期費用なしの「成功報酬型」であれば、費用倒れになることを心配せず、気軽に相談できるからですね。
また相談料が無料ですと、複数の弁護士・司法書士事務所に相談し、相性のよい専門家を探すこともできます。
例えば無料相談を受けて、「弁護士・司法書士やスタッフが上から目線で嫌な感じだな」と思ったら、正式な依頼はせず、別の事務所を探せばいいわけですね。
過払い金請求を積極的に取り扱っている事務所の場合は、相談料は無料であることが多いです。
まずは気になる事務所で無料相談を受けてみましょう。
トータルの費用が安い
初期費用だけではなく、トータルの費用が安いことも大切です。
トータルの費用が高いと、過払い金を取り戻せても手元に残るお金が減ってしまうからですね。
トータルの費用は「裁判をするかしないか」「完済しているか返済中か」や、「弁護士・司法書士事務所の料金体系」によって異なります。
複数の事務所に同じ条件で費用の見込みを出してもらい、比較するのがいいでしょう。
都合のいい日時に相談できる
都合のいい日時に相談できることも重要です。
例えば「平日夜間」「土日」に相談できれば、平日日中は仕事をしている人でも相談しやすいからですね。
借金についての相談は原則として対面で行われますので、平日日中しか営業していない事務所では、なかなか相談に行けません。
また相談者としても、借金や過払い金請求についての相談は、じっくりと腰を落ち着けてしたいもの。
「落ち着いて相談できる時間帯」に相談できる事務所を選びましょう。
丁寧に対応してくれる
抽象的な言い方になってしまいますが、「丁寧に対応してくれるかどうか」も重要です。
過払い金請求は3カ月~1年半と長い時間がかかりますし、担当者とのやり取りも多くなります。
そのため丁寧に対応してくれない事務所だと、ストレスを感じることになりかねません。
以下のような対応をしてくれる事務所なら安心でしょう。
- わかりやすい言葉で話してくれる
- 過払い金請求のデメリットや注意点についても教えてくれる
- 費用について明確に説明してくれる
- 質問対応が迅速で丁寧
- 「裁判したい/交渉で早く解決したい」「家族にバレたくない」など、希望に寄り添ってくれる
ストレスなく手続きを進めるために、相談時には担当者や事務所スタッフの対応・雰囲気もチェックしておきましょう。
過払い金請求を弁護士・司法書士事務所へ相談するメリット
過払い金請求を弁護士・司法書士事務所に相談するメリットを紹介します。
- 返済が一旦ストップする
- スムーズで効率的な手続きができる
- 返済が楽になる
返済が一旦ストップする
過払い金請求の対象となる借金を返済中の場合、弁護士・司法書士に過払い金請求を依頼することで、返済が一旦止まります。
依頼を受けた弁護士・司法書士から、請求先となる貸金業者・クレジットカード会社に対して、「受任通知」が送られるからですね。
受任通知を受け取った貸金業・クレジットカード会社は取り立て・督促を止めるので、返済もストップできます。
自力で過払い金請求する場合、受任通知は発送されないので、督促は止まりません。
「弁護士・司法書士が受任通知を送ってくれること」は、大きなメリットです。
スムーズで効率的な手続きができる
弁護士・司法書士に手続きを依頼すると、スムーズで効率的な手続きが可能となります。
過払い金請求の経験が豊富な弁護士なら、過払い金の計算が正確にできますし、業者との交渉にも慣れているからですね。
訴訟になったときの対応もスムーズです。
一方自力で過払い請求しようと思うと、「過払い金を計算するための資料集め」「業者との交渉」に苦労することも少なくありません。
交渉が上手くいかないと、取り戻せる過払い金が少なくなってしまうこともあります。
過払い金をできるだけ多く取り戻したいなら、弁護士・司法書士への依頼をおすすめします。
返済が楽になる
過払い金請求の対象となる借金を返済中の場合には、「返済が楽になる」というメリットもあります。
過払い金請求すると、払いすぎた利息を取り戻せるからですね。
過払い金は思ったより高額になっていることも多いです。
そのため過払い金を取り戻すことで、借金を完済できたり返済額を減額できたりすることもあります。
完済している人も、お金が戻ってきたらもちろん嬉しいですよね。
過払い金発生の可能性があるなら、ぜひ過払い金請求を検討してみましょう。
過払い金請求を弁護士・司法書士事務所へ相談するデメリット
過払い金請求を弁護士・司法書士事務所へ相談するデメリットを紹介します。
- ブラックリストに載る可能性がある
- 過払い金請求した業者を使えなくなる
- 費用がかかる
ブラックリストに載る可能性がある
返済中の会社に対して過払い金請求をすると、ブラックリストに載る可能性があります。
以下のような場合に、事故情報として登録する信用情報機関や貸金業者・クレジットカード会社もあるからです。
- 返済中の借金に対して過払い金請求を行った
- 過払い金を取り戻しても、借金を完済できなかった
ただし前者の場合は一時的な登録となります。
原則として、引き直し計算をして「過払い金を取り戻せたら借金が完済できる」とわかった時点で事故情報が削除されます。
また「引き直し計算が終わるまでは事故情報を登録しない」という借入先もあるので、返済中の借金に対して過払い金請求を行っても、常に事故情報が登録されるとは限りません。
ただし引き直し計算後も借金が残る場合(過払い金を取り戻しても完済できない場合)は、事故情報が登録されます。
信用情報機関に事故情報が登録されると、いわゆる「ブラックリストに載った状態」となり、クレジットカードやローンの審査を申し込んでも、落ちてしまいます。
「過払い金請求すると、場合によってはクレカがつくれなかったりローン審査に落ちたりして、生活に支障が出る」と理解しておきましょう。
なお完済した借金について過払い金請求を行う場合は、ブラックリストに載ることはありません。
また「過払い金請求について相談するだけ」でブラックリストに載ることもないので、安心してください。
過払い金請求した業者を使えなくなる
過払い金請求すると、相手先の業者(貸金業者・クレジットカード会社)を使えなくなります。
貸金業者・クレジットカード会社の社内データに「過払い金請求の情報」が登録され、いわゆる「社内ブラック」の状態になるからですね。
業者にもよりますが、「社内ブラック」の情報は半永久的に残ります。
そのため「過払い金を請求したら、相手先の貸金業者やクレジットカードを再契約したくても、できない」と考えてください。
業者によっては、グループ企業にも情報が共有され、グループ企業の利用も難しくなります。
なおクレジットカードが解約されてしまう場合、光熱費やサブスクなど「クレジットカード払いにしている料金」が払えなくなってしまいます。
支払い方法の変更手続きが漏れていると、光熱費やスマホ料金を滞納してしまうので、注意しましょう。
「過払い金請求について、弁護士・司法書士に相談するだけ」で社内ブラックになることはないので、安心してください。
費用がかかる
弁護士・司法書士に過払い金請求を依頼するデメリットとしては、費用がかかることも挙げられます。
いくら困っている人のためでも、弁護士・司法書士はタダで働いてくれるわけではないからですね。
例えば完全成功報酬型の事務所だと、交渉で過払い金を100万円取り戻した場合、22万円程度の費用が発生します。
着手金や基本報酬が高いと、取り戻せる過払い金よりも費用のほうが高くなってしまう可能性もあるので、注意しましょう。
過払い金請求の申し込みから完了まで一連の流れ
過払い金請求の申し込んでからの流れは、以下の通りです。
弁護士・司法書士から受任通知が送られる | ・弁護士・司法書士から貸金業者・クレジットカード会社に受任通知が送られ、督促が止まる |
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引き直し計算を実施 |
・弁護士・司法書士が貸金業者・クレジットカード会社に対して取引履歴の開示を請求 ・取引履歴などをもとに、「本来支払うべきだった額と返済した額」の差額を算出(引き直し計算) |
貸金業者・クレジットカード会社に返還請求する | ・「交渉による和解」または「裁判」で過払い金を取り戻す |
業者と和解し、過払い金が振り込まれる |
・業者と和解内容に関する合意書を取り交わす ・過払い金が返還される |
依頼してからの作業は、ほぼ弁護士・司法書士に任せられます。
貸金業者が「取引記録が古い」などの理由で、すべての取引履歴を開示しなかった場合も、弁護士に任せていれば、「推測計算」や「裁判所からの開示命令をとる」といった対策が可能です。
なお過払い金請求にかかる時間は、依頼から3ヶ月~1年半ほどです。
交渉で和解する場合は3カ月~半年ですが、裁判の場合は1年以上かかることもあります。
過払い金の額が大きく、裁判してでも全額・全額に近い額を取り戻したいのであれば、訴訟がおすすめ。
裁判を見込んでいるなら「基本スタンスが訴訟」の弁護士に依頼しましょう。
弁護士・司法書士事務所に過払い金請求を相談する際によくある質問
弁護士・司法書士事務所に過払い金請求を相談する際によくある質問を紹介します。
弁護士・司法書士に過払い金請求について相談するのは勇気がいります。他に相談できる窓口は?
弁護士・司法書士事務所は多くの人にとって馴染みのない場所なので、「気持ちの面で、相談するのにハードルがある」と感じる人も多いでしょう。
弁護士・司法書士事務所以外の相談窓口としては、以下のようなものがあります。
- 自治体の無料法律相談
- 国民生活センター・消費生活センター
- 法テラス
借金や過払い金に関する相談を受け付けてくれるところは、たくさんあります。
ただし自治体の無料法律相談や法テラスでは、相談時間や回数に制限があるのがデメリットです。
また国民生活センター・消費生活センターに相談した場合、実際に過払い金請求を依頼したい場合には、別途弁護士・司法書士事務所を探す必要があります。
「じっくり相談したい」「過払い金が請求できるなら、すぐ手続きしたい」という方は、過払い金が得意な弁護士・司法書士事務所に相談することをおすすめします。
過払い金請求は、自力でもできますか?
「弁護士・司法書士に払う費用がもったいない」などの理由で、過払い金請求を自分でやろうと考えている方もいらっしゃるでしょう。
結論から言いますと、過払い金請求は自力でもできます。
「弁護士や司法書士に任せないといけない」という決まりはありません。
ただし以下の理由から、弁護士・司法書士に任せることをおすすめします。
- 過払い金の計算は複雑
- 貸金業者から古い取引履歴の開示を受けられないこともある
- 貸金業者・クレジットカード会社との交渉が上手くいかず、取り戻せる金額が少なくなる可能性もある
- 不利な条件で和解してしまう可能性がある
弁護士・司法書士に支払う費用が発生しても、取り戻せる過払い金が多くなれば、結局手元に残るお金は増えます。
また弁護士・司法書士に任せることで、自宅に貸金業者や裁判所からの書類が届かなくなるので、同居家族に過払い金請求がバレにくくなります。
スムーズでストレスの少ない手続きのため、費用を払ってでも専門家に任せるのがおすすめです。
過払い金が発生していると思うので請求したいのですが、契約書をなくしました。どうしたらいいですか?
結論から言いますと、契約書などの書類がなくても、過払い金請求はできます。
弁護士・司法書士を通じて、貸金業者に取引記録を開示してもらえるからですね。
ただし過払い金請求をしたい貸金業者名・クレジットカード名が判明している必要はあります。
また「明細書」「契約書」「ローン用のカード」などはなくてもいいものの、あると参考資料になります。
弁護士・司法書士への相談前には、一度ご自宅で明細書や契約書を探してみましょう。
過払い金請求先となる貸金業者が倒産したら、どうなりますか?
過払い金の請求先となり貸金業者が倒産している場合、過払い金の返還を受けることは難しいです。
会社が倒産して民事再生や破産などの手続きをする場合、過払い金請求権をもつ人も配当などの支払いを受けられます。
ただし倒産時の法的整理で支払いを受けられても、金額は本来受け取れるはずだった過払い金の数%程度となってしまうこともあります。
倒産した消費者金融「武富士」の過払い金弁済率(更生計画案による)は、3.3%という少なさでした。
大手銀行の傘下にある大手消費者金融(プロミス・アコムなど)が倒産する可能性は低いですが、過払い金請求を考えている人は、早めに手続きしたほうがよいでしょう。
過払い金は、全額取り戻せますか?
過払い金請求しても、全額取り戻せるとは限りません。
弁護士・本人が「できるだけ多く取り戻したい」と考えていても、貸金業者側は「できるだけ少ない支払いでおさめたい」と考えているからです。
そのため裁判なしで和解しても、全額返ってくるケースは少ないのが現状。
裁判なしの交渉ですと、返還率は以下のようになっています。
- アコム・プロミス・レイク:80~90%程度
- アイフル:40~60%程度
銀行傘下の消費者金融は資金力があり「ブランドイメージを守りたい」という思いもあるので、裁判なしでも比較的高い返還率を達成できます。
ただし銀行傘下に入っていないアイフルは、資金面で不安があるため、返還交渉も難航する傾向です。
過払い金を全額取り戻したいなら、裁判が必要になります。
いずれにしろ、なるべく多く過払い金を取り戻したい場合は、過払い金請求の実績が豊富な弁護士・司法書士事務所を選びましょう。
過払い金請求は、家族にバレますか?
家族にバレないよう過払い金請求することもできます。
以下のような方法だと、家族にバレにくいからですね。
- 弁護士・司法書士に依頼する(自宅に裁判所・業者からの連絡が来なくなる)
- 弁護士・司法書士との連絡をメールにしてもらう
- 過払い金返還用の銀行口座を作成(家族が見ない口座に入金してもらう)
同居家族にバレるのを防ぐため、「弁護士・司法書士事務所からの郵送物を、個人名で出してくれる」といった事務所もあります。
事務所で相談するときに、「家族にバレたくないのですが、配慮してもらえますか」と相談してみましょう。
過払い金請求は、弁護士と司法書士のどちらに依頼したらいいですか?
過払い金の金額によります。
1社あたりの過払い金が140万円を超えると、司法書士は代理人になれないからですね。
司法書士に依頼して過払い金の額を調査した結果、1社あたりの額が140万円を超えているとわかったら、弁護士を探す必要があります。
また司法書士は簡易裁判所での裁判にしか対応できません。
そのためもし業者に控訴されて裁判が地方裁判所に移ると、裁判に対応できなくなってしまいます。
「過払い金の額が多い場合」「裁判がもつれそうな場合」は、弁護士に依頼することをおすすめします。
まとめ
過払い金請求をするなら、実績豊富な弁護士・司法書士に相談・依頼しましょう。
専門家に依頼すると手続き・交渉がスムーズに進み、取り戻せる過払い金の額も増える傾向にあるからです。
取り戻せる額が増えれば、費用を差し引いても、手元に残るお金が多くなりますよ。
過払い金請求権は完済から10年経つと消滅しますし、相手の貸金業者が倒産すると請求できなくなります。
思い当たる方は、早めに弁護士・司法書士に相談しましょう。