派遣社員でも失業保険はもらえる?失業保険の受給方法

派遣社員でも失業保険はもらえるか
  • 「派遣社員でも失業保険はもらえるの?」
  • 「日雇いや短期派遣でも失業保険がもらえたら助かるのに…」
  • 「失業保険をもらいたいけれど、どのようにしたらもらえるのかよく分からない」

退職後のセーフティネットでもある失業保険について、『自分は受給できるのか』と不安を覚える派遣社員も多いと思います。

結論から言うと、派遣社員でも失業保険をもらえます。

失業保険は労働者の失業後の生活安定と再就職支援を目的としているため、派遣社員の働き方を問わず条件さえ満たしていれば、各種手当を受けられるからですね。

雇用形態 雇用保険被保険者の種類 失業後手当の種類
フルタイム勤務の長期派遣 一般被保険者 失業保険(基本手当)
日雇派遣 日雇労働被保険者 日雇労働求職者給付金
短期雇用の派遣 短期雇用特例被保険者 特例一時金

失業保険を受給する際には、以下のポイントも押さえましょう。

  • 支給残日数があれば再就職手当をもらう
  • 再失業しても受給期間中であれば失業保険を再度受給できる
  • 失業保険受給中のアルバイトは収入や働く時間に注意する
  • 公共職業訓練を受けると給付期間を延長できる
  • 働けない理由によっては失業保険の延長措置手続きができる
  • 離職理由が間違っていたら修正申告をする
  • 不正受給はしない

この記事を読めば、失業保険についての理解を深めることができるでしょう。

失業保険は人によってもらえる期間や金額が違う

失業保険は

  • 働き方
  • 雇用保険の加入期間
  • 退職理由
  • 年齢

などによって、もらえる期間や金額が変わってきます。

具体的な条件を見ていきましょう。

失業保険を受給するための条件

失業保険を受給するためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  1. 雇用保険に加入している
  2. 受給資格がある

2つの条件について詳しく説明します。

1.雇用保険に加入していること

失業保険を受給するためには、雇用保険に加入している必要があります。

雇用保険の被保険者の種類は以下のとおりです。

被保険者の種類 要件
一般被保険者 高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者以外の人
高年齢被保険者 65歳以上で働き続けている短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者以外の人
短期雇用特例被保険者 季節的に働く人
日雇労働被保険者 日雇い、または30日以内の期間を定めて働く人

雇用保険の加入条件

正規・非正規に関係なく、事業主は労働者を雇用保険に加入させる義務があります。

条件を満たしているにも関わらず、派遣会社が雇用保険の加入手続きを行わない場合は、ハローワークに相談してみてくださいね。

日雇労働被保険者や短期雇用特例被保険者については、労働者自ら加入手続きを行う必要があるので、会社に手続きを依頼するのではなく、自身でハローワークに行って手続きを行いましょう。

雇用保険の加入条件は以下のとおりです。

【一般被保険者の雇用保険加入条件】

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上継続した雇用が見込まれること

【日雇労働被保険者】

  • 単発の仕事で働いている人
  • 雇用期間30日以内で働いている人
  • 日ごとに異なる会社で働いている人

※上記条件に加え、一定の地域要件が必要となります。

【短期雇用特例被保険者】

  • 1週間の所定労働時間が30時間以上
  • 4ヶ月以上1年未満の雇用契約をしている人
  • 季節限定で雇用される人

雇用保険に加入しているかの確認方法

雇用保険に加入しているかは、

  • 雇用保険被保険者証があるか
  • ハローワークに問い合わせ
  • 雇用保険料が毎月の給与から天引きされているか

などで確認できます。

雇用保険に加入しているか分からない人は、1度確認してみてくださいね。

参考までに雇用被保険者証のイメージです。

雇用保険被保険者証のサンプル

雇用保険被保険者証は、入社時に渡してくれる会社と、退職時に退職関係の書類とまとめて渡してくれる会社があります。

2.受給資格があること

雇用保険の加入期間を満たしており、再就職する意思があれば受給資格を得られます。

失業保険は1日も早く再就職をするための支援制度なので、再就職する意思は絶対条件です。

被保険者の種類によって、必要な雇用保険の加入期間が違います。

被保険者の種類 雇用保険の加入期間
一般被保険者 離職日以前の2年間で雇用保険の加入期間が12ヶ月以上であること
※ただし会社倒産や解雇など会社都合による離職の場合は、離職日以前の1年間で6ヶ月あればよい
※11日以上勤務があれば1ヶ月とする
高年齢被保険者 離職日以前の1年間に雇用保険の加入期間が6ヶ月以上であること
※11日以上勤務があれば1ヶ月とする
短期雇用特例被保険者 離職日以前の1年間に雇用保険の加入期間が6ヶ月以上であること
※11日以上勤務があれば1ヶ月とする
日雇労働被保険者 失業の日の属する月の前月と前々月の2ヶ月間に、あわせて26枚以上の雇用保険印紙が手帳に貼ってあること

失業保険の所定給付日数と基本手当日額

  • 所定給付日数…失業保険をもらえる日数のこと
  • 基本手当日額…1日にもらえる金額のこと

所定給付日数と基本手当日額は、雇用保険の加入期間や離職理由などによって変わってきます。

所定給付日数は、

  • 離職理由
  • 雇用保険の被保険者期間
  • 離職時の年齢

によって違います。

具体的な所定給付日数は以下のとおりです。

所定給付日数の表

解雇・倒産による所定給付日数の表

参照:ハローワーク

基本手当日額は平均賃金の50%~80%がもらえる

基本手当日額は、離職した直前6ヶ月の平均賃金の約50%~80%(60歳~64歳については45%~80%)がもらえます。

失業保険の支給は4週間おきの認定日に行われるので、「基本手当日額×28日」が1回に支給される金額です。

基本手当日額は条件によって異なるので、厚生労働省の基本手当日額の計算方法で確認してくださいね。

※基本手当日額の詳しい計算方法はコチラ⇒ 【厚生労働省】基本手当日額の計算方法

退職理由によって受給開始日が異なる

失業保険の支給が開始されるまでには、待機期間というものがあり、自己都合退職と会社都合退職によって受給開始日が異なります。

【自己都合退職】

  • 一般離職者(自己都合により退職した者)

7日間の待機期間+3ヶ月給付制限期間がある

【会社都合退職】

    • 特定理由離職者(正当な理由(ケガ、妊娠、転勤希望退職に応じたなど)がある自己都合退職者)※自己都合退職であっても会社都合扱いになる
    • 特定受給資格者(倒産・解雇によって会社都合になる扱いになる退職者)

7日間の待機期間後すぐ給付が開始される

失業保険受給の際のポイント4つ

失業保険を受給する際のポイントは、以下の4つです。

    • 支給残日数がある人は再就職手当をもらう
    • 受給期間中であれば失業保険を再度受給できる
    • 失業保険受給中のアルバイトには注意
    • 公共職業訓練を受けて給付期間を延長する

それぞれの具体的な方法を紹介します。

1.支給残日数がある人は再就職手当をもらおう

失業保険の受給期間中に就職先が決まった人は、再就職手当がもらえます。

再就職手当の計算方法は以下のとおりです。

再就職手当額=支給残日数×給付率%×基本手当日額
支給残日数 給付率
3分の1以上 60%
3分の2以上 70%

基本手当日額を満額もらうことはできないので注意してください。

また、再就職手当をもらうには以下の条件が必要です。

【再就職手当をもらう条件】

  • 失業保険手当支給残日数が3分の1以上残っていること
  • 就業先が退職した派遣会社でないこと
  • 1年以上の雇用が見込めること
  • 受給資格前から内定している就業先でないこと

条件を満たしていない人は、再就職手当をもらうことはできません。

2.受給期間中であれば失業保険を再度受給できる

受給残日数が残っている状態で就職し、再び離職してしまっても、受給期間中であれば失業保険を再度受給することができます。

例えば、以下の条件のケースを見てみましょう。

  • 90日の所定給付日数
  • 70日分の失業保険を受給
  • 残日数が20日ある状態で就職
  • 3ヶ月後職場が合わず自己都合で離職

給付期間中であれば、3ヶ月の給付制限期間を待たずに残日数20日分を継続できます。

イメージ図で見ると分かりやすいですね。

受給期間中の失業保険のもらい方

再失業したら、すぐにハローワークに行って手続きを行いましょう。

ただし、残日数があったとしても受給期間(原則1年間)を超えて受給することはできないので注意してください。

3.失業保険受給中のアルバイトには注意する

7日間の待機期間中以外は、失業保険をもらいながらアルバイトをすることは可能ですが、注意が必要です。

なぜなら、就労とみなされる働き方をすると失業保険がもらえないからですね。

【就労とみなされる働き方】

  • 1週間の労働時間が20時間以上
  • 雇用期間が31日以上

失業保険受給中のアルバイトは、収入の金額や働く時間によって、支給される失業給付金が減額になったり支給が先送りになったりするのでおすすめできません。

なお、3ヶ月の給付制限期間のアルバイトは、失業給付の支給額が減額されたり、支給が先送りになったりすることはないので安心してくださいね(ただし、継続的にならないように注意してください)。

4.公共職業訓練を受けて給付期間を延長しよう

公共職業訓練とは、失業保険の受給している求職者を対象とした、就職に役立つ知識やスキルを習得できる公的制度です。

公共職業訓練を受けることで、

  • 自己都合で退職しても公共職業訓練を受ければ給付制限が解除される
  • 失業保険が終了しても公共職業訓練の期間中であれば、失業保険の給付を延長できる

などの対応が行われます。

また、公共職業訓練は、

  • 受講料は原則無料(教科書代などは自己負担)
  • 受講手当が1日500円、最大2万円支給
  • 受講のための交通費支給(42,500円まで)
  • 失業認定日にハローワークに行かなくていい

など、サポートが充実しているのが特徴です。

ただし、公共職業訓練を受講するためには試験や面接があり、人気があるコースは受講ができなかったり、退職時期によってはコースが限られたりするので注意してくださいね。

失業保険の受給資格がなくても失業保険がもらえるケース

失業保険の受給資格を得られない人でも、失業保険をもらえるケースがあります。

失業保険は、雇用保険の加入期間を満たしており、再就職して働く意思がなければ受給資格を得られません。

しかし、以下の働けない理由に該当する場合、「失業保険の受給期間延長手続き」を行うことで、失業保険を受給できます。

【受給期間延長に該当する働けない理由】

  • 妊娠、出産、3歳未満の子どもの育児など
  • 病気やけが
  • 親族の介護
  • 60歳以上の定年などにより離職し、しばらくの間休養する場合

失業保険の受給期間は通常、離職してから1年以内ですが、働けない状態が30日以上続く場合、失業保険の受給期間を最長で離職日の翌日から4年以内まで延長することが可能です。

該当する人は、ハローワークで失業保険の受給期間延長措置手続きを行ってくださいね。

自分が該当するかわからない場合にも、一度ハローワークに相談してみることをおすすめします。

離職理由が間違っている場合は修正申告をする

会社都合で退職したにも関わらず、離職理由が自己都合になっている場合、修正申告をしましょう。

会社都合と自己都合では待機期間や給付期間に大きな差があります。

修正申告の際は離職理由が確認できる、

  • 契約解除通知書
  • 医師の診断書

などの資料をハローワークに持参しましょう。

会社と本人の主張を聞き、最終的にはハローワークが離職理由を判断します。

離職理由は、派遣会社から受け取る離職票に記載されているので確認をしてくださいね。

離職票サンプル

離職理由コード(離職理由番号)
会社都合退職 1A(11)、1B(12)、2A(21)、2B(22)、3A(31)、3B(32)
自己都合退職 2C(23)、2D(24)、2E(25)、3C(33)、3D(34)、4D(40,45)、5E(55)

※自己都合退職でも、4D(40,45)、5E(55)以外は、給付制限がありません。

派遣社員でよくある離職理由は、2C(23)や2D(24)です。

離職理由コード(離職理由番号) 退職理由
2C(23) 期間の定めのある労働契約の期間が終了し、かつ、次の労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が更新を希望したにもかかわらず、更新できなかった場合)
2D(24) 契約期間満了により退職(更新について、更新なしと明記があった場合等で、労働者、事業主同意のもとに計画期間満了となり退職)

不正受給は3倍返しなど厳しい罰則がある

失業保険を不正受給すると、不正受給した失業保険と罰金合わせて3倍の金額を納めるなど、厳しい罰則があります。

失業保険を不正受給した場合の罰則は、以下の3つです。

  1. 失業保険の支給が停止され、受給権利がなくなる
  2. 不正に受給した失業保険の全額返金
  3. 不正に受給した金額の2倍相当の額を罰金として支払う(いわゆる「3倍返し」)

ハローワークに提出する書類は、全て事実を記入し、不正受給することがないようにしましょう。

【不正受給に該当するケース】

  • 就職できる状態でないのに失業保険を受給している
  • 求職活動を行っていないのに偽って申告した
  • 失業保険受給中に就職や就労があったにもかかわらず申請をしなかった
  • 失業保険受給中に得た収入を申告しなかった

失業保険の受給手続き方法

失業保険の受給手続きは、住居を管轄するハローワークで行いますが、

  • 一般被保険者
  • 高年齢被保険者
  • 日雇労働被保険者
  • 短期雇用特例被保険者

によって受給手続きの方法が異なるので注意してください。

被保険者ごとに受給手続きの方法を紹介します。

一般被保険者の手続き方法

一般被保険者が失業保険を受給するためには、求職活動を行わなくてはいけません。

なぜなら、失業保険は失業後の生活の安定と再就職支援を目的としているため、求職活動がないと働く意思がないとみなされ、失業保険をもらえないからですね。

求職活動とは、

  • 求人への応募
  • 民間またはハローワークでの職業相談
  • セミナーの受講

などを行うことです。

求人誌の閲覧だけでは求職活動と認められないので注意してください。

求職活動をしたら、求職活動の実績となる証明印を、雇用保険被保険者証の裏へもらいましょう。

手続きに必要な書類と、失業保険を受給するまでの流れは以下のとおりです。

【失業保険の手続きに必要な書類】

  • 雇用保険被保険者証
  • 雇用保険被保険者離職票(退職後に会社からもらう書類)
  • 身分証明書(運転免許証など)
  • 個人番号(マイナンバーカード)
  • 印鑑
  • 写真2枚(縦3㎝×横2.5㎝)
  • 本人名義の通帳

【失業保険をもらうまでの流れ】

  1. 必要書類を持ってハローワークへ行くこの時、離職理由が間違っている場合は修正手続きを行ってください。
  2. 受給説明会へ参加指定された日時に説明会へ参加します。
    説明会後、「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」をもらうので第1回の認定日に持参してください。
    ※失業保険をもらうためには受給説明会へ参加する必要があります。
    <持ち物>

    • 筆記用具
    • 印鑑
    • 雇用保険受給資格のしおり
  3. 7日間の待機期間7日間の待機期間中は失業期間になるため、離職理由に関係なくアルバイトや内職などはしないように注意してください。
  4. 第1回の失業認定日認定日までに求職活動を行う。
    会社都合退職者…1回
    自己都合による退職者…3回以上
  5. 2回目以降は4週間に1度、失業認定日が設けられる認定日までに求職活動を2回以上行う。
  6. 基本手当が振込まれる失業認定日の数日後に、基本手当が指定口座へ振り込まれます。

高年齢被保険者の手続き方法

高年齢被保険者が失業した場合、高年齢求職者給付金として、基本手当日額の50日分(算定基礎期間が1年未満の場合は30日分)がもらえます。

65歳以降は年金が支給されることや短時間就労や非雇用での就労を希望する人が多いことが考えられるので、一時金というかたちで所得補償が行われます。

高年齢求職者給付金をもらうまでの流れは以下の通りです。

  1. 失業したら居住地を管轄するハローワークに行く
    <持ち物>

    • 離職票
    • 個人通知番号
    • 身分証明書
    • 印鑑
    • 最近撮影された写真
    • 本人名義の通帳
  2. 受給要件を満たしているか高年齢受給資格の決定が行われる
  3. 「高年齢受給資格者証」が交付される
  4. 7日間の待機期間を経て指定された失業認定日にハローワークに出向いて失業認定を受ける
    <持ち物>
    高年齢受給資格者失業認定申告書(受給資格決定時にハローワークから渡される)
    失業認定日から7日程度で高年齢求職者給付金が指定口座に振込まれる
    ただし、正当な理由がなく自分の都合で退職したり、自分の責任による重大な理由で解雇されたりした時は、3ヶ月の給付制限があります。

高年齢求職者給付金を受けられる期限は、離職した日の翌日から1年間なので、手続きは早めに行ってくださいね。

日雇労働被保険者の手続き方法

日雇労働者の場合、「日雇労働求職者給付金」がもらえます。

日雇労働者は

  • 日々就業と失業を繰り返す
  • ある期間は比較的に失業することなく就労し、ある期間は継続して失業している

の2パターンに大別されることから、給付の種類も2種類に分かれます。

日雇労働求職者給付金をもらうまでの流れは以下のとおりです。

  1. ハローワークで日雇手帳の交付を受ける手続きが完了すれば、雇用保険日雇労働被保険手帳を受け取れます。
  2. 日雇で働いたら派遣会社に日雇手帳を提出して印紙を貼ってもらう失業した(派遣会社に予約登録していたが派遣されなかった)月の前月と前々月の2ヶ月間に、通算26枚以上の印紙が手帳に貼られていれば、失業した月に給付金を受給する資格が発生します。
  3. 受給資格がある月に失業したら、失業した日の一定時限に指定されたハローワークに行く<持ち物>
    • 日雇手帳
    • 労働者派遣契約不成立証明書(失業の日の前日までに派遣会社に自分で発行を求める)
    • 失業の認定(及び不就労日)に関する届書
  4. 常用就職の相談をする
  5. 失業の認定
  6. 給付金の支給現金なら当日に、口座振込みは後日支給される。

対象者や支給額など日雇労働求職者給付金の詳細については、最寄りのハローワークで確認してくださいね。

同じ派遣会社で週 20 時間以上、日雇(単発)の仕事で働く状態が一定期間続けば、その派遣会社で一般被保険者として雇用保険 に加入できる可能性が出てくるので、その点も留意しておきましょう。

短期雇用特例被保険者の手続き方法

短期雇用特例被保険者が失業した場合、特例一時金として、失業保険の基本手当日額40日分をもらえます。

短期雇用特例被保険者の人は、就職と離職を繰り返すかたちで就労をしているため、一時金という形で所得補償が行われます。

ただし、特例一時金は1回しか受け取れません。

注意

特例一時金は、本来30日分の支給ですが、当分の間は暫定措置で40日分の支給となっています。

特例一時金をもらうまでの流れは以下のとおりです。

  1. 失業したら居住地を管轄するハローワークに行く<持ち物>
    • 離職票
    • 個人通知番号
    • 身分証明書
    • 印鑑
    • 最近撮影された写真
    • 本人名義の通帳
  2. 受給要件を満たしているか特例受給資格の決定が行われる
  3. 「特例受給資格者証」が交付される
  4. 7日間の待機期間を経て指定された失業認定日にハローワークに出向いて失業認定を受ける<持ち物>
    • 特例受給資格者失業認定申告書(受給資格決定時にハローワークから渡される)
  5. 失業認定日から7日程度で特例一時金が指定口座に振込まれるただし、正当な理由がなく自分の都合で退職したり、自分の責任による重大な理由で解雇されたりした時は、3ヶ月の給付制限があります。

特例一時金を受けられる期限は、離職した日の翌日から6ヶ月間なので、手続きは早めに行ってくださいね。

受給要件や支給額など特例一時金の詳細については、最寄りのハローワークで確認してください。

まとめ

雇用保険に加入し、受給資格があれば、派遣社員でも失業保険を受給することができます。

ただし、被保険者の種類によっては、日雇労働求職者給付金、特例一時金などが代わりに支給されることもあります。

まずは自分の被保険者種類は何になるのか、その場合の失業保険受給の際のポイントは何かをしっかりおさえておくことで、失業から再就職までのあいだ、収入面の不安を少し軽くできるのではないでしょうか。

最後に当記事の監修者の「社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村真里子氏」と「社労士事務所志代表の村井志穂氏」お二人からからアドバイスいただいたのでご紹介します。

中村真里子氏
中村真里子氏からのアドバイス

派遣社員の方でも雇用保険に加入していれば、一般の正社員の方と同じように失業保険(基本手当)がもらえます。

雇用契約の際に雇用保険に加入しているかチェックしておきましょう。

できれば雇用保険被保険者証をもらっておくとよいと思いますが、本文にもありますように退職時に渡す会社もあります。

「雇用保険被保険者証」はずっと必要なものですのでなくさないように大事に保管しておきましょう。

妊娠、出産、育児、介護など働きたい意思はあるのに、今現在働けない場合には「受給期間延長」の手続きを行ってください。

せっかくもらえるはずだった手当をもらい損ねないよう、わからないことはマメに調べるようにしておくとよいと思います。

■監修者プロフィール
社会保険労務士・FP 中村真里子事務所
中村真里子氏
社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー(CFP)
仕事は経理事務が長く、裕福ではない家庭で育った経験、がんサバイバーとしての経験、現在直面している介護の問題などを皆さまにお伝えして参考にしていただければと思います。

家計管理や社会保険制度の周知、20代の頃からの株式投資経験を基に資産形成のお手伝い(金融商品や保険商品は販売しておりません)、今後は成年後見制度に力を入れたいと考えています。

村井志穂氏
村井志穂氏からのアドバイス

会社を辞めることになったとき、再就職までの収入面の不安が真っ先に浮かぶ人は少なくないと思います。

会社を辞めることになった時、失業保険をどの程度もらえるのか・失業中にどのようなサポートを受けることが出来るかを知っておくことで、その不安はいくらか軽減できるのではないでしょうか?

失業保険に関する知識は、自分自身だけでなく、家族や周りの人になにかあった際にも役立てる知識といえるので、しっかりと調べてみることをお勧めします。

■監修者プロフィール
社労士事務所志代表
村井志穂(むらいしほ)氏

【社会保険労務士会登録番号】第23210035号
【愛知県社労士会登録番号】第2313540号
椙山女学園高等学校 椙山女学園大学卒業

人事労務関連のソフト会社に入社後、カスタマーサポート・マーケティング・システム開発に携わる。

社会保険労務士資格取得後は、システムエンジニアとして勤めつつ、自身の事務所を開業。システム開発の経験を活かした、Office製品を利用した業務効率化ツールの提供も行っている。